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b0080718_1863591.jpg先日自慢紹介したキャット・ネッククーラーのほかに、実は多少機能性の異なる品をほかに3つも購入した。

何にも無いときは手ぬぐいに保冷剤を巻き込んで済ませていたくせに、買うとなると4つも買い込む。

バカじゃなかろか、私は。

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これは、さんのネッククーラー。
難点は、キッズ用なので、常に首を絞められているような使用感、
及び「かわいいサルね」と誉められること。

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だから、サルじゃねっつの。

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これは、水に濡らして気化熱により冷やすタイプ。
難点は、服の襟元が濡れてしまうことと、ゴルフ用とかいう割には、
どう見てもシェフのスカーフに見えてしまうところ。

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いや、だから違いますって。

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これは、3連の保冷剤を入れられるタイプ。
首をぐるりと冷やすことが出来るので、結構強力。

難点は・・・・・・

b0080718_1844877.jpgイスの背にかけておいたら、
「誰だ、こんなところに便座カバーを干してるのは!」
とダンナに叱られたこと(涙)
by vitaminminc | 2009-06-22 18:46 | 笑い | Comments(2)

滑舌トレーニング

それでは、本日の新聞記事の見出しを利用して、お手軽に滑舌トレーニングをしてみましょう。

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──どの言葉を使うか。もう、おわかりですね?

なるべくデキャー声で、できるだけハキハキと、超スーパー3倍速ハイスピードで、4回ほど言ってみましょう。

急速増殖能力九足増速脳六給食常食尿力cute, socks, though, shock, know, rock!
by vitaminminc | 2009-06-20 20:29 | Comments(2)
 その朝は雨模様だった。同僚はバスに乗って会社に行くことにした。
 バスが来た。彼女は一番後ろに座った。
 長椅子のように繋がったシートの右側に、2人分のスペースを挟んで会社員風の男性が座っていた。同じシートなので、嫌でも挙動が目に入る。
 (あの男はさっきから何をやっているんだ?)
 お焼香にも似た男性の右手の‘上下運動’を不審に思った彼女、両の黒目を限界まで右に寄せ、隣の男がいったい何をやっているかを見極めようとした。

 それは見るもおぞましい行為であった。
 40代とおぼしきその男、右手人差し指と親指とを使い、せっせと鼻毛を抜いているではないか。
 しかも、ただ抜いているのではない。抜いた鼻毛を、まるで戦利品でも並べるように、自分の左手の甲に、抜いてはくっつけ、抜いてはくっつけし、愛おしそうに並べていたのだそうだ。

 「え~! 見られてるって気づかなかったのかねぇ?」
 「一心腐乱(←不乱のまつがい)になって周りが見えなくなってたんじゃないのぉ~?」

 ギャーギャー盛り上がる傍聴人とは対照的に、語り部の彼女は真顔で言った。
 「冗談抜きで、朝食をもどしそうになったヮ・・・」
 そして彼女は解説した。
 「何がキモチ悪いって、普通のサラリーマンに見える人が、そういうことをやっている、それが何よりも気色悪かった」
 志村けんの変なおじさんが鼻毛を抜いている方がよほどまともに見えると言わんばかりである。
 「わかった!」と私は叫んだ。駅に着くまでの間に何本抜けるか、または奇数か偶数かで何かを占っていたのではあるまいか。「花占いみたいに、鼻毛占いで──」
 賛同する者は1人もいなかった。

          *         *        *        *       *      *   

 そんな話を聞いてから1週間も経っていないというのに、語り部の彼女の気持ちがよーくわかる出来事が起きた。
 (ひぇっ!!)
図書館から借りてきた本のページに、ソレはあった。
 (こ、これは!? す、するとさっきのも・・・!?)
何ページか読み進めていくうちに、何か短い「毛」のようなものが1本付着しているページがあった。ちょっと不快感を覚えはしたものの、さほど気にもしなかった。
 しかし、また何ページか読み進めると、今度はそれが2本に増えているページに出くわした。さきほど見たのは「毛のようなもの」だったが、今度のは明らかに「毛」である。短くて、かすかにカールした「毛」である。
 それは、毛根に含まれる皮脂が糊代わりとなって、まるで「押し花」のように本のページに密着していたのである。
 しかも、明らかに人為的に。なぜならその超短髪2本セットは、よく‘同上’などの意味を表わすときに用いる記号、
                         
とまったく同じように、仲良く並んで貼り付けられていたからである。
 (て、ことは、まさか・・・!?)
 不安は的中した。その後も鼻毛コンビによる「〃」は、私の目の前に数回登場した。眉毛でも睫毛でもなく、鼻毛と断定したのは私の直感だが、おそらく会社の同僚がバスで目撃したのと同じく、鼻毛に間違いないだろう。あんまりである。

 実は、私が今回借りた分厚い図書(「卑弥呼」久世光彦/著)は、すでにわが町の図書館では閉架扱いとなっていて、地下の書庫から引っ張り出してもらって借りたのだった。
 私が返却したら最後、この本はまた当分日の目を見ることもなく、地下で眠ることになるのだろう。
 ぅぅぅぅぅ・・・書物に罪はない。私は半ば意地になって鼻毛本を読破することに決めた。

 そもそも、この本は最初から妙だった。足跡が多すぎる。
 図書館の本なので、当然不特定多数の人の手に渡ることが考えられる。が、児童書ならともかく、大人向けの書物で、ココまで何かを残してある本というのは、今回はじめて出合った。人気のある本なら手垢や日焼けで多少汚れることはあっても、人為的な足跡というのはそうそうあるものではないし、あってはならないものだ。

 それなのに、この本ときたら・・・。

b0080718_17522447.jpgまずは個人名がはっきりわかる病院の受付票がパラリと落ちてきた。
この段階では、まだ微笑ましく感じていた。

病院の待合ロビーでこの本を読んでいた人がいる。

病人の手にこの本は重かったことでしょう。

どなたか存じませんが、その後お加減はいかがですか?

b0080718_17531295.jpgつづいて、押し花ならぬ

押し鼻毛の登場。

鼻毛の代わりに猫っ毛をご覧下さい。

b0080718_17542443.jpgさらには直筆による
書き込み
ときたもんだ。
書き込みは、太宰治の命日について触れた行に
登場。
なんと、活字を消して「19日」と‘訂正’してやがる。
新聞では、今月19日に太宰が生誕100年を迎えることを伝えている。書き込み犯は、太宰治の生まれた日と死んだ日を勘違いして、我こそが正しいと自信たっぷりに‘添削’したのである。公共の財産である図書館の蔵書に。

知人に話したら、「そんな書き込みをする奴はきっと男だ」と確信をもって言うではないか。「(博覧強記の)久世光彦に対抗して自分の知識をひけらかそうとしたけれど、結果は大恥をかいただけだね」

ふむふむ。私もプロファイリングといくか。あの病院の受付票──あれは挟み忘れたのではなく、故意に挟んでおいたのかもしれない。
太宰治の命日を‘訂正’した博学多識の読者様は、このワシじゃ、と。そういえば、漢字3文字の下の名前のうち、2文字が旧漢字。頑固一徹で自己顕示欲の強い老人像が浮んでくる。


 鼻毛によるメッセージも、何か深い意味があって不快な足跡を残したのかもしれない。だがさすがに、押し鼻毛がどこのページに付着してあったのかを確認するのは止めにしておいた。
 毛根の粘着力が落ちていそうな年月を考えれば、必要以上にページを繰って振動を与えるのは好ましくない。
各ページの鼻毛が私の寝室の床に落ちて、尺取虫のように這い回る姿は想像したくない。それでなくとも、ほかのページはコンビで貼られていた鼻毛が、1ページだけ1本だったことを考えると、憂鬱でたまらなくなるのだ。

 はなげ馬鹿げているとは思う。病院の受付票の主と、鼻毛の主、そして自己中な添削者が、すべて同一人物だとする証拠はどこにもない。
 もしかしたら、合計で現存7本はあった鼻毛だって、すべて他人のものかもしれないのだ。
 2人目以降は模倣犯とも考えられる。偉大なる最初の鼻毛に触発され、抜き、並べ、貼る、といった行為に及んだのかもしれない。

 それでも、比較的丁寧に取り扱われてきたことがわかる、外見上は良好といえる状態の書籍である。にもかかわらず、これだけの足跡が残されているのは、かえって不自然ではないか。単独犯説も唸りたくなろうというものだ。

 万歩譲って、花粉症でクシャミをするたびに鼻毛が飛び(鬼太郎か)、我知らずページに付着したのだとしても、また、太宰治の命日が時空のゆがみにより「19日」だったとしても、図書館の本に鼻毛を付けたり、ボールペンで書き込みをするような人を、私は絶対認めない。
マナー違反もはなはだしい。


 
 
by vitaminminc | 2009-06-16 18:47 | Comments(4)

三「斜面」談

 昨日はムスメのガッコの三者面談だった。

 担任のセンセーから、今年導入したという、B社のナントカ模試の結果というのを手渡された。

 「ご覧いただきますとおわかりのように、ヒジョーに細かいデータとなっています。それ全部お嬢さん1人に向けた個人データです」

 たとえば私が「健康なカラダ」(脂肪志望大学)を目指して、健康診断(全国模試)を受けたとしよう。

 その結果、私には脂質代謝障害(苦手科目)があることが判明し、中でもLDLコレステロールの数値(苦手な問題傾向)がアカンということが指摘される。

 もちろん、私の数値が現在どのへんに位置するのかといったグラフもあって、「健康なカラダ」の領域に到達するには、あとどのくらいの努力が必要か(段階別ステップアップ)も一目瞭然というわけだ。

 さらには、改善(克服)すべき食事療法(勉強方法)、運動例(問題例)なども懇切丁寧に挙げられている。

 「う~~~ん、コレはまるで個人カルテですね」

 鼓のような顔で私が言うと、センセーも鼓奏者のような顔で、

 「そうです、まさに個人カルテです!」と嬉しそうに言った。

 「この模試、次回はいつ受けられるんですか?」

 「え~~~と、次回は確か9月か10月・・・?」

 「1学期に1回ということですか?」

 「実はコレが、ヒジョーーーに高額なものですから・・・」

 そうだな。人間ドックだって何年に1回受けられるか。因みに私は1度も受けたことがない。
 こんだけ詳細に個別データが出るのだ。やっぱ集団検診のように‘無料’というわけにはいかないわな。

 ムスメが志望する大学受験に必要な履修科目の確認は、ムスメとセンセーに任せ、私はイワザルとなって頷くことにだけ情熱を注いだ。

 「お嬢さんはよく考えて選択していると思います」

 そりゃそうだろう、親が当てにならない以上、自力で考えるしかない。

 細かくブロック分けされた「領域」。ムスメが目指す領域を頂上(志望大学←日本の大学の頂点、という意味では決してない、全然違う)とするならば、ムスメは現在まだ8合目だ。

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 頂上まで、あと2ステップ。こりゃ相当な急斜面だろう。

 「ガンバってくりよ!」の思いを新たにした母を尻目に、帰宅後ムスメは一度もペンを握ることなく、教科書のページを繰ることもなく、大の字になったりCの字になったりして居間の床でスースー寝息を立てていた。

 早速ビバークかい!

 
by vitaminminc | 2009-06-11 09:48 | Comments(4)

にゃんこと一緒❤

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ふぉっふぉっふぉっ060.gif

コレな~んだ?

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裏面はこんな感じ056.gif

●の部分はマジックテープになってます。

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こんなふうにも使えるけれど037.gif

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にゃんこフェイスのポッケには、

凍らせたコレ(保冷剤)を入れて使います。

b0080718_171213100.jpgもうおわかりですね?

首を冷やすためのネッククーラー048.gif

しましまちゃん、情報ありがと~!!

ブラックとグレーの2色あったけど、

グレーを注文しました。


←なめ猫(関係ないけど)


おかげさまで、今日は職場で私を見るみんなの目尻も下がり気味。

おまけに私自身、猫の手を借りてるみたいに仕事がはかどりました!

可愛いグッズを入手して、コーネンキーズを楽しく全うできそうです。

(もう台ふきんとはオサラバじゃい・・・)

by vitaminminc | 2009-06-10 17:32 | Comments(4)

26 de 59

 先日、ペット霊園に行ってきた。
 昨年初秋に猫白血病で天に召された茶尾プーの、納骨堂安置期間の更新に行ったのだ。

 他の宗派のことは知らないが、私の知る限り、人の場合、納骨の時期は忌明けの四十九日法要とあわせて行うのが一般的のようだ。
 だから迷った。本来であれば、3月の春彼岸までにペット霊園へは回答すべきところを、結論が出ないまま回答保留にしておいた。
 回答が無ければ、霊園側は安置期間延長の申し出が無いものとみなし、合同墓地に埋葬するのだろうと思っていた。

 いつまでも納骨堂に置いては成仏できないのではないだろうか? 留め置くのは私のエゴだろうか? 
 短い生涯だったのだから、せめて個別にお参りが出来る期間を少しでも長くと思うのは、エゴなのか?

 自分で結論が出せないでいたので、‘霊園任せ’という、存在しないコースを勝手に選択した。

 しかし、霊園は私が望むほど事務的ではなかった。最終確認のハガキが舞い込み、茶尾プーの骨がまだ土にかえっていないことを私に知らせてきた。

 茶尾プー、ごめんね。

 すぐに霊園に電話を入れた。今度は迷うことなく、来年3月末日まで納骨堂に置いてくださいと頼んだ。

 なぜかペット霊園に来ると心が落ち着く。短い時間しかいないけれど、納骨堂の中に並んだ犬や猫の遺影にも、緑の芝生に並ぶ墓石に刻まれた文字にも心が癒される。

 自然に「ありがとう」という言葉が溢れてくる。

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霊園を訪れた晩だったか、風呂の湯に浸かりながら、須藤真澄さんの長い長いさんぽ(エンターブレイン刊)という漫画を読んだ。

ひぃぃ~ん・・・気持ちよく胸が締め付けられ、気持ちよく涙がこぼれ落ち、気持ちよく溜め息が出た。

愛するものが家族の一員となり、短い生涯のすべてをかけて与えてくれる大切な何か。
 
愛するものを失った作者が、そのどうしようもない喪失感を夫と二人で一つ一つ噛みしめるように行う‘儀式’にも似た作業は、私が茶尾プーを失ったときの、やり場のない悲しみの、まさに「やり場」そのもののようであった。

バスクリンじゃなくて、涙入りのお風呂っていうのもたまにはいいもんだね、かわいい茶尾プー。

   * 26 de 59 = 風呂で号泣
by vitaminminc | 2009-06-09 10:45 | Comments(0)

完敗

 その日、母(私のこった)は自分のことを神棚に上げ、ムスコに説教しておった。

 やれ、使ったものをナゼ元の場所に片付けない!? だの、

 やれ、DSやる暇があるのならナゼ先に宿題をやらんのか!? だの。

 ムスコは一言も反論せず、黙って神妙(そう)に聴いていた(と思っていた)。

 すると、室内にラップ音が響き、母はギョッとなって怯えた。

 「なに? 今の音・・・」

 説教を中断して辺りをうかがう母に、

 ムスコがニヤリと笑って答えた。

 「軽く一発威嚇してみました」

 親の小言を放屁で阻止するとは。

 あなどれないというか、アドレナリンというか・・・(爆)
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by vitaminminc | 2009-06-08 19:29 | Comments(2)
 今週はじめ、わが家に‘加害者’がやって来た。

 実は先月上旬、ムスメが事故に遭った。事故といっても自転車同士の衝突事故だ。
 その日の学校帰り、ムスメは県道沿いの自転車可の歩道を自転車で走行していた。登校途中にチェーンが外れかかったこともあり、帰りはだましだまし、ゆっくり自転車を走らせていた。
 するといきなり脇道から結構なスピードで自転車が飛び出して来た。どうやら県道を渡ろうとしていたらしい。ムスメは咄嗟にハンドルを切り避けようとしたが、間に合わなかった。相手の自転車の後輪に衝突し、路上に投げ出されてしまった。
 ムスメの自転車が進行方向と逆向きになって倒れていたことからも、衝撃の大きさがわかろうというものだ。
投げ出されたときの状況を、ムスメは次のように説明していた。

 頭を庇おうとして、本能的に身体を縮めながら仰向けに着地した。
 不思議と背中を打つ衝撃はなかった。
 背を丸めていたので、着地した後は、ゆりかごのように身体が前後に揺れた。
 空が見えた。
 パンツも見えている気がして、急いでスカートの裾を直した。
 上体を起こそうとしたところ、右足首に激痛が走った。

 相手は‘おばあさん’だったという。幸い、おばあさんの方はまったくの無傷で済んだ。
 「よく見たつもりだったんだけど」
 おばあさんは、独り言のようにつぶやいていたという。
 おばあさんの後ろを歩いていたカップルが駆けつけて、ムスメの足を診てくれた。看護学校でリハビリを学んでいる学生さんだった。
 「何とか骨の方は大丈夫そうだね」
 学生さんがそう言ってくれたのでホッとはしたものの、痛み方が尋常ではない。
 ムスメはおばあさんに向き直って、名前と電話番号をひかえておいた。

 無事な方の足で自転車をこぎ、何とか家まで辿り着いた。だが、家の敷地まで乗り入れてからは、もう一歩も歩けなくなった。
 
 玄関チャイムが鳴って出迎えると、ムスメが涙目になって「事故った・・・ママ、助けて」と訴えた。
 ムスメの腕を肩に担いで家の中に運び入れると、恐々靴下を脱がせた。
 「キャッ!」
 二人同時に叫んだ。くるぶしのところがピンポン珠みたいに膨らんでいた。事故現場から家に着くまでの間に、どんどんどんどん腫れてきたようだ。
 すぐに買い置きの湿布薬を貼って地元の整形外科に連れて行った。レントゲンの結果、学生さんのお診立て通り骨は折れていなかったが、少々重症の捻挫ということだった。
 帰るときには簡易ギプスと松葉杖という姿になっていた。

 整形外科で治療を終えると、ムスメに案内させて事故現場へ急いだ。
 なるほど。やはり(当然のことながら)県道が優先道路で、おばあさんが飛び出してきた脇道の方にだけ一時停止の標識があった。停止線は(当然のことながら)、ムスメが走っていた歩道より手前に引いてあった。
 「なるほど」
 
 おばあさんは県道を渡ることしか頭になくて、つまり車道しか見ていなかったのだろう。歩道は角の家のブロック塀で完全に死角になっている。だからこそ「止まれ」の標識があるのに、おばあさんは自転車も歩行者の一部としか思っていなかったに違いない。
 もしもムスメの方がよりスピードを出して走っていたら、弾き飛ばされていたのはおばあさんの方かもしれなかったのだ。
 今後ムスメが加害者側にならないためにも、ココはお灸をすえさせてもらおう──私は加害者に電話して、
あなたの不注意によって通院するほどの怪我を負ったのですよ、とだけ伝えるつもりだった。でないとまた同じことを繰り返し兼ねない。

 ところがおばあさんはそれなりに自分の非を自覚していたようだ。私が電話を入れると、まだ名前も告げぬうちから「事故の相手」とわかったようで、
 「今、代わりますから」とだけ言って長いこと待たされた。
 代わりますというのはどういうことであろうか。声の感じからして本人であることに間違いないはずなのに・・・少々身構えて待っていると、受話器から元気そうなおっちゃんの声が聞こえた。
 「どーもどーも、お待たせしました」
 「ハイ、本日ムスメが自転車で・・・」
 「はい、どーもすみませんでした。ウチのがぶつかっちゃったそうで。お嬢さん大丈夫でしたか?」
 「先ほど医者へ連れて行きまして、捻挫で通院することになりました。あの、あそこの歩道は小さなお子さんもよく歩く道ですので、今後歩道の手前で必ず止まっていただくよう奥様にも──」
 「申し訳ありませんでした、治療費は全額負担させていただきますんで、治療が終わりましたら必ずお知らせください。その前に、一度ご挨拶に──」
 「いえいえ、それには及びません」

 てなやり取りがあり、全治1ヵ月の怪我も新陳代謝により三週間で完治した。加害者のダンナさんは誠実な人柄らしく、途中経過を尋ねる電話も寄越してくれた。
 そして治療費(実費)と見舞いの品を持って、先日ご夫婦で訪れたという次第。
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おっちゃんは俳優の故下川辰平さんに似ていて、両腕で大きな発泡スチロールの保冷ボックスを抱えていた。
おばあさ・・・(も少し若いやんけ)おばさんはケーキの箱らしきものを手に持っていた。
私はおっちゃんの保冷ボックスに目が釘付けになってしまった。
完全にロック・オンしてしまって、逸らそうとすればするほどガン見してしまい、もはや猟犬以外のナニモノでもなかった。

b0080718_20124912.jpgおっちゃんが全額払うと言うので、一応整形外科にかかった領収書のコピーを用意しておいた。
それを渡すとき、
 「おあらためください」と言おうとして、「おらあため」と言ってしまい、次に「おたあらめ」と言い、三回目に言い直そうとしたときには、すでに先方に見限られていた。
ご夫婦は、人語が苦手な猟犬を「はい」の一言で片付けると、改めてムスメの方に向き直って深々と頭を下げた。
 「この度は痛い思いをさせてしまってごめんなさいね」とおっちゃんが言う。「わたしは市場に勤めてるんですよ。だからコレね、どうぞ食べてください。鮭もコレ全部、アレ落としてあるから」
 そして白い大きな玉手箱のフタを開いて見せた。
 私とムスメ、思わず息を呑む。
 「アレって、骨を取ってあるって言わないと・・・。コレはケーキです。召し上がってください。これからは十分気をつけますので・・・」
 小柄で細身のおとなしそうなおばさんは、折れそうに華奢な肩をすくめると、深々とムスメに向かって頭を下げた。この人がムスメをすっ飛ばしたとはにわかには信じがたいほど華奢な女性だった。

 「どこがばーさんだよ」
 二人が帰った後で私はムスメに言った。
 「いや、感じが変わってたョ。事故のときは長い髪を後ろで一本縛りしていたから、もっと老けて見えた」

 詫びに訪れたときのおばさんは、ショートヘアでパンチパーマが緩くなったようなパーマをかけていた。これは頭を丸めて詫びに来てくれたと解釈すべきなのか。

 そんなわけで、今週わが家の食卓は、豪華海の幸づくし。マグロの刺身、トロサーモンの刺身、ホタテ貝柱の刺身、ホタテの醤油焼き、ホヤの塩辛、蟹爪の刺身・・・。サーモンは脂がのっていて実になまめかしく艶々とおいしく、ホタテの貝柱などはモルモットが腰掛けるのにちょうど良い切り株のようにデカく、肉厚で食べ応え十分。どれもこれも滅茶苦茶おいしくて、不謹慎極まりないのだが、何度もムスメに「アリガトー」を言ってしまった。ふははは。
 私がスーパーで買い足したものといったら、刺身に添える35円のカイワレ大根のみ。ムスメを学校まで送迎するために休んだパートの日当分を差し引いてもまだお釣りが来るほど新鮮でおいしい海の幸だった。

 湿布を交換しようと包帯をほどくたび、検視官になったような気分になった。はじめの10日間はとにかく内出血がものすごく、まるで遺体の足を見せられているようだった。整形外科の先生も、
 「ありゃりゃずいぶんひどくなっちゃったね」と驚いていた。
 ところが、2週間が過ぎるころからみるみる経過が良くなった。1ヵ月を待たずして完治できたのは、このままでは体育の成績がどえりゃーことになると心配していたムスメにご先祖様が一役買ってくれたのかもしれない。ぶつかった衝撃で飛んだのに、背中を打ちつけずに済んだのも、加害者がいい人だったことも、何か大きな力に守られている気がする。

 で、どーでもいいのだが、あんなに大きな、明らかに「新鮮な海の幸」が入ってるとわかる箱を抱えて目の前に立たれたら、どこ見りゃいいかがわからない。
 私とムスメは玄関ポーチの上に立ち、見下ろすような角度で出迎えるカタチとなったため、相手の顔と抱えた箱とが同列で視界に飛び込んできて、その結果、相手の顔よりも膨張色の箱の方に目がイッてしまったという・・・。
 
by vitaminminc | 2009-06-05 20:47 | Comments(5)

日々の暮らしに「ん?」を発見


by み茶ママ