2007年 03月 21日
スリッパパ
貧乏臭い話題には事欠かないわが家だが、貧乏女神の私もビックリなのが、出張族のダンナの収集癖。毎回出張から帰るたびに、ホテルのスリッパを持ち帰る。出張族になったばかりのときはホテルのスリッパが珍しくて、
「伊東の保養所(毎年夏に泊まる会社のリゾートマンション)に行くときに持っていくのにちょうどいいね!」
なんてつい褒めてしまったからなのか、ダンナはソレを毎回持ち帰るようになった。確かに白いパイル地のスリッパが入ったパッケージには、こう印刷されている。
『THIS PAIR OF DISPOSABLE SLIPPERS ARE PROVIDED FOR YOUR EXCLUSIVE USE. YOU ARE WELCOME TO TAKE IT WITH YOU. THANK YOU.』
要するに、「清潔、快適な貴方だけの使い捨てスリッパです。ご自由にお持ち帰り下さい。」ということだ。(←日本文も印刷されていたのだな)
そうか、良かった。盗んできたのではないわけね。ということで、ダンナが持ち帰るスリッパの数が4人分溜まった時点で私はダンナに一応知らせておいた。
「もうみんなの分、揃ったから」
しかし。それ以降もダンナは毎回持ち帰るのである。すでに3年分、海辺の保養所で履くスリッパが溜まっている。
ダンナは出張の際、宿泊先のホテルでスリッパを履かないのだろうか。不思議に思って尋ねてみたところ、履いてはいるんだそうだ。例えば5泊するときに支給されるスリッパ5足のうち、3足しかおろさなかったりすると、未使用のスリッパが2足残る。それを持ち帰ってくるというわけ。
これでは溜まる一方だ。保養所で使う分は、すでに3年分ストックされている。ちょうどムスメのスリッパがくたびれてきたので、新しいスリッパを買うまでの間の間に合わせ用に、1足おろすことにした。ムスメは真っ白なスリッパにポスカで可愛いウサギのイラストを描いて履いた。
ところが! ムスメがホテルのスリッパを履いているのを見咎めて、ダンナが文句を言ったのである。
「なんでそのスリッパを履いている! オレがせっかく持ち帰ったものを! しかもヘンな絵まで描いて!」
「え”~!?」
思わずムスメと二人で叫んだ。びっくり仰天である。
「でももう14足も溜まってるよ」と私が説明すると、あろうことかダンナは「それがどーした」と言うではないか。どーしたもこーしたもない。なんたる言い草だ。
「保養所で履く分はもう十分あるんだから、履いたっていいじゃない」と抗議すると、
「おまえらコレを保養所で履く気なのか!?」ときた。
え!保養所で履くのもダメなの? ならば毎回持ち帰る目的は何? ムスメと顔を見合わせた。あまりにおかしかったので、「ヘンな絵」扱いされたムスメが笑いながらオヤジに聞いた。
「じゃあ、いったいいつ使うの?」
「もっと大事な使い道があるだろう」
そうは言ったものの具体的な使用方法を挙げるわけでもなく、ダンナはいつものようにテレビ・ザッピングに没頭してしまった。理解に苦しむ。
私の提案①・・・学校の授業参観に持っていって履く。学校で履いたスリッパの底は毎回外履きのように汚れるから、使い捨てにはもってこいだ。でも底がペッタンコすぎる上にサイズがでかくてひどく歩きにくい。学校の階段で脱げて下にいる生徒の頭の上に落としては申し訳ない。第一どこから見てもホテルの使い捨てスリッパだ。恥ずかしい。履きたくない。却下。
私の提案②・・・災害時に避難所で履く。しかし使い捨てスリッパだけに、3日も履くとボロボロになる。長い避難所生活には不向きである。第一、スリッパを早く片付けたいというキモチが災害を招いてしまいそうで恐ろしい。くわばらくわばら。却下。
今後も増え続けていくことを考えたら、好きな絵でも描かせて子どもに惜しみなく履いてもらうのが一番だ。本日も新たに1足、ムスメのために封を開けた。スリッパパになんと文句を言われようが、無視無視。
「伊東の保養所(毎年夏に泊まる会社のリゾートマンション)に行くときに持っていくのにちょうどいいね!」
なんてつい褒めてしまったからなのか、ダンナはソレを毎回持ち帰るようになった。確かに白いパイル地のスリッパが入ったパッケージには、こう印刷されている。
『THIS PAIR OF DISPOSABLE SLIPPERS ARE PROVIDED FOR YOUR EXCLUSIVE USE. YOU ARE WELCOME TO TAKE IT WITH YOU. THANK YOU.』
要するに、「清潔、快適な貴方だけの使い捨てスリッパです。ご自由にお持ち帰り下さい。」ということだ。(←日本文も印刷されていたのだな)
そうか、良かった。盗んできたのではないわけね。ということで、ダンナが持ち帰るスリッパの数が4人分溜まった時点で私はダンナに一応知らせておいた。
「もうみんなの分、揃ったから」
しかし。それ以降もダンナは毎回持ち帰るのである。すでに3年分、海辺の保養所で履くスリッパが溜まっている。
ダンナは出張の際、宿泊先のホテルでスリッパを履かないのだろうか。不思議に思って尋ねてみたところ、履いてはいるんだそうだ。例えば5泊するときに支給されるスリッパ5足のうち、3足しかおろさなかったりすると、未使用のスリッパが2足残る。それを持ち帰ってくるというわけ。
これでは溜まる一方だ。保養所で使う分は、すでに3年分ストックされている。ちょうどムスメのスリッパがくたびれてきたので、新しいスリッパを買うまでの間の間に合わせ用に、1足おろすことにした。ムスメは真っ白なスリッパにポスカで可愛いウサギのイラストを描いて履いた。
ところが! ムスメがホテルのスリッパを履いているのを見咎めて、ダンナが文句を言ったのである。
「なんでそのスリッパを履いている! オレがせっかく持ち帰ったものを! しかもヘンな絵まで描いて!」
「え”~!?」
思わずムスメと二人で叫んだ。びっくり仰天である。
「でももう14足も溜まってるよ」と私が説明すると、あろうことかダンナは「それがどーした」と言うではないか。どーしたもこーしたもない。なんたる言い草だ。
「保養所で履く分はもう十分あるんだから、履いたっていいじゃない」と抗議すると、
「おまえらコレを保養所で履く気なのか!?」ときた。
え!保養所で履くのもダメなの? ならば毎回持ち帰る目的は何? ムスメと顔を見合わせた。あまりにおかしかったので、「ヘンな絵」扱いされたムスメが笑いながらオヤジに聞いた。
「じゃあ、いったいいつ使うの?」
「もっと大事な使い道があるだろう」
そうは言ったものの具体的な使用方法を挙げるわけでもなく、ダンナはいつものようにテレビ・ザッピングに没頭してしまった。理解に苦しむ。
私の提案①・・・学校の授業参観に持っていって履く。学校で履いたスリッパの底は毎回外履きのように汚れるから、使い捨てにはもってこいだ。でも底がペッタンコすぎる上にサイズがでかくてひどく歩きにくい。学校の階段で脱げて下にいる生徒の頭の上に落としては申し訳ない。第一どこから見てもホテルの使い捨てスリッパだ。恥ずかしい。履きたくない。却下。
私の提案②・・・災害時に避難所で履く。しかし使い捨てスリッパだけに、3日も履くとボロボロになる。長い避難所生活には不向きである。第一、スリッパを早く片付けたいというキモチが災害を招いてしまいそうで恐ろしい。くわばらくわばら。却下。
今後も増え続けていくことを考えたら、好きな絵でも描かせて子どもに惜しみなく履いてもらうのが一番だ。本日も新たに1足、ムスメのために封を開けた。スリッパパになんと文句を言われようが、無視無視。
by vitaminminc
| 2007-03-21 19:20
| 人間
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