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みんの入院

 みんちゃん(♂ネコ10歳)が、本日入院した。

 腎臓病が進行して数値が悪化してきたことから、輸液量を100ccから140ccに増やし、1ヵ月間がんばって様子をみた結果が、「即入院」。

 たしかに、徐々に食欲はおちてきていたし、輸液量を増やしたからといって、目に見える効果があったわけでもない。
 本日の血液検査では、上がってはいけない数値が前回の2倍近くに上昇、下がってはいけない数値が前回の半分近くまで下降していた。
 中でも先生が最も懸念したのが、電解質の値。電解質というのは、皮下注射では補えないそうだ。血管に直接点滴しなければならないということは、入院するしかないということだ。

 点滴は、丸一日がかり×3日間。
 通院の場合は、3日間朝一で病院に連れて行かなくてはならず、治療する上では非効率的にならざるを得ないと説明された。
 悲しい現実だが、私も3日間いきなり欠勤するわけにもいかない。悩んだ末に、みんちゃんを病院に預けてきた。
 すごく元気がなかったくせに、私と先生の会話から、ただならない気配を読みとったとみえる。キャリーのネット越しに、前足のかわいい肉球を押しつけて、目をまんまるに見開いて「ここから出せ」と私に訴えた。
 精気が蘇ったような目で訴えていた。
 「この点滴に関してのみ言えば、決して危険を伴う治療ではないですよね?」
 私はもう一度主治医に確認した。
 点滴自体は危ないものではないと先生は言った。それでも、万が一の場合に備え、選択を強いられた。
 それは、入院中に心肺停止に陥った場合、蘇生措置を望むか否かということ。
 「治る病ではないと理解しているので、万が一そうなった時は、安らかに逝かせてあげてください」

 車に乗ってからも、助手席にみんのキャリーの幻覚を見た。万が一どころか兆に一だって逝かせるものか。
 家に着いて、みんと私の部屋に入ってからは、みんがベッドの布団の中に潜っていると思い込んだ。

 ムスコにみんちゃんを病院に預けてきたことを告げた時は、涙が目の内側に流れた。
 大丈夫だ、絶対にもち直す。夏に別の病院で、みんの腎臓はいつ急変してもおかしくない状態だと言われた時だって、ちゃんともち直したではないか。
 何も食べられなくなった主な原因が、電解質の激減なのなら、それを補給してもらうしかない。しっかり充電してもらって。バッチリ食欲を取り戻してみせる。

 まだ、10歳なのだ。

 わずか3キロになってしまったみんみん。入院のストレスに耐えられるのかが心配。入院なんて、10年前に去勢手術を受けて1日入院して以来。3日間は長いなぁ。早くもみんみんシック。毎日見舞いに行こう。

みんの入院のショックで思い切り肩を落とし、五十肩を、そして心の代わりに腰を折ったのか、いきなり腰痛を併発してしまった。いやマジで。




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by vitaminminc | 2015-02-11 16:55 | 生きもの | Comments(0)

真珠

ずーっと長いことガラパゴスに棲息していた。
彼女は野生のブタ、野ブタであった。
それなりに、幸せであった。

しかし、少々居心地が悪くなってきた。
他人の手を借りていることを、意識せざるを得なくなってきた。

若モノは、あらゆる情報を「LINE」という神から受けていた。
野ブタは「LINE」の恩恵に与ることができない。
ガラパゴスの神に、「LINE」は存在しない。

心優しい若モノのおかげで、野ブタも情報を得ることはできた。
しかし、それは若モノの善意に頼ることでもあった。
一度で済む手間を、野ブタの存在が二度手間にさせていた。

「チッ」という舌うちを耳にする前に、野ブタは一歩踏み出した。
ガラパゴスをあとにして、海に泳ぎ出た。
そして、美しい碧の真珠を手に入れた。

とまあ、前置きはこのくらいにして。

ムスメに頼んで、「LINE」とやらに慣れるために、まずは繋がってもらった。
ありゃ~面白い。フキダシでお話ができるのね。
「ムスコが帰ってきたら、ムスコにも繋がるようにしてもらいなよ」
いきなり公にLINEデビューしないよう、ちゃんとムスメが非公開の状態に設定してくれた。

ムスコが部活から帰って来た。
「え? 奥さん、スマホにしたの?」
安い機種といったって、オレのよりは新しいヴァージョンに決まってんだろ?
やけにうらやましそうに真珠をチラ見する。
「ムスコともLINEできるようにして」
野ブタは、真珠をムスコに渡した。
「めんどくせー」
「LINEの練習したいから」
「ムスメ(姉の名)にやってもらってよ」
ムスメが弟を戒める。
「なんで? あたしだって繋げてあげたんだから、あんた自分のはやりなさいよ」
ムスコがしぶしぶ野ブタの真珠を操作する。

「ゲ!」
ムスメが自分のスマホを開いてのけぞった。
ムスメ「友だちから、『たぶんおかーさんから(?)LINE申請届いた』ってメールが来た!」
野ブタ「オープンにしちゃったの? いったいどこまで繋がっちゃってるの?」
ムスコ「だって別にダメって言われなかったし・・・」
野ブタ「おまえと繋がるようにしてくれって頼んだだけなのに! どうしよう? 退会できる?」
ムスメ「誰かから返事が来てからじゃ失礼になるから、いったん退会するしかないか」
(ムスメが退会の手続きをしてくれる)
野ブタ「私の情報、消えたかどうか(友だちに)確認してくれる?」
ムスメ「ははは、残ってるって」
野ブタ「個人情報ダダ漏れじゃん・・・(超落ち込みモード)」
ムスメ「でも許可しないと受けつけない設定にしている人には、開く前に消えているはずだから」
野ブタ「LINEはそういう点が怖いって聞いていたのに・・・」
ムスメ「自分のID入力するのが面倒だから全部に繫がるようにしたんじゃない?」
ムスコ(無言)
ムスメ「主婦は学生とは違うんだからね!」
野ブタ「なんてことをしてくれたのか・・・」
ムスコ「(逆ギレ)もう二度と、オレに何も頼まないでくれ!」

そんなムスコから届いたLINEは、たった3文字 {うんこ)                    

・・・であった。野ブタは、この3文字を受け取るがために、LINEでピンポンダッシュをやらかした相手に、お詫びメールを作成。「うんこ」のための尻拭い。尻を拭うこと小一時間。。。痔になりそう(汗)

その後も野ブタは、ダンナが以前単身赴任していた東北事業所の電話番号を、もう不要だからと電話帳から削除しようとした。なのに、なぜか電話が繋がってしまい、先方が訝しげに「どちらさまでしょうか」と問いかける声に、返すすべも切電するすべもわからぬまま、止むを得ず電源を切った。



パゴスに帰りたい・・・野ブタは、遠い目で思うのである。
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by vitaminminc | 2015-02-05 14:22 | 人間 | Comments(0)


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