青筋ものがたり

 ムスコの高校入学に伴い、ぽこ浜銀行にムスコ名義の口座を開設させられた。

 4月には早速その口座から体操着代が引落し(但しこの引落しに関しては学校は関与しておらず、生徒と体操着の取扱業者間の取引)となる。

 われわれは埼玉県民である。ぽこ浜銀行の支店なんかどこにあろうか。いや、どこにもない。地元にゃ皆無である。わざわざ入金だけのために、支店のある県庁所在地まで電車に乗って出かけるなんてゴメンだ。

 そこで、先日行われた、保護者参加型新入生ガイダンスの前に、ぽこ浜銀行に寄ることにした。
 ぽこ浜銀行は、駅を挟んで学校の反対側にある。
 頭に叩き込んでいたはずの銀行所在地が、駅前に放射状に伸びる4差路を目にした途端、プシュ~と音を立てて消え去った。

 「あ、あれは?」ムスコが青い看板を指差した。
 『あれは違う。Sルガ銀行と書いてあるではないか』
 「どーするの?」
 『確か駅からそう遠くないはずなんだけど…どこかに看板、見えないかなぁ』
 階段の一段上で背伸びしている母よりでかいムスコが冷たく言った。
 「見えねーな」
 『でも…あ! あの道だ、右から2本目! 間違いない。浜銀通りって書いてある』

 われわれは、いくらも歩かないうちに、ビルの2階の高さに浜銀のブルーの大きな看板を目にすることができた。
 銀行に入ると、ATMには結構人が並んでいた。ムスコを待合ロビーの椅子で待たせ、私は行列の最後尾に加わった。

 ようやく自分の番がきて、[預け入れ]ボタンにタッチしたのち、真新しい通帳を差し入れた。
 しかし、『この通帳ではお取り引きできません』という表示と共に、通帳がペッと吐き出されてしまった。
 もしやボタンを押し違えたかいねと同じ動作を繰り返してみたが、結果は同じである。

 学校の臨時出張窓口で、預け入れ0円のまま開設した通帳である。一等最初は窓口に行かねばならぬということか?
 仕方ない。ガイダンス開始時刻までは、まだ間がある。

 私は窓口の受付番号をとると、ムスコの横に腰をおろした。
 「???」
 『なんか窓口でないとダメみたいなんだよね』

 意外に早く私の番号が呼ばれた。
 『預け入れしようとしたら、ATMが受け付けないんです…』
 そう訴えながら通帳を提示した。
 窓口の女性行員は、哀れな通帳を受け取りもせず、一目見るなり最上級に気の毒そうな声を繕った。
 「申し訳ありません、こちらはMずほ銀行ですので、この一つ先のぽこ浜銀行さんの方でお確かめいただけますでしょーか」
 『ぅわっ、すみませんっ』
 窓口付近は空いていた。背後に控えるムスコの耳にも、この最低のやり取りは聞こえたようである。

 「考えらんねー」を3連発するムスコを従え、Mずほを出てすぐ右手にある細い路地を挟んだ1つ先、早い話が隣のビルを目指した。

 そもそも誰の体操着代を入金しに来てると思うんだ、え?
 浜銀通りの浜銀てのはだな、横浜全土の総ての銀行が集結したストリートという意味じゃないんだぜ。
 ぽこ浜銀行固有の略名なんだよっ。森田健作(古くて悪いか)の「もりけん」が頭(カシラ)取りなら、浜銀は世界の「なべあつ」と同じ、中(ナカ)取りなんだよっ。
 それなのにだ、浜銀通りを指差して、こっちで間違いないと言った母がだ、ぽこ浜銀行の1つ手前のMずほに平気で入ろうとするのを、おまえはなぜ止めぬ。

 ムスコの4度目の心の声「考えらんねー」を掻き消すように、私は言うべきことは言うことにした。
 『次からは、自分で入金しに来なくちゃならないこともあるんだからね! 銀行の場所、よく覚えときや!』
 「忘れようにも忘れられませんー」
 ムスコは小気味よさげに自分のオツムをツンツン指差した。

 ─ったく、Sルガが青ならMずほも青、浜銀もうっすい青ときた。
 どんだけ「青」看板が「筋」を占拠すりゃ気が済むんだ?

 以上、わがコメカミにも青筋が浮かび、気づけば浜銀通りに溶け込んでいたという実話であーる。
by vitaminminc | 2013-03-29 22:14 | Comments(2)

妖精は、森にいる

 14日付読売新聞「動物日記」というコラムを読んでいたら、最後の方にこんなことが書いてあった。

 『──なんと2本の角があがり、顔が現れた。その時、胸の中で叫んでしまった。「カワイイ!」と。あの愛らしいウサギのような顔をしている。おちょぼ口もある。目は優しいパンダのようだ。あまりの意外な可愛さに手が震えた。』

 ところが、新聞には白黒の、しかも顔が見えない写真しか載っていない。
 なぜだーっ! 大いに興味をそそられた私は、早速ネットで調べてみた。

 その生き物は、日本の森にいる。














 冬には雑木林のエノキの根元に、枯葉色の保護色に身を包み──
b0080718_20491269.jpgひゃっふぅ!
コアラの赤ちゃん?

 























 緑の季節には、エノキの細い枝に、若葉色の保護色に身を包み──
b0080718_20515582.jpgうきゅ~!

 このボディーカラーなら、もう、おわかりですね?(いやん、キモイと言わないで❤)












 そう、オトナになると、こんな姿──
b0080718_20551556.jpg雅やか~!

 美しい日本の国蝶、オオムラサキ。
 赤ちゃん時代の顔が、装甲車然としたいかつい外見からは想像も出来ない程「愛らしい」ことは、昆虫好きの間では有名らしい。
 ツノが生えたコアラみたいに可愛い動画もアップされている。

 虫(特に幼虫)にはとことん弱い私だが、オオムラサキの赤ちゃんの顔を見ながらなら、
 「この指と~まれ~」と言える気がする。
by vitaminminc | 2013-03-14 21:18 | 生きもの | Comments(5)

チビハチの退院

b0080718_20425417.jpg術後の痛みか。奇妙な八の字開脚

b0080718_20435754.jpgヨガのポーズで全身のお手入れ

b0080718_20443645.jpg脚長ッ!!

b0080718_20452230.jpg脚長過ぎッ!!

b0080718_20455172.jpgスパイダー・キャット!? 脚何本!?

b0080718_20462586.jpg手タレにもなれそうな美しい指先

b0080718_20465184.jpg舐め過ぎてとろけそう

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Hey! 塀!!

 チビハチが無事退院しました。
 ちぎれた痕みたくなっている尻尾の先は、先生曰く「ミイラ化している」とのこと。ひぇぇ!?
そのうち自然にポロリと落ちるでしょうから、敢えて切断はしませんでしたと。
 
 「今回は、耳はカットしなかったけど」と先生は言い淀みながら、耳のV字カットについて、当院の説明がうまくなかったと詫びてくださいました。
 先生が本当に伝えたかったことは、地域的に避妊手術済みの証が認知されていなかったとしても、この子にとってのメリットは小さくないのだということ。
 発情の兆しが失せたメスを、時に♂猫はテリトリーから追い出す場合があるそうなのです。生まれ育った土地を追われ、遠く別の土地に移った時、チビが別の人に保護されて、避妊手術を受けるために獣医に連れて行かれた場合、耳カットは獣医の間ではALL認知ですから、無用な麻酔・開腹手術を回避出来るというのです。
 「昔は溶けない糸で縫合したから、おなかを触れば縫い痕が皮膚に硬く残って、手術をしたことがあるかないか見わけがついたもんだけど、今は溶ける糸を使うでしょ? あれは痕がまったくといっていいくらい残らないから、実際うちに連れて来られた野良ちゃんもね、あるんですよ。開いてみてはじめて、ああ、もう避妊手術済んでるなって例が」
 ガァ~~~ン・・・私は愚か者でした。なぜ、そこまで頭が働かなかったのか。
 チビは女の子ですし、この土地を離れて遠くに行ってしまう可能性なんて、想像もしませんでした。
 右腿の、特徴的な膝サポーターみたいなホワイト・ラインで識別できるから、私がちゃんとチビだと判るから、なんて、所詮自分本位な考えでしかありませんでした。
 チビの耳をカットするのは可哀相、と思う余り、チビの痛みを想像する能力に欠けてしまいました。
 それと、もしかしたらうちで飼ってあげられる日が絶対に無いという現実を受け入れたくなかった、というのも事実です。

 もやっとした後悔の念と共に、うちの庭に連れ帰ったチビハチ。
 「今日の朝、餌を与えてみたんですが、怖がって全然食べられませんでした」と助手の先生が言っていたので、チビにはいつものカリカリではなく、ごちそう(ササミやカツオの切り身)をふるまいました。
 病院に連れて行って、痛い目に遭わせた私のことを、チビは少しも恨んでいませんでした。
 嬉しそうに私に身体をこすりつけてきて、ゴロゴロ喉を鳴らし、元気にまんまを平らげました。

 そして、せっせと全身を舐め尽くし、ピカピカにお手入れして見せました。
 塀の上にもひらりと飛び乗り、驚くべき回復力を披露してくれました。
 あまりにも元気なので、本当に手術をしたんかいと疑いたくなるほどですが、チビの下腹部の毛は剃られ、痛々しくもきれいな縫い痕が見え隠れしました。
 溶ける糸なので、もちろん抜糸の必要はありません。
 「もう病院には行かなくていいんだよ」
 ノミ除けの薬もつけてもらったチビは、再び自由の身になりました。
 そして、私の小さな庭ですっかりくつろいでいました。
 
by vitaminminc | 2013-03-07 21:34 | Comments(6)

チビハチの入院

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 ご心配をおかけいたしました。
 チビハチ、本日9時半頃に、どうぶつ病院に無事入院いたしました。

 予め病院に予約を入れていたわけではないので、一か八かの賭けでした。
 仕事休みの今日、何が何でも避妊手術を受けさせたかった私は、朝、庭に出てガッカリしました。
 ニャンズが1匹もおらぬではないですか!

 学校に行くムスコにも、今日の朝だけは餌をあげないよう言い含めておいたので、どこかでおなかを空かせているはずなのに。
 ただ、野性味溢れるチビは、小動物を捕らえるのが得意みたいです。つい最近、ムクドリを仕留めて完食したばかりですが、その前はネズミの尾と思しき物体を口から垂らしているのをムスコが目撃しています。
 本当に腹が空いたら、チビは何だって食べちゃいます。おなかいっぱい食べちゃったら、チビを捕まえたところで今日は避妊時手術を受けられないかも~~~。

 しばらくしてからもう一度庭に出ると、今度はボスハチと一緒にチビハチもやって来ました。ボスは昨日姿を見せなかっただけあって、おなかを空かせている様子です。でも、おとなしく私の足に遠慮がちに擦り寄ってくるだけで、決してガツガツした感じではないのです。

 さりげなく庭に置いたキャリーを、ボスとチビが代わり番子にのぞきます。チビが顔だけ突っ込んだところで、グレーテルのかまどみたいに押し込めようとすると、素早く身をよじって逃げてしまいました。
 あとは、撫でながら抱っこして、何度もキャリーの中に入れようとしましたが、手足の長い(←本当に長い!)スレンダー体型をだんご状に丸めることもできず、どうにもうまくいきません。

 こうなったら仕方ありません。手術前は全身麻酔をかけるので、絶食状態が原則なのは承知していましたが、餌の中でも最も小さな粒を1粒、キャリーの一番奥に置くことにしました。
 のそのそと入ろうとするボスにご遠慮いただき、うまいことチビを誘導して中に入れさせました。慌てずに落ち着いて格子の扉を施錠。
 利口なチビは、すぐさま非常事態を察知して鳴き出しました。大事なチビを酷い目に遭わせた私に、怒ったボスが反撃してくるかと思いきや、ボスはチビの檻の横で、悠々と餌にありついていました(笑)

 大急ぎで行きつけのどうぶつ病院に電話をしました。予約なしでいきなり避妊手術をお願いするなんて、
「そりゃ無理ですね」と言われても仕方ないと覚悟はしていたけれど、裏切られました、いい意味で。
 飼い犬・飼い猫の飼い主には手厳しい先生から、びっくりするほど優しい返事をいただきました。
「野良猫ちゃんですね? いつでも連れて来てくださって結構ですよ。できる時に手術しますから」
「本当ですか? 急なことで申し訳ありません。やっと捕まえられたので──」
「ふふ・・・」
「では、1時間以内に連れて行きます!」

 助手席で鳴き叫ぶチビに、ずっと話しかけながら車を走らせました。
「ごめんねぇ。大丈夫だからねぇ」

「先生、しっぽの先も、ちぎれたような痕があるので診てあげてください」
「わかりました。では、今日中に手術しますからね」
 先生はチビを預かると、明日の夜7時までなら何時でもいいから迎えに来るよう私に伝えると、診察室に消えて行きました。

 ああ、よかった。飼い犬や飼い猫の手術の時は時間厳守を徹底していた先生ですが、対野良ちゃんの場合は大変寛容な受け入れをしてくれることがわかりました。本当にいい先生です。

 手術を行うので、念のため緊急連絡先として携帯の電話番号も訊かれました。
 すると、昼間出先の携帯にどうぶつ病院から電話が入りました。
 咄嗟に、すでにチビのおなかに赤ちゃんがいることがわかったがどうするかと問われたらどうしようと身構えました。そんな状況に対する答えの用意などしていなかったからです。
「あの子は、野良猫ちゃん、でしたよね?」
「ハィ・・・」
「野良ちゃんの場合は、確かに避妊手術を済ませましたョという証に、片耳に小さく三角カットを入れることもできるんですが、どうされます?」
 ほっとした。
「私の住んでいる自治会には地域猫という扱いが衆知徹底されておりませんので、耳はカットしないであげてください」
「わかりました」
 耳の切り込みが「避妊手術済み」を意味することを知っている住人は、私の自治会に限っては、おそらく10%にも満たないでしょう。私は猫漫画で知ったけれど。

 チビは私のことを恨んでいるだろうなぁ。。。不信感でいっぱいだろうなぁ。。。痛いだろうなぁ。。。明日連れ帰って庭に放したら、もう二度と遊びに来てくれなくなっちゃかなぁ。。。そうなってしまったら、寂しいなぁ。。。

 痛みが早く引いて、また元気に無邪気に、うちの庭で遊んでくれるといいなぁ!!!
by vitaminminc | 2013-03-06 20:03 | Comments(0)

ボスハチとチビハチ

え~~~~とですね、わたくし、猫さんを「お外で飼う」はめになりました。
あ~~~~とですね、あちらさんは「飼われている」という認識はないでしょう。
でも、いいのです。わたくしはただ、敷地内で、お宿とおまんまを提供するのみ。

きっかけは、お隣の転居でした。今年に入ってまもなくでしたか、あたふたとご挨拶に見えて。
「このたび引っ越しました。どうもお世話になりました」
「えぇ!?」
事後報告でした。家はそのまま建っていますし、昼間私は仕事に出ています。
だからまったく気づかなかったのです。

で、その後、置き土産があることを知りました。
でも、引っ越していったお隣さんを責めるつもりは毛頭ありません。
お隣さんが長毛種の猫ちゃんを放し飼いしていることは知っていました。
ハチワレ猫を飼っていたわけではないのです。
ただ、長毛猫ちゃんが自由に出入りできるように、常に窓を数10cm開けていただけ。
つまり、近所の野良猫さんたちも、お隣でおまんまをいただいていたようなのです。

真っ先に食べ物に窮したのは、生後半年くらいのハチワレの子猫でした。
わたくしが外に出たり、外から帰って来ると、痩せた胴体で擦りよってくるではありませんか。
ご存じのとおり、我が家はどーぶつ嫌いな人間がいます。
先住猫の眠眠以外にどーぶつを飼うことは至難のワザなのです。

でも季節は厳冬期。あばらの浮き出た痩せた子猫。寒かろう。ひもじかろう。
ムスコの受験が迫っているというその時期に、わたくしはせっせと猫ハウスをこしらえました。
「パパが帰って来て、そんなの庭に置いといてバレたら大変だよ!?」
こどもたちの心配をよそに、ダンボールを二重にして、カッターで出入り口を作りました。
百均で買ったレジャーシートで包み、防水加工を施しました。
中に、穿かなくなったフリースのズボンなんかを敷き詰め、キャットフードを忍ばせました。
朝、新聞を入れに外に出ると、わたくしが作った箱からチビネコが嬉しそうに飛び出て来ました。

以来、チビハチのお世話を続けていたところ、ある朝、びっくりする出来事が。
箱ハウスから、大きなハチワレとチビハチが一緒に出てきたのです。
「え? どなたさん?」
ビクビクしながらも、いつものように敷石の上に餌を置いてみました。
餌に飛びつくチビハチを、数歩後ろからじっと見ている大きいハチワレ。
チビの餌を横取りする気はないようです。おかーさん猫か?
いいえ、オスです。お尻の肉の落ち具合から、決して若くはないオス猫です。
猫って、おとーさんも子育てするもんだっけ?
大きいハチワレは、横長の楕円形の顔をしていて、その幅はチビハチの2倍はあります。
なのに小さな両目は中心にチマッと寄っていて、ユニークな風貌をしています。
彼は初対面のわたくしをじっと見上げ、無言で訴えました。
「そうかそうか」わたくしは郵便受けに小分けにしてしまってある餌をもう1袋取り出しました。
そして食事中のチビネコとは別の敷石の上に餌をまきました。
それでも、大きいハチワレはじっとわたくしを見上げています。
「いいよ。お食べ」
そう言われて、初めて食べ出したのです。なんとお行儀のいい猫でありましょうか。

それからは、どういう関係なのかよくわからないのですが、小さい箱の中にいつも一緒に寝ています。
チビはぐんぐん大きくなります。箱はあまりにも小さくなりました。
わたくしはまたしても、どこぞの店から不要のダンボール箱を持ち帰りました。
そして前のハウスよりも2まわり大きい猫ハウスをこしらえました。
前面レジャーシートが足りなくなった部分は、幅広テープを貼って防水加工しました。
「奥さん、そのサイズは絶対パパにバレるって」
「いいの。家の外なら文句は言わせません!」
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間もなく、休みの日などに大きいハチワレ(以降、ボスハチ)の様子を窓の外で見かけるうち、
彼がここら一帯のボスであるらしいことが判明しました。
しかも、若いキジトラから女こどもを守るため、日夜死闘を繰り広げているのであります。
若いキジトラが前足から流血し、ボスハチが無傷だったことがあったかと思えば、逆も然り。
プロレスラーのようにボスハチの額が引っ掻き傷だらけになったことも。ひえぇぇ。

でもでも、とにかくボスハチは、女こどもにとことんやさしいのです。
給餌の時に、チビハチだけでなく、ミケネコかあさんや、ほかのチビキジが来たこともありました。
ボスハチは、絶対に我先に食べたりしません。
おまけに無口です。わたくしに「みんなに行きわたるよう、もう少し餌を追加してください」
と言う時も、たいへん静かな声で、低く短く話しかけるのです。高倉健のようであります。
そして、みんながちゃんと餌にありつけるよう、たえず周囲に気を配り、自分は最後の最後に食べます。
ボスの風格。ボスの器量。それは、涙が出るほど感動的な光景なのであります。

「おまえは気立てのいいボスだね」
わたくしは、バッテンハゲがいくつもある傷だらけの額を避けて、ボスハチの後頭部をそっと撫でます。
彼(右)はわたくしにもやさしくて、嫌がらずに撫でさせてくれます。(惚れてまうやろ~~~!)
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チビハチ(左)は、女の子なのにヤンチャに成長中。心の広いボスと違い、チビキジに餌を譲れません。
誰に教わったのでしょうか。
先日ムクドリを捕まえて来てわたくしを硬直させました。翌朝には羽根しか残っていませんでした。

チビハチの避妊手術も考えなくては。あっという間におかあさんになっちゃいそうです。
ボスハチの行く末も心配。高齢なので、ボスの座を追われる日もそう遠くはないでしょう。

ひとつ言えることは、猫の額ほどのわたくしの庭にやって来る限り、わたくしは彼らを歓迎します。
動けないくらいの手傷を負った時は、医者に連れて行ってあげましょう。
だからみんな、道路に飛び出したりしないで。少しでも長く、元気で自由に生きておくれ。

みんな茶尾プーの、親戚みたいなものなのでしょう?
by vitaminminc | 2013-03-02 21:04 | 生きもの | Comments(2)

日々の暮らしに「ん?」を発見
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