奇異ワード

 夢というのは面白い。

 夢の中の私は、時としてふだん話さないばかりか、思い浮かべもしなかったような言葉を口にする。

 同じ脳味噌を共有しているくせに。

 今朝見た夢の中で、私はムスメと2人でショッピングを楽しんでいた。

 白いパラソルを購入したのち、店内を歩いていると、1人の女性店員に呼び止められた。

 購入した品の提示を求められた私は、訝しがりながらも素直に応じた。

 確認を終えた女性店員が、「申し訳ありませんでした」と詫びるのを聞くと、にわかに怒りが込み上げてきた。

 店の時計に目をやる。次に向かう場所の予定時刻にはもう間に合わない

 ドッカーン。私は女性店員に文句を言った。

 「予定していた時刻に遅れてしまったじゃないですか」

 「そう言われましても・・・」

 「不当な扱いを受けた上に、貴重な時間まで失って」

 「じゃあどうすればいいんですか」と、女性店員が突然開き直る。

 「責任者を呼んでください」

 完全にふてくされた女性店員が、関係者以外立ち入り禁止の鉄のドアに消えるのを待って、ムスメが口を開いた。

 「びっくりしたぁ。ママ、急に逆切れするんだもん・・・」

 「何言ってんの? 逆切れしたのはあの店員の方でしょ」と反論すると、

 「先にママの方が──」

 「ママのは逆切れとは言わないよ」と私はクールに反論した。「正当ギレっていうんだよ」

 このまま上司とやらを待っているのも馬鹿馬鹿しい。どうせ詫びの上塗り、時間の無駄だ。

 「行こう」私は歩き出した。「これ以上遅れるわけにはいなかいわッ」


 非常にわかりやすい‘夢語’で自分を正当化した私であったが、キー・ワード(夢のお告げ)はほかにありと悟ったのは、やけにおとなしい目覚まし時計を凝視した瞬間だった。

 起きるべき時刻を64分間経過していた。
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 ※なぜ店員に疑いの目を向けられるような不愉快な夢を見たかについて、補足させていただきたい。
  つい最近、私のバッグの中に見なれぬハンカチが入っていたことがあった。その日は仕事帰りにどこにも寄っていないので、足元に置いていたバッグの中(←ファスナーくらい閉めておけ)に、たまたまそばを通りかかった同僚の誰かがハンカチを落としてフォールインしてしまったのだろう。
  翌日、洗ったハンカチを事務所の「忘れ物箱」に入れながら、
  「いくら汗だくだからって、とうとう人様のハンカチにまで手を出すとは。私もボケちまったものよ・・・」
  こう自嘲して回った記憶が、夢の中で再現されたのだと思う。とほほ。
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by vitaminminc | 2009-08-26 15:59 | Comments(0)

晩夏のバカ

 猛暑とか酷暑とかより、「うだるような暑さ」というのが自分の体感温度には一番しっくりくる。

 「うだるような」というのは「茹だるような」と書き、本当は「茹だったような感じになるくらいの」という意味らしい。

 「唸る」×「ダレる」=「うだる」だと思っていたものな。(笑)

 そんな「うだるような暑さ」も終盤にさしかかって少しダレてきたのか、今日はいくぶんしのぎやすい。

 思えばこの夏は、やたら馬鹿ヂカラを発揮した。おバカ度全開という意味で。

 「パジャマで出勤」事件のあとも、悲しいことに、小バカ、中バカぶりを休みなく発揮中。↓↓↓


057.gif其の壱057.gif 「消えた英世クローン」

 スーパーでお買い物。レジでピッピしてもらっている間に財布を開いた。

 世界のナベアツ・ヘアをした英世が、たった1人きり。一緒にいたはずの英世クローンたちはいずこへ!?

 「コレとコレとコレとコレはヤメにして、コレとコレとコレだけにしてくださぃ・・・」

 消え入りそうな自分の声・・・いっそ自分が消えたかった。(むせび泣き)


057.gif其の弐057.gif 「用法・用量は正しくお使いください」

 悪玉コレステロールで2週間に一度通院。毎回出される薬は14日分。1日1錠×14日間=14錠。
 一昨日(病院へ行く日前)薬の残量を調べたら、あろうことか錠も余っていた。半分以上飲み忘れ。

 治りてーのか治りたくねーのか。いや、コレステロールの病気は治らねーと聞く。

 薬の力で数値は正常に保てるが、服用は一生続くらしい。そして本日病院へ。

 「不思議なことに、薬が6日分も余っているのです」

 と告げる勇気はなかった。「認知症の薬も一緒に処方してください」とすがる勇気も。(しのび泣き)
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by vitaminminc | 2009-08-25 17:36 | Comments(6)

今際の際のキミ

今くらいの時期になると、舗道のあちこちで、仰向けにひっくり返ったアブラゼミをよく見かける。

たいていは寿命をまっとうした屍だ。

だが、ごくたま~に、まだ命が燃え尽きていないセミがいたりする。

ジジッ!という、電線に雷が走ったような叫びと、悪ガキの「ぅわぁッ!」という驚嘆の声。

その喧騒の先を、瀕死のセミが低くもがき飛んでいく。

「びっくりしたー、まだ生きてやんの!」どこかの悪ガキどもが笑い崩れる。

──こんな光景を、誰でも一度は目にしたことがあるはずだ。




「奥さん、そこ! セミ! 踏まないで!」ムスコが私の足元を見て叫ぶ。

仰向けにひっくり返っていても、死んでいるとは限らない。

見分けるのは簡単だ。瀕死の場合、肢が完全には縮んでいない。

夏に焼かれたアスファルトの上で、今にも死にそうなセミを見かけたら、

どうかそっと、人差し指を差し出して欲しい。

ほうら、十中八九、彼らは指にすがってくる。

小さな丸い目に一瞬だけ光を点すと、全肢を使って指にとまる。

息も絶え絶えの目には、指が小枝にでも見えるのだろうか。

安心し切ったように、人差し指を抱きしめてくる。しっかりつかんで離さない。

私は胸をキュンキュンいわせながら、今際の際のセミの居場所を探す。

「ギャーやめてー! やだ、何でそういうことすんのー!」

ムスメが私の指にとまったセミを見て叫ぶ。

(ここでゆっくり、‘その時’を待つんだよ・・・)

私は木陰にセミを移すと、テレパシーを使ってそういい聞かせた。

肢を踏ん張り、久しぶりにうつ伏せになったセミの背が、ホッとしているように見えた。

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by vitaminminc | 2009-08-17 16:20 | Comments(8)

ボディー・笑ンゲージ

 出勤前の忙しい朝、洗面所で髪を整えていたら、背後でムスメが「わはははっ」と笑った。

 「なに?」

 「奥さんスゴイですョ! 背中が、ブラジャーしているところ以外ビッショリ!」

 「え! やっぱり?」

 洗面化粧台の鏡にはりついていた私は、上半身が見えるように一歩うしろに下がった。

 そして己が姿を見て、不覚にも爆笑してしまった(真珠の涙)。

 背中がそうなら、前も当然同じこと。

 モカブラウンのサマーTシャツを着ていたものだから、ブラジャーのカタチを残して汗に染まったさまは、

 まるで日焼けしたボディーの水着跡のようだった。

 しかもアタマに来ることに、ちっともセクシーないときた。

 クソ! また着替えなきゃならんのかい!

 冷房の効いていない場所で突如ジャイアント・ホット・フラッシュに見舞われると、

 着替えるほかに打つ手はない。

 台ふきんで顔の汗を拭くガテン系のくせに、汗に濡れた服が乾くに任せるほど無頓着ではない。

 不自由な身を持て余し、苦労しているのである。


 が、こんな不自由な身ではあるが、つい最近嬉しいこともあった。

 7月に受けた乳がんと骨粗しょう症の検査の結果、どちらも「正常範囲」だった。

 
 あとは、今週月曜日に露見したオツムの方だな。

 6日木曜日の讀賣新聞によると、相手を判別できないほどの認知症患者でも、その「表情を読み取る力は

 健常者と大差がない」ことが、国立長寿医療センター研究所(愛知県)の調べでわかったという。

 これは、「相手の心を写し取る脳神経(ミラーニューロン)の機能が保たれている」と分析され、

 「たとえ相手の顔がわからなくても、介護者の笑顔や家族の感情は、確かに伝わっている」と考えられる。


 ムスメに、新聞の記事に書いてあったことを伝え、私がいよいよになったら笑顔で接するよう頼んでおいた。

 「でも、あくまでも表情から感情を読み取るってことだよね?」

 「ん?」

 「顔ではにこにこしていても、腹ん中では・・・ってとこまでは見抜けないんだよね?」

 ムスメよ、そんな心配など無用。腹の底からにこにこ笑って介護してくれればよいのだ。

 だってママは、まだかろうじて正気を保っていた頃、よく身体を張ってアナタを笑わせてあげたでしょ?
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by vitaminminc | 2009-08-08 20:41 | Comments(0)

あじゃパジャマンデー

 今朝、会社の女子トイレに入った私は、月曜だというのに、

 水曜日にやって来るといわれる伝説の大波=ビッグウエンズデーに足をすくわれた。

 目の前の鏡に映った自分の姿に、ヨロケちまったのだ。

 尻まですっぽり覆う、お気に入りの長めのチュニック。

 だが、その下から、なぜに、
 パジャマズボンがのぞいているアルか?

 自虐ネタを黙ってはいられないタチの私は、トイレから出ると、

 3分もしないうちに同僚の1人=オット星からきたオットちゃんを捕まえてカミングアウトした。

 「黙っていたほうがいいですよ、絶対、黙っていればわからないから──」

 オットちゃんはバカ笑いを飲み込むあまり、オカメとひょっとこの遺伝子証明のような表情で助言した。

 が、彼女が私に口止めしたのは、自らお披露目役を買って出たかったからにほかならない。

 彼女は本日の私の、常軌を逸したファッションの素晴らしさについて、同僚に解説した。

 数日前、彼女の笑い声を「オットセイみたい」と言った私に対する感謝のキモチの表れだろう。

 以降、私が用事で席を立とうとすると、まず隣人が「みん子さんが立つよ~」と声を上げ、
 
 別の人が「みん子さんが歩くよ~」と周りに伝えた。

 「上の服と色合いが似ているから(下がパジャマだなんて)わからないわヨン♪」

 「(いい年こいてパジャマを穿いたまま会社に来るなんて)超かわいい!」

 慰めと賞賛の視線と声を浴びながら、自嘲と笑いの渦の中、半日を過ごした。


 チュニックに合わせて、ベージュのカプリパンツはちゃんと用意していたのだ。

 暑いので、家を出る直前に穿き替えようとしたのが敗因か(←気づけョ)。



 「何がおかしいって、そのパジャマ(ズボン)の下が妙にきちんとしているところがオカシイ」
 
 隣人は、私の足元を見て何度も噴き出した。

 パジャマズボンの裾を辿れば、

 小洒落た柄のレーシーなカバーソックスとリゲッタの牛革サンダルを穿いたアンヨ。

 「イスに座るときは気をつけなね~」隣人が満面に笑みを湛えて忠告してくれる。

 「さっき上の服がヒラ~ってめくれて、あやうくズボンからパンツが透けて見・・・」途中からは笑いのみ。

 いかーん! ‘一見パジャマには見えないから大丈夫’とはいっても、生地はパジャマ並みに薄い。

 知らなければパジャマとバレなくても、知った以上はパジャマにしか見えない質感だ。

 気をつけねばスケバン刑事(デカ)、ぃゃ、スケスケパンツ刑事(デカじり)になってしまう。

 迷惑防止条例違反スレスレの私は、朦朧ウォークで、

 どうにかこうにか家まで辿り着いたのだった。

     ♪ つま先立ててウチへ 

           朦朧ウォークして行く

               イカレた私はダメ 
 
                    パジャマ以下あたりのステップで・・・

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by vitaminminc | 2009-08-03 18:23 | Comments(8)

日々の暮らしに「ん?」を発見
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