<   2007年 06月 ( 11 )   > この月の画像一覧

人を□す。人を□す。

 トイレの壁に、漢字表が貼ってある。小学4年生で習う漢字200字が載った表だ。人一倍、猿四倍(←芝居)集中力に欠けるムスコのために、センスも団扇もかなぐり捨てて、堂々トイレに貼ったのは無論この私だ。

 ずらっと並んだ200字に及ぶさまざまな漢字。そうか、って
4年生で習うんだね。
 それからって漢字も。

 教科書のどんな文の中で登場してくるのだろう。興味がわいて、ムスコの国語<上>巻を調べてみた。

 ・キュリー夫人の伝記を読している。

 なかなか高尚な登場の仕方である。けれど何かこう──もっと‘愛’そのものの意味が伝わるような文中で教わるものと勝手に想像していただけに──ちょっと‘愛’が足りないように感じた。はたしてという字は、『漢字辞典の使い方』という単元の中で、ただの例文として登場するだけでよかったのだろうか。

 と、いうのも、いう2つの相反する漢字から、私は「山口県光市母子殺害事件」のニュースを連想したからだ。する妻子をされた遺族が会見に臨み、淡々と胸中を語っている。感情を押し殺しての訴えが、逆に心の傷の深さを物語っているようで胸が締めつけられる。まるでその傷の深さを支えに生きているようで、やるせなくなる。彼はどんな思いでこの6年間を過ごしてきたのだろう。そして21人もの弁護士を相手に、どうやってこれからを闘っていくのだろう。犯人、犯人側の弁護人、そして日本の裁判のあり方。すべてに憤りを覚える。

 という漢字は、教科書の巻末にある「この本で習う漢字」の中に入っていなかった。<下>巻で習うのだろう。画数はより少ないけれど、本当はこんな字、覚えてほしくなどない。どんな文の中に登場するのかな。できたら、こんな例文がいいのだけど。↓↓

 ・ぼくの部屋はいつもきちんと片付いていて、風景なくらいです。
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by vitaminminc | 2007-06-28 16:48 | Comments(2)

ひつぎをめぐる妄言

 このあいだ、頭蓋骨の中で雨宿りをしながら、ボーっと思いついたのが、こんな↓質問だった。
 もしも棺の中に1冊だけ本を入れてもらえるとしたら、何を入れてもらう?──そう、あの世に持って行ける、たった1冊=ひつぎ本。
 これを人に唐突に質問するのはなかなか愉快だった。でも、いざ自分は何を?となると全然答えられない。人に尋ねる前にまず自分が答えよというエチケット、こりゃ自分には不都合だというのがわかっただけだった。

 無人島に(←期間限定)1冊持って行くとしたら、ハインラインの『夏への扉』! とすぐに思い浮かぶのに、‘あの世’となると意外に難しい。大好きな小説はたくさんあるのだけど、あの世への道連れとしては何か違う。ただ好きなだけではダメなのだ。かろうじて候補に挙がったのが、トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の彗星』。大人も楽しめる児童書である。彗星⇒空⇒あの世、という連想からだろうが、どうもしっくりいかない。きっとまだ死を経験したことがないせいだ。イメージがわかないのは当然だ。

 晴耕雨読。。。梅雨に入ったのに本を読む暇がないと嘆いている私は、先の先のそのまた先を読もうとして、いつのまにか水溜りに入り込んでしまった。
 雨が降り注いでいる水溜りに、白い雲や太陽が映ったら素敵なのに──私が望んでいる棺本は、きっとそんな感覚の本なのかもしれない。
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by vitaminminc | 2007-06-22 18:20 | Comments(2)

殺人‘平気’

 え~~~。某国で製造された土鍋やおもちゃに有害物質が使われていたという問題について、私は非常によからぬことを想像しております。カドミウムが人体に有害だということをですね、いくら後進国だからとすっとぼけてみせたところで、知らなかったとは思えないのです。知っていて敢えて使用したとしか思えません。
  確信犯です。
 つまり細菌兵器に続く、これは新手の殺人兵器。『国盗物語』の序章のような気がしてなりません。ジ~ワジ~ワと膨大な時間をかけ、近隣諸国の人民の健康を蝕んでいき、やがては全世界を制覇するという、これは某国の壮大なる陰謀ではないかと。

 もちろんこれはほんの一部の人間がやらかしたことで、大多数の某国民は善良な方たちばかりなのだと私は信じたい。信じたいのですが、一方で有害物質の混入が明るみになったのもまたほんの一部──氷山の一角のような気がしてならないのです。

 いつだったか、うちの貧乏性のダンナが出張先のホテルからスリッパを持ち帰って困るという話をさせていただきました。ダンナはスリッパだけでなく、各種消耗品も持ち帰っておりました。そ、そ、その中には歯磨きセットも当然あったわけです。私はソレを実家はじめ、あちこち泊まりに行くときには必ず持って出まして、家族で使い捨てておりました。ああ、口に入れてしまったとも。報道されたミニ歯磨き、しっかり見覚えがあるってもんだ。
b0080718_17572898.jpg お・・・おのれ、私だけならともかく、かわいい子どもたちにまで毒(ジエチレングリコール)を盛ろうとは。これは明らかに、明らかに、大量無差別健康破壊工作であります。

b0080718_1758137.jpg 「きかんしゃトーマス」だって、子どものおもちゃじゃないですか。鉛を入れると安い塗料で鮮やかな色が出せるとはいっても子ども
おもちゃに平気で入れるような国なんだ、ということです。小さい子はすぐにおもちゃをなめます。キケンです。
 トーマスはムスコも小さい頃大好きでした。池袋まで「きかんしゃトーマス 魔法の線路」を観に行って、若干2才で映画館デビューを果たしたほどです。米国の基準値を超える鉛が検出されたトーマスの仲間「ジェームズ」の絵本だって、いまだに捨てずにとってあります。ムカ!!

 こうなったら世界中で中国製品の輸入を阻止すべきです。それが無理ならせめて日本だけでもやってくれ。Made in 入れちゃinaを偽ってMade in 金の亡者panに書き換えるような非国民的日本の業者は、即刻極刑に処すべし! なのです。
 
 とにかく私は今、たいへん腹が減って・・・ぃゃ立っているのです。
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by vitaminminc | 2007-06-19 18:09 | Comments(2)

怪現象

 その日の午前中まではいたって正常に機能していたTV。昼過ぎに起きてきたダンナがスイッチを入れたとたん、画面が映らなくなった。畳んだブラインドのように、映像が画面上部10cmに詰まって震えるだけだった。

 本気で買い替えを検討したが、もう少し様子を見ることにした。夕方ダンナが風呂に入ったすきに子どもたちがTVのスイッチを入れたところ、何事もなく普通に映ったからだ。。

 同じ日の昼下がり。それまでいたって正常に機能していた、車の後部座席の左ドアー。降りようとしたダンナがドアノブに触れたとたん、動かなくなった。外からなら開けられるが、内側からは開かない。ドアが仕事を放棄した。

 日を改めた本日。こっそり後部座席のドアーを中から開けてみたら、何事もなく普通に開いた。修理に出すのはもう少し様子を見てからでよさそうだ。

 これらは故障の初期症状で、今後その頻度を増していくのかもしれない。だけどなんだか電気系統が人を選び出したようで、ちょっと小気味よかった。ふはは。

 今後の経過が楽しみである。
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by vitaminminc | 2007-06-18 14:49 | Comments(2)

さっちゃん

 ♪サッチャンはね サチコっていうんだホントはね だけど・・・

 年内に中学校の同窓会を開く予定なのでヨロシク──という知らせが届いたのは先月のことだった。案内状の下の方に、前回開催した時の集合写真がプリントされていた。実は私は中学校を卒業して以来、一度も同窓会に出席したことがない。
 なんでだろう? 中学は自分にとってあまり居心地がいい場所ではなかった。すごく気の合った友が転校してしまったり、クラス内でイジメが流行ったり。あまりいい思い出がないからだろう。別に自分がイジメにあっていたわけではない。だが、当時イジメの事実を知って何とかそれを阻止しようと心を砕いてくださった担任──音楽教師で私の大好きだった先生──が、私が卒業して数年後に癌で他界してしまった。このことが、母校に背を向ける決定打になったことは確かだ。

 ‘サッチャン’との最初の出会いは、小学校一年生まで遡る。私と同じクラスになったサッチャンは、入学当初から目立っていた。いい意味で目立っていたのではない。その風貌ゆえに、心無い男の子たちにからかわれた。サッチャンは女の子の中でも際立って大柄で、こう言っては申し訳ないが、まのびした顔つきの子であった。海外アニメ「ザ・シンプソンズ」に出てくるバートによく似た顔の、やさしい女の子だった。
b0080718_21274011.jpg 休み時間、男の子にいじめられて泣き出すと、サッチャンは必ず「お兄ちゃ~ん」と叫んだ。するとどこからともなくサッチャンのお兄ちゃん(おそらく5年生くらいだったと思う)が現れて、悪ガキたちを成敗して回った。
 「今度サチコのことをいじめたら、オレが絶対許さないからな!」
 私にはサッチャンのお兄ちゃんがヒーローに思えた。それでもサッチャンに対するイジメは一向になくならず、かわいそうにサッチャンは学校に勉強しに来るというより泣かされにきているようなものだった。

 サッチャンとのお別れは、突然やってきた。ある朝、担任の先生が、ひどく残念そうにみんなに言った。
 「サッチャンとお別れしなければならなくなりました。これは、サッチャンのお父さんが決めたことです。サッチャンは明日から隣町の小学校に通うことになりました」
 先生の横に立ったサッチャンをその時いじめる子は誰もいなかったけれど、サッチャンはやっぱり泣いていた。サッチャンは先生の後ろについて、座っているみんなの席を泣きながら回った。そして一人一人とお別れの握手を交わした。驚いたことに、サッチャンのことを一番いじめていた男の子が、誰よりも泣いていた。
 引っ越したわけでもないのに、サッチャンが転校せざるを得なかった理由。それを誰から聞いたかは覚えていないが、サッチャンは特殊学級を併設している隣町の小学校の、特殊学級に編入したのだった。うちの前の道がサッチャンの通学路にあたっていたので、学校から通学班で帰ってくるサッチャンを見かけることがしばしばあった。真っ直ぐ前を見て歩いているサッチャンに声をかけてはいけないような気がして、「サッチャン」と名前を呼ぶことができないまま月日が流れた。
 高学年になったサッチャンは、通学班の班長として先頭を歩いていた。相変わらず猫背だったけど、しゃんと顎を上げて前を見て歩く表情は、どことなく誇らしげに見えた。身体はますます大きくなって、背中のランドセルや黄色い安全帽が痛々しいほど不釣合いだった。当時私たちの小学校では黄色い安全帽をかぶるのは一年生のみで、二年生以上は帽子はかぶらなかった。大きくなっても安全帽をかぶっているのは、すなわち特殊学級の生徒を意味していた。一度だけ先頭を行くサッチャンと目が合ったことがあった。サッチャンは無表情だった。5年という歳月が、サッチャンの記憶から私のことなどきれいに消し去ってしまっていた。

 そんなサッチャンと再会したのは、中学2年に上がった春だった。大好きだった親友が転校してしまった寂しい私の前に、懐かしい顔が立っていた。なぜこんな中途半端な学年で?と不思議に思ったものだ。先生は、サッチャンが小学校2年から中学1年まで隣町の特殊学級に在籍したことを隠さずに話した上で、こんなふうに説明をした。
 「○○さんは○○小学校、中学共に大変優秀な生徒でしたので、こちらの学校で十分やっていけると判断しました。このことは、両校の先生が話し合って決定しました。だからみんなもどうか仲良くしてあげるように。また、勉強でわからないことがあったら、親切に教えてあげるように─」
 
 先生たちの判断が甘かったのだろうか。ただでさえ不安そうだったサッチャンの顔から笑顔が消えるのに時間はかからなかった。サッチャンはみんなの授業にまったくついていくことができなかった。サッチャンはとても女の子らしく、礼儀正しかった。成績は悪かったけど、クラスの誰よりも性格は良かった。そんなサッチャンのことをいじめ出したのは、小学校一年のときとは違って、女子だった。それも、クラスでも成績上位の女子が中心になっていじめ出した。言葉の暴力だった。サッチャンはいつもうなだれて、「ごめんなさい」を繰り返した。何も悪くないのに。
 掃除が終わり、HRが終わってもサッチャンは帰してもらえなかった。女子に取り囲まれて泣きじゃくっていた。私はたまらなくなった。正義感が強いと信じていた、クラスで一番成績優秀な男子がそばにいたが、その男子も女子に遠慮してイジメを傍観していた。
 「もうやめなよ」と私は言った。
 「え?」
 「泣いてるじゃない、もうやめなよ」
 それだけ言ってプイッと廊下に出ていく私の背中に、中心になっていじめていた女子が言った。
 「みん子にはわからないのよ!」
 あぁ、わからない。わかりたくもない。バカ!
 その日私は担任に提出する日記に、5W1Hを無視して書きなぐった。
 『頭がいいくせに人を傷つけて平気なヤツは、頭が悪くても人を傷つけたりしないヤツよりはるかにバカだ』という内容を。
 当時の担任はクラスの生徒全員に毎日日記を強制的に書かせ、必ず丁寧にコメントを書いてくれた。音楽の男の先生で、いかにも芸術家といったタイプ。私は大好きだった。HR活動で短歌を暗記させたり日記を書かせたり、生徒の心の成長にはことのほか熱心な先生だった。
 担任は、私の短い意味不明の日記を読んで、自分の知らないところでイジメがあるらしいことを敏感に察知したようだ。担任が知らないのも無理はない。何しろいじめている中心人物は成績優秀なだけに狡猾でもあった。先生方の前で最も親切にサッチャンに勉強を教えていたのが彼女だったのだ。ただ、私は日記に誰の名前も出しはしなかったので、誰がサッチャンをいじめているのかは最後までわからなかったと思う。
 その日担任は、HRの時間にいつになく厳しい表情で言った。
 「みんなに言いたいことはありません。ただ、聞いて欲しいことがあります」
 そして私の日記の写しをそのまま読み上げたのだった。顔から血の気が引いていくのがわかった。なんで私に無断で読み上げたりしたのだろう? 先生に詰め寄りたい気持ちだった。
 担任が私の日記を読み終えると、クラスにざわめきが起こった。
 「なんか、心臓のあたりにショック受けた・・・」と話す男子もいた。
 「アレ誰が書いたの?」
 「違うでしょ、何かの詩じゃない?」

 その日の帰り、イジメの張本人が私に走り寄ってきて言った。
 「あれさ、みん子でしょ」
 「まさか」と私はとぼけた。
 不本意ながら、イジメっ子と私は帰る方向が同じなので、いつも一緒に帰っていたのである。その子がいつも私と一緒に帰りたがるのを拒まなかっただけだが。
 「いいんだ、別に。書いたのがみん子なら」とその子は悪びれずに言った。
 「私じゃないったら」
 「怒ったりしないからね~」
 「私じゃないからね」
 それから間もなくして、イジメっ子はイジメを止めた。私の日記の成果ではない。イジメの対象がいなくなったからだ。サッチャンはまた古巣に転校してしまった。小学校の時のように挨拶する場面もなく、休んでいるなと思ったら、いつのまにか転校していた。事後報告として先生からサッチャンの転校を知らされたとき、何となく私にはわかったような気がした。サッチャンから別れの挨拶がなかった理由が、わかったような気がした。サッチャンのおとうさんや、妹思いのお兄さんが決めたことなんだと思った。
 「おまえをいじめた奴等になんか、挨拶しなくていい!」

 同窓会の集合写真にサッチャンが写っているはずはない。それなのに、私が真っ先に探したのは、いつも泣いてばかりいたサッチャンの顔だった。 
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by vitaminminc | 2007-06-16 19:48 | Comments(2)

アニデン

 数日前の晩のこと。お風呂に入っていたら、ムスコが呼びにきた。
 「ママ、おばあちゃんから電話」
 母は健康オタクである。身体によい体操や食材を紹介しているテレビ番組を見ては、「今すぐ○○チャンネルをつけて見てごらんなさい」なんて電話を寄越す。
 「お風呂から出たら、こっちから電話するって言って」
 「は~い」

 それから15分ほどして、再びムスコが呼びにきた。
 「ママ、今度はおじちゃんから電話」
 「え!?」
 「ママがお風呂に入ってること伝えたら、出たら電話くださいって」
 兄からの電話=不吉の象徴・・・ではないか!! 兄は非常に寡黙な人間だ。ほんとーのホントーに必要なことしか話さない。最近では、5年前の父の死を知らせる電話、翌年の一周忌の連絡、2年前に三回忌法要の連絡をくれたのが最後。目の前に喪服が浮かんでくるというものだ。

 親戚に不幸でもあったのだろうか。さっきの母の電話がそれを裏付けているようにも思える。A叔父、B叔父、C叔母・・・。誰が倒れても不思議ではない。みんな高齢になってきた。持病も抱えている。ブラックフォーマルを箪笥から出しておかねば。ムスメは学校の制服があるからいいとして、ムスコには何を着せよう? いくら何でも白のポロシャツに体操着の紺の半パンてわけにもいかないよね。ダンナも問題だ。また一段と腹回りがメタボリッキーになってきた。もしもズボンが入らないようなら、いっそのこと出張中で連絡が取れなかったということにするしかない。

 いやいや、おかしい。母と兄はひとつ屋根の下に暮らしている。二階と一階で住まいは別々だが、親戚の不幸を知らせる大事な電話をてんでんバラバラに寄越すなんてことは考えにくい。
 では!!  まさか母の身に!? 先にムスコが受けた電話、ありゃ母本人による虫の知らせで、今現在母は実家で倒れちゃっているのでは!?
 悠長に湯に浸かっている場合ではなくなった。洗い髪も乾かさずに電話の前に立った。兄の家の電話番号を押す前に、深呼吸をする必要があった。
 「もしもし・・・みん子ですけど」
 「ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(←兄の暗い声)
 なぜ、何も言い出さないのか。自分からは言いにくいことなのか。耐え難い沈黙の後で、兄が切り出した。
 「ええと・・・おかあさんがさ・・・」
 「!!!!!!」
‘おかあさんが’の一言で涙が込み上げた。おかあさん、さっきすぐに電話に出てあげなくてごめんね・・・。
 「みん子・・・」(←陰鬱そうな兄の声)
 「うん」
 「家を直すのに、300万かかるんだって?」
 「?」
 「オレさ、××県の家(←他県に持家有り。駅から至近で便利なので、どこぞの会社が社宅として借り上げ、兄はその家賃収入から住宅ローンを支払っている貧乏オーナー)今度外壁リフォームするんだよ。さっきおかあさんに頼まれたんだけど、みん子のとこも塗り直すらしいから、安い業者を教えてやってくれって」(←気乗りしない様子の兄の声)
 「え~? なんでそーなるの?」
 5月に遊びに来た母が、わが家の外壁塗料が剥がれてきているのをジーーーッと見ていたので、塗り直すだけでは事足りないという説明をしたのだった。築年数が築年数なので、リフォームに仮に300万かけたとしても、結局次々修繕箇所が出てくる、こうなったらもう建て直すっきゃないのだ、という話を(「宝くじにでも当たったらの話だけど」は省略しておいた)したことを兄に説明した。
 「じゃあ紹介しないでいいんだ?」
 「はい、よいのでございます。あ~もう、おニーちゃんからの電話はホント心臓に悪い」
 喪服の似合う寡黙な兄は、『そりゃまたどーして?』と聞くこともせずに電話を切った。

 今日会社にかかってきた愚かしい電話は、やたら腰が低く丁寧だったが腹が立った。フリーダイヤルを使ってまでする選挙運動「○○党をよろしくお願いいたします」は、違法行為ではないのか。関係団体は、熱心な支援者たちにきちんと教育してほしい。そこまでやってしまっては、通話料金を相手に負担させ、かつ業務妨害をしているのと同じですからね、と。
 そこいくと私の兄はエライ。こちらの心臓に負担はかけるが、通話料金は自分もちである。
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by vitaminminc | 2007-06-13 16:58 | 笑い | Comments(2)

芸能界中年不足時代

 現在、美容医学は格段に進歩して、10歳20歳の若返り(←見た目)など当たり前ってとこまできているらしい。メスを入れて脂肪やたるみを取り除いたり、皮膚を引っ張り上げ皺を伸ばして縫い合わせるといった、料理や裁縫みたいな美容形成はもう古い!ってことを最近テレビで知って驚いた。
 
 皮膚は老化するとコラーゲンが劣化し、減少してくる。そのため我々庶民はせいぜいせっせとコラーゲンやヒアルロン酸入りサプリメントを飲むのが関の山。だが、顔がイノチの芸能人は違う。減ってきたものを直接顔に注射して補う。あぁ、ダレカレもさすがに年齢が顔に出てきたな・・・と思ったのも束の間、いつのまにか妙に若返っていたりする。よほどアンチエイジングが流行しているのだろう、気がつけば芸能界は年齢がストップしたような人たちでウヨウヨしている。
 もう一歩踏み込んだ若返り裁縫ぃゃ美容としては、「金の糸」がある。これも美を追求するする人たちの間ではよく知られているが、皮膚の細胞を活性化させるために、金の糸を皮膚組織に縫い込むのである。縫製職人としての腕が良くなかったら、顔の右と左とでバランスが崩れたりしないのだろうか。心配になってくる。
 だが、この顔面注射や金糸縫い、案外短命なのだ。およそ半年~1年以内で吸収され尽くし、効力がなくなるという。要するに、顔面が崩壊する前に余裕をもって、少なくとも半年に1回は顔に針を刺さなければならないことになる。イデデデデ。

 現在これをしのぐ勢いで注目されているのが「再生医療」だという。コラーゲンを作るのは繊維芽細胞。この繊維芽細胞を、若返り希望者本人から微量採取⇒体外で促成培養⇒再び本人にご返却・・・というのが再生医療だ。自分の繊維芽細胞を極細針で顔にプチュプチュ注入してもらっているご婦人をテレビで眺めながら、溜め息が出た。若さを手に入れるには、お金のほかに勇気も必要のようだ。金もなければ勇気もない。私は耳にピアスの穴を開ける人間をマゾじゃねーか?と疑うほどの超痛がり屋だ。第一、お金に余裕があったなら、私には顔より優先させなければならないことがある。脳の若返りだ。(涙)

 それにしても、「自分の細胞=拒絶反応の心配が皆無」というのはなかなかそそられる。よそで作られたコラーゲンやヒアルロン酸を注射するのではなく、自分の体内でそれを産生する力が得られるなんて、理屈からして若々しいではないか。安全性はもちろん即効性や持続力の点で、イマはこの「肌再生医療」というのが最先端のようだ。ま、他人事ではあるけれど。

 そこでふと私は考えた。プライドの高い俳優たちのことだ。黙って老いに身を任せるはずがない。30代の人は20代に、40、50代は30代に、猫も杓子もこぞって若返るに違いない。するとどうなるか。中年を演じる俳優(特に女優)がいなくなる! 
 ホームドラマや学園モノで、主人公やその母親役をいったい誰が演じる? クロッキー瞳なんか20代の子どもがいてもおかしくない年齢なのに、今じゃどう見ても30代前半。下手すりゃ20代後半にも見える。実年齢の役柄を演じるには無理があるってもんだ。俳優だけではない。サバ読み可能姉妹といい、タイムスリップしたように顔から皺が消えたGoひろみといい、額の横じわもほうれい線もきれいになくなるのは時間の問題=松惰性子といい、実年齢を考えるとキモチの悪い若さがみなぎっている。

 ドラマや映画の中年役を一般公募に頼る日も近いだろう。そうなったらオーデションを受けに行ってみようか? あ・・・ダメだ。台詞を覚えるには、脳に神経芽細胞を注射してもらわないとダメだってことを忘れていた。ふはは。
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by vitaminminc | 2007-06-10 17:38 | Comments(2)

喰いモンテッソーリ・メソッド

 久しぶりに朝寝坊を決め込んでいつまでもベッドの上でゴロゴロしていた(といってもまだ6:47だった)ら、寝室の戸をカリカリひっかく次男(3才のオス猫)に続き、いつのまにか起きていたらしいムスコが入ってきた。
 「ママ、朝ごはん作ったよ♪」
 パジャマ姿のムスコが、うやうやしく両手に小皿を持ったままベッドの上に上がってきた。
 「え~?」
 「焼きおにぎりを作ってきたよ♪」
 ムスコは私に二人分の小皿を手渡すと、両脇の下に挟んでいたヤクルトを取り出して布団の上に置いた。そして自分で自分の両脇を抱きしめながら布団の上に倒れ伏した。
 「ひえぇぇぇ~! 冷た~~!」
 脇の下はいかん。リンパ管や動脈が、皮膚の表面近くを走っている。発熱時に冷やすのにはうってつけだが、平熱の時に冷やすと悪寒に襲われるようだ。
 「そんなところに挟んで持ってきたの?」
 「股に挟んで(寄り股で)運ぶこともできたけど、ママが嫌がるだろうと思って。それより一緒に朝ごはんを食べようよ♪」
 ぅぅぅ・・・なんというやさしさ。ムスコがにぎったおにぎりは、少し小さめだった。これがムスコの手にくるまれていたんだなぁと思うと、おにぎりまでもがたまらなくかわいく思えてくる。
 おにぎりの外側にお味噌を薄く塗り、グリルで香ばしくキツネ色に焼き上げてあった。おにぎりの中には何も入っていなかったけど、ムスコのハートがたっぷり詰まった味がした。
 
 寝坊していたい朝に理不尽な起こされ方をすると雷雲と化す私だが、こんなやさしさに満ちた起こされ方をされたのではたまらない。もうほとんど恵比寿様のような顔になり、「おいしい」「うれしい」をエンドレスに繰り返すばかりであった。

 「ところでママ、DSやってもいい?」
 目的の8割はソレだったのか!? まぁいいや。至福のひとときは容易には崩れない。私はムスコにDSの場所(←毎回親に隠れて勝手にやるのであちこち保管場所を変えている)を教えてゲームを許可した。
 自分が食べた食器は自分で運ぶという我が家の掟を無視してゲームを始めたムスコ。それを叱りもせずに眺めながら、二人分の皿とヤクルトの空き容器を手に、相変わらずの恵比寿顔で立ち上がる自分がいた。

 食いもんの怨みは恐ろしいというが、その裏返しもあるんだなあ。。。
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 ※モンテッソーリ・メソッド=イタリアの女性教育家M.モンテッソーリが提唱した、子どもの自主性を尊重した教育法。
 (写真はイメージです。本物は私のお腹の中におさまりました)
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by vitaminminc | 2007-06-09 10:25 | Comments(2)

夢チャンネル

 自画自賛も甚だしいが、私は自分が寝ている間に見る夢のファンだ。
 20代の後半にはわざわざニューヨークのブロードウェイまで自分の夢を観に行ったくらいだ。早い話が、ひどい時差ボケにかかって芝居を観ている間中椅子からズリ落ちるほど爆睡していたわけだ。一緒に行った友人たちには「アンタな何しにココまで来たの?」とあきれ返られたが、私はちっとも損をした気にならなかった。それほど、見ていた夢が面白かったからである。これでは自画自賛というより自我自賛だが、本当なんだから仕方ない。(←丹波哲郎か)
 そんな私が今朝見た夢は、それはそれは恐ろしかった。自分は出演していない。夢の中の‘私’は傍観者の立場だった。

 事務所のような一室に、若い女が一人隠れ潜んでいる。女を襲おうとしている犯人(男)は、すでに女が逃げ込んだ建物内部にまで迫っていた。
 男が、女の隠れている事務室の前──廊下に現れた。と、おもむろに携帯を取り出し、どこかに電話をかけている。
 なんということだ! 事務室の中で、女の携帯がけたたましく鳴り響いたではないか。女の居所を突き止めるために、男が女の携帯に電話を入れたのだ。女は逃げるのに必死で、携帯をマナーモードに切り替える余裕などなかったのだろう。ここで急に携帯の電源を切ったりしたらかえって男に居場所を教えるようなものだ。傍観者の‘私’は気が気ではなかった。
 女は電源を切るほど、まして電話に出るほど愚かではなかった。恐怖にすくみ上がりながら、携帯が鳴るままに任せていた。女の携帯の音は普通の電話の呼び出し音と変わらない。こうなったら祈るほかない。中で鳴っている電話の音を、たまたま事務所にかかってきた別の電話の音だと男が錯覚することを。
 しかし男は携帯を切った。同時に事務室内の電話の音も止んだ。もうダメだ! 傍観者の‘私’がつづきを見ることを拒んだにもかかわらず、夢は進行した。男は中に女が隠れていることを確信し、内部に突入。次の瞬間、女は男に羽交い絞めにされ、凶器のアイロンでグリグリ頭部を焼かれた。女の頭髪が焼かれて抜け落ち、カッパの皿のように白い地肌があらわれた。女はもはや叫び声を上げることもできず、ただただ不気味な呼吸音が聞こえるばかりである・・・。

 カッパの皿に笑えるのは、あの悪夢を見ていないからだ。本当に恐ろしかった。目覚ましに救われ横を見ると、ムスコがブヒブヒ鼾をかいて眠っていた。不気味な呼吸音の音源はこれで解明できた。が、なぜ私はあんな夢を見たのだろう?
 探究心旺盛な私は、自分が見た夢の分析も欠かさない。キーワードをもとに、夢診断で「意味」について調べてみた。それによると──
 ①隠れる・・・困難な状況または心配事や問題を抱えている。運気低下の兆し。
 ②犯人・・・悩み事や心配を抱えていて不安定な状態。
 ③携帯電話・・・誰かともっと強く関わりたい、つながっていたいという気持ちの表れ。
 ④電話が鳴る・・・忙しさに追われていたり、面倒なことを抱えている暗示。人間関係や環境に孤独や不安を感じている。悪夢の場合は心が休まらない状態を意味する。
 ⑤捕まる・・・恋愛や仕事などに障害が生じる兆し。
 ⑥襲われる・・・不安、おびやかされることへの恐れ。
 ⑦アイロン・・・気分よくアイロンがけをしている夢なら物事がうまく進展していくことの暗示。逆の場合はストレスが爆発するなど「警告」を意味する。
 ⑧凶器・・・周囲の嫌な人物、あるいは自分自身の欠点を排除したい気持ちを示す。また性的欲求や攻撃的感情を示す場合もあるので、強引な態度や一時の感情で周囲とトラブルを起こさぬよう慎重な行動を心がけるべし。
 ⑨ハゲる・・・運勢下降の暗示。心身ともに不調。思わぬアクシデントなど不運に見舞われる恐れあり。毛が生える夢なら物事の好転を意味する。

 エライこっちゃ。私は予想以上にストレスを抱えていて、しかも孤独と不安でいっぱいらしい。運気(運勢)下降(低下)という言葉が2回も登場している。大きなお世話だ。

 とりあえず、今夜はイイ夢が見られるよう祈っておこう。南阿弥陀仏・・・☆
 参考:「夢ココロ占い」、「夢辞典」
 
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by vitaminminc | 2007-06-07 18:23 | Comments(2)

棚からボタ猫

b0080718_22354077.jpg え~~。この精悍な面構えでもってソラっとぼけているのがうちの次男坊、3才です。
 さきほど食器棚の上から落ちました。猫も寝惚けりゃ棚から落ちる──ってんですか、戸棚の上でさも気持ちよさそうに仰向けになって背中をすりすりしながら寝返りを打とうとしている姿が見えると思ったら、次の瞬間には、両手で必死に戸棚の崖っぷちにしがみつき、下腹ぶらぶら、後脚ジタバタという実に漫画チックな後姿が。きっと猫の手も借りたかったに違いないのですが、結局自分の体重5.5kgの重みに耐えかね落下。もちろん私だってとっさに両腕を差し伸べキャッチを試みました。でもあまりの重みに両腕でつくったネットが崩れてしまい、‘ワンクッション’の役目しか果たせませんでした。イデデ・・・。


b0080718_22542487.jpg 穴の開いたプラスチックボックスが、事故の衝撃を物語っています。
 当の落ち猫は、さっさと隣の居間に引き揚げ、しきりに顔を洗っておりました。この手のドジを踏んだときに必ずする、一種のごまかしポーズ。
 かくいう自分も今日の夕方、日頃の疲れがどっと出て2時間も爆睡してしまいました。後半見た夢は、気持ちのいいマッサージチェアーに寝そべっている夢。昼間テレビで見たカタツムリの進行波と呼ばれる動きを取り入れたマッサージに「こりゃ効く~」などとうなっている夢でした。飼い主がコレです。自分が寝ている面積も忘れ、つい至福の寝返りを打ってしまった猫の酔狂なふるまい、痛いほどよくわかります。
 猫ちゃん、ありがとう。今日も笑いを誘ってくれて。でも怪我をしない程度に頼むニャ。
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by vitaminminc | 2007-06-03 23:19 | Comments(2)


日々の暮らしに「ん?」を発見


by みん子

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