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母─後日談

今週月曜の晩─つまり、母が私のところに一泊二日した翌日の晩、母から電話がかかってきた。
「今日届いたわよ、本! 本ッ当に嬉しい、ありがとう!」
土曜の晩に楽天ブックスに発注した、佐藤愛子さんの大ベストセラー「九十歳。何がめでたい」が届いたという知らせだ。
「とってもイイんですってね。みんなが言うから図書館に借りに行ったら、2000人も待っている人がいるって言われたの」
「なら丁度よかっ──」
「順番がきても、借りに来たことを忘れちゃってるかもしれませんねって、図書館の人に言われて。だからよかったわぁ」
「うん、丁度よかった、読みたかった本だったみたいで。私も同じ本を読みたくなって、一日遅れで自分用に買い足して──」
「お年寄りだけじゃなくて、子どもから若い人から、みんな読んでるらしいわね」
「そうだね。私もおかーさん世代の人の考えとかもっと知りたくて、自分でも読んでみようと──」
「本当にありがとう!」
「うん。毎晩少しずつ読んでみて。私も届いたら一緒に──」
「お土産(スノー・ドーム)もありがとう!」
「おかーさ──」
「夢のような二日間でしたわ」
「おかーさん!」
「なあに?」
「風邪、引かなかった?」
「引いてないわ。ちょっと喉がイガイガするくらいで」
でしょうね。そんだけ(こちらの話を聞こうともせず)一方的に大声張り上げてりゃ喉も嗄れますがな。

母は、先の週末の2日間のあいだに、かつて図書館で叱られたことが余程印象的だったのか、二度も語った。
1回目は私が迎えに行った車中。2回目は、ムスメと私と3人で、和食ファミレスでの食事の最中。
いずれも、話す声がデカ過ぎます、もう少し声のボリュームを落としてくださいと頼んだ直後。まるでもれなくついてくるおまけのように話すのだった。
「Gさんと図書館で話してたら、図書館員さんに注意されちゃったの」
そりゃそーだろ。図書館は閲覧の場であって、話をしに行く場所じゃない。
「それも、二度もよ!」
ゲッ!! 何がキライって、あたしゃ公共マナーを守れないヤツが嫌いなんだよ。それを我が母が・・・。
二度も注意されたということは、一度言ってもわからんちんだったってことではないか。恥ずかしい。
「こっちは迷惑をかけないように、小声で話してたのにねぇ」
ゲッ!! 絶対大声だったに違いない。小声でだって、図書館で話なんかするんじゃねー!
「筆談にしろや」
と私が言うのを、冗談として受け取り笑う母。あたしゃ本気です!
この時だって、ファミレス中のお客さんが振り向くくらいのボリュームで話すから、慌ててムスメと2人でたしなめたばかり。
「おばーちゃん、声が大きい」
なのに、ちっとも小声になっていやしない。
五百歩譲って、ボリュームを気にせず好きなだけ声を張り上げ話してもらうとしよう。
ダメダだめだ、絶対に駄目! 
なぜなら母は大声で話すのと連動して、必ず呼吸が荒くなる。
ままままま、そんなにコーフンしないでいいからっっっと止めずにはいられない。

基本的に、私は声が大きい人が苦手だ(特に♂)。
静かに、ゆっくり話す人が好きだ(オダギリジョー的に)。
女性も然り。
子バカになるが、母は40、50代の頃までは、割ときれいな声の持ち主だった。
もちろん、大声で話すような人ではなかった。
母の年齢頃の自分にはない品の良さが、母にはあった(ような気がする)。

幼児といういきものは、やたら声を張り上げる。
甥と姪が小さい頃、何度思ったことだろう──そんなに喚かなくていいよ、ちゃんと聞いてるからね。
母は、我が母は、聴力が未発達な幼児と同じようになってしまったことであるなぁ。
大きな違いあり。幼児の声は可愛いが、母のしわがれ声は可愛くない。
だからこそ、母には筆談を勧めたい。
常にノートとペンを持ち歩く。
相手の言葉が聴き取れないときは、相手にも書いてもらえばいい。
喉も酷使しないで済む⇒風邪と勘違いして不要な風邪薬を飲まずに済む⇒健康保持
「ほほほ、いつも書くもの持ってないとダメねぇ」
ダメだこのリアクション。実行する気、ないでしょう?

昨日楽天から届いた本「九十歳。何がめでたい」を5話ほど読んだ。
著者の佐藤愛子さんは私の母より多分3歳年上。娘さんは私より8ヵ月月上。
同世代母娘とあって、尚更興味深い。愛子さんの言葉を我が母の代弁として、噛み締めながら読んでいる。
『若者は夢と未来に向かって前進する。
 老人の前進は死に向かう。』
ドキッとくる一文が目に飛び込んでくる。
大丈夫、母だけじゃない、私だって誰だって、生まれた瞬間、死に向かっているんだと自分に言い聞かす。
佐藤さんのエッセイからは、高齢者の開き直り的「けっ!」という舌打ちが聞こえてきて、実に小気味よい。
明るくて、元気になれる。
母もちゃんと読んでくれてるといいなぁ。
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by vitaminminc | 2017-11-15 16:59 | 人間 | Comments(0)

忙しい週末

先週末は忙しかった。

金曜日。前日になって急に決まった部署会議。
「病院に予約を入れていたので」という理由(←もちろん深紅の嘘)で出席を拒み、帝国ぃゃ定刻に帰った。
家に着いた私は、その週の半ばにギリギリセーフで届いた車椅子を巨大な段ボール箱から取り出し(もうコレだけで息が上がった)、取説を見ながら開いて折り畳んでの練習。
多くのクチコミを信じ、また専門メーカーが手掛けた製品だけあって、性能的にはまったく問題なし!
しかも販売元が、良心の欠片をつなぎ合わせて設立されたとしか思えないくらい、良心的な価格で提供しているから、ホント助かった。
しかし、車に積み込むのには一苦労。軽量と謳ってはいるけれど、結構重い。
母を連れて行こうとしているところに車椅子は置いてある。が、台数には限りがあるから、出払ってしまっている可能性は否めないのだ。
母は近所の買い物くらいなら二足歩行可能だが、長距離・長時間は絶対無理。今夏、某植物園にお連れした時に確認済みだ。
2年前の熱海・小田原への奇跡の強行軍を最後に、母の脚力は日に日に衰えている。仕方ない、もう91チャイなのだ。
私は折り畳んだ車椅子を抱えると、渾身の力を籠めて車の後ろに載せた。
母が寝泊りする部屋に掃除機をかけ、ベッドの布団に乾燥機をかけた。
居間に戻ってコタローの様子を見たら、どうにも具合が悪そうだ。
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辛そうな表情で、カタツムリのように丸まっている。
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私はコタロー(キャリーバッグ入り)を車の助手席に乗せ、動物病院に急行した。そして、栄養剤と安定剤入りの輸液をたっぷりしてもらってきた。

土曜の朝。実家の母に電話を入れた。
「今から出るから」
これより前、週のはじめには、手紙も送った。
「土曜の朝、家を出る前に電話します。私がそちらに着くのは、それから1時間45分~2時間後になります。到着したら玄関チャイムの音が聞こえるように、必ずテレビは消しておいてください。寒いので、防寒着の用意もお願いします」
いつだったか、実家に着いて玄関チャイムを鳴らしたのに、どうにもこうにも出てもらえないことがあった。いることはわかっていた。携帯から電話もしてみたが、電話にも出ない。家の中で倒れているんじゃなかろうかとひどく心配になった。だって、テレビが大音響で鳴り響いたままなのだから。
携帯で110番しようか迷いだした時、テレビの大音響に負けないくらい大きなクシャミが聞こえた。「ヒャッホイ!」と特徴的なのサウンドは紛れもなく母のクシャミだ。
しかも、テレビのある茶の間にいるに違いない。つまり、テレビを見ているわけだ。
私はテレビが置いてある窓辺に近寄り、テレビの背後にまわった。そして、怪しい人影となって母の視界に入り込んだ。
それにしてもウルセー! このテレビの音量、近所迷惑にならないか?
テレビの音がやんだ。私に気づいたらしい。玄関ドアを開けながら、母が言った。
「道、混んでた? ずいぶん遅かったわね」
私は到着してから10分も待つ羽目になった旨母に訴えた。玄関チャイムもだが、電話の音が聞こえないくらいデカイ音でテレビをつけてるのは問題。緊急の時に困るではないかと言うと、母はしれっと返した。
「あら。電話なんか鳴らなかったわよ」
家の中で私がかけている電話の音が鳴り続けているのを私は聞いている。テレビの大音量をかいくぐるように鳴っているのを。
携帯の発信履歴にもほら─まぁ途中で面倒くさくなって言い争うのは止めたのだけれど。

手紙にあらかじめ注意事項を記して送っておいたので、今回はちゃんとテレビは消して、私が押した玄関チャイムの音にもすぐに反応してもらえた。
母を乗せて一路目的地へ──といいたいところだが、3時間の行程の2時間まで走ったところで、ランチタイムとなった。
ナビに誘導されて初めて通る道だったので、この先走ったところで母の好きな回転寿司やがある保証はない。
「もう、ここでいいね」と、KP寿司に入った。
いつもはKR寿司かSSRなのだが。
母は実際回転寿司が好きで、よせばいいのに話し方教室でもみんなの前で話したことがあるという。
「娘がKR寿司に連れて行ってくれて、ご馳走してくれました、って話したら、急にみなさん笑ったのよ。なぜかしらね」
ヤ~~~~~メ~~~~テ~~~~。
「それは、回らないお寿司ではなく、回転しちゃってたからですよ、おかーさん」
「?」
「ずいぶんシワイ娘だなと、失笑を買ったのですよ、おかーさん!」
たとえ私がセレブで、惜しみなく回らないお寿司をご馳走できたとしても、おそらく母は「回転寿司の方がよかったわ」と平気で言ってのけるだろう。
なぜなら母は、目の前を通り過ぎていくいろんなお寿司をいつもこどものように目を輝かせて見ているから。
KP寿司を出ていくらも走らないうちに、同じ通りにKR寿司があるのに気付いた。
「しまった、もう少し走ってたらKR寿司があったのに」と私は嘆いた。
「KR寿司? さっきのが?」
「いやいや、さっき入ったのはKP寿司。私はどっちかというとKR寿司のが好きなんだよね。おかーさんはSSRも好きだよね」
「あら、さっきのお店はHM寿司だったでしょ? SSRじゃなかったわよ」
「違います! さっき入ったのはKP寿司!」
「HM寿司に見えたけどねぇ」
「KPだってば!」
と、有名回転寿司チェーンの名を挙げ連ねているうちに、案の定曲がる道を1本間違えた。
「どうして? この機械(←ナビのこと)壊れてるのかしらね」
母の大声が狭い車内に鳴り響き、頭が痛くなりかけて間違えたのだということは伏せて、ナビは正常だとだけ答えた。
ついでに、すぐ横でそんな大声を張り上げなくても十分聞こえますとも。
「あら~。自分ではひそひそ声で話しているつもりだったけど。耳の遠い人は、自分の声もよく聞こえないのかしらね」と母は相変わらず大声でつぶやいた。

やっと目的地に着いた。
「ずいぶん遠いのね」と母は言った。
私の家からは1時間で来られるけれど、実家からだと3時間かかるのだと説明した。
母は引き算をした。
「みん子ちゃんとこと、2時間も離れてるのね。もっと近かったらよかったのに」
私は母を車の中に待たせたまま、入り口に走った。そして車椅子を借りられることを確認した。
「うしろに車椅子、載せて来たんだけど、こっちで借りられるから、入り口までは歩こうね」
母に車の後ろの車椅子を見せた。
「あら、こんなのまで用意してくれて。大変だったでしょうに」
「でも今日は上げ下ろしが大変だから、公園のを借りる」
「自分で歩けるのに」
「いや、無理だって」
「そうかしら」
母は、駐車場から公園の入り口までのわずかな距離もきつそうだった。
「だから言ったでしょ」
母が入り口付近のトイレを借りている間に、入園券を買った。
母と手をつないで公園内に入った。
入り口を見上げて、母が嬉しそうに言った。
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「も、み、じ、見ナイト?」
「夜間ライトアップされるんだよ」
ゲートを入ったところで車椅子を借りた。
母を車椅子に座らせて、私は持参した袋の中からニットの帽子と手袋とマフラーとひざ掛けといった防寒グッズを取り出しては母の身につけていった。
「いたれりつくせりね」と母が笑った。
私自身、武蔵丘陵森林公園に足を踏み入れるのは初めてだ。全国で一番最初につくられた国営公園で、広大な敷地は、東京ドーム65個分に及ぶという。
ライトアップは日の入りに合わせて、夕方16時半から。自然が好きな母のために、昼間の紅葉狩りも楽しんでもらおうと、14時半に現地入りした。
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平地だと車椅子を押す手も軽い。ただ、丘陵公園だけあって、なだらかであっても上り坂はしんどい。はぁはぁ言いながら車椅子を押した。
母は途中何度も気にして、「降りて歩くわよ」と言ったが、そんなことをされたら余計大変だ。
車椅子を押しながら、おかーさんと手を繋いで歩くことはできないと説明すると、ようやく納得したのか、おとなしく座って紅葉を愛でてくれた。
植物園だけでもかなりの広さだ。腕がおかしくなる前にいったん休憩所に入って休むことにした。
珈琲やビスケットなどのほかに、クリスマス・グッズが売られていた。
母がスノー・ドームを手に取って「わぁ、なんてきれいなんでしょう」と感嘆の声を上げた。
「おみやげに買ってあげようか?」と訊くと、珍しく遠慮しないで「うん」と頷いた。
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店内はライトアップを待つ大勢の客でにぎわっていた。
車椅子だと動けるスペースが限られている。
迷惑にならないよう店の外に出て、生垣見本園やハーブ見本園などを見てまわった。
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園内にアナウンスが流れ、ライトアップが始まった。
「わぁ~、きれいね」
「もう少し暗くなるともっときれいになるよ」
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北風が強く吹いていたが、母は防寒グッズのおかげで寒くないと言った。
私も車椅子を押しているので寒くはなかった。
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都心部や観光地にはもっとすごいライトアップが施されているのは知っている。
が、ライトアップで浮かび上がる紅葉というのも幻想的で、なかなか良かった。
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細い枝先にまで取り付けられたLED。たくさんの樹林にこれだけの照明を取り付けるのは、本当に大変な作業だろうとしみじみ思った。

感激した母を帰りの車に乗せ、しばし思案した。
本当はそのあと温泉に連れていく計画だったのだが、坂道の車椅子押しでへとへとになったので、安全重視で潔く中止した。
ちょうど金沢の旅行からムスメが帰ってきたところだったので、近所の和食ファミリーレストランに女三代で食べに行った。
ムスコは私たちが家路に着く前に夜間のアルバイトに出てしまっていた。
食事はムスメの驕り。私はデザートのみ驕り(笑)。

コタローの様子がよろしくない。
輸液後はいつもなら少しは食欲の回復が続くのに、いくらかなりとも食べられたのは1回きり。あとはまた食べなくなった。
しかも、水が入ったお皿の前で、じっとうずくまり、しきりに舌を出し入れしている。
これは、飲みたいのに飲めないでいるのでは?

日曜日。老人の朝は早い─はずなのに、母はよく眠っていた。
母に置手紙を残し、9時のOPENに合わせるように、またしてもコタローを病院に連れて行った。
さかんに舌を出し入れしていること。胸元にこぼれた唾液の痕跡があること。今まで嫌がることなく飲んでいたセミントラまで嫌がるようになったことなどを告げた。
「そうか、口内炎かぁ。輸液する時、入れてあげればよかったね。ステロイドを入れようか迷ったんですけど、まだそこまでじゃなかったから止めておいたんですよ」
と先生が言った。
確かに、急に悪化していた。
ステロイドを注射してもらったコタローが、ごはんを口にすることができたのは、お昼近くになってからだった。
食欲不振⇒栄養不足(ビタミンB欠乏)⇒口内炎⇒ステロイド⇒食欲不振 
負のスパイラル!
口内炎にもいいというハチミツも試したが、イマイチに終わった。
土曜の晩、母に書籍を1冊、コタローの口内炎サプリを1本、楽天で注文した。
今は、そのラクトフェリン系サプリが届くのを待っている状態。

母は、なんと通算11時間も眠った。休日の中高生並みの睡眠時間である。途中1回目が覚めたけど、気持ちがいいのでそのままぬくぬく二度寝したそうだ。
あまりにも起きて来ないので、正直焦った。紅葉を見に連れていって、変に疲れさせてしまったことが原因で、昇天してしまったのではないかと思った。
注意深く観察してみると、なんとも健やかな寝息をたてているではないか。そのまま起こさずに食事の支度をした。
お腹を空かせて起きてきたムスメが、おばーちゃんを起こしに行った。
朗らかな母の声。
「あらよく眠っちゃったわ」
母は、紙パンツを穿くようになる前は、頻尿で夜中に何度もトイレに起きていた。
私が勧めてもがんとして穿こうとしなかったくせに、同世代の人に「それに紙パンツって温かいのよ。おなかが冷えないでいいわよ」と勧められるとコロッとなびいた。
以来、夜中に何度もトイレに起きなくて済むようにはなったが、今回のように長時間眠れたのは本当に珍しいと自分でも驚いていた。
「みん子ちゃんが寝る前にお布団(乾燥機で)を温めてくれたおかげかしらね」
ブランチを食べたあと、母のために録画しておいた高野山と空海のテレビ番組を見せながら、母の爪を磨いた。
年輪のように深く刻まれた、母の爪の縦じわ。
やすりで擦ってもなかなか平らにならなかった。
「もっとゆっくりしてってほしいんだけど、明日仕事があるから」と私は詫びて、母を車で送る時間であることを伝えた。
一度車に乗ってから、母は紙パンツを穿き忘れていることを私に告げた。
「でも大丈夫」と母は言う。
「大丈夫なわけないでしょう。2時間かかるのに、もつはずない。渋滞するかもしれないし、絶対に穿いて」
「前に大丈夫だったことあるもの」
「絶対大丈夫じゃないから。途中でトイレに行きたいと言われても、急に停まれないんだよ」
「そうかしら」
「何を根拠に大丈夫っていうの? 押し問答している間に穿いてくれればいいものを」
「前に大丈夫だったから」
「大丈夫じゃないってば! 車の中でお漏らししたら、新車買ってもらうからね!」
母が吹き出し、ようやく車を降りることに同意した。
これだけで10分のロス。
前に、私が古いカーナビにだまされて、大した距離でもないはずなのに、なかなか目的地にたどり着けないことがあった。
その時の母の機嫌の悪くなりようといったらひどいものだった。
カーナビをぼろクソにけなし、新しいカーナビとやらを買ったらどうなのと息巻いた。
そして、「ああ、トイレに行きたい」を横で連発され、運転していても気が気でなかった。それに懲りてカーナビを新調したと言っても過言ではない。
あの日の悪夢をケロッと忘れ、「前は大丈夫だった」と真逆のことを頑固に言い張る母。
でも、もう91チャイなのだ。憎めるわけがない。
今回の母は、実家に送り届けるや否や、勝ち誇ったように言った。
「平気だったわよ」
「何が?」
「1回も(紙パンツの)お世話にならないで済んだわよ」
そりゃ、ほとんど眠っていたからですよ、おかーさん。。。
「ああ、本当にいい2日間だった! ありがとう」












可愛い母を降ろし、埼玉に帰る道中、私はいつも切ない。
























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by vitaminminc | 2017-11-15 14:09 | 人間 | Comments(0)

ラブレター

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 愛するみん子ちゃん

 お手紙嬉しく拝見しました。
 「はじめまして・・・」お手紙書くのは初めてよネー。自分乍ら筆不精だったなあと反省しております。
 七月十一日~十三日は本当にありがとう。幸せをしみじみ味わったせいか、あの日から夢見が善くなりました。
 毎晩、何故か? どうしてか? 大掃除して、せっせとコンクリートを磨いている夢ばかり見て、疲れて情けなくなっていました。
 ところがです。
 みん子ちゃん、孫みん(←ムスメの名)ちゃんがきてくれてから、夢が陰から陽にガラッと変身したのです。
 物事に積極的で明るく、美しい夢を見るようになりました。嬉しい嬉しい事です。
 ありがとう!
 今日は早速朝から鳥がゆ、昼は焼きビーフンを頂きました。美味しくて、ほっぺたが落ちそうです。
 では又、これからは、せっせとラブレターを書きたいと思っています。
 お体には充分気をつけて、皆さん、仲良く元気でお暮し下さい。
 
  九月十日                  みん子母
 みん子様


 先日、91歳の母から届いた書簡である。
 原文をそのまま転記したので、一部訂正あり。私とムスメが帰省したのは、7月ではない。8月11日~13日の誤り。

 母から手紙を受け取ったのは、本人が言うとおり「初めて」とは言わないまでも、年賀状を除いたら、母の娘となって以来、通算一、二通程度。
 敬老の日用に、レンジで加熱しただけで簡単に食べられる中華粥や焼きビーフンを贈ったのだが、その礼として手紙をしたためてくれた。

 亡父は結構筆まめな人で、字もなかなか達筆だった。母は文章を書くのが苦手で、自分があまり字がきれいでないことに劣等感を抱いていた。もっとも私が知る限り、母の字は決して下手などではなかった。小学校に入学した時、学用品に書いてくれた名前なんかも、むしろ「きれい」だった。
 なぜそんなに引け目を感じていたのかよくわからない。ただ、書き慣れた文字を書く父より劣ると自認していたのは確かだろう。
 
 働き盛りで多忙を極めていた40代~50代、母は毎晩寝る前のペン習字を欠かさなかった。ペン習字といっても倹約家の母のこと、日ペンの美子ちゃんみたいな通信教育を受けていたわけではない。
 どこで調達したやら、ひらがなのお手本のようなペラ紙を横に置いて、それを見ながら広告の裏や不要になった紙に書いたり、お手本を紙の下に敷いてなぞったりをひたすら繰り返していた。
 「お父さんの字はほら、一字一字が上手いわけじゃないのよ。字配りが良いのね」
 と、母はゴミ箱から拾いでもしたのか、父の書き損じをながめてしみじみ言ったものだ。
 絵心もあった父は、字に置いてもバランス感覚に優れていたのかもしれない。それに比べて母の字は、一字一字は何年もペン習字を続けていただけにきれいなのだが、文にすると少なからず稚拙な印象を受けた。
 (ひぃぃ。PCが固まって編集機能が無効になってしまい、急遽スマホにて続きをしたためておりますです)
 母の字は、几帳面なくらい、一字一字がすべて同じ大きさで、それが敗因だったように思う。
 文(ふみ)を書くのが苦手だから字がぎこちないのか、字がぎこちないから文を書く気が失せるのか。
 結局、何年も何年も独学で続けたペン習字の成果は、生かされることなく幕を閉じたのだった。

 ここ3年くらいの間に母の聴力は著しく衰えてしまった。電話をかけても会話にならないのは日常茶飯事。最近じゃその電話の呼び出し音も聞こえないらしく、いつかけても出ないので、2階に同居している兄に母の安否を問う始末。
 私は父に似て筆まめな方なので、母の日以降はもっぱら電話ではなく手紙を書くようにしている。
 ある日、私はふと疑問を覚えた。私だけが手紙を書いて、母が「手紙着いたわ」と電話を寄越す。その電話に私が何を言おうが母の耳には聞き取れない。「ごめんなさいね、何を言ってるか聞こえなくて。でもお手紙嬉しかった」と母が締め括る。
 これではキャッチボールになっていない。頑なに返事の手紙を寄越そうとしないのは、握力が弱っていてペンが握れないからなのだろうか。それを確かめる意味もあって、私は手紙に書いた。
 「たまにはお手紙くださいな。昔、生欠伸を噛み殺しながら、あんなに毎晩ペン習字を続けていたじゃありませんか。勿体ないですよ」
 そのあと受けたのが、電話ではなく冒頭の手紙だ。
 驚いた。思っていたよりずっと筆跡も確かで、内容もしっかりしているではないか。91歳が書いたとは思えない。
 ムスメも同様の反応。
 「ご高齢の顧客の中にはペンさえ握れなくなってる方もいるからね。おばあちゃん凄い。若いね!」
 ムスコにも見せてみた。
 「まあ。なんて綺麗な字なのでしょう」⬅ムスコはクソ汚い悪筆。
 母上。貴女は私にラブレターを書くために、毎晩あんなに一生懸命ペン字を習っていたのでしょう。
 貴女の字は、かつて父が書いていた、伸び伸びとした字とは違います。どこか慎ましやかで、少しぎこちないれど、私の目には相変わらず綺麗。
 とてもとても懐かしい字です。またお手紙ください。
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by vitaminminc | 2017-09-18 12:29 | 人間 | Comments(0)

家を出てから帰るまで

服を裏返しのまま着ていたことに
気づかなかった。
朝は二人の子どもが一緒だった。
職場のフロアには今日は11人いた。
みんな気づいたら遠慮会釈なく
笑いながら指摘してくれるはずなのに
なぜ?
裏か表かわかりにくい服なのかというと
まったくそんなことはない。
胸元のボタンからしてアウト。
一目見て裏返しとわかる。
まあ自分を筆頭に、家族、同僚、みんな揃って見逃したわけだけど。
これもやりきれない蒸し暑さのせいなのか?
仕事の帰りに寄ったドラッグストアでは
買い物客や店員のうち、何人かは気づいたに違いない。

だって、裏返しってことがすごくよくわかるんだもの。
普通なら。



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by vitaminminc | 2017-06-30 01:03 | 人間 | Comments(2)

朝っぱらから独り言

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私がカメラを手にしただけで
シェルターに逃げ込むうずぴ
だからうずぴの写真はいつも
マジおんなじ感じ

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おやじ座りして毛繕いする↑
↓乙女なくーちゃん
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やせっぽちのコタロー
寝姿が変
後足だけ座布団敷いてるし


今日はだんはんの祥月命日
なので
今日も東京の東端まで
お墓参りに行ってきやす

仏壇前でも詫びたけど
墓前でもお詫びせねば

落下させて怪我を負わせた上に
油性マジックで
傷を誤魔化したこと

だんはん的には
後者に対して
怒り心頭のはず

ごめんなすわゎい!!
血が出ている擦り傷を
見るにしのびなく
絆創膏で蓋をするかの如く
思わずマッキーで入れ墨を

ほらね、早死にすると
ろくなことないでしょ
生きてりゃ妻の奇行も
阻止できたろうに
さぞや歯痒いこってしょう

こどもたちは元気にしてるよ
まあ、私を筆頭に
みんな仕事で疲れちゃいるけど

ムスコなんか
課題の多さを嘆いてるくせに
バイト掛け持ちして
単位落とさないように
見守ってやって
身代り地蔵になってやるとか

ぉおっと(夫)‼
落としたのは、あたいかい!?










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by vitaminminc | 2017-06-23 06:51 | 人間 | Comments(0)

字が違う

職場の人間関係(といっても相手は約1名)で激しいストレスを感じ、先日の夜、とうとう自宅で発作を起こした。
どのような発作かというと。
服を着替えて櫛をバッグにしのばせてコンビニに出向いたが、そこでは売ってなかった(コンビニにないわけがないと狭い店内を2周してしまった119.png)。
仕方なく先に証明写真を撮ろうと店の前の駐車場に出たら、写真BOXのすぐそばに柄の悪そうな車が停めてあった。ちっとも便利じゃないやんけっと見かぎって、次に道路を挟んで斜向かいにあるドラッグストアの店先に設置された写真BOXを目指した。
ところが、変なおばさん(私)に負けないくらい変な青年が、スーツケースと一緒にBOXの前で煙草を吸っているではないか。
奴もこんな時間(21時30分頃)に証明写真を撮って、プリントされた顔写真が出てくるのを待ってるのだろうか。まさかパスポート用? スーツケースをチラ見しながら、順番的におかしいだろうと勝手にふくらみかけた想像を掻き消した。
仕方なくドラッグストアの中に入り、ダメもとで文具コーナーに足を運んだ。すると、ご丁寧に3種類(パート・アルバイト用、ノーマルタイプ、職務経歴書付き)も置いてあるではないか、履歴書が。
まったく、ドラッグストアの品揃えの良さには頭が下がるョなどと感心しながら、気づけば3種類の履歴書を買い込んでいた。
写真BOX前の人影は消えていた。しめしめ、撮るなら今だ。
中に入って、美肌ナンチャラという、100円違いで3段階用意された美肌加工の真ん中を選択した。
いよいよお金を投入という段になって、財布の中に諭吉といくつかの小銭しか入っていないことに気づいた。
普段、ドラッグストアは「両替お断り」という案内がレジ横に貼られている。私は構わず店内に戻った。
そしてレジの係員に、敷地内の写真BOXを指差しながら、諭吉しか持ち合わせていない旨訴え出た。
レジ店員は推定失業中もしくは失業は時間の問題丸出し(さっき履歴書を買ったばかり)のエセ金持ちおばさんから諭吉を受け取ると、
「9,000円まではお札で大丈夫ですか? 5000円札を入れましょうか? 小銭も500円玉を混ぜた方がよろしいですか?」
と、それはそれは親切に両替をしてくれた。
で、写真BOXに入り直したわけだが、コースを選んでお金を投入してからがこれまた大変だった。
お金を入れると、それまで暗かった画面が点灯して、枠内に顔がおさまるようにイスの高さを調製してくださいとアナウンスが流れた。
私は小人ではないはずなのだが、顔が完全に枠の下になっている。
アガル方の矢印を確認して、そちらにイスをくるくる回転させては座って確認、をいったい何回繰り返したろう。前に入った人はイスの上に立ちでもしたのか? いったい何を撮影したというのか。でなけりゃすごい胴長である。あの喫煙スーツケース男、一見普通に見えたけど。
自分の頭のようにイスをクルクルパー、クルクルパー、させて、ようやく枠内に顔が入った。
チャンスは3回。証明写真でまともに撮れたのは、高校1年の生徒手帳に貼った1枚と、2回目の転職の時に履歴書に貼った1枚、これまでの人生でたった2回。
どーせ不細工に写るだろうと初めから諦めて力を抜いていたせいか、イスをろくろのように回転させ続けて無我の境地に至ったのがよかったのか、それなりには撮れた。
ムスコ「確かに悪い人には見えないけど、どーせおばさんを採用するとこなんて、顔なんか関係ないから、見てないって」
ムスメ「その年で就活なんて言われると、どっちのシューカツなのかわからない(笑)」
終活も大事だと本気で考えちゃいるけれど、まずは生活の糧が大事。
地元の求人案内を読み漁り、これだと思ったところ宛に履歴書をしたため、悪い人には見えない写真を貼り、明日にでも投函するからなと82円切手も貼った。
しかし、夜中にふと天の声に起こされたかあるいは眠れなかったかして、職種の詳細をググって調べたところ、いろいろ体力面、精神面でも厳しいようなことがわかった。
子どもたちはオチョクリながらも応援してくれている。ただ、焦りは禁物だよと忠告もしてくれている。

そうだ。そうだよ。おかしかないか?
仕事そのものが嫌ならまだしも、苦手なもんのために(この齢で)シューカツなんて。あまりにも後ろ向きすぎて、途中から終活になりそう。

もう少しふんばってみるか。
私は私のやるべきことを真面目にこなしていくのみ。
あー(渚の)しんど(バッド)120.png







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by vitaminminc | 2017-06-16 22:09 | 人間 | Comments(0)

ウ母ハハの、イ日ヒヒヒ

今年の母の日に、ムスメがこんな品々↓↓↓をプレゼントしてくれた。
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かわいいハウスBOXに入っていたのは──
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「魔女の宅急便」の黒猫ジジのぬいぐるみ&ハンドタオル。

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さらに、ハウス型の木箱も登場。

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おやおや、中に入っているのは──

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なんと! ムーミン谷のスナフキン(のマグカップ)♪

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ニョロニョロもいるでよ。


グラッツェ、ダンケ、メルシー、ムスメ!
思い起こせばここ数カ月。「仕事辞めたい」を連発してた。
お陰で、寝そべっていたテンションが、むくりと頭をもたげてきたよ。
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更に~チョ、今年はムスコもプレゼントをくれタコス。
ダメもとでリクエストした又吉の「劇場」はもともとダメだったようで、
「ほらコレ。ばばぁ好きだろ?」と言いながら。
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外はかりっと中はほろほろ─まるで倅のごとくなり。
気持ちはしかと受け取った!
グラシアス、ムスコ!




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by vitaminminc | 2017-05-17 11:23 | 人間 | Comments(0)

ゆだったタコ

とある土曜の昼下がり。

かつての仕事仲間ABCDの4人がX町に集まり、ランチを共にしたという。
この4人のうち、AとBはX町と隣接するY町に住んでいる。
この日最も遠方から来たのはC。
Dも本来遠いが、この日は仕事の宿泊研修で、X町からほど近いZ町から来ていた。

さて、メニューを選んで注文をし終えたところで、Cが3人に手土産を配った。
たいへん気の利いた、Cの地元の有名店の焼き菓子と思われた。
するとそのすぐ後で、「あ、私もみんなに─」と言いながら、Dも3人に手土産を配った。
ひじょうに気の利いた、和手ぬぐいであった。
Bは「え~~~?」と焦って隣のAの顔を見た。「どうしましょう、私なんにも持って来てない」
すると、Aはおもむろに自分のバッグを開いた。そして、袋の中身を素早く確認し、開封した。
「こんなもので、すみません」とか言いながら、やはり3人に手土産を配った。

Bはすっかり気が動転した。
まさか、普段気が利かないことで有名なAまでが、みんなに配るものを持って来ていたなんて。
裏切られた気がした。

楽しい会食が終わり、デパートの中をウインドーショッピングして回った。
そこでBは、地元で有名なシフォンケーキを2つ購入した。
「今日は遠くから来てくれてありがとう」とCに手渡した。

帰途。
AとBが同じ電車内で同じ振動に身を任せていると、堪え切れなくなったようにAが言った。
「さっき、みんなに配ったアレ─」
なぜだろう、呼吸もままならないほど笑っている。
「私が配った入浴剤、アレ本当はBちゃんのために持って来たのに─」
「はぃ?」
「広島の、お土産」
「え? ちっとも気づかなかった」
「鞄を開けて、中に入ってる個数を確認して、よし、5個ならイケると思って(笑)」
Aが配ったのは、広島名物、レモンの入浴剤であった。
「1回分じゃショボすぎるけどね(笑)」
「5個入ってたなら、2個ずつ配れたじゃない」
「それだと1人が1個になっちゃう」
「あぁ、そうか」
気が動転したままなのだろう。もはや数も数えられなくなったBに、Aは今更ながら詫びた。
「裏切ってごめん─(笑)」
そして、余った2包をBに渡した。「本当なら5個あったのに─(笑)」

2日後。BからAにLINEが届いた。
「Cちゃんにケーキお渡しできたけど、Dちゃんに何もしなかったことに気づいた」
Aは、Bが2つ買っているのを見て、CとDに渡すのだなと思っていた。
が、2つともCに渡していたから若干驚いた旨伝えた。
「何故いってくれなかったんやー」
いや、遠くから来てくれたCちゃんを労う気持ち、ということで、ギリギリOKなのでは?
Aは思った。なぜなら、何もされていないという点においては、DだけではなくAも同じだからである。
『遠くから』という言葉でみんな納得したよ、大丈夫。
「ただ、Dちゃんに『遠くから』が聞こえていなかったら万事休す」
悪魔のような裏切り者Aは、言わなくてもいいことまでBに伝えた。
地元でお世話になっているから、広島でお土産をえらんだというのに─。
とんだタコ女である。
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by vitaminminc | 2017-04-13 12:46 | 人間 | Comments(0)

テンゴ、ムチョ、エストレス!*

ふた月ほど前に、新人が入って来た。
といっても、時期からもおわかりの通り、新卒ではない。転職組だ。
既婚者で子どももいるらしい。転職してきたからには社会人経験があるはず。
なのに、いったい何を学んできたのか?
首を傾げずにはいられない。

まず、明らかに頭の位置が
人が仕事の説明をしているときに、デスクの上でをして、その上に頭をのっけているからである。
最初、冗談好きな人なのかと思ったが、本人はふざけているつもりはないらしい。
話を聞きながら、メモ一つ取ろうとしない。
余程のキレ者で、すべて丸暗記できるということか。
一通り説明が終わると、「わかりました」でも「ありがとうございます」でもなく、
という言葉が返ってくる。
こんな言葉、子ども以外に言われたことがない。
もしくは、言葉を伴わない、溜息。
我が目、我が耳を疑うのにも、もう飽きた。
常識というものは、ここまで外すことが可能なのか。
感心すらする。

それでも、うまくやっていくしかない。できる限りフレンドリーに接してきた。
きっとものすごく出来る人なのだ。こちらの説明がもどかしくて仕方ないのだろうと。

きれいに裏切られている感じです。
言われたことしかやれません、やりません、やってくれやしません。
例えば、Aという仕事を教わったら、それは毎日やる、を意味するくらい、わざわざ言われなくとも普通は誰でも理解できます。
しかし彼女にはそれがわからないようなのです。
「え? Aですか? 昨日やりましたよ?」と平気で言います。
昨日は昨日の分をやったに過ぎません。今日は今日の分が生まれるのであります。
「注文は毎日入ってくるから、Aも毎日更新されるんだよ」
こんなアホらしい説明をせにゃならんのかい!
案の定、説明して以降も、自発的にやる姿勢が見られません。
毎日「今日もAをやってね」といちいち言うか、メモを渡すかしています。でないとやらねんだもの。
めんどくせーはこっちのセリフであります。
しかも仕事が。システムを理解できていない段階で、勝手に自己判断して勝手に端折ろうとする。気が気でないったらありゃしない。

ただ一つの救いは、彼女の態度の 悪さ 斬新さが、私にのみ向けられているものではなく、だれに対しても同じということ。
いやいや、採用に当たって面接時は、果たしてどうだったのでしょうか?
つか誰だよ、こんな珍しい人を採用したのは。責任とってくりっつんだよ!

ジョン・レノンのイマジンをBGMに、想像してみてください。
あなたがいたって真面目に仕事を教えている最中、相手はデスクの上で肘枕しながら言うのであります。
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{めんどくさいなー)




もう、ギャグ漫画の世界であります。。。145.png



*スペイン語で「ストレスが溜まっている」









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by vitaminminc | 2017-04-07 18:15 | 人間 | Comments(0)

目から鱗が落ちたコトバ

鱗落下コトバ-その1-
昨日、いつも観ていた「尾上松也の古地図で謎解き!」が最終回を迎えた。
番組の終わりに、次週4月5日から始まる新番組を紹介するコーナーがあった。
新しく始まるのは、同じく尾上松也による「謎解き歴史ミステリー」である。
歴史小説家伊東潤氏が新番組のコンセプトについて語っていた。
伊東「現在、我々が広く知っている歴史というのは、教科書から学ぶことが多いんですが、そういったものは、勝者の歴史なんですね。時代の覇権を握った者が、自分に都合の悪い情報を消して、都合のいい情報だけを歴史に遺していく、というのがこれまでの歴史だった。この番組では、消されてしまった歴史、この史実の裏には何があったんだろうというのを、またなぜそれは消されたのか、そういったものを追究してしていきたい。そうすることによって、勝者の考えというものも見えてくると思う」

そうか。そうだよね。勝者の歴史。改めて気づかされた。教科書では教わらなかった裏歴史─新番組にも、大いに期待したい!
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鱗落下コトバ-その2-

同じく先週最終回を迎えたTBSの火曜ドラマ「カルテット」。
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高橋一生が出ているので毎回観ていたが、あるシーンで、松たか子が満島ひかりに言った台詞。
「泣きながらごはん食べたことがある人は、生きていけます」

そうか。そうだよね。ちょっと感動。

余談になるが、「カルテット」の脚本家・坂元裕二氏は、あの高視聴率ドラマ「東京ラブストーリー」(1991年最終回)も手掛けている。
当時、私の印象に残った台詞は、赤道直下のように熱く真っすぐな赤名リカ役・鈴木保奈美が放った言葉。
「24時間好きって言ってて。仕事してても、友達と遊んでても、カンチの心全部で好きって言ってて!」
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この台詞、柴門ふみさんの原作にもあったのか、坂元裕二氏のオリジナルなのか?
若かったねぇ。出演者も視聴者の自分も。

因みに私は、泣きながらごはん食べたことあります。








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by vitaminminc | 2017-03-30 21:39 | 人間 | Comments(0)


日々の暮らしに「ん?」を発見


by みん子

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