カテゴリ:生きもの( 81 )

追いつかない

とんだ痴れ者です。

20日(月)、コタローは診察台に上がることも出来ませんでした。
こわばった私の両手が握り締める、キャリーバッグの中でうずくまったままでした。
バッグの上にはバスタオルをかけて、人の目に触れることはありませんでした。

受付担当ではなく、女医さんが応対してくれました。
少し困惑した表情で、「今日(きょう)はどうされました?」と訊きました。訊きながら、次の言葉を選んでいるようでした。
「血が混じったヨダレが出るようになったので─」
と私は新たな症状のことを訴えました。
─先生、コタローはやっぱりただの歯肉炎だったんだと思います。その証拠に、こうして出血まで始まったのだから。歯肉炎がだいぶ悪化しちゃったみたいなんです。
『あら、じゃあやっぱりお口のトラブルだったんだ』という私が望む反応を寄越す代わりに、女医さんは、これまで見てきた中で一番やさしい目で、真っすぐ私を見ました。
「今は、もう、どうしてあげることもできないの」
噛んで含めるように言うのでした。
「ステロイドが効かないというのは、もう、身体が勝てなくなってるの。ステロイドを注射してからまだ一週間しか経ってないのに出血が始まったということは、つまりはそういうことなの」
─ステロイド? そういえば、ステロイドを注射してもらったっけ。あれはいつだった? そうだ、おかーさんがうちに来た翌日。打ってもらったのだっけ。
「でも、少しでも炎症を抑えてもらえないかと思って─」
食い下がる私に、女医さんは辛抱強く説くのでした。
「もう薬ではどうにもならないの。この子にとって負担になるだけ。昭和天皇が亡くなる前、毎日のようにその日の下血量がニュースで流れてたの、覚えてます? あれは、もう手の施しようがない状態だったの。病気に勝てなくなると、身体のいろんなところから出血するものなの」
私は咄嗟にオットの死亡診断書の文字を思い出しました。病名は別にありましたが、直接の死因はその病気が引き金となった、『出血性ショック』と書かれていました。病理解剖の結果、(免疫力がゼロになり)ありとあらゆる臓器から出血していた旨、説明されました。

「居ても立ってもいられなくて─」
自分でも不思議でした。頭で理解しているはずなのに、なんで自分はこんな風にずっと受付の前に立っているんだろう。
「気持ちはすごくわかります。でも、もう長くないから、暖かくして、見守ってあげて。好きな物だけ食べさせて」
「全然食べられません」
─『食べられない』から始まって、食べられないままなんです。
「なら無理にあげなくていいから。貴女だってすごく気持ち悪いのに、無理やり食べさせられるのは辛いでしょう? 食べ物なんか見るのも嫌だと思う」
「水はあげてもいいですか?」
「もちろん」
「あの、シリンジで。嫌がるけど」
「嫌・が・ら・な・け・れ・ば。嫌がるなら無理にあげなくていい。猫は飲まず食わずでも一週間くらい平気で頑張っちゃう動物だから。暖かくだけしてあげて」
ハイ、ワカリマシタ、ソウシマス、アリガトウゴザイマシタ─たぶんそんなことを言って、ようやくオカンは受付を去ったのです。
コタローのオカンは、いつからこんなに聞き分けが悪くなったのでしょう。
受付を待っている人はいませんでしたが、待合室には診察を待つ患ニャや患ワン、そのご家族が何組かいて、ずっと私と女医さんのやり取りを聞いていたに違いありません。
帰る背に感じました。振り返って見ることはできませんでしたが、みなさんの視線が、絶対とても、温かかったです。

「なんだよ、コタロー、死んじまうのかよ」
土曜の晩、FIPの可能性が大きいことと、FIPが不治の病であることを説明しても、「何を言ってるのかさっぱりわからない」「頭が真っ白だ」と理解することを拒んでいたムスコでしたが、月曜の「もう長くないって」という私の言葉は嫌でも理解したようでした。

火曜の朝。健気にも、コタローがトイレでウンチをした痕跡がありました。立ち上がるのもやっとの身体で、よくトイレに入れたものだと思います。
先週金曜の晩、わずかながら口にできたマンマ。それが、黒っぽいどろっとした物体に変わっていました。
今まで見たことのない色と形状から、トイレを使えなくなるのは時間の問題だろうと悟りました。
コタローが現在寝ている場所のすぐ脇にトイレを移動させ、コタローに使用しているミニホットカーペットを含め、オシッコシートを敷き詰めました。

仕事から帰ると、ムスコから報告を受けました。
「コタローがトイレに入る手前で力尽きたみたいで、床にオシッコしてた。拭いといた」
すぐに眠眠に使用して余っていた紙おむつをコタローに穿かせ、ホームセンターまでおむつの買い足しに行きました。
「どんどん悪くなる。速いな」
改めてムスコが言いました。
「コタポ・・・」指先でコタローの額を撫でるムスメ。

転々と鮮血を帯びた薄茶色のシミが残るシートを交換する以外、何もしてあげられない自分が情けないです。
血液交じりの、濁ったヨダレ。ひどく汚れた顎を柔らかい布できれいに拭いてあげたいのに、出来ません。
真っ赤に爛れて腫れていて、触れること自体、拷問にしかなりません。
女医さんに言われたように、ただ見守るだけ。

お雛様みたいにやさしく可愛かったコタローでしたが、苦痛で目が吊り上がり、キツネのお面をつけているような面立ちになりました。
瞬膜が開いたままで、どこを見ているのか、見えているのかさえわかりません。
ピンク色だった鼻は薄いグレーにくすみ、肉球は、怖いくらい白くなりました。白い肉球になってしまいました。
名前を呼んでも、ほとんど反応しなくなりました。


気がつくとネットで「笑気ガス」を調べている有様です。


気持ちが全然、追いつきません。









[PR]
by vitaminminc | 2017-11-22 11:22 | 生きもの | Comments(0)

FIPの可能性大

昨日の夕方。
また一段と症状が深刻化したコタローを病院に連れていった。
「こうして診ても口の中は赤くなってない。口内炎というより、気ちが悪いんでしょう」
と大先生。
「セミントラも嫌がる?」
女医さんに聞かれ、
「暴れて抵抗するようになったので、てっきり口が痛いのかとばかり。前はむしろシリンジで飲ませると喜んで舐めてたのに」
「困ったねぇ。どう思う?」
と大先生が女医さんを見た。大先生の診立てが、キー・ガスケル症候群から別のものに変わったのだと私は悟った。
「FIP?」
女医さんが言うのを大先生は否定しなかった。
「FIPというのは─」大先生が私に向き直って説明してくれた。「猫伝染性腹膜炎のことですが、お腹あたりが(腹水や胸水がたまって)ブヨブヨしちゃう湿性型はわかりやすいんですよ。この子はおそらくドライタイプ。正直、ドライタイプのFIPは診断が難しい。血液検査をしても、グレーが多くてね」
「グレー?」
「野良だった子は殆どが猫腸コロナウイルスを持っています。それが体の中で変異して、FIPを発症するかしないかの問題。もちろん発症してれば血液検査でわかりますよ。ただ、わかったところでどうすることもできない。だから敢えて血液を調べましょうと私は言わない」 
ただ病名を絞り込む、それだけのために、コタローの貴重な血を1滴だって無駄にしたくない。
「検査は受けないでいいです。薬はないってことですよね?」
「対症療法しかありません」
私はコタローを覗き込み、「ずっと気持ち悪かったんだね、かわいそうに」とつぶやいた。
女医さんが薬の棚を見上げて大先生に言った。
「姫マツタケ、出してみましょうか。でもまた嫌いなものが増えちゃうだけかな。ストレスになるかな」
「姫マツタケって、アガリクスみたいなものですか?」
「あげてみる?」
「コタローみたいになってる子によさそうですか?」
「1匹だけだけど、ピンポイントに効いた子がいました」と大先生が答えた。「もう、腎臓も肝臓もやられてて、長くはもたないだろうと思ってたような子だったんだけど、復活しましたね。今もふつうに暮らしてるそうですよ」
「あげたいです、コタローにも」
女医さんが棚から小さな袋を取り出して、私に手渡した。
「ただ、恐ろしく高価なんですよ」と大先生。「こういった類いのはみんなそうだけど、中でもこれはね」
「え…どのくらいですか?」
女医さんが答えてくれた。わずか30mlの小瓶に対し、諭吉っつぁんを1人差し出すと、野口くんが2人と小銭になって戻ってくるらしい。
「それはサンプルだから、無料で差し上げます。顆粒タイプのもお試しで1袋ついてるけど、猫はリキッドタイプ(←人がスポイトで与える)じゃないとダメみたい、自分からは食べないから」
帰宅するや否や姫マツタケをググった。医療機関でのみ取り扱いとなっているが、楽天でネット購入できることがわかった。しかも、2000円近く安く。
先生、裏切ってネットで買わせていただきます。生活かかってるもんで。
コタローに与えられるかどうかが問題。
膝掛けにくるんで抵抗できない状態にして、コタローの口の横からまずは1滴たらし入れた。
「カカカカカッ」
初めての味に、口を三角に開いて奇妙な声をあげる。
すかさずもう1滴。
今度は必死の抵抗の末、逃げられた。
本来であれば、コタローの体重だと1日に合計12滴は与えなくてはならないが、初日は2滴に終わってしまった。
病院で、安定剤のホリゾンと腎臓薬セミントラは毎日続けるよう言われたが、その正しさを痛感している。
なぜなら、体を襲うあらゆる不快感に、じっとうずくまり耐えているコタローが、短時間ながらも体を横たえて目を閉じ眠れるのは、ホリゾン服用後、2、3時間だけなのだ。
ほんのわずかまんまを舐めて、水を飲めるのも、その間だけ。

1日1日と、どんどん悪くなっている。
面立ちがすっかり変わってしまった。 
辛くてカメラを向けられない。
まだ1歳だなんて信じられない。
コタローではない、別の猫の世話をしているような気がする。
すごく高齢で、弱っている重病の猫。
私のそばに寄ってくることもない。
移動するのは、トイレに入る時くらい。
いい子だね。ちゃんとトイレの場所がわかるんだね。

女医さんに、病院で話したっけ。
「すごくたくさん食べてたんです、うちに来た当初は。カリカリを1粒ずつ、庭から点々とまいて、玄関ドアを開けた中までまいて、それで捕まえられたくらいで─」
いつもクールな女医さんが、やわらかい目をして、口元だけ泣き笑いみたいに少し歪めて、黙って頷いていた。
「もう、何でもいいから食べられるもの探して」と女医さんが言った。
「食べないことには体力がね」と大先生も言った。
「私が前に飼ってた猫は─」と女医さんが、「あれ何だっけ、魚の─カワハギだ。カワハギが突破口になった」と教えてくれた。
「カワハギですか?」
「そう。この際、猫の体に良くないと言われてるものでも構わないから、塩分も気にしなくていいから」
「人間も─」と大先生。「なんにも食べられなくなった病人でも、アイスクリームは口にした、とかあるでしょ?」

今夜あともう1回、姫マツタケエキスを4滴与えたい。
そうすれば今日1日の使用量をクリアできる。
今はまだホリゾンの力で横になって休んでいるから、もう少しあとになってから。

「薬=ストレスを与えている」というのが、なんともツライ。
コタローは、私が近づいただけでストレスを感じてるだろう。
あ、頭を起こした!

姫マツタケ様、コタローの体の中で大活躍してくれることをひたすら祈ります!








[PR]
by vitaminminc | 2017-11-19 17:39 | 生きもの | Comments(0)

キー・ガスケル症候群?

コタローの病名がほぼキー・ガスケル症候群であることわかった。
病名はついたけれど、原因(神経毒)はいまだに解明されておらず、従って特効薬もない。
水が飲めなくて脱水症状に陥ったら輸液、食べられなくなったら強制給餌、目が乾ききったら点眼薬といったように。
キー・ガスケル症候群の諸症状の中で、コタローの症状と合致しているのは、「食欲不振」「元気がない」「瞬膜が出っぱなし」の3項目。
不幸中の幸いで、コタローは前回処方された自律神経調整剤の残りがまだ少しあるので、薬のチカラでわずかながらも毎日餌を食べている。
瞬膜も、一日中出っ放しとまではいかず、気づくと出ている時間帯がある、という感じ。

5日の朝、我が家の猫を3匹まとめて病院に連れていった。
コタローは本来ならワクチンの接種月。とても受けられるような健康状態ではないので、相談のため。
うずらとくーちゃんは、限界まで伸び切った爪を切ってもらうため。

この日の担当は女医さん。動物第一主義が高じて飼い主に厳しい。しかもせっかち。だからのんびり屋の私とは相性が悪い。
コタローを診察台の上に置くや否や、女医さんが険しい声で訊いた。
「今日は?」
「コタローのワクチンの─」
このあと私はこう続けるはずだった。「接種の月ですが、こんな状態なのでもちろん注射はなしで連れ帰ります。今日は相談に来ました」
けれど話を最後まで聞かずにまくしたてられた。
「ワクチン!? どうしてそんなに無理してまでワクチンを打ちたいの? もちろん予防のためでしょうが、こんなに痩せ細って弱っているのに、ワクチンを打ったりしたら、逆にワクチンにやられちゃう!」
「いえ」ようやく説明させてもらえる。「このようにワクチンを打ってもらえるような状態じゃないので、一応相談させていただきたくて」
そして、1/2錠だとコタローには強すぎたので、1/4錠にして飲ませたこと、量を減らしただけ食べられる量も減ったこと、薬服用後は顎の筋肉がおかしくなるのかやたら歯ぎしりしながら噛むこと、薬を飲まないとどうにもこうにも食べないこと、比較的機嫌はよく天使みたい(←すみません、親バカで)なことなど。
女医さんは気の毒そうな声で言った。
「薬がなくなっても、何とかして少しずつでも食べさせないとね。もうワクチンは(打たないで)いいでしょう。外とかに出してないでしょ? なるべくストレスを与えないようにしてあげて」
「ハイ」
「もしも身体によい変化が訪れて、たくさん食べられるようになって、体重が元に戻ったらワクチンを受けに連れて来て」
「ハイ」

うずらを捕まえるのはいのちがけだ。なぜならうずらが死に物狂い(←文字通りコレ)で抵抗、反撃してくるから。
それでも、猫ちゃん用フレンドリー・フェロモン「フェリウェイ」の効果か?
いつもならコブラのごときシャーッ!!(マジ怖い)とゲッ!!という威嚇砲(マジ超コワイ)を連発し、鎌と化した爪を炸裂させ流血騒ぎとなるのだが、この日はゲッ!!一発のみだった。
とはいえ、正気を失ったいきものほど恐ろしいものはなく、こちらの心臓はバクバク。
診察台の上にうずらをのせて、端的に説明した。
「うずらは超ビビリで捕まるまでは凶暴ですが、病院では固まります」
その通り、これ以上小さくなれませんというところまで縮こまって動かなかった。
女医さんは、介助なしで、慣れた手つきで両手両足の爪を切ってくれた。

くーちゃんは、この日キューブ型ハウスの中でまどろんでいるところをハウスごとネットに入れられた(笑)
あとで私が器用にハウスだけネットから取り出し、ネットに入ったくーちゃんをキャリーバッグに入れた。
いつもなら捕まったあとは寡黙になるくーちゃんが、この日は往路車中で鳴いていた。
オシッコがしたかったらしい。
診察台の上にのせる時、いち早く女医さんが失禁に気づいた。
そして、新しい新聞紙と尿取りシートを持ってきて、キャリーバッグの中に敷いてくれた。
私は端的に説明した。
「くーちゃんは、スイッチが入ると凶暴になります。以前ご迷惑をおかけしました。前科者です」
女医さんはちょっとだけ苦笑して、やはり介助なしでくーちゃんの両手両足の爪を難なく切ってくれた。

本日は2匹分の爪切り代1080円也。

女医さんは私にコタローを任せると、自分はうずらとくーちゃんのキャリーバッグを両手に持ち、駐車場に停めてある私の車まで運んでくれた。
猫にはやさしいが、飼い主には厳しい、を撤回。
たぶん、両方にやさしい。

コタローに根気強くマンマを食べさせる。必要に応じて手遅れにならないよう、その都度病院の手を借りる。
諦めずに、ガンバルしかない。
b0080718_22384065.jpg
赤い縞々はエビちゃんの蹴りぐるみ。元気にキックする姿が見られなくなって、早3カ月以上。とても悲しい。










[PR]
by vitaminminc | 2017-11-06 22:43 | 生きもの | Comments(2)

迷走の果てに見えたもの、それは──

皿の底だった。



ようやく光が見えた。実際、皿の底は銀色に光っていた。
エサを入れたのちに見るそれは、本当に久しぶり。
食欲不振による初診が8月上旬。コタローの食欲不振は3ヵ月近くも続いていたのだ。

先週金曜日。
体重を測ったら、2500gしかなかった。
すぐに病院に連れて行った。

「う~~~~ん。困りましたね」と先生もため息。「ステロイドは効かなかったと」
「病院から連れ帰った直後は若干増えましたけど、劇的といえるものではなくて、前回輸液していただいた後と似たようなもので─」
そう。ほんの少し、食べる量が一時的に3口だったのが5口に増えた程度。ステロイドが効いたというよりは輸液のおかげ。
その輸液にしても、痛い思いをした割に「食欲が回復した」とは言えないのだ。
「食道狭窄症でも食べられなくなるけれど、それだと必ず吐いたりするからねぇ」
「全然吐かないです」
「ウンチは?」
「食べる量が微々たるものなので、それでも2日に1回はちゃんとしたのが出ています」
「う~~~ん。となるとやはり胃腸ではないな」
「救いは、こんなに食べられないのに、常に機嫌だけは良さそうなんです。しっぽをぴんと上に立てて、ゴロゴロ言いながらおでこをこすりつけてきたり─」
私の説明を聞いて、先生の目がキラ~ンと輝いた気がした。
「拒食症ですね」
要するに、内臓疾患ではなく神経系の疾患ということだ。猫にもあるんかい、拒食症!
食いしん坊すぎて飼い主を悩ませるワンちゃんが多いのとは対照的に、猫は食べな過ぎて飼い主を悩ませる動物。先生は明快に説明してくれた。
「先生、実は私、藁にもすがる思いでネットで食欲不振で検索して、猫のフェロモンまで買い求めたんですよ。コンセントに差して揮発させるタイプの─」
b0080718_14065877.png
「フェロモンね、以前は3種類出ていましたけど、2種類はもう製造中止になってますね。今残ってるのはフレンドリーになるタイプ」
「え? フェリなんとか(←フェリウェイ)って、食欲不振には効果ないんですか?」
「ない(←言い切り)。とにかくフレンドリーになるタイプですね」
「じゃあもともとフレンドリーなコタローには必要なかったんだ。ほかの凶暴な2匹に使った方がいいかしら」
「うん。そっちに使ってみるといいかもしれないね」
なんてこった! 5000円も投資して必要のないフェロモンを入手するとは。ま、うずらとくーちゃんに使って仲良くさせるか。
フェリウェイは、飼い主に噛みついたり、多頭飼いで喧嘩が絶えない猫、発情期で気が荒ぶっている時などに有効とのこと。

「先生、何とかならないでしょうか。栄養失調になる前に、もう、なんでも試せるものは試したいです! 拒食症に効く薬、ありますか?」
先生は穏やかな笑みを浮かべ、「食欲増進剤のようなものはあります。試しますか?」と言った。
「ホリゾン。これは食欲不振に効きます。自律神経に働きかける薬ですね」
「注射ですか?」
「いや─」先生は実物を見せてくれた。「錠剤です」
b0080718_14082238.png
「え? 錠剤は飲ませられないかも─」
「簡単に水に溶けますよ」
「ならシリンジで与えられますね」
「1日1錠。半分に割って、朝晩1/2ずつあげてみてください」

早速金曜の晩、1/2錠を水に溶いて、コタローに与えた。
コタローはシリンジで飲ませられた後、「心外だ」という顔で、何度もまずそうに舌なめずりしては口中を清めていた。
そして、服用後10分も経たないというのに、なんと! エサが入ったお皿に顔を突っ込んだではないか。
b0080718_14023436.jpg
カリカリをガリガリ歯ぎしりさせながら、音を立てて食べ始めた。
b0080718_14032422.jpg
食欲不振による初診が8月7日。この食いつきっぷり、かれこれ3ヵ月以上目にしていなかった光景。
b0080718_14044254.jpg
入院して点滴を受けた後に少し食欲が出るには出たが、皿の底が見えるには至らなかった。
b0080718_14053585.jpg

私は嬉しくて嬉しくて、とにかく嬉しくてたまらず、そばでずっとコタローの名を呼び続けた。
自然にそうなってしまい、自分でも止まらなかった。悪夢にうなされ、何度も目を覚ますくらい、ずっと気に病んでいたから。

コタローが、生きようとしている! 自律神経調整剤の力を借りてではあるけれど。

ところが、もりもりエサを食べ、ゴクゴク水を飲んだ後、コタローは突然酔っ払いに変身した。
おっととと、おっととと─四肢の踏ん張りが効かず、千鳥足状態。目も完全にイッチャッている。
そのうち、へなへなと床にへたり込んだ。
病院での先生の説明は、こうだった。
「眠くなる成分が入っているから、もしかしたら1日中ずーーーっと寝てばかりいる感じになるかもしれません」

睡魔に襲われているのか? コタローを抱き上げて、寝床に移した。
素直に横たわったものの、すぐには寝なかった。
イッチャッテる目で、くだを巻くのだった。
目を閉じてからも、猫以外の何かが乗り移ったように、しばらくブツブツと寝言をいっていた。
みんなで思わず笑っちゃえたのは、コタローの呼吸がいたって正常だったからだ。
それでも心配になり、【猫 ホリゾン】でネット検索したら、コタローと同じように食欲不振が続いた末にホリゾンを服用した猫ちゃん(17歳♂)のブログにたどり着いた。
その子は1錠服用した15分後に、驚きの食欲回復が見られ、やはり同じように酩酊状態に陥ったとのこと。
まだ診療時間内だったのだろう、飼い主さんが病院に問い合わせると、先生の答えは「効き過ぎたようですね。2時間くらいで元に戻りますよ」だったそうな。

そうかそうか。体重だけみればコタローは子猫と同じ。だからコタローの先生は1錠ではなく1/2錠ずつ飲ませるよう指示していたのだな。
翌日からは、さらに半量─1/4錠ずつ朝晩2回、1日1/2錠に変えてみた。
与える量が減った分、食べる勢いや量が実にわかりやすく減りはしたけど、3回のうち1回は若干酔っ払いに変身する。
服用後は必ず食べてくれるわけだし、コタローには今の量が妥当な気がする。
これで縮んだ胃袋が元に戻って、自律神経のバランスの崩れも修復できたら万々歳だ。
b0080718_14061847.jpg
写真は本日午前中に撮った1枚。

そんなわけで、コタローは只今腎臓の保護薬セミントラ(←おそらくこれは一生)と、自律神経の調整薬ホリゾンを服用中。

追伸:フェリウェイをうずらとくーちゃんがいる部屋(つまり私の寝室)で使ってみた。
穏やか&フレンドリーになるというより、2匹にそれぞれ「わけもなく多幸感に包まれる」症状が出て、元気に遊びまわり、飛びまわっている。
お陰で私は夜中の騒音で睡眠不足。安眠妨害以外のなにものでもない。
このフェロモン、くーちゃんを迎え入れた直後、情緒不安定になったうずらにこそ使ってあげるべきだった。。。。
そうしていたら、あるいはベッドを尿まみれにされることもなかったかもしれず。自分の知識欲の無さがうらめしや。
高価なフェロモンゆえ、ワクチン接種などで病院に連れて行った日にだけ使うとするか。





[PR]
by vitaminminc | 2017-10-29 14:55 | 生きもの | Comments(0)

お助けロイド

今日は、うずらとくーちゃんのゴハン事情について語るつもりでしたが、急きょ予定を変更してお送りしますです。
考えてみたらふたりのマンマは、くーちゃんのマンソン劣頭条虫事件以来ずっとロイヤルカナン消化器サポート(可溶性繊維)。それにコタローの食べ残し(腎臓にやさしい高齢猫用フード)が加わっただけ。語るほどのものではござ~せん。

くまのぬいぐるみのような足をしたくーちゃんと、カメラを敵と思い込んでいるうずらの近影を挟みつつ(神経質なうずらはなかなかカメラでキャッチできないので1枚のみ)、内容はまたしても虚弱体質王子・コタローに関してであります。
b0080718_22593098.jpg

本日夕方、コタローを病院に連れて行きました。
仕事から帰ってコタローのマンマ皿を見たところ、朝入れたまんま(マンマだけに)でした。
こりゃアカン!
コタローを抱っこして体重を計測。
ふ、増えている!(私がな)
これだとコタローの体重が5000gはあって欲しいところ。が、コタローをおろして測り直した我が体重、心まで重くなりました。
んなこたどーでもよい。
差し引き計算したコタローの体重、悲しいことに、2600gを下回ろうとしておりました。
もう手に負えません。
b0080718_22585106.jpg
今回は、私自ら先生に頼みました。
「ステロイドを試したいです」と。
前回先生は言っていました。コタローの食欲がこのまま戻らないようであれば、ステロイドを試すのもありと。
インターネットで下調べしたところ、自己免疫疾患による食欲不振にステロイドはかなり有効らしいです。
また、先生に副作用について訊いたら、次のように教えてくれました。
ステロイドの副作用はずっと続けた場合に生じるものであって、今回のように単発的に与える場合はまず心配ないそうです。それに、人間よりも犬の方が、犬よりも猫の方が、ステロイドの副作用は少ないというデータがあるとのこと。
不思議なことに、ステロイド(いわゆる免疫抑制剤)は、猫の身体と相性がいいようなんですね。
安心しました。
b0080718_22580805.jpg
薬剤入りの輸液はことのほか皮下で凍みて辛いので、先生は少しでも痛みが和らぐよう、希釈の意味も込めて(?)今回もたっぷり輸液してくれました。
投入したステロイドは2種類。速効性タイプと、じわじわ長く効くタイプ。
コタローは3本の注射器が空になるまでの間、じっと耐え抜きました。強いなぁ!
頑張ったのだから、ステロイド治療が功を奏して、もりもり食べられるようになるよ、きっと!
b0080718_23001410.jpg
帰宅してしばらく経つと、ヤケ食いみたいにカリカリを音を立てて食べました!
すごい! 速効性ステロイドの威力でしょーか。久しぶりに耳にする快音です。
でも、だいぶ胃が小さくなっているようで、勢いの割に、食べられた量はまだちょっとだけ。
これからじわじわタイプのステロイドに助けられて、徐々に食欲が増えていくことでしょう。







[PR]
by vitaminminc | 2017-10-13 23:09 | 生きもの | Comments(0)

猫にゴハン

我が家のにゃんこの食事情をば──


b0080718_21175944.jpg
性格的には人懐こくて最も育てやすいのだが、食事面では最も悩まされている。

ま~、ほんとに食が細い。
写真のように、まつ毛も可憐な美少年(←親バカ)のコタロー。
現在、コタローのためのフードの買い置きは、ドライ,ウエット合わせて20種類を超えている。
楽天,ホームセンター,ドラッグストアで買い漁ったありとあらゆるフードが、大きな段ボール箱の中でひしめき合っている。
見向きもしなかったフードでも、諦める必要はない。忘れた頃にあげてみると、今度は食べたりする。
逆に、食べたからといって調子に乗って同じフードをまとめ買いするのは危険だ。2回目は見向きもしなかったりする。

ま~、とにかく食が細い。
いつまで経っても3000gに戻らない。2600g~2800gを行ったり来たり。
デカ王子・眠眠は、コタローと同じ月齢(12カ月)の頃は軽く5000g超えて、先生に「大きな子だねぇ」と笑われていた。
まるで子猫のように軽く、壊れそうなコタロー。


あまりにも食べなくて、こりゃまた病院に連れて行くしかないかな~と思い始める頃、何かを感じ取ったかのように、突然食べ始めたリする。
(あ。そういえばボク、今日ゴハン食べるの忘れてたかも)てな感じである。
それでも、具合が悪いならやはり連れて行くしかないのだが、撫でるとピンと立てた尾が天を指すし、ゴロゴロ機嫌よく喉を鳴らす。
誰かが水道の蛇口をひねろうものなら、どこからともなくすっ飛んできて、流し台だろうが洗面台だろうが飛び乗って、水をねだる。
流水王子・眠眠は器用に顔を傾け、上手に流水を直飲みしたものだが、コタローはとことん下手である。
水の出をうんと細くしてあげても、思い切り鼻に浴びて(なんでやねん)、結局器に入れてあげないと飲めない。

本日も、朝からちょびっとしか食べていないことがわかったので、夕方医者に連れて行くしかないと踏んだ。
でもダメ元でと、うずぴとくーちゃんを捕獲した、あのギロッポン野良猫界の守護神・那須高原のホールデン・コールフィールドが、コタローのために送ってくれたスープタイプのフード「無一物」を小皿に入れてみた。
前回は、2、3度舐めただけで止めてしまい、残りすべてがくーちゃんの胃袋におさまるという残念な結果に終わった。
しかし、今回は素晴らしい「呼び水」となった。
無一文ぃゃ無一物を半分飲んだ後、「シーバ香りのまぐろ味セレクション15歳以上」を私のてのひらから小袋の8分目くらいまで食べられたからである。
この量、昨今のコタローにしてみたら、久々の快挙である。

コタローは、腎臓をいたわるに越したことはないので、腎臓ケアのフードをチョイスしている。
自然、老猫用フードにたどり着く。痩せ方からしたら高カロリー食品を与えたいところだが、子猫用は厳禁なんである。
かといって医療用にしてしまうと、腎臓サポートはあまりにも不味い。
くーちゃんでさえ舌を出さなくなるのは必至。
くーちゃんにはダイエットになるからいいかもしれないけれど、コタローが食べなきゃ意味がない。
その点、11歳以上や15歳以上向けは、体にやさしいだけでなく、美味しさもそこそこ保たれているようだ。
くーちゃんはもちろん、気難し屋のうずぴも意外に(コタローの食べ残しを)食べている。







[PR]
by vitaminminc | 2017-10-12 21:33 | 生きもの | Comments(0)

ゼロじゃなかった(コタロー退院)

 27日。ひたすら回復を祈りつつ、朝一で病院に連れてったコタロー。
 私の目の前で直ちに右腕に点滴器具を取り付けられたコタローは、そのままひょいっと抱っこされて病室に連れてかれた。コタローはおとなしいので、ネットやエリザベスカラーは不要。

 同じ日の夕刻。面会に訪れると、何がどうなったらこうなるんです?てな顔のコタローがうずくまっていた。
b0080718_19575743.jpg

 隣のケージの子が私の気配に興奮して鳴きっぱなしなので、早々に引き揚げた。もっと一緒に居たかったけど幸いなことに、とことん眠くなるのが点滴の魔力。コタローがうとうと眠ってくれたおかげで後ろ髪を引かれずに済んだ。
「ありがとうございました」
 帰ろうとしたら、先生からマッタがかかった。
 血液検査の結果が出ているので説明するとのこと。
 怖いこわいコワイ。耳を塞ぎたくなった。
 椅子に腰かけてドキドキして待っていると、先生が「正常!」と一言。
「あんなに悪かった数値、ほら、このようにほとんどすべて正常に戻ってます」
「え! ホントですか?」
 嬉しくて涙がじわ~~~~。
 目にハンカチを当てながら、「点滴の威力ですか?」と訊いた。
「う~~~ん。正直わからない。何かが原因で、一時的にひどくダメージを受けていたことは間違いないです」
 人間も発熱を伴うような重症の風邪をひくと、一気に腎・肝機能の数値が悪化したり、白血球が異常な数値を示すことがある。コタローもそうだったのだろうか。
 病名(急性腎不全)をつけざるを得ないほどの数値だっただけに、先生もキツネにつままれたような顔をしていた。それでも祝福の笑みを浮かべて、
「これなら明日には退院できます」と太鼓判を押してくれた。
 ただ、今一つ食欲が完全回復には至らないので、帰宅後もずっと食べられないようなら、自己免疫疾患が疑われるので、そっちの治療を試みましょうと言われた。
 熱なし、下痢なし、嘔吐なし。食欲なし。でも、おうちに戻ったら、食欲も戻るかも。

 28日夕刻。
 コタローを迎えに行った。スゴイ! 目に生気が!
b0080718_18330591.jpg
 やはり点滴は皮下注射と違う。血液に入ってダイレクトに身体中を巡るだけのことはある。
「うにゃにゃうにゃにゃ」
 とコタローはしきりに私に話しかけてきた。たぶん、なんでこんなとこに置いてくんだよーと文句を言っているのだろう。が、点滴はとことん眠くなる。文句を言いながら、大口を開けて欠伸を2度3度。
 ほかの子の診察を終えた先生自らコタローを診察室に運んでくれた。
 診察台の上で、点滴器具を取り外してもらう瞬間、コタローが暴れた。針を抜かれるまでおとなしくしてりゃいいものを、なまじ元気になったものだから。ちょいと流血(汗)。

 後部座席にコタローのキャリーバッグを乗せて帰宅。家に着いて車のドアを開けた途端、コタローが飛び出て焦った。
 キャリーバッグの閉め方が甘かったようで、元気になったコタローが中で動き回っているうちに開いてしまったらしい。
「コタちゃ~~~ん」
 と私はつとめてさりげなく、コタローが自由の身になっていることに気づかせないように、そっと玄関ドアを開けて、
「さあ、お入り~~~~、おうちだよ~~~~」
 と猫なで声でお誘いした。
 コタローは敷地内から路地に出ようとしかけ、足を止めた。
(あれ?)
 開け放したドアの向こうに、懐かしいコタローのおうちが両手を広げて出迎えていた。
(そうそう、こっちこっち)
 コタローが思い出したように、すっ飛んで家の中に飛び込んでいった。急いでドアを閉め、私は喜びに震えた。
 奇跡ってあるんだな。
b0080718_18342490.jpg
 先日ムスメと二人で、かつて我が家で暮らし、今は天国にいる猫やわんこのお墓参りをした。そこで今うちに暮らす猫たちの健康を祈念してきたのが、功を奏したに違いない。

 猫は、奇跡だ。奇跡の化身だ。
 会社の元同僚の実家で飼っていた猫も、13歳の時に慢性腎臓病と診断され、「もって3、4カ月」と言われたのに、20歳まで生きたそうだ。
 しかも、危篤状態に陥るたび輸液はしてもらったが、点滴入院は一度もしなかったという。
 さすがに肝硬変になった時は「もって3日」と言われ、家族みんなで見送るための心の準備をしていたところ、突然元気になってむしゃむしゃごはんを食べ、何事もなかったかのように天寿をまっとうしたという。
 この時は先生も「肝硬変はふつう治るわけないんだけどなあ」と驚きを通り越して呆れていたそうだ。

 猫という生き物にとっては、数値が示すものなど時として意味をなさないのかもしれない。自分が生きると思ったら生き続ける、そんなところが(病気に気づかないでいるところが)、ありそうな気がする。

 わずかではあるが、昨日よりも今日の方が食欲が出てきた。
 頑張って食べようね!
 ムスコが言っていた。
「コタローは、食べてる時に背中を撫でてやると、割と食べ続けるよ」
 体重を測ったら、入院前と同じく、まだ2700gのまま。
 元気に動き回っているせいだろう。
 頑張れ! 頑張れ!
b0080718_18334319.png
 


 

[PR]
by vitaminminc | 2017-09-29 20:10 | 生きもの | Comments(4)

ゼロじゃない(コタロー入院)

輸液する前のコタロー
b0080718_10540511.jpg
居間の片隅でぐったり。餌も殆ど食べられなかった。


日曜日。午前中に輸液。晩のコタロー
b0080718_10562452.jpg
夕方、居間の片隅用にと買ったベッド。縁の部分が枕代わりになって、なかなか具合が良さそう。


月曜日。輸液翌日のコタロー
b0080718_10551303.jpg
階段をあがって、2階のホールに置いてあるソフトケージの屋根(ハンモック代わり)に上れた!
でも皮下注射をした痛みだろうか。目が死んでいる。発病前は、ここにいる時は、寝起きであってもいつも得意顔を見せていたのに(T_T)
夜半過ぎに、居間を歩き回ってリハビリ(?)に精を出していた健気なコタローとしばらく遊んだ。
嬉しそうにゴロゴロ喉を鳴らし、私の手を甘噛みした。だいぶ気分が良さそう。


火曜日。輸液後3日目のコタロー
b0080718_10571037.jpg
輸液した水分・栄養剤が、皮膚からじわじわ浸透して、ゆっくり全身に行き渡った頃。
右腕のむくみがなくなり、全身の痛みから解放されたようだ。わずかながら食欲も出てきた。
目に力あり。なんて可愛いんだろう。入院を決めた。

症状が悪化したからではなく、良くなったから入院させる勇気が湧いた。
今頃どうしているかな、コタロー。
診療時間内ならいつでも面会OKらしい。
場所見知りする猫にとって、入院は心的ダメージが大きいよね。
午後の診療が始まる16時頃、様子を見に行こう。迎えに来た!ってぬか喜びさせちゃうだろうけど。
コタロー。無遅刻無欠勤─鍵当番の社員待ちをするくらい早く出勤して、仕事には真面目に取り組んできたけれど、今朝、平気で嘘ついちゃった。
「すみません、だいぶ、体調が悪いので、本日、休ませて、いただきます」
「だいぶ」のあとに「コタローの」が抜けただけで、嘘とは言えないか。いやいや、かなり演技してたよな、声で。






最近のうずぴ
b0080718_12073058.jpg

コタローが口をつけなかった、ありとあらゆるフードをようやく食べるようになった。
警戒心が強いので、食べつけない物にはすぐに舌を出さない、都会育ちの箱入り娘。
ご覧ください、この、おろしたてのように真っ白い清潔な靴下を。ああ眩しい。

グローブ型ブラシにも慣れて、私がブラシを手にはめると必ず「きゃあ113.png」と叫んですっ飛んでくる。
「にゃあ」ではない。「きゃあ」。女子高生なもんで。
利口なくーちゃんは、私が部屋のドアを開けた時点ですでに「ブラッシングしてもらいます」態勢でスタンバっているから、うずぴはいつだって2番目。
でも、くーちゃんの横で、正座している私の膝に額をぐりぐり押し付けながら、まるで自分もブラッシングしてもらっているかのように(←エアブラッシング)背中の次は脇腹、そしてまた背中というふうに身体の向きを変えて身もだえする、JKうずぴ(笑)。



最近のくーちゃん
b0080718_12062305.jpg
コタローの食べ残しのみならず、それを拒否ったうずらの分まで残さずペロリ。
まあ、コタロー用のまんまだから微量ではあるのだけど。
おかげでますますにゃんこ先生(夏目友人帳)の体型に似てきた。小さなアンヨと丸いしっぽも。
b0080718_12064144.png
今年に入ってから、実は黒い毛に白髪と思しき白い毛が混じり始めた。
まさかまさか、推定より遥かに熟女ってこと? 那須高原で捕獲したそこのアナタ、白髪が混じってきたように見えるんですけど?

くーちゃんへのブラッシングは、力加減を誤ると速攻で噛まれるので、要注意。
「違うだろ!」程度な噛み方だけど、くーちゃんだっていつ力加減を誤るやもしれず。
くーちゃんは、うずぴのブラッシングを始めても、しばらくは「うずぴに飽きて、また私に戻るかも」てな体で受けの態勢でいるけれど、見切りをつけた途端、超クール。私の手の届かない場所までサッと移動。
そしてこちらを振り返る顔には「ふん!」と書いてある。いやホント。それ見て何度吹き出したことか。
食い意地は張っているけどプライドは富士の高嶺より高い。
歩いている後ろ姿の可愛さをお見せできないのが、ただただ残念!


 猫の腎不全にお詳しい方は、きっと「バカ! 一刻も早く点滴を受けさせんかい!」と歯ぎしりされていたことでしょう。
 いろいろな事情に邪魔されて、思考回路が遮断されたりするんであります。
 現にコタローを入院させて家に帰って来て、最初に何をしたか、考えたかというと、(居間からコタローが出て来ない、また体調が悪いんだろうか)てなもんです。探しましたよ、さっき自分で病院に連れてって入院させたばかりのコタローを。
 早く回復してくれないと本気で頭が壊れそう。
 
 急性腎不全は、程度にもよるけれど、初期の集中的点滴治療で【回復】する子もいるといいます。
 もちろん、治るわけではないとのこと。それでも中には回復した後、亡くなるまでの間、ずっと点滴や輸液に頼ることなく、セミントラの服用のみで普通に生きられた子もいたそうです。
 過剰な期待を抱かぬようエンジンブレーキは使用しつつ、ゼロじゃないなら前進するしかないでしょう。
 アクセルを踏まない足はない(なんだ、この日本語)。

 ゼロじゃないならば。





[PR]
by vitaminminc | 2017-09-27 12:58 | 生きもの | Comments(0)

水袋搭載

b0080718_15575199.jpg
 コタローの右腕の付け根の球状のコブは、本日たっぷり輸液してもらった証。
 元気がなくて食欲がなくて、どうしようもなくて、やむを得ず病院に連れて行った。
 輸液後なので表情が幾分柔らかだが、病院に連れて行くまでは目の光が消え失せて、素人目にもいかにも病猫にしか見えなかった。
 コタローを一目見るなり、先生も言った。
 「また悪化しちゃったようだね」
 と顔を曇らせた。
 本来なら入院させるレベル。嫌と言うほどわかっちゃいたけど、諸事情により拒否。入院ではなく輸液を希望した。

 慢性腎不全だった眠眠は、初めの頃は進行が緩やかで、即腎臓サポートフードに切り替えて、スタート時の輸液は確か2ヵ月に一度だった。そして検査の数値を見ながら、月に一度、半月に一度、というように徐々に回数が増えていき、通院代が嵩むので在宅輸液に切り替えたのだった。

「入院させる場合は、一週間はみてください」とコタローの先生が言った。「3日間で大体効果の善し悪しがわかります。個体差があるので、入院させたことで数値が下がる子が多いとはいえ、全然変わらない子もいます。中にはかえって数値が高くなってしまう子もいる。入院させる以上絶対治してくださいと言う人がいますが、正直無理です。ただ、3日間様子を見て、数値が変わらなかったり悪化するようであれば、(うちの治療方針としては)退院させます。急性だからといって腎不全が治るわけではないですからね」
 以上、あくまでも急性腎不全のケース。慢性腎不全は3日間で好転しなくても一週間続けることである程度は数値が下がることが多いという。


 私にお金の使い道に困るほどの余裕があれば、入院させていたのかな。
 でも、強烈に連れて帰りたかった。
 入院させて一時的に回復しても、いくらも経たないうちにすぐにまた、入院させる前以上に悪化してしまった眠眠のことが頭をよぎった。コタローの先生は、眠眠が入院した、別の病院の担当医とは全く違う。
 『入院させてあげないとかわいそう』というようなプレッシャーを与えたりしない。一通り詳しく説明した上で、飼い主に決めさせてくれる。

 強烈な拒絶反応を起こしながらも、結構悩んだ。次の患者さんが待っていることが気になったが、結果的にはもう一人の先生が後の患者さんを診ていて、私とコタローは午前の部の最後の患者になっていた。

 入院させて行う点滴は、文字通り血管に細い針を刺して1滴ずつゆっくり注入していくから痛みは少ないし、血液にのって体の隅々まで十分行き渡る利点がある。その一方、時間がかかるので、慣れない環境下に長時間身を置き、自由を奪われることによるストレスは免れない。
 入院させてかえって数値が悪化する場合があるのは、ストレスによるものだろう。高い医療費を支払った結果、かえって具合が悪くなるなんて、飼い主にとっては二重の苦しみだ。

 そして、ぶっとい針を皮膚にぶっ刺す輸液(皮下注射)は、短時間で大量の水分補給が可能であるが、皮膚から漏れ出てしまうことも少なくない。しかも痛みは点滴の比ではなく、かなり辛い。また、写真のように、輸液後浸透するまでの間、身体の一部に水分が集中し、膨れ上がった状態になる。

 輸液を終えて帰宅したコタローは、恐ろしい病院に連れていった悪役=私が近づいても逃げることなく、おとなしく撫でさせた。いいウンチも出た。家に帰れてホッとした表情を見せてくれた。
 
 今唯一の慰めは、セミントラ(腎臓病の水薬)をさほど抵抗されることなく、確実に飲ませられていることくらい。
 「急性」という言葉が頭についている病気の怖さを実感している。眠眠の時の、一体何倍の速さで進んでいるだろうか。眠眠の時でさえ、あれよあれよという間に悪化していった印象なのに。

 だからこそ一緒にいたい。毎日触れていたい。ゆとりのない者にはゆとりのない者なりの方法─ただひたすら愛情を注ぐ─で、コタローの病気と向き合っていくしかない。

 追伸:さきほどムスメと2人で、ペット霊園にお参りに行ってきた。納骨堂に眠る眠眠の遺骨の安置期限が今月いっぱいで切れるので、更新するか共同墓地に埋葬するかの返事がてら、納骨堂への最後のお参りに行って来た。
 亡くなってから一度更新して、1年間延長してもらっていたが、今回はマイ(享年18歳♀猫),ぽぽ(享年15歳♂犬),茶尾(享年3歳♀猫)が眠る共同墓地に、眠眠(享年10歳♂猫)も移してもらうことにした。
 眠眠はじめ共同墓地の面々に、冥福を祈るとともに、うずらとくーちゃんとコタローの健康を祈願してきた。

 霊園に出かける前に、庭でモフを見かけた。もっふもふの見事な毛並みを見て、ああ、元気でいるんだなと安心した。


 


 

 
 




[PR]
by vitaminminc | 2017-09-24 17:35 | 生きもの | Comments(2)

仙猫コタロー(追伸あり)

コタローが一日に口にする食べ物は、ちゅ~るなら1本弱。仙人ぃゃ仙猫か。
頼みの綱のちゅ~るだが、最近これもあまり好まなくなってしまった。

あるいは、ウエットタイプの鶏ササミ・ゼリー仕立て。
これの、ゼリーの部分のみ(オイ)。

殆ど食べてくれない日は、水に溶いた粉末カリウムをシリンジで与える。
栄養失調になると、カリウムが不足して吐きやすくなるという。
これは、眠眠を介護している時に得た知識。今そんなことになったら即脱水症状だ。

こんなコタローにも、まるで奇跡のような日が訪れたりする。
何が原因で体調が良いのやら。
見当もつかないが、朝から元気な鳴き声が響く。
発病前に叫んでいた、あのヤンチャな雄たけびだ。

「なになに、どうしたの?」
嬉しくてコタローを、ガリガリで綿のように軽いコタローを抱き上げる。
クネクネもがく。やっぱり元気。ゆうべだってろくに食べられなかったのに。
昨夜、綿が飛び出た蹴りぐるみを繕ってあげたせいなのか? 巨大エビにタックルして蹴り蹴りしている!
久しぶりに見たぁ~、コタローがじゃれつく光景~。

あまりにも食べないので、いろんな種類のフードを集めて、プラBOXに入れてある。
「なにか食べられそう?」
コタローはBOXの中に丸い頭を突っ込む。いちいち可愛い。
ふんふんと中を調べ、金色に輝くスティック状の袋を口にくわえて取り出す。

「これ食べるの?」
床に置いて私を見上げている。光物に反応しておもちゃにするなら、自分で投げ飛ばしてるはず。

「そうかそうか、食べるのね」
ちょっと前に与えた時には見向きもしなかったけど、今日は食べる気らしい。
見ただけでウッとならないよう、大匙すり切り1杯ほどを上品に皿に盛る。

カリカリカリカリ・・・嗚呼、久しぶりに聴く快音。なんて健康的な音色でしょう。
私は喜びに震えながら、いつでもおかわりできるよう、小袋を手に見守る。
しかし、カリカリいう音は1分で途絶えてしまった。
皿を見ると、半分残ったまま。

(ちょっと疲れちゃったボク)というように、コタローはこれまた珍しく、階段をのぼっていった。
見に行くと、ソフトケージの屋根をハンモック代わりにしていた。
b0080718_07485149.jpg
うん、それでも今日はだいぶ体調がいいみたい。目にも光が宿っている。

コタローは先に述べたように、どことなく犬っぽいところがある。
実は、セミントラという水薬が割と好き。
箱をくわえて来て「飲ませて」とせがむことがある。
味が好きなのか、飲んだ後に気分がよくなるのを学習したのか。

先日、「セミントラの飲ませ方」をムスコに伝授した。
「こうやって左腕で抱きかかえて保定、左手で顔を固定する」
「うん」
「で、顔の横から─牙の後ろのとこに小さなスペースがあるから、そこにシリンジの先をちょっと入れて、ちょっと押す。やってみて」
「─あれ?」
コタローの顎に水分が!
「ちょっと、絶対こぼさないでよ! これ高いんだから」(←このように失敗すると思い、練習では中身は水)
「高いの?」
「いや、値段だけじゃなくて、1滴1滴がコタローにとって大事なの!」
「こんな感じ?」
「そう。一気に押したらむせちゃうから、少しずつだよ。一度嫌にさせちゃうと後々大変だから」
「わかったわかった」
コタローはすでに十分嫌気がさした模様。


上半身と下半身がスクリュー。変わった寝相のコタロー(このまま爆睡することもしょっちゅう)
b0080718_07491743.jpg

冷感タイプの敷物の上で箱座りするコタロー(痩せてるくせにかなり暑がり)
b0080718_07483198.jpg

ブログ更新中、背後のベッドに寝に来たコタロー。痩せっぽちすぎて1才に見えない。まるで子猫。毛艶いと悪し(涙)
b0080718_07553615.jpg


昨日の朝、1年以上振りに庭に現れたモフ! しゃがれ声といい三黄眼といい、相変わらずデビルチックで愛らしい(笑)
b0080718_07563988.jpg
ついでに、襲撃される恐れがあったのでシャッターこそ切れなかったが、隣家の屋根の上に二羽のカラス! ひぃぃ、こっちをガン見!
ここに来るとなんか食うもんあるかもかぁ~~~ カラスに知れてもた。
コタローの食べ残し、外猫ちゃんが来ていないにも関わらず餌皿に入れておくのは厳禁ネ。

追伸:朝からろくすっぽ食べていないので、さきほど(10時半頃)鶏ササミゼリー仕立てをあげたが、案の定一口も食べない。
なのに、フードBOXの真ん前に座ってこっちを見上げている。
「ほかに食べたいものがあるの?」
BOXの蓋を開けてみた。
するとなんと、下の方に入れてあったサーモンのゼリー仕立てのパウチを、わざわざ上のものをどかして咥え上げたではないか。

おもちゃをくわえて来てご主人様の足元に置き、「さあ、遊びましょう!」とアピールする猫ちゃんの動画はよく見る。
コタローは、本当にコレを選んだのだろうか? 食べるために?
いまだ半信半疑で、さっき鶏ササミを入れたばかりの同じ皿に、サーモンを入れてみた。
すると、鶏ササミは除けて、本当に自分で選んだサーモンだけをわずかながら食べた。平らげられないのが悲しいけど。

以前はサーモンを食べないからササミにしていたのだが、その時々によって食べられるものが変わるらしい。
一見わがままなようだけど、発病するまでは好き嫌いなく、与えられたものを食べていた。
なので、今は本人(猫)の意思を尊重するしかない。
それで少しでも食べてくれるなら、私も安心できるというもの。

それにしても、コタローはどうやって中身とパッケージを結び付けているのだろう?
不思議でたまらない178.png








[PR]
by vitaminminc | 2017-09-13 09:38 | 生きもの | Comments(2)


日々の暮らしに「ん?」を発見


by みん子

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

検索

以前の記事

2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 11月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月

ファン

その他のジャンル

画像一覧