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声帯模写もしゃ

 へーえ。驚いた。カラスって、やっぱり利口なんだ。
 真っ黒い大きなカラスが、しきりに「オハヨー、オハヨー」を繰り返すのを聞いて、私はすっかり感心した。
 意外と低く、少ししゃがれた声で、カラスが話している。
 「オハヨー、オハヨー」
 けれどあんまり何度も繰り返すものだから、しまいには少々耳障りになってきた。その上、どこからだろう? 音楽まで聞こえてきた。

 はい? いつものパターン? 携帯?
 手を伸ばして携帯の目覚ましを止めると、すぐ横で猫の眠眠がハスキー・ボイスで鳴いているのに気がついた。
 「おあお~、おあお~、おあお~・・・」

 なんだ、さっき夢に出てきた利口なカラスはおまえだったのか。
 私には眠眠語がわかる。
 彼は「おはよう」の挨拶をしていたわけではない。
 きろ!
 さめしはまだか!
 きろってんだよ!

 の、「おあお~」だ。
 はいはい、起きますよ。起きますってばよぅ。

 アラームが鳴る前の貴重な睡眠時間を妨げられると本来逆上する私だが、なぜか眠眠には見事なくらいエビス顔。
 人真似をしている利口なカラスの声真似をするなんて、眠眠はなんてお利口なんでしょう。
 そして私はなんておバカな親バカなんだ?
 かつお節をもしゃもしゃと
b0080718_152945.jpg
平らげた後、眠眠は窓の外のスズメを見ながら、
 「くけけけけ、くけけけけけ」
 と満足げに笑うのだった。


 
 
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by vitaminminc | 2010-05-27 15:30 | Comments(4)

記憶を拾いに

b0080718_206691.jpg先日、私の携帯に、図書館からメールが届いた。web予約をした本の用意ができたという内容。
早速取りに行って、渡された本の表紙を見たとたん、
「げ。」と思った。
激しく見覚えがあったからだ。
やっちまった(←借りて読んだことを忘れてまた借りた)かなと思い、人の邪魔にならないようフロアの隅っこに身を寄せ、中をパラパラ・・・。
う~ん。いまいち判然としない。表紙にデジャブしたり、読んだように思うのは、きっと前に新聞の書評を読んだせいだろう。


 てなわけで、そのまま持ち帰ったのだが、居間で本を目にしたムスコが訝った。
 「なんで奥さん、またその本持ってるの?」
 ムスコの言うことには、
 「面白かったから、読んでごらんってオレにも勧めたじゃない。まあオレは読まなかったけどね」
 「え!! それはいったいいつ?」
 「ええと確か、まだ1年経ってないよ。去年の秋くらいかな」
 そう言われると、何となくムスコに勧めたような気がしないでもない。ジワジワと記憶が蘇ってくる。
 急いで本の後ろを確かめた。初版は、2009年7月。ひぃぃぃぃ~ホントだ1年経ってない。
 森浩美さんのプロフィールを読んで、今度はハッキリ思い出した。
 本職が、作詞家(SMAPの「青いイナズマ」など多数)であると知り、少なからず驚いたからだ。
 そうだ、そうだったではないか。この本を読んで、昭和の夏にタイムスリップできたような懐かしさでいっぱいになったではないか。
 だからこそムスコにも勧めたというのに、私の記憶は崩壊していた。
 (そう言えば前に新聞の書評で読んだ本、まだ借りてなかったっけ)─などと思い立ち、図書館に予約(二度目のな)した。

 【よく出来た人の記憶イメージ】─記憶という名の押入には、古い布団は不要。サッサと処分して、常に新しく上質な布団のみをきちんと畳んでしまってある。
 そして、たとえ古くても価値のある布団は、布団圧縮袋に入れて保管。そのため、押入内はスペースが確保されており、いつでも新しい布団を迎え入れることが可能。

 【私の記憶イメージ】─使い慣れた煎餅布団に愛着がわいて、どうしても手放せない。それでいて、安いとすぐに衝動買い。押入内は常に新旧入り乱れた布団で溢れ返り、カオス丸出し。
 時々、小さい頃掛けていた毛布が恋しくなっては、押入の奥から引っ張り出すので、雪崩が発生。

 今回の「夏を拾いに」は、そんな雪崩により押入から落下したアイマスクと言えよう。安眠に欠かせないアイテムとして、枕カバーと枕の間に挟んで押入にしまっていたが、落下のショックで飛び出した。
 あいにく、タンスと壁の睡魔ぃゃ、隙間に落ち、発見してもらえなかった。なぜなら、暗くなくたってバカスカ昼寝ができるくらい、常に眠いからである。

 会社の同僚に、このたびの情けない記憶事情について語ったところ、
 「私はその逆パターンよ」
 と言われた。
 見てもいない映画を見たと勘違いしたそうだ。子どもに「テレビで面白い映画やるからおかあさんも見なよー」と誘われたのに、「いいの。おかーさんはもう見たから」とお風呂に入ってしまった。
 風呂から出て、テレビで放映中の後半30分を何気なく見たところ、まったく見た記憶がなかったと言う。
 「終わりの方をちょっとだけ見たんだけど、すごく面白そうな映画だったの。残念、見ればよかったー」
 とたいそう悔しそうだった。
 「でもなんで私、見てもいないくせに見たなんて思っちゃったのかしら」
 と不思議がっていたので、映画が公開される頃に、テレビで予告CMが流れているのを見て、強烈に印象に残ったせいでは?と分析したら、妙に納得していた。

 などと人の記憶を診断している場合ではない。取りあえず、拾った記憶をしまうための、布団圧縮袋が欲しい。(←その前に、不要な布団を捨てたらどーだ)
 
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by vitaminminc | 2010-05-14 21:02 | Comments(2)


日々の暮らしに「ん?」を発見


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