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おこらないことがおこるの巻

【電池買うのに15分待った事件】
ディスカウント家電店に、コードレス電話用充電池を買いに行った。
持参した電話機の取説を手に、電池売場で対応電池を探していたところ、男性店員に声をかけられた。
「なにかお探しですか?」
見れば胸に『研修中』のバッチをつけた、いかにも若いお兄さんである。
「ええ、ちょっと電池を」
電池くらい自分で探せると思ったが、彼は希望に満ち溢れた研修員である。その意欲に応えてあげなければと思った。
「これがほしいんですけど─」
私は開いた取説のページを指差した。各種消耗品の型番が載っている一覧を。
「少々お待ちください」
若すぎる研修員は私から取説を受け取ると、先ほどまでの私と変わらぬスロー・スピードで、陳列商品を一つ一つチェックしていった。
「ここにはないようなので、確認して来ます。コレお借りしてもいいですか?」
若すぎる研修員は 人質 取説を持って、店の奥に消えて行った。
5分待った。
戻って来ない。
自分で探すこともできない。肝心の取説がないので型番がわからない。
若すぎる研修員が戻ってきた。
「もう少々お待ちください」
奥で何を確認してきたのかは不明だが、さっきとまったく同じように、陳列品を一つ一つチェックし直している。
「やはりお取り寄せになりますので、レジの方に来ていただいていいですか」
そこまで珍しい電池とも思えなかったが、取り寄せになると言われたのでは仕方ない。おとなしくレジについていった。
若すぎる研修員は、コンピュータに取説に載っている型番を入力してから、「あっ」と言った。
「これは、メーカーに問い合わせてみないとあるかどうかわからないので、今からメーカーに電話してみます。ちょっとお時間がかかりますが、いいですか?」
チラッと時計を見たら、お兄さんにつかまってからすでに15分が経過していた。
それに、メーカーに問い合わせる必要があるとはまったく思えなかったので、私は柔和な笑顔を浮かべてお兄さんに伝えた。
「いえ、そこまでは時間がありませんので、また出直します・・・」
店を出た私は、そこから歩いて3分も離れていない、別の大型電気店に行き、自力で電池売場で目当ての充電池を探した。
レジに出す際、念のため取説を見せて「この電池で間違いないでしょうか」と確認した。
「ええ、A-002同等品となっていますから、こちらで使えます」
やっぱりアレで良かったのか──その電池はさっきの店で、お兄さんに声をかけられる直前、まさに私が手に取ろうとしていたものだった。
あの若すぎるお兄さんも、この不況下、やっと就職できた口かもしれない。頑張ってくれい!

【診察券は病院にあった事件】
コレステローラーの私は月一の通院を余儀なくされている。
前回は診察券が見当たらなくて、病院に行く前の晩、さんざん家中を探し回った。
とうとう見つからなかったので、診察券がないまま病院に行った。
窓口で健康保険証を出しながら、低姿勢で詫びを入れる。
「あのぉ、診察券がどこかに行ってしまって・・・」
すると受付の女性が診察券のを取り出して、無言のまま私の名前のカードを探し、
「ありましたから」と涼しい顔で答えた。
何か違和感を覚えた。あの5cmほどもあった分厚い束が、すべて「落とし物」であるわけがない。
診察と会計を終えた時点で、謎は解けた。
受付の女性が、今回も、性懲りもなく、診察券を返し忘れようとしていたのだ。
あんなにいくつもの引き出しを開け、あんなにいくつものバッグを開いた私の労力は・・・。

【郵便局に二度足を運んだ事件】
郵便局というのは、いや金融機関の大半はそうなのだが、必要な物が1つでも欠けていると受け付けてくれない。
二度も足を運ぶのはまっぴらごめんだ。予め通帳の再発行に必要な物をネットで調べ、これでもかこれでもかとばかり、用意万端整えて郵便局へ行った。
「娘さんの通帳ですね?」
「ハイ。保険証と、これが委任状。それと、一応学生手帳も持ってきました」
局員が保険証を見ながら言う。
「まだ未成年でいらっしゃいますね、未成年の方の場合は委任状は必要ありませんので、お返ししておきます。この日付だけ二本線で消して書き直していただければ、先いって必要な時にこの委任状はこのままご使用いただけますので」
「ああ、そうですか」
力が入りすぎて不必要なモノまで持ち込んだが、無事手続き完了。
家に帰ると、留守電が入っていた。
「××郵便局の××です。先ほど通帳を再発行する手続きをしていただきましたが、こちらの方で不備がございまして、もしも可能でしたらもう一度ご足労・・・」
私は再び郵便局に出向いた。
「申し訳ありません、こちらの用紙にご記入いただかなければならなかったのを忘れており・・・」
「いえ、構いませんよ。さっきと同じように書けばいいんですね?」
二度出向いていただいたお詫びにと、局員がタオルをくれた。

私はまん丸くなった。これは異変だ。
それとも、土にかえる準備段階として、まず地球の形と同化しようとしているのだ老化
以前だったら文句か捨て台詞の一つも発していたであろう目に遭っても、怒る気になれない。
なぜならば、それほど自分に自信がなくなっている
これくらいの手際の悪さや手抜かりは、自分もしょっちゅうやっている。
「あなたの方が私よりも脳細胞が若いんだから、もっとしっかりしなさいよ!」
こんなふうに怒りたくても、怒れなくなっている。
なぜならば、自分より年下の人に、自分の子どもたちの未来像を重ねてしまう

それとも単に身体が疲れているからなんだ老化?
怒るのって、それなりにエネルギーが要るからのぉ。
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Commented by ラク太母 at 2010-06-20 19:41 x
ワタクシも「カラダ」と「ロウカ」を連発したい昨今です。
ワタシよりだいぶ若い(はずだ)み茶ママさんがそうなんだから
ワタシがそうであってもそんなにガックリ来ることたあないんだわ~!!

(・・・・そうか?)
Commented by のぐっち at 2010-06-20 21:57 x
私も最近自称(笑)人の良いおばさんになっている気がする。
とか言いながら、近所の家の子には「うちの塀でボール蹴りやめてね!」と言っちゃったりするのですが…
みん子さん的エピソードがとても多く、これはブログに書いてやる!がるるるるるって独り熱しています。
齢取るとへんくつになるって人もいるので、私の場合はそっちだ老化?
Commented by vitaminminc at 2010-06-23 16:03
❤ラク太母さま❤
ラク太母さま、素晴らしい! さすが長距離で鍛えただけありますね! そこで足踏みしながら待っていてください、私すぐに追いついてみせます。(ぃぇすでに身体年齢は抜いてしまっている・・・ぼそっ)
ホント、眠るにも体力が要るんですね。連続して眠れていない分、連続して常に眠い。
持久「眠」の途中で何度か立ち止まって(←覚醒)いるんでしょうけど、目覚めたことすら記憶にないぃぃぃ。
だから寝ても寝ても寝足りなくて、周りからは「疲れた顔しているね」と本人が一番承知していることを指摘され、疲労感を倍増させている今日この頃・・・疲労感を換金できたらいいのにっ!(貯め込んで溜めまっせ)
Commented by vitaminminc at 2010-06-23 16:15
❤のぐっちさま❤
んまあ! 似たようなエピソードが?
ぜひ聞きたいというか読みたいわぁ!(わくわく)
事あるごとに披露してくださいませぇ~。
そういえば私、人のいいふりしてますが、門を開放したまま車で買い出しに出ている間に、近所の若ぇもんがうちのカーポートに自分の車の頭を突っ込んで切り返しに利用しているらしいことを「車の音がしたからママが帰って来たのかと思ったら違ってた」という子どもたちの証言から知って以来、車で出かける時はいったん降りてしっかり門を閉めるようになりました。
だってだって、車の出し入れが増えたせいで側溝の蓋やコンクリートが壊れたら頭にきますも~ん・・・ていうか人んちに不法侵入するんじゃねーっ(怒)
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by vitaminminc | 2010-06-20 19:15 | Comments(4)