カテゴリ:笑い( 60 )

ワタシとコドモ

vs ムスメ

 ムスメと2人でダイエット・レースをしている。
 週に最低1回以上、同じ日の同じ時間帯に体重計に乗る。
 そして、前回の自分と比較して、より減量に成功した方が、相手から300円受け取るのである。

 この競争の言い出しっぺはムスメであった。
「嫌だ」
 と私は断った。
 年齢的に新陳代謝が落ちている。圧倒的に不利である。
 しかし、ムスメは食い下がった。
「友だちとの付き合い上、外で食べないわけにはいかない」と言うのである。
 外食はハイカロリーになりがちだから、こっちはこっちでハンデがあると言うのである。
 金曜の晩に、土曜は朝から。確かに毎週1、2回はしっかり外で食べてくる。
「まあ、いいでしょ」と私はOKした。

 あきれるくらい緩いレースである。増量してたって成立し続けるのである。
 前回の自分より1キロ太ったって、嘆くことはないのである。
 1300g増えちゃったムスメから300円もらえるからである。
 で、今現在、プラスマイナス私が900円勝っていて、体重はと言うと、700g減。
 誤差の範囲である。
 これのどこがレースなのか。
 自分たちに甘すぎるってんで、ムスメが博奕を提案した。
 即ち、それぞれの理想の体重を設定し、より早くそれに到達したら1000円ゲットというもの。

 私もムスメも3キロ減量しなければならない。
 途方もない話である。
 ノー残業デーで早く帰れるというムスメから誘いを受け、駅までムスメを迎えに行って、そのままイタリアンレストランに直行した。
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 ピザ食べ放題。よせばいいのにドルチェまでつくコースを選び、ウップ!となるほど二人で食べまくった。
 もしかしたら、900円負けているムスメの作戦かもしれないと思いつつ、食欲の秋を体現してしまった。

 不毛なレースは続く。



vs ムスコ

 ムスコはよく私をからかう。
 私が録画しておいた番組を熱心に観ていると、わざと視界に入って来る。
 そして、目の前で歌を唄い出す。
 一応私向けにセレクトしているのか、20年近く前のヒット曲だったり、時には昭和歌謡だったり。
「ちょっと、見えないからどいて」というと、小憎らしい表情で、益々テレビ画面に被さってくる。
「それにうるさい。何言ってるのか聴き取れないじゃん!」と文句を言うと、スマホだかiPodだかをいじくって、益々ヴォリュームを上げる。
「今、いいとこなんだから、ホント止めて!」と立ち上がると、
「いい齢して半パン穿いてんじゃねーよ」と抜かす。
「ハーフパンツじゃありません」と反論する。「これは膝丈より長いです!」
 すると、
絶妙なズボン丈のズボンなんか穿いてんじゃね~よ」
  とからかってくる。
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(写真はイメージです)

 怒ろうにも笑いが邪魔して怒れない。
 奇妙なボキャブラリーにやられて、テレビのリモコンの停止ボタンを押すしかないのである。
「絶妙なズボン丈って─」と言い返そうとしただけで笑い崩れてしまう(←アホ)。

 母の笑いのツボを知り尽くしているムスコ。
 新聞を広げるとわざわざその上に寝そべり、人の視界を占領する猫のようである。

 そこまで可愛くないけどな。

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by vitaminminc | 2017-10-08 16:16 | 笑い | Comments(0)

炊飯器の耐震強度

ありそうで、意外に実践されないヘマ。

炊飯器なるものを使い始めて早30年。
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やっちまったぜオッカサン。

計量した米を、内釜を外したまま炊飯器の中に。

ザッと音を立てて、入れちまいやした。

まだ計量カップ1杯目だったから良かった。

あ”ッ!! 

と気づいた瞬間、米はすでに釜底センサー剝き出しの炊飯器の中に1粒残らず身投げしてやした。

私の嘆声を聞きつけたムスコが、ワクワクした表情でキッチンにやってきた。

「何、どうしたの?」

「コレをはめる前に、お米入れちゃったョ」

ムスコは愉快そうに笑うと、カレースプーンで釜底の米をすくっては内釜に移してくれた。
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ふだんは家庭ゴミを集積所まで出しに行ってくれる以外、殆ど家事の手伝いなどしない。

しかし、こうした非日常的でバカげたアクシデントに限り、率先して手を貸してくれる。

「アカンな。きりがない」

ムスコは炊飯器をコンセントから外した。

「めんどくせー、もう逆さにしてあけよう」

炊飯器を持ち上げた瞬間、米粒が何粒か床に落ちて散らばった。

「なんだ? 今どこからこぼれ落ちたんだ?」

炊飯器はまだ逆さになる前だ。

炊飯器を持ち上げ、底の部分を確認するムスコ。
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「これはまずいパターンか? とにかく米をあけちまおう」

流し台の上に洗ったままセットし忘れていた内釜に、哀愁を帯びた一合分の米を一気に移した。

そして中の米を取り除いた状態で、炊飯器を振った。

やはり、炊飯器の底にいくつも開いている穴から米が何粒か床に落ちて、あちこちに散らばった。

ムスコは炊飯器の釜底センサーを指で押しながら言った。
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「う~~~んヤバイね、この隙間から入っちゃったよね」

再び炊飯器をシェイクする。

何粒か床にこぼれ落ちる。

炊飯器をシェイクする。

何粒か床にこぼれ落ちる。

炊飯器をシェイクする。

何粒か床にこぼれ落ちる。

「この音からして─」

炊飯器をシェイクする。

「残り4、5粒とみた」

何粒か床にこぼれ落ちる。

「あ、ほんとだ、今4粒落ちた」と私が米粒を拾う。

「あれ? まだ音がするな」

ムスコが炊飯器をシェイクする。

2粒落ちる。

「まだ残ってる」

ムスコの耳の高さで炊飯器が思い切り振られる。

どんなバーテンダーだ(笑)

落ちない。でも音がする。

狂ったように炊飯器が振られる。

落ちないくせに音だけする。

「これだけ振られる炊飯器、この世でこれ一台だぞ」

最後の1粒が落ちた。

「おお、ついに音がしなくなった!」

パ〇ソ〇ックの炊飯器は、地震に強い!

今、自信をもって言える。

その後炊いたご飯は、一層美味しかった。










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by vitaminminc | 2017-08-30 08:46 | 笑い | Comments(0)

耐性GKBR

あれは確か、昨日? 一昨日? あららら? とにかく、つい最近我が家で起きた事件でございます。

朝一で大学に行くべく玄関ドアを開けたムスコ、開けると同時に「わ!」と叫びました。
3m奥まった廊下で見送りに出ていた私の視界にも、その物体は飛び込んでまいりました。
そのとんだ物体ヤローは、
「あ~、やっと開けてくれたか。ただいま~」とまるで飲み明かした午前様のように、待ってましたという勢いで玄関に飛んで入って来たのでございます。
ムスコはすかさず玄関に設置しておい(て良かっ)たスプレー缶を手に、そいつを迎撃しました。
狙い撃ちしたのに、逃げられでもしたのでしょうか、「え! 嘘だろ? 遅刻する、もう限界だ」とか言いながら、それでも続けざまに噴霧しました。
そして、「じゃあ行ってくる」などと捨て台詞を吐きますので、私はあわてて「〇#√∑×△♭!!」言葉にならない非難&哀願&脅迫の意を表明しました。
ムスコはサイレントな舌打ちをしながら、玄関ドアをオープンするや否やビニール傘の先っちょでパターゴルフをしてGKBRを外に弾き跳ばしました。
あまり跳ばなかったようですが、玄関の外に出してくれただけで暫定十分。
その後、騒ぎを耳にしておおよその察しはつけていたであろうムスメが、念のため確認しました。
「何? 玄関に変な虫でもいたの?」
「GKBR」
「う”!!」
「ダイジョーブ。ムスコが外に出してくれたから」
そう聞いて、ムスメは少しほっとしたようにバッグを手に取り、パンプスに足を入れました。
「なんか薬品みたいな感触─」
「ムスコが結構シューシューやってたから、少し(薬の成分が靴の中に)入っちゃったかもね」
「どこ? まだその辺にいるの?」
「たぶんまだポーチのどこかにいると思う。踏まないように気をつけて」
ムスメの出勤時刻となりました。
ムスメはこわごわ玄関ドアを開けました。
そして、チラッと右斜め下を見て、
「ひゃあ~~~~」という、幽霊チックな声をあげました。
まったく、怖がりでございます。しかし、ムスメは意外なコトバを付け足したのでございます。
「まだ生きてる、ピクピクしてる─」
噓でしょ!?
「行ってきます」
ムスメは、あとはよろしくとばかり、逃げるように走り去りました。

嘘でしょ? まだ、生きて、おらるる?
あんなにムスコが、ピンポイントで、至近距離から、噴射し続けたというのに?

にわかには信じがたく、私も恐る恐る玄関ドアを開けました。
そして、さきほどムスメが注いだのと同じ方向に視線を注ぎ、のけぞりました。
本当に、まだ息絶えておいでになってはおられないのでございます。日本語が変になりますです。

シャコタンのごとく平たい最低地上高、ポマードで固めたようなテカリ具合、もはや昆虫界の暴走族というべきGKBR。
そやつが、本当に、仰向けにひっくり返った状態で、四肢をピクピクさせておらるるのでございます。

ごめんなさい、ごめんなさい、きっとムスコのコントロールがド下手クソ級に悪かったのでございましょう。
そんなに苦しめるつもりは毛頭ござーせん、今、今、このばあやが息の根を止めてさしあげますからぬえぇぇぇ!
私はすぐさま玄関の内側に戻り、10分ほど前にムスコが使用していた ゴキ 武器を手に取りました。
でもって、再び玄関の外に出るが早いか、ポーチにあるスタンド付き植木鉢の下でピクピクしておらるるGKBRに、とどめをさしてさしあげました。

結構長く、心持ちしつこく噴霧しましたです。
なのになのに、ひゃぁぁぁ、まだ、まだピクピクしておらるるではございませぬか。
その恐怖たるや、こっちのこめかみも負けずにピクピクした次第でございますです。

私は思わず洗車&植木の水やり用ホースを握り、ピクピクing GKBR目がけて高圧洗浄しましたのでございますです。
GKBRは、清らなる水流に乗って、速攻側溝へそっと消えて行かれましたです。

どーゆーことです?
改めて武器を手に能書きを読みました。
「秒殺効果」と謳っておりますです。
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ボディーなんか黒地に金帯、白縁取りの黒抜き文字&赤文字でございますよ。
この色の組み合わせは、よくマムシドリンク系滋養強壮剤のラベルなんかにも使われますですね。
「秒殺」という文言は、600秒くらいにも使用可なんでしょうか。
言っときますけど、確実に昇天したから水で流したわけじゃないのでございます。


医薬品の効果効能には限界があるのか。
GKBRは生まれながらにしてあらゆる耐性をもっているのか。

いまだに残像が恐ろしいです。
ピクピクが、この上なく恐ろしかったです。。。
それ以上ピクピクを見てられなくて、水の勢いで視界から消したのです。
下手したら、タガメにメタモルフォセスして、今頃側溝で泳いでいるかもしれません。。。


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by vitaminminc | 2017-06-30 19:24 | 笑い | Comments(0)

あばばばば・・・

定期試験を目前に控えているムスコが、冷蔵庫からウーロン茶を取り出しながら言った。
「あばずれって、なんであばずれって言うんだ?」
「はぃ?」
「ズレは(世間に)擦れてるって意味だろ? ならアバは何?」

捗らない試験勉強からの逃避だろう。よくもまあ、これだけ現実とかけ離れたコトバを思いつくものだ。
アバは何かと訊かれても、脳裏をよぎるのは「ダンシングクイーン」のメロディーのみ。

「漢字でどう書くんだ?」
「漢字なんか、考えたこともないゎ」
ムスコは私に質問しているわけではない。自問自答しているだけなのだ。
阿呆の阿に、婆ぁの婆か?」
なぜか私を直視しながら、ムスコの不毛な自問は続く。
結局、中途半端な自答のまま、ムスコはふらふらと自室に戻っていった。

あとでこっそり調べたら、ムスコの予想通り、「あばずれ」は漢字で「阿婆擦れ」と書くことがわかった。
語源は「暴れ者」+「世間擦れ」。それに中国語の「阿婆」(親と同等以上の年齢の婦人や老婆の意)を当てたらしい。

ふと思った。まさか、キッチンに立っている私を見て「あばずれ」という言葉が浮かんだりはしてないでしょうぬぇぇ?(怒)








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by vitaminminc | 2016-07-18 11:28 | 笑い | Comments(0)

1/3の純情な窮状

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ダブルベッドを覆うブルーシート
その上には、縦二つ折りにした、シングルサイズの敷パッド&シーツ

ウケ狙いでやってるわけじゃございません
この細長いものの上に私は寝ています

昨日、猫の放尿攻撃を受けたダブルサイスの敷パッドは
風呂場の乾燥機にかけても乾きませんでした
干した時刻が遅かったため、子供たちの入浴タイムと重なったから

仕方なく、シングルサイズの敷パッドを引っ張り出しました
猫尿を避けるには、敷パッドの面積は小さければ小さいほど好ましい
実質ダブルサイズの1/3の面積に寝る人間の哀しさよ

私をこんな目に遭わせた犯猫は、2匹のうちのどちらなのか
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可愛い済んだ目で真っ直ぐこちらを見つめるくーちゃん



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なぜか私と目を合わせようとしないうずぴ


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しかし
限りなく犯猫のニオイが濃厚のう○ぴは、
この1/3の布団で窮屈に寝ていた私に
昨夜もぴとっと寄り添いました

放尿したのは、夕刻の雷鳴の頃のみ
就寝後は粗相はしませんでした

憎らしいくらい憎めない猫

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by vitaminminc | 2016-07-05 18:17 | 笑い | Comments(0)

梅雨明けてくれ宣言

17時過ぎだったか、すンごい雷鳴が轟いて、土砂降りになった。
私もだ。
私も雷を落として号泣だ。
うずぴのオシッコ癖が再燃したからだ。

くーちゃんとの関係もそれなりによくなってきたせいだろう。
うずぴのオシッコ癖もここしばらくは落ち着いていた。


実は、くーちゃんを迎えてからというもの、それまではきちんとトイレで用を足していたうずぴが、
私のベッドで放尿するようになってしまったのだ。
日に何度もである。一度などウンチまで(号泣)
独占欲の強い性格が、ベッドの上も独占すべく、放尿してしまうのか。
縄張り意識が高じてのニオイ付けなのか。

梅雨時だというのに、半べそかきながら毎日大物洗い。
いい加減オシッコノイローゼになりかけた頃、妙案が浮かんだ。
私が寝ている時以外は、ブルーシートで覆ってベッドの寝具を死守すりゃいい。
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小便小僧を我が家に連れてきた張本人=若干サドっ気のある友人が、LINEでしれっと言った。
『(別の)友だちも、新しい子(←猫)が来たとたん、
前からの子がベッドでおしっこするものだから、
テーブルクロスを敷いて、中にもぐりこまないように
洗濯バサミで止めてた、と言ってた。
テーブルクロスとブルーシートというところが、人間性の違い?』

あん? 
るせー! あーしのベッドはダブルサイズなんだよ!
3畳用のブルーシートでないとすっぽり覆えないんだよ!
テーブルクロスで覆うとしたら、最後の晩餐サイズが必要だよ!


寝るときも、布団が尿害に遭わぬよう、敷パッドを縦二つ折り。
涙ぐましい努力の日々。
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うずぴはずるい。起きても寝てもベッドで小便するくせに、
寝てても起きてても可愛いときた。
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洗濯機の中にオシッコ敷パッドにオシッコシーツをぶちこんで、
ガーガー回したはいいが、いったいどこに干せばいいんだ?
ダブルサイズ×2枚。

思わず、ネットで梅雨明けを調べた。
梅雨入りの時と梅雨明けの時は雷鳴が轟くものだ。
もしかしたら明日はもう梅雨明けかもしれない。

しかし、世の中そんなに甘くない。
関東・甲信越地方の梅雨明けは、
2014年が7月21日
2015年が7月10日
2016年の今年は、7月15日~7月23日くらいとの予報。
8月4日に梅雨が明けた年もあるという
マジか。ひと月も先ではないか。

やはり、梅雨明け前にブルーシートを外すべきではなかった。
ブルーシートをしたままだと通気性がすこぶる悪い。
早い話が寝ていてかなり暑いのだ。
ここのことろずっと粗相もなく、いい塩梅だったので、つい油断して外してしまった。

もしや、あの雷鳴が怖くて、ビビッて失禁してしまったのだろうか?
むしろそれなら歓迎だ。
たまたま雷鳴が怖かったから、というのなら、毎日粗相はしないだろう。
問題は、ベッドを独占したいがための放尿の再発。

いいか、うずぴ。
勘違いするでない。
このベッドは、そもそもうずぴのものじゃあないんだよ。
あーしのベッドなの!

もう、ホントやめて。




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by vitaminminc | 2016-07-04 18:54 | 笑い | Comments(0)

ちょっと痛いハナシ

6月上旬のこと。

ダイニングテーブルを挟んでムスコと向かい合って昼食をとっていた。
骨付きチキンを食べながら、たぶんテレビを見ていたように思う。

ガリッ!!
突然、生まれてから一度も経験したことのない、衝撃に襲われた。
それは、頭蓋骨にヒビが入ったと錯覚したほどの、電撃的刺激的衝撃だった。

数秒後、衝撃を食らったのは、頭蓋骨ではないことに気付いた。
前歯である。

洗面所にすっ飛び、恐る恐る鏡を覗き込んだ。
イ~~~ッをしてみる。
なんだ、気のせいか。
前歯は無事だった。
でも、それこそが気のせいなのだった。
舌でそっと触れただけで、左の前歯が動いたのである。
自分の動く前歯を見るなんて、別れの近い乳歯をぶら下げていた7、8才以来である。

ノロノロと居間に戻り、静かに着席した。
「──前歯をヤッてしまった」
「は?」とムスコが聞き返した。
「間違って肉じゃない部分、骨のとこかじって、前歯が壊れた」
前髪と前歯を揺らしながら、私はノロノロと骨付き肉を手に取った。
「おい」
ムスコが、半ば放心状態の私に声をかける。
「食ってる場合か? 早く歯医者に行った方がいい。前歯はヤバイって!」

約45分後、私は歯科の診察台(というかリクライニングチェア)で医師の説明を聞いていた。
「レントゲンで見る限り、歯の根元の方にヒビが入っている可能性が大きいんですよね」

この日に治療を開始すると、先のだんはんの一周忌法要の日に、本歯を失い、仮歯が入っている状態は必至だった。
仮歯は外れやすい上に、見栄えも悪いという。
法要後に着手してもらうことにした。でないと仮歯が法要当日に外れた場合、親族の皆様に拷問に近いものを味わわせかねない。
笑ってはいけないシーンで笑うのを我慢することほどつらいものはない。
法要が終わるまでは、左の前歯を両隣の歯と接着剤で固定(もちろん歯の裏面を)するという応急処置でもたせることとなった。

実際、すぐに治療を始めなかったのは正解だった。
法要が終わって治療がスタートした時、担当医が「難しいケースなので、院長にも診てもらいましょう」と院長を呼んだ。
院長は、私の歯の状態を確認し、治療にはいくつか選択肢があることを説明した。
やけににこやかだった。
あとで合点がいった。院長に診てもらったのは、破損した左の前歯を取り除いた直後。前歯が1本歯抜けてる顔で院長と向き合っていた。
院長は、笑うのをこらえきれずに白い歯を見せていたのだなと知るのに、そんなに時間は要らなかった。
なぜなら、その日つけてもらった仮歯が早くも翌日には外れてしまい、私は鏡の中の私を見て吹き出したからである。

「おせんべいを食べてて歯が欠けたというならまだいい」とムスメに言われた。「普通に人が食べるものだから」
骨なんて人間の食べものではないものをかじって歯が欠けるなんて、自分だったら恥ずかしくて人に言えないと。
しかし、私は正直者である。すでに歯科医師にはもちろん、職場の同僚にもリアルに説明していた。
「情けないぜ、かーさん」とムスコにも言われた。「腰が痛いのは、歯が1本ないからじゃね?」
確かに情けないと自分でも思う(笑)。歯を1本失って、身体のバランスが崩れているようにも思う(涙)。

治療開始から2回目の昨日、歯茎の中に残っている「根」を抜いた。
掴む部分がないだけに、抜歯は困難を極めた。
途中、麻酔の注射を追加してもらって、歯茎の表側と裏側、数えられただけでも合計6回ずつ注射針が刺さった。
前歯への注射は奥歯よりかなり痛いですと医師は申し訳なさそうに告げた。
が、注射の痛みなんかいくらでも耐えられると思った。
ほじくり出される痛みの方が遥かに強かったのだ。

敬虔なクリスチャンの如く、腹の上で両手を組みながらひたすら祈った。
どうか、どうかお願いです、一刻も早く抜けちゃってください。歯の根っこさま、お願いです、潔く抜けてくださいぃぃぃぃぃ。

「はい、ようやく抜けました!」
麻酔が効いているので、いつ抜けたのかわからなかった。
「虫歯や歯周病だったわけじゃないので、かなり丈夫な根でした」
15分以上、歯の根と格闘していた女医。美人で感じがよくて、私はこの先生が好きだ。
「おつかれさまでふ」とねぎらうと、
「いえいえ、みん子さんこそ」先生は素敵な笑顔で返した。

その後、ブリッジをつくるために上下の歯並びの型をとった。血だらけの型がとれたことだろう。
麻酔は30分で切れるという。ということは、もうあと10分もしないうちに大変なことになるのでは?
「痛かったら言ってくださいね」を何度も口にした先生。治療台の上の、血に染まったガーゼの山。
歯茎は相当ダメージを受けている。
「先生、今もうここで、痛み止めを飲まへてくらはい」
私は痛みに弱い。家に帰る途中痛み出したら、ハンドルを切り損ねて電信柱に激突するかもしれない。
命は助かっても、右の前歯まで失うかもしれない。
診察台でロキソニンを服用した。

案の定、家に着く前から徐々に始まった痛みは、家に着いてからいよいよ尋常でなくなった。
1回1錠の用法用量を破って、もう1錠勝手に追加服用してしまった。
恐る恐る(←こればっか)鏡を覗き込むと、仮歯が血で真っ赤に染まっていた。
どんなドメスティック・バイオレンスを受けたらこうなるんだ?

次回の治療は、ブリッジをつくるため、抜けた歯の両隣の歯を削るとのこと。
この日つける仮歯は、今つけている付け爪のようなはかない感じのものと比べてかなりしっかりしたものになるらしい。
その頑丈な仮歯を入れている間に、失った左の前歯つきのブリッジがつくられるわけだ。

もう骨をかじるようなヘマはしません。
早く、一日も早く、ふつうの人間になりたいです。

以上、わが身の上に起こっている、ちょっと痛い歯なしでした。









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by vitaminminc | 2016-06-30 19:35 | 笑い | Comments(2)

デル・アミーゴ!

「ゴミというのは、一人一人が──」


ムスコ(大学1年生)が、静かな声で切り出した。

思い起こせばすでに10年余り。
小学1年になった或る秋の日。
ムスコは家から少し離れた場所にある集積所まで、ゴミを運んでいく係となった。
雨の朝も、風の朝も、雪の朝も。
朝っぱらからクソ暑い真夏の朝も。
多少ウンザリした表情を見せることはあっても、文句も言わずに来る日も来る日も。

子猫(←昨年春没/享年10歳)を飼い始めたことがきっかけだった。
猫トイレの掃除をムスメ(姉)に、ムスコ(弟)には家のゴミ出しを命じたのである。
猫のトイレ掃除は、タイミングの関係でかなり得である。
ムスメが家の外にいる間に出た糞尿は、私が始末しないわけにはいかなかったからだ。
それに比べてムスコのゴミ出しは、中止になったためしがない。
あまりにも重いゴミが出た場合は私が出しに行きもした。
が、小学3年生頃からは相当重いゴミであってもムスコが頑張って出しに行った。
軽度の反抗期にあった中学校の3年間も、ムスコは黙々とゴミを出しに行った。
遠距離通学で、まだ暗い早朝に家を出なくてはならない、高校の3年間も。

そのうち、「なんで俺だけが?」と疑問をぶつけてくる日が訪れるのではないか。
長いことそんなことを密かに案じていた。
今うちにいる猫(うずら)は、私と一緒に寝起きする部屋から出たがらない。
今日もドアを全開にしてみたが、廊下にあったおもちゃを自室に持ち込んで遊んでいる。
だから当然トイレも私の部屋にある。
休日ムスメは私の部屋で大の字になって昼寝するくせに、とうに猫トイレの掃除を放棄。
それをムスコが知らないはずはない。

ついに、ゴミ出し辞退宣言か!?



「──自分の出したゴミと向き合う、
ビッグチャンスだと思いますねぇ」

本田圭佑の物真似をするじゅんいちダビッドソンの声真似をして、
ニヤリと笑ったムスコ。
「あ~~~めんどくせー」と言いながら、いつものようにゴミを出しに行ってくれた。



やがてムスコは独立してこの家を出ていくだろう。
年老いた私は、毎朝ゴミの袋を見るたびに、泣いてしまうかもしれない。
小学1年のおチビだった時分から、何年も何年も、
何年も何年も何年もゴミを出しに行ってくれた。
その素朴なやさしさを想って。




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追記:外猫のモフ、疥癬治療失敗。2回目の薬のあと、パタッと姿を見せなくなった。



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by vitaminminc | 2016-05-26 16:26 | 笑い | Comments(0)

親としてのアドバイス

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合宿免許で山形さ行っでる愛ムスコから、短いLINEが届いただ。
「ちなみに昨日仮免許とりました」
はぁ~、合宿ってのはやっぱす早ぇな。まだ一週間しか経ってねっぺ?
英検も数検も漢検も、何一つ資格を持ってねぇから、参加させて良かったべ。将来、就活に役立つと思ってな。

上の画像は、十中八九、宿泊先のホテルだ。ツインルームに野郎ふたりで寝泊まりすてっぺ。何はしゃいでんだか。
この画像はオラに送って寄越したわけじゃねぇ。オラが勝手にムスコのLINEから拝借すたっべさ(笑)けけけ。

合宿に行く前、せっせと荷造りしてるムスコが、「あ~、パンツが足りねー」と嘆いていだっけかな。
足りないのはパンツじゃねぇ。おめぇの脳みそだ。高校一年の時、選択旅行で北海道に行ぐって時に、オラしこたま買ってやっただ。
それをどごにしまい忘れたもんだか。だらしなさすぎっぺよ。
「これはもう小せーんだよな」
見るからに小さなボクパンをひらひらさせたと思ったら、そばに転がっているマーシー(ムスメ所有の巨大チーターのぬいぐるみ)に穿かせるでねーか。
「あ~、ダメだ、しっぽが邪魔でこれ以上あがらない」
そこで、オラの出番だ。親として、人生の先輩として、わたしくしは厳かに、助言したのでございます。
「後ろ前、逆に穿かせてみ!」
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            着用前


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            着用後


「おぉ~!」
大絶賛するムスコ、バカ笑いするムスメ、鼻高々の母。呆れたあほんだら一家である。
死語(←ムスコ曰く)になっている「社会の窓」から、大事なしっぽを引っ張り出され、どことなく哀愁が漂うマーシー048.gif
ムスコは、おっとこんなことやってる場合かと、荷造り再開。
しかし、洗ってやったパンツをきちんとしまわないために、あるべき枚数が見つからないことといい、穿かせている段階でしっぽの処理を思いつかないことといい、お前はまだまだ未熟者だ。
合宿費用を出してやったんだから、きっちり実地免除証明を携え、意気揚々帰って来るがよい。オラ待ってるだ。




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by vitaminminc | 2016-03-10 16:12 | 笑い | Comments(0)

頑駄夢!

─{29日、パルコの向こう側にあるLABI池袋(ヤマダ電機)の7階、11時に「神戸パスタ」の店の前で。ビックカメラじゃないよー}

11月に入り、高校時代の友人A子から届いたLINEである。
昨年11月末、私はA子とC子と久しぶりに会った。久しぶりという表現では足りない。C子とはおよそ32年ぶり。A子となんて高校卒業以来である。

当日は、早めに家を出た。ネットで調べたら、駅からほど近い。この分だと30分前には到着してしまうだろう。
そんなことを思いながら、池袋駅に降り立った。
ネットで調べた出口から地上に出た。駅前から見えるかなと思ったけれど、看板が見えない。「パルコの向こう」って、パルコを背に立った場合、左方向に行けばいいのか、右方向に行けばいいのか?
「ビックカメラじゃないよー」ということは、ビックカメラと間違えやすい位置にあるということか。あ、あれに見えるはビックカメラではないか。
LABIが見えないので、ビックカメラに向かって進んだ。おぉ、あったあった。ビックカメラの隣にLABIが。
私は迷わず店内に入り、エレベーターのボタンを押した。
案内板によると、7階フロアは「GANDAM」となっている。さすが大型電器店。フロアーの名称までアキバっぽく凝っている。
エレベーターに乗り込み、7階のボタンを押す。
正直、案内のどこにも「神戸パスタ」がないことに、一抹の不安は覚えていた。しかし、7階「GANDAM」フロアの奥に、神戸パスタはきっとある。
エレベーターが7階で停まり、扉が静かに開いた。
なんだろう、この独特の空気圧。
歩みを進めた私は、異質なものにぐるりと取り囲まれた。隙間なく並べられ、積み上げられた、箱という箱でできた壁。まるで迷路みたいだ。
フロアは異様に静まり返っていて、遠くに2、3人の男性客(←明らかにディープなアキバ系)が見えるのみ。
この壁の向こう側に、きっと神戸パスタがっっ! しかし、休憩用のベンチはあれども、飲食店など皆無なのであった。
私は理解した。
ココは表示どおり、GANDAM専門フロアでしかないのだと。
へなへなとベンチに座り、すぐさまA子にLINEした。
─{7階に着いた。GANDAMだった}

私はレジカウンターに立っている男性店員のところに行った。この時点でようやく気付いた。自分がこのフロアではエイリアン(←50過ぎのババア)なのだと。
店員は、エイリアンに親切だった。
「神戸パスタ? でございますね? こちらはLABI、モバイルドリーム館になりまして、神戸パスタさんは、LABI、日本総本店の方の、7階になります」
「こちらじゃなかったんですね」
客の言動に吹き出さないよう教育を受けた優秀な店員は、B6サイズのチラシのような地図を手渡しながら言った。ものすごくハキハキと、一語一語クッキリと。
「まず、1階までおりてください
「はぃ」
「いったん駅の方まで戻っていただきますと、一つ目の信号がございます」
「はぃ」
「その信号が、青になったら渡っていただき、少し左に折れていただきますと、もう見えてきます」
「ありがとうございます」

神戸パスタに到着すると、すでに2人が店の前で待っていた。
私のLINEを見て、「こいつ大丈夫か?」「迎えに行った方がいいんじゃない?」と大いに ウケて 心配していたらしい。

「ビックカメラじゃないよー」という注意を、ビックカメラ隣にあるモバイル館の方じゃないからね、とは解釈せず、わざわざそこを目標にした私。
店内表示に「神戸パスタ」の案内がないどころか、目的のフロアが「GANDAM」となっていたにも関わらず、素敵なフロア名だぁ、と受け止めた私。

「ふつう、GANDAMで(間違いに)気付くでしょー」とC子が笑った。
「なんか高校時代とちっとも変ってないよね」とA子も笑った。
30余年の隔たりは、相変わらず方向音痴な私の出遅れた登場で、一気に解消した。

私は基本的に変わっちゃいない。成長もしていない。
思い込みで進んでしまう、ななところ。いろいろと目なところ。浮世離れした白昼みたいに、夢見がちな解釈をしてしまうところ。
つまり、アホ!
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by vitaminminc | 2016-01-20 11:15 | 笑い | Comments(0)


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