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Volare!

毎年町や野山に南の風が駆け抜ける頃になると、TVスピーカーから流れ出るメロディー。
そう、麒麟端麗<生>のテーマ曲。
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Gipsy Kingsの#Volare。
いいな~、この曲。
たぶんスペイン語だろう。
意味なんか全然わからないけど、この曲を耳にするたび、私の魂は地中海へ飛んでいく。

あんまり好きだから、ついにCDを入手169.png
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中央手前の大仁田厚系の人がヴォーカルだろうか。
ウィキで検索したところによると、意外や意外、フランスのバンドだった。
1979年の発足以来、メンバーは変われども世界中で活躍している実力派。
あのチャールズ・チャップリンが、彼らの「マイ・ウエイ」を聴いて涙したという。
私が無知なだけで、日本での人気も高い。今年もつい最近日本公演が行われたばかりとのこと。
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ジプシー・キングスのキング👆ニコラ・レイエス(カッチョイイ!)

それにしてもこのジプシー・キングスというバンド名。
なぜ私は知っているのだろうか─既視感の理由がわかった。
大好きだったドラマ「鬼平犯科帳」(中村吉右衛門)のエンディング#Inspirationも彼らの曲だった!

歌詞カードの和訳を見て、私はぷるぷる震えた。

こんな夢はもう二度と
帰ってこないだろう
ぼくの手も顔も青に染まった
そして急に突風が吹いてぼくをさらっていった
ぼくは無限の空に飛んでいった

 ボラーレ(飛ぶ) オーオー
 歌う オーオー

CMから流れる唄を聴いてイメージしたとおりのリリック。

これにキメタ!
子どもたちは相当嫌がるだろうけど、遺言に書いてやる。
密葬でいい、小さな家族葬でいい。
私の葬儀には、必ずジプシー・キングスの「Volare」を葬送曲として流すべし。
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地中海の桟橋を滑走路に変えて、
海と空の境界線目がけて飛び立つから。






by vitaminminc | 2017-04-28 10:44 | 趣味 | Comments(0)

君の名は、だな

え~~~~っとぉ、今年に入って、1月だったかな、ぃゃ2月に入って間もない頃だったか。
すっかり出遅れましたが、映画「君の名は。」を観に行ったんです。
のんびりしてるとそのうち終わっちゃうってんで。
美しいと世界的に評判の映像。ぜひとも大きなスクリーンで観たかったんです。
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朝一は特別料金で観ることができますから、安全運転で車を飛ばしました。

チケット売り場に着きました。
平日とはいえ、やけに空いていました。張り切って早く着き過ぎたせいでしょうか。
チケット販売員の女性が、空いている座席表を見せてくれました。
あら~~~選び放題です。
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私は迷わず、「Fの8で」と申し出ました。
映画がお好きならおわかりでしょう? 
通路を挟んで真ん中の席が、特等席だってことくらい。
ところが、販売員の女性は難色を示したんですね。
「あの、こちらでよろしいんですか?」
というのも、隣のF-9が、すでに購入済みになっていたからです。
「隣、人がいますけど」
そりゃいるでしょうよ、一番見やすい席なんだから。考えることは皆同じってことですよ。
「いいんです」私は肯定のイントネーションで答えました。「真ん中の、8番で」

上映前にトイレを済ませてから、指定のスクリーンに入りました。
まだ予告が始まっていないので、人はまばらです。
私は自分の席目指して突き進みました。
そして、座りました。
私が座ったと同時に、隣の9番が、(そんなバカな)というリアクションを見せました。
飛び跳ねたように上体を起こすや否や、慌てて自席の右側のアームから、自分の飲み物をどかしたのです。
ものすごく空いているので、安心し切ってて両方のアームを使っていたわけです。
左側のアームには、ポップコーンほか劇場フードを入れたトレーが置いてありました。
彼は、私というシネマモンスターが現れるまで、超リラックスムードで至福の時を過ごしていたに違いありません。

それにしても、私の後に続く入場者が皆無というのは、一体どうしたことか。
私はにわかエスパーになったような気がしました。
隣の席の20代の若者。その心の声が、否応なしに聞こえてまいりました。
──え? え? ヤベー。嘘だろ? 俺、このままこのおばさんと2人で並んで映画鑑賞しちゃうわけ?
  いやいやぃゃいや、ありえねー。だって、隣に人がいるの、わかってたはずだよな? 
  こんなにガラ空きなのに、どう考えても変だろ、この状況。
  うっわ、怖い怖い怖い、マジ最悪。今年に入って最強の厄日。
  かと言って俺が移動するってのは、明らかマズイよな? この人、絶対気分害するよな?
  下手したら、キレたついでに俺に切りかかってくるかもしんねーし。
  まっさかなー、あはは。おとなしそうだよ。きっとこのおばさん、映画が好きなだけかもな。
  でないとしたら、単に頭がイカレてるだけの──

予告編が始まる前に、私の方で移動しました。照明が落ちる前に、影のように素早く右へ。
若者と自分との間に、空席を1つ設けたのであります。
動くに動けず、嘆きに嘆いている(に違いないであろう)若者が、無性に気の毒になったからであります。
怪訝そうな顔のチケット販売員の忠告を無視した己の愚かさに耐えきれなくなったからであります。
そして何より、勝手に妄想している隣の若者の「心の声」に、自分で笑い出しそうになったからなんであります。

いや、もうちょっとは席が埋まっていくだろうと思ったんですよ、特等席の我々が奇異に映らない程度には。
なのに、がら空きの劇場で、1人の若者と1人のおばちゃんが、仲良く並んで座ってるわけで。
不自然です。滑稽です。

空席を設けてよかったです。
年甲斐もなく泣けましたから。
9番もむせび泣いておりました。
私がまだ真横に居座っていたときに、舌打ちもしなければため息もつかず、お行儀よくしてくれていた9番。

我々は、ガラ空きの劇場で、エンドロールが完全に消え、照明がつくまでの間、ずっとスクリーンを観つめていました。
若者よ、君の名を呼ばせて欲しい。
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「映画興治郎!」






by vitaminminc | 2017-03-29 17:53 | 趣味 | Comments(0)
暇ではありません。
家事からの現実逃避で、本日2本目(笑)

皆さま、ご存じでした?

女優の麻生祐未って、奥村チヨの姪だったってこと。
カネボウ化粧品のモデルとして鮮烈デビューした当時、そんな噂耳にした記憶ないんだけど。
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それよりも、私は別のあることを密かに疑っている。
AAA(トリプルA)のメインヴォーカルにして俳優の、西島隆弘。

彼、麻生祐未の隠し子なんじゃないかって。
だって似てるもん。
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少なくとも、血縁関係にあるという奥村チヨよりも、ずっと。




by vitaminminc | 2017-03-19 16:45 | 趣味 | Comments(0)

ムーミン谷の住人

最近めきめき人気が上がっている、俳優の高橋一生。
私の好きな俳優の一人でもありますです。
NHKBSプレミアムで放映された、
桐野夏生原作のドラマ「だから荒野」を見て以来。
つかみどころのない謎めいた人物や、どこか翳のある人、
癖のある人を演じる時の高橋一生がお気に入りです。

しかし、先日発行された雑誌「anan」には裏切られたとです。
やめてくりっつんだよ!
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確かに女性に大人気ですよ。
抱かれたい男性ベスト10にもランクインしているらしいです。
でも、彼の生々しい姿は見たくなかとです。
高橋一生を特集した「anan」の売れ行きは凄いらしいですね。
でもでもホント、やめていただきたかった(T▽T)

なぜなら、私の中で高橋一生は、
ムーミン谷の住人
「ムーミン谷に棲んでいそう」と言ったら、
「わかる~~~」
ムスメも共感してくれたとです。
チワワのようなおとなしい表情の時より、
上目遣いになった時の表情なんか、特に。


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ほらね。

余談になりますですが、
少し前までムスメは「anan」のことをエロ雑誌と勘違いしておりました。
某テレビ番組で、雑誌「anan」の名づけ親が、黒柳徹子であると紹介したのを見て、
初めてエロ雑誌ではないと知ったとです。
本屋に並んだ「anan」の表紙がたいてい官能的?なせいで、
喘ぎ声が雑誌名の由来だと、本気で思っていたそうです。
「anan」に対して、こんな解釈をしていたムスメ(←23チャイ。もうすぐ24)。
その存在自体が、ある意味ファンタジーであります。
ムーミン谷へ帰れ、とムスメに言いたかです。




by vitaminminc | 2017-03-10 19:59 | 趣味 | Comments(0)

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ふてニャン と
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お笑い芸人「ピスタチオ」の小澤慎一朗ニャン 




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旧薩摩藩士、関西実業界の立役者・五代友厚 と、
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尾崎豊




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佐々木蔵之介 と、
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猫のくーちゃん



はい? 猫のくーちゃんなんて知らない?
そりゃそうです、5月に我が家に仲間入りした、推定2歳~3歳の女の子。
那須高原出身です。
どんままさんが単身、那須入りして捕獲。
半年先の冬の厳しい寒さに備えて、愛と執念の保護活動。

くーちゃんは、体の半分が白黒のバク柄で、半分が牛柄。
なので、雌牛のドイツ語「Kuh」から、くーちゃんと名付けました。

先住猫のうずらが、あり得ないくらいのビビリっこのせいで、
慣れるまで一悶着も二悶着もありました。
狭量なうずらが、私のベッドに日に何回もオピッコをしてくれたり(号泣)、
怖いあまり、自分より一回り【小さくて】おとなしいくーちゃんに噛みついたり。
でも、くーちゃんはとっても友好的かつ大人な対応ができるお利口さん。
うずらに、快適空間をつくり出すための「距離感」を
猫パンチを交えて教えてくれたおかげで、今は一応平和です。

でも、自然豊かな那須高原から、蒸し暑く狭い我が家で
心の狭いうずらと一緒にされたストレスでしょう。
くーちゃんは今、ちょっと皮膚疾患を発症中。
ですが、食欲は体の大きなうずらよりも旺盛で、
女の子なのに毎晩雄叫びがすごくて元気です。

猫二匹と一緒に寝られる(いや、実際はうるさくて眠れない)幸せを
ガブガブと噛みしめています。
明日はだんはんの一周忌法要。
頑張ります。


















by vitaminminc | 2016-06-17 16:34 | 趣味 | Comments(2)

天女

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このCM、いいと思いませんか?
「こころの路線図、西武鉄道」
秩父を旅する文学青年・又吉が印象的。
それに何より、旅の終わりに天女(?)が登場するのです。なんたるたおやかさ。はぁ~~~お美しい~~~053.gif
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ロングヴァージョンにももちろん登場するけど、こちらは普通の人間の姿でも結構出てくる。なので私はやはり、短いCMの方がいいなー。
このモデルさん、俳優の満島ひかりと満島真之介の妹さんだそうで。ひかり&眞之介姉弟はすごくよく似ているけど、25歳のみなみさんは、また少し違った面立ち。ソフトな感じですね。
さらにもう一人弟さんがいるらしいのだが、きっと美少年に違いない。おそるべし、美形一族。

by vitaminminc | 2016-04-29 18:57 | 趣味 | Comments(0)

拝啓 大佛次郎様

 私があなた様にほんの少しだけお近づきになれたのは、18の春の日のことでした。当時ボーイフレンドが横浜に住んでいたことから、私たちは、港の見える丘公園の展望台の奥にある、お洒落な洋館に足を運びました。馬蹄形の屋根と赤レンガの壁。それが、横浜生まれの作家・大佛次郎記念館でした。
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 とはいえ、代表作「鞍馬天狗」シリーズのことは有名でしたから知ってはいましたが、読んだことはありませんでした。だから館内を巡り、「大佛次郎」の業績と生涯を様々な資料で紹介されながらも、最後まで距離を感じずにはいられませんでした。

 あの日から30数年が過ぎた或る晩のこと。私は湯船につかりながら、母が提供してくれた産経新聞のコラム「産経抄」を読んでいました。そして、2013年の1月の記事で、再びあなた様に巡り合うことができました。
 今度はうんと距離が縮まりました。あなた様が、無類の猫好きだったことを知ったからです。生涯で飼った猫の数はのべ500匹を超え、さらに、毎日遊びに来る猫もいたとか。
 その中で、特にかわいい子猫が、どこからやって来るのか知りたくなったあなた様は、荷札に次のように書いて子猫に付けたそうですね。
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「君ハドコノネコデスカ」
 
すると、3日程経って、子猫に付けられた荷札を見ると、返事が書いてあったと。 
   「カドノ湯屋ノ玉デス、ドウゾ、ヨロシク」
 あなた様は随筆の中で「君子の交わり、かくありたい」と悦に入ってらしたそうで。
 猫を見るあなた様の、なんと穏やかでやさしいまなざし。
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 いまだにあなた様の作品を読んでいないくせに、勝手に親しみだけがふつふつと湧いております。

by vitaminminc | 2015-03-07 21:27 | 趣味 | Comments(0)

新年あけましておめでとうございます


どうにも昨年あたりから、サーフィンがきつくなってきた。波にうまく乗れない。
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体力的な問題ならば、せめて頭だけでも時流に遅れずついていきたい。
とは思いつつ、気力も沈下しているから、結局淀みにはまっている。

新年早々シケた話になりそうなので、話題を変えよう。
はまっているといえば、もう過去形になるが、昨年はTVドラマ「Nのために」にハマッた。
久し振りだった、毎週あんなに放映を待ちわびたドラマは。
もともとそんなにドラマを見るほうではないのだけど。
脚本といい演出といい映像といい、すべてがパーフェクト。私にとって最高傑作となった。
DVDボックスも入手したいくらいである。
手元に置いておきたいと思った作品(ドラマ)は、これまで「池袋ウエストゲートパーク」や
「白線流し」など結構あったが、結局購入するにいたっていない。
「Nのために」のDVD、欲しいなぁ~。

それに、ドラマを見ただけで、これほど出演者全員に愛着が湧いた作品は、これまでなかった
窪田正孝くん。あなたの声と表情に、おばさん何度泣かされたことか。
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ラストシーンも夢のように美しかった。空の青に、救われた。
湊かなえ原作の映画やドラマは、どれも間違いなく面白い。
だから「Nのために」も、大いに期待しながら観ていた。
しかし、今回はいい意味で裏切られた。
後味の崇高さと映像美で、私の評価では、ドラマが原作を超えた。
それとも、小説を読む私の想像力が落ちたのだろうか。
昨年観たドラマで一番どころか、ここ30年間観た中で一番かもしれない。
いや~ホント良かった!




by vitaminminc | 2015-01-05 18:36 | 趣味 | Comments(0)
「アナ雪」が降らせた大雪に埋もれてしまって、ノー・チェックだった。それだけに、今回観に行った映画には、いい意味で裏切られた。
 もちろん、ネットで映画評はチェックした。5つ星中、概ね星4つ以上。これなら手堅い、
観て損はないだろうと思い、母を誘って観に行ったのだ。
 けど、こんなに面白いとは! ここまで楽しめるとは、正直思わなかった。
 すっごく面白かった!
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「超高速!参勤交代」

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 星1つ欠いたコメントを書いた人たちの難癖は、もっぱら「時代考証」だった。みんなコレさえもっと真面目に(?)考証していたら満点あげられたのに、ってな寸評。言いかえれば、歴史に疎い者にとっては文句なしの満点作品ということだ。
 娯楽映画に徹底的な時代考証を求めたりしたら、その分制約が増えて面白味に欠けてしまう。星が5つになるどころか、3つくらいに減ってしまいかねない。だから、日本史にうるちゃい人を除いて、すべての老若男女にお勧めしたい。

 役者も魅力的だった。
 いわきの弱小貧乏藩の殿様役は、佐々木蔵之介。さすが。品格がある。閉所恐怖症だが、気さくな人柄で、分け隔てなく民に接する、人情味にあふれた殿様。抜刀術の達人で、その剣さばきに目がハートになることまつがいなす。
 そして、持ち前の知恵で何度も藩の窮地を救ってみせる実直な家老に、われらが西村雅彦。もう、家老なんだか過労なんだかわからないくらいの苦労人。体をはって何度も笑かしてくれる、愛すべき人格者。
 さらに、藩で一番年下の武士・弓の名人役に、知念侑李くん。
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 ンもうもう、どうしようもないくらい、超可愛い。この子が話す福島弁の素朴さったらねーのよ、おばちゃん、も~胸がキュンキュン。一番福島弁らすい福島弁だったのではねーがと。
ネイティブ福島弁も知らないくせに大絶賛しちゃうもんね。
 ほかにも、石橋蓮司、市川猿之助、寺脇康文、陣内孝則、伊原剛志、上地雄輔、六角精児に深キョンなど、いい役者が勢ぞろい。あ~、観に行って、ホントえがった。

 もっともっと評判になってもおかしくないくらい面白い作品なのに、イマイチ騒がれていない気がする。
 後味がまた、なんともイイ! 爽快! 落ち込んでたり、ちょっち元気がないそこのアナタ、超高速でこの作品を観に行くことをお勧め。滋養強壮剤よりダイレクトに効くことまつがいなす!

 ど~でもいいが、人からDVDを借りて観た「アナ雪」、私にはイマイチイマニイマサンだった。どこがそれほど面白いのかサッパリ。そりゃ映像はきれいで見事でしたョ。あと、別に好きじゃないけど、歌は確かに耳に残る。でもそれだけ。観終わったあと、頭の上にクエスチョンマークが扇状に並んでしまった。
 私だけがおかしいのか?とふと心配になったが、一緒に観たムスメも「つまらん」という感想だった。あ、もしもアナタが「アナ雪」が大好きでしたらお許しを。我々母娘、おかしいんです。きっとハートが汚れてしまっているんです。おほほほほ・・・

 やっぱり私は日本人なんだな~。福島バンザイ!
 

by vitaminminc | 2014-07-25 18:39 | 趣味 | Comments(0)
 関東地方もようやく梅雨が明けたらしい。
 太陽の季節、そして体温の季節。今日も35℃は超えそうだ。

 私は壺を持っていない。だから壺の代わりに、頭蓋骨の中に大魔王とあくびちゃんを閉じ込めている。
 現金なものである。たっぷり寝ていても、仕事中は何度となくあくびちゃんを噛み殺す。ごめんよ、あくびちゃん。
 その癖、夢中になれることがあったりすると、覚せい剤でも打ったんかいというぐらい、頭が冴える。もちろんこの冴えは、もっぱらフィクションに対してのみ活かされ、決して仕事や勉強など現実的側面ではまったく役に立たない。ネバー。100%、役に立たない。
 それを裏付けてみよう。そもそも私が夢中になれる対象は、この世に存在しないのである。私を夢中にさせてくれるのは、いつだってフィクションなのだ。非現実的世界に存在するもの、非現実的世界で起こる事象、あるいはそういった非現実的夢の世界そのもの。だからこそ夢中になれる。
 話がくどくなってしまったが、私はつくりものが好きなのだ。映画だったり、小説だったり。要するに、現実から逃避することが好きなだけである。
 その日私は、CATVで放映された「ゴールデンスランバー」という映画を鑑賞した。堺雅人主演の映画で、なかなか面白かった。またいつか観てみたくなるような、息の長いタイプの作品だったので、ああ、予約録画しておいて良かったなぁとしみじみ思った。
 次に私は、その同名の原作(伊坂幸太郎/著)をネットで取り寄せた。半分まで読んだところで、予想通り、映画をしのぐ面白さだったので、会社の同僚相手に大絶賛。その同僚とは読書仲間で、私が持っている万木目学作品と、同僚が持っている伊坂幸太郎作品を交換し合うのが常だった。
 ここにきて、逆転現象が起きたわけだ。いつもなら、同僚のほうから貸すよといってくるはずの伊坂幸太郎作品を、私のほうが先に読んで貸す。もとより伊坂好きだった彼女は、当然のことのように言った。
「貸して」
 紹介して、貸すとまで言った以上、「いやぁ、実はまだ半分までしか読んでなくて」と待たせるのも忍びない。ちょうど脂がのって来たところだ。物語も俄然面白くなっている。分厚い長編ゆえ、残り半分といっても、通常の文庫本1冊以上のヴォリュームはあったが、私はふた晩で読み終える決心で臨んだ。
 ところが、面白すぎて止まらなくなった。気づいたら、夜が白々と明けつつある。えらいこっちゃ! 今日も仕事なのに、もう若くもないのに、ほぼ徹夜で出勤とは!
 4時半に読破するやいなや、意地でも寝てやるとばかり、ギリギリまで仮眠をとって、しっかりお勤めを果たした。
 人間、やる時ゃやるものである。睡眠不足にはからきし弱く、本来であれば「仕事にならない」状態に陥っても不思議じゃなかった。それこそ小説のタイトルどおり、黄金のまどろみを享受してこその自分、のはずだった。
 朝一で、バトン(小説)を無事同僚に渡し終えた私は、若干いつもより無駄口が少なく、若干いつもより品位を保ち、若干いつもより真面目に仕事ができた。
 私の頭蓋骨の中の魔王は、睡魔界の魔王だ。フィクション大魔王だけあって、面白い小説が大好物。小説を読んでいる間中、その見返りとして、私に上質な眠り(ゴールデンスランバー)を与えてくれたらしい。
 ふつう睡眠不足の翌日は、疲労ハイでどうにかもっても、翌々日には絶対ガタが来る。それが今回、まったくなかった。
 そう、私は目を開けたまま眠ることも得意だが、目を開けて活字を追いながら、本当に夢を見る─つまり眠る─に等しい優れワザを体得したのである。
 何度もいうが、このゴールデンスランバーは、退屈でわけのわからない学術書の活字を目で追いながら、≪寝落ち≫するのとは全く違う。
 脳は、現実(いつも)以上に、覚醒していた! 

 余談ではあるが、映画版のキャストについて。
 堺雅人は、原作の人物描写が、まさに堺雅人の風貌を指しているとしか思えないくらいだったので別格としても、主人公の元カノ役の竹内結子も良かった。彼女以外、元カノ役は不可能だと思わせるくらい、ハマリ役だった。話し方も、声さえも。だから小説を読んでいると竹内結子の声に変換されるので、すごく愉しかった。
 まだ「ゴールデンスランバー」を読んだり観たりしていないみなさんへ。本作品の場合は、先にヴィジュアル(映画版)から入っていくことをお勧めします。
 映画を観て、ストーリーがわかったあとでも、いや、わかっていれば尚更、小説が愉しく読めます。見事なキャスティングのおかげで、台詞すべてが、映画の出演者の声で再現されるのですョ061.gif
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by vitaminminc | 2014-07-23 15:11 | 趣味 | Comments(0)

日々の暮らしに「ん?」を発見


by み茶ママ