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友チョコ事情

 ムスメが今日は午前中から小学校時代の友だちの家にお邪魔している。‘友チョコ’をつくるためである。
 私がムスメと同じ齢の頃は、まだ‘本気チョコ’しか認知されていなかった。まあカレ以外に父親にはあげていたが、‘義理チョコ’なる言葉が認知されたのは、社会人になるかならないかの頃だったと思う。‘義理チョコ’なんてもんが流行り出したとき、やたら鬱陶しく感じた。私はその手のやり取りが性に合わない。でもみんなが渡している手前、自分だけ会社の人たちにあげないというのも居心地が悪い。仕方なく周りに合わせてチョコを用意したものだが、
 これは絶対菓子メーカーの陰謀に違いないと感じてしまう自分の偏屈さがまた鬱陶しかった。

 そんな大人のしがらみを、すでに中二のムスメが体験しているような気がする。‘友チョコ’なる言葉が使われ出したのは、3年くらい前からだろうか。女子校に通っているわけでもないのに、仲の良い女友達と毎年チョコを渡しっこしている。一人に小さいチョコを1個というわけにはいかないから、友達が何人もいたら相当数のチョコをつくらなければならなくなる。仲のいい者同士だけなら、この手作りチョコの交換は、苦痛でもなんでもなく、むしろ楽しいという。問題は、仲の良い友達と、そのほかの友達とのボーダーラインの‘認識’の曖昧さにある。

 数日前、ムスメはクラスの仲良し数人と‘友チョコ協定’を結んで帰ってきた。つまり、片方だけが渡して自分はもらい損ねるということがないように、「○○ちゃん、私の愛を受け取って」「もちろん! 私のも受け取ってね」と確認し合う。
 また、友達に抜けがけして自分だけが別のグループの子にチョコをあげてしまうという過ち──「え~! ○○ちゃんたちにあげたの~?嘘、あたしあげてないよ~」なんてこと──がないように、互いに誰にあげるかということをはっきりさせ、足並みを揃えるためである。人間関係の摩擦を回避するための密談&協定なのだ。涙ぐましい限りである
 それだけではない。14日のバレンタインデー当日では先生の目も光っているから、‘前日に交換しよう’という13日協定まで結んできた。
 親としては、「学校が禁止しているものを持っていったらあかん」と阻止せねばならないところだが、そんなことを言ったらムスメが‘スルー’(無視すること)されることは必至。逆に、「誰かの分を数え忘れてたら大変だから、多めに持っていきなさいよ」なんて助言する始末。

 ああ、私のムスメ時代は楽ちんだった。本命の、しかもフラレる心配のない手堅い相手がいたら、たった1個用意すれば良かったのだから。ムスメに聞いてみた。
「本命チョコをあげたいような男子は誰かいないの?」
そんなもんいるわけない」
 そう答えながら、「○○ちゃんでしょ、△△ちゃんにぃ、××ちゃん、あとは、そうだ、ママにもあげるね・・・」指を折り、数の計算に余念が無いのだった。(私は‘友’か)
 
Commented by みんみん梅桜紫陽花彼岸花 at 2007-02-11 01:55 x
そっかぁー、最近のバレンタイン事情はそないに複雑怪奇なものになっているんやなあ。なんやチョコレート会社の情報操作にまんまと乗っている感じやなあ。逆に言うとチョコレート会社の情報操作がうまいということやな。うまいといえば、確かに日本製のチョコレートはうまい。ベルギー製のがどうのこうのっていうけど、あかんなあ。ゴンチャロフやモロゾフなどに比べたら繊細さがないわなあ。
Commented by vitaminminc at 2007-02-11 15:32
昨日早々と、ムスメが持ち帰ってきた手作りの「トリュフチョコ」を食べました。いやぁ、おいしかったです。今後はホンモノの‘手作り’と称し、カカオの栽培からやって欲しいものです。
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by vitaminminc | 2007-02-10 16:02 | 友チョコ | Comments(2)