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眠眠の仏様

早いものです。明日は眠眠の初七日です。
25日に看取って、翌日火葬しました。
どんままさんに、出張して家の前で火葬してもらえる会社を教えてもらいました。
それが、とっても良かったんです!
眠眠の火葬を執り行ってくれた担当さんは、本当に動物が大好きな方でした。
私にはよーくわかりました。

「眠眠ちゃんは骨格のしっかりした、ずいぶん大きな猫ちゃんだったんですね」
やせ細った遺体を見た時より、骨になった姿を見た時に、担当さんが言いました。
「猫の大きさですと、たいていの場合、頭蓋骨も焼くと崩れてしまうんですが、眠眠ちゃんはしっかり形が残っていますね」

眠眠は、骨になっても愛らしかったです。
私は人差し指と中指を伸ばして、眠眠が撫でられるのを好んだ眉間の上あたりの骨を、そっと撫でました。
余熱を帯びた骨は、眠眠が生きていた時のように温かでした。

これとこれが対になって、肩甲骨の部分になります、とか、これが前足の肘から先の骨になります、とか、ああ非常に珍しい、こちらをご覧ください、爪の付け根の骨がちゃんとその形のまま残っているのがわかりますか? とか──ほとんどすべての骨に対して、とても丁寧に解説してくれました。父の火葬の時よりもずっと丁寧でした。
「下顎の骨にも、ちゃんと歯が残っていますね。とても骨が丈夫な子だったんですね」
よく見覚えのある歯。眠眠が大あくびをするたびに、何度も見てきた歯です。かわいい歯並び。

骨を拾う段になって、担当さんが「施主様は、ご主人でよろしいですか?」とダンナを振り返りました。
ふだん父親に対しては控え目なムスメが、「いえ」と妙にきっぱり言いました。「施主は、母が」

その日はダンナも休みで家にいたので、火葬に立ち会ってくれました。私が頼みましたので。でも、火葬の最中、外で火葬車を見守ってくれている担当さんに冷たい珈琲を入れて持って行こうとしたら、なんと、止められました。
「そういうことはしなくていい」と反対するのです。ケチなんでしょうか。理解に苦しみます。
外は初夏の陽気でした。火葬には約90分もかかるのです。私は冷たいダンナを無視して、氷の浮かんだ冷たい珈琲を持って家の外に出ました。
担当さんはえらく恐縮して、それでもたいへん嬉しそうに「いただきます」と両手で押し抱くように受け取ってくれました。
午後3時過ぎの外気は、思ったよりもずっと暑いのでした。私は近所のドラッグストアに足を運んで、アイスクリームと緑茶も仕入れてくると、追加で担当さんに手渡しました。
「暑い中、お疲れさまです」
「これはこれはどうもすみません、ありがとうございます」
大切な大切な眠眠を焼いてもらっているのです。何かせずにはいられませんでした。

「──では、ご主人とお嬢様に交互にお骨を拾っていただき、奥さまにお渡しください。奥さまは、順に骨壷に入れてください」
人間の場合は二人同時にひとつの骨を拾いますが、猫の骨は細くて小さいものです。二人で同時に箸で掴むのが難しいため、このような拾い方になるそうです。
人と同じように、足の部分から始まり、しっぽの骨を経て骨盤、あばら骨、肩甲骨、前足、首の骨、そして頭蓋骨へ。

「こちらが、いわゆる喉仏の骨、と言われている部分です」
「わーぁ」
喉仏というものが、猫にもあるということを知りました。いや、すべての哺乳類にはあるらしいのですが、それがちゃんと人と同じように仏様の形をしているということを初めて知ったのです。
もっとも、あとで自分でも調べてみたのですが、部位としての喉仏は軟骨で形成されているので、火葬に耐えきれず灰になるそうです。だから実際は、頸椎の一部の骨? つまり喉とは無関係らしいですね。
眠眠のそれは、どこから見ても仏様のシルエットとしか思えないくらい、見事な仏様っぷりでした。
感動して、思わず合掌。
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頭蓋骨は、箸ではなく、両手で取り上げて、慎重に骨壷に納めました。

「ふつう喉仏様は最後に頭蓋骨の上にお載せするのですが、眠眠ちゃんの場合、頭蓋骨の形がしっかり残っているため、この上に載せると蓋が閉まらなくなってしまいます。ですから、喉仏様は頭のすぐ横に入れてあげてください」
骨壷が、通常の猫用のサイズよりもワンランク大きいものになったにも関わらず、眠眠の骨はやはり規格外だったようです。

玄関で、骨壷に納まった眠眠を抱っこしながら担当さんと向き合いました。支払いを済ませた後で、担当さんがしみじみ話し始めました。
「眠眠ちゃんは、10歳という若さで亡くなりはしましたけれど、こちらのようなご家庭で、みんなに愛されて、本当に幸せだったと思います。実は──」
担当さんが言うには、ペットのための葬儀社ではあるものの、実にいろんなお客さまがいらっしゃるとのこと。
「先日、うちの会社に依頼がございまして、若いもんがその電話をお受けしたのですが──」
動物病院に行って、安楽死させた犬を引き取って処分してくれという内容だったそうです。電話を受けた若い従業員は、思わず「当社はペットのお葬式を執り行うところで、処分するところではありません」と答えたそうです。私は心の中で拍手しました。
ところが、客は激怒。カンカンに怒って上の者を出せということになり、ベテランの担当さんが電話を代わることになったそうです。
その客の言い分というのは、次のような内容でした。
──うちにはうちの事情ってもんがある。それを知りもしないで、何だ、あの若い奴の態度は! 犬は親父が生前飼っていたものだ。だが、親父とおふくろは何年も前に離婚していて、自分は母親に育てられた。親父とはもう何十年も会っていない。その親父が死んで、肉親だというだけで親類から呼び出され、遺品の処分を押しつけられた。遺品の中に、たまたま犬も入っていたのだ、と。
「遺品の処分を押しつけられたという言い方をされていましたけれど、おそらく親類の方々は、形見分けのつもりだったのではないかと思うんですよね」と担当さんは感想を挟みました。
──別れた親父が飼っていた犬なんて、家に持ち帰れるはずがないだろう! 母親に話すことすらできないっていうのに! そもそも動物病院で安楽死を引き受けたのだから、葬儀屋ならその遺体を引き取って当然だろう!
「電話でもあの剣幕でしたから、おそらく動物病院の方でも仕方なく、引き受けざるを得なかったのではないでしょうか」と担当さんは再び感想を挟みました。「里親を探す手間がなかったとしても、いきなり安楽死というのではなく、せめて保健所に連れて行ってくれていたらと思いました。そうすれば、少なくとも一週間は命の猶予があって、もしかしたら里親が見つかったかもしれないですし。でも、その方はお金を払ってでも、一刻も早くお父様の生き形見と縁を切りたかったのかもしれませんね」
「え? じゃあその犬は、病気とかではなかったわけですか?」
「ええ。私も最初はそう思いました。だから安楽死させるしかなかったのかと。でも実際は、健康な、まだせいぜい3歳か4歳くらいの若い犬だったそうです。動物病院の話では」
私は絶句しました。その依頼主は、父親のことを恨みながら育ったのでしょう。でも、犬に罪はありません。犬は物ではなく、命あるいきものです!
動物病院に安楽死を依頼して、葬儀屋に「処分」を依頼する。わざわざ金を出してでも、一刻も早く父親との繋がりを断ちたがる息子。犬に対する扱いは、まるで父親への復讐のようです。惨い話です。
「ですから、眠眠ちゃんのように、大切に育てられて、悲しんでくれるご家族に見送ってもらえて、本当に幸せだったと思います──」

眠眠、天国に行ったら、そのワンちゃんの友だちになってあげてね。

眠眠の死後、私は軽度の燃え尽き症候群です。会社では、PCのパスワードの一部に眠眠のなまえを入れていたので、毎朝入力するたびに、胸がキュッとなります。
ポカンと空いた胸の空洞に、火葬で見た、あの小さくて素晴らしい喉仏様を鎮座させることを想像したりします。
火葬の前に、葬儀社さんのHPで、遺骨の一部をカプセルに詰めて、いつも持ち歩けるものを見つけましたが、ムスメに止められました。
「骨の一部が欠けるのは、眠眠にとってよくないと思う」
確かにそうだなと思い改めました。

眠眠が使っていた爪とぎに、眠眠の爪が残っていやしまいかと探したけれど、残っていませんでした。
いつだったか、抜け落ちた長い髭を拾って、金運が上がるからとお財布に入れていた時期もあったけど、結局あれは何処にやったものかしら──
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──眠眠。やっぱり私、だいぶ淋しいよ。



by vitaminminc | 2015-04-30 23:48 | 生きもの | Comments(4)
え~~~、ここらで景気づけに、昨晩の超不毛な親子の会話を再現しますです。

♠大馬鹿ムスコ
❤ドアホ母(me)

♠「あ~~腹減った!なんか喰うもんない?」
❤「え~~~、今夕飯食べたばかりじゃない」
注)母(←私だ)は重症の眠眠ロスで食事をつくる気力がわかず、この日はスーパーで買った寿司、大根と胡瓜のサラダ(←適当に切って梅こぶ茶で和えただけ)、タケノコの味噌汁のみ。
♠「足りねんだよ。なんか喰うもんくれ」
❤「タケノコご飯炊いた(←明朝用)から、なんならそれ食べてもいいよ」
♠「う~~~ん。なんか違うな」
❤「何がどう違うって!?」
♠「いや、何となく」
❤「うるさいなぁ、もう! 邪魔だからあっち行って!」
♠「あれ? それどうするつもり?」
注)母は残ったみそ汁の中からタケノコだけを取り出すと、小鉢に入れ始めた。
♠「おい、何をやってるのかと聞いている」
❤「あんたの明日のお弁当用に取り分けてるの!」
♠「味噌汁に入ってたタケノコを? 汁が出ちゃうじゃないか」
❤「(汁は)レンジで飛ばすから大丈夫です」
♠「やめてくれよ、なんでわざわざ水分を蒸発させて不味くしたのを入れるんだよ?」
❤「汁がこぼれると困るって、ムスコ自分で言ったじゃない。どいてよ、冷蔵庫開けるんだから」
注)母、小鉢にラップをかけ、冷蔵庫にしまう。
♠「おい。今、人の話、聞いてた? 俺は、タケノコを、弁当に入れないでくれ、って頼んだんだよ?」
❤「いいじゃない、たまには旬のものを入れたって」
♠「なんでそんなにこだわるの? 食べるのは俺だよ? その俺が入れないでくれって言ってんだよ?」
❤「作ってもらっているくせに、なんでそんなにエラソーなのよ!」
♠「はい、はい」
❤「おかずが弁当箱の中で寄っちゃわないように、一品でも多く入れたいの!」
♠「どーせ蓋開けりゃ毎日寄ってるって。1つくらい足したって変わんねーよ」
❤「入れさせてくれたっていいじゃない! 旬のものを食べさせたいという親心がわがんねが?」
♠「いつもの冷食でいいよ、それと変な卵焼きで」
❤「嫌なこと言うねぇ。だからこそ入れたいんです。ムスコ、タケノコ好きでしょ?」
♠「好きだよ? だからわざわざ干からびさせるなと。おい、さっきのヤツ何処にしまった?」
❤「ちょ・・・何すんのよ、レンジで温めるだけ、干からびません! やめなさいって、冷蔵庫の扉を長いこと開けてちゃダメ!」
♠「俺ぁ嫌だ。乾いたの喰うぐらいなら、今喰ってやる!」
❤「あ!!」
注)ムスコ、小鉢のラップをひっぺがすが早いか手掴みでタケノコを口に放りこむと、モグモグしながら不敵な笑みを浮かべる。
 
(ーー;)大体いつもこんな調子。みなさん、この↑↑↑会話がいかに馬鹿げてるかおわかりですね? 
まぁ大半は私がですけど。
旬のものを弁当のおかずに加える加えないでギャーギャー言い争っていましたが、どの時点でヌケ落ちたものやら──翌朝お弁当に詰めるゴハンが、タケノコの炊きこみご飯だってこと。
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by vitaminminc | 2015-04-28 15:04 | 笑い | Comments(0)

ジャンプ!

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 食事をとっている間も、洗濯物を干している間にも、眠眠がひとりで逝ってしまうんじゃないかと気が気でなかった。
 いっそベビースリングで、わが身に眠眠を括りつけておきたいと思った。
 主婦なので、最低限の家事はやらないといけない。
 生きているので、喰うことも寝ることも放棄するわけにいかない。
 どうかどうか、ひとりで逝かないでと願う日々。

 病魔との闘いで、険しい形相になっていた眠眠だが、昨夜、ほんの束の間、久し振りに穏やかな表情を見せてくれた。顔だけ見ていると、末期の腎臓病だなんて、何かの悪い冗談だよと思えた。
 まるでこの時だけ、病魔が短い休息をとったみたいに。
 かわいい、あどけない眠眠。私の宝もの。
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 今朝7時過ぎ。部活に行くムスコに、眠眠を撫でてやってくれと伝えた。もう長くないからと。
 「もう、瞳が動いてなかったよ」
 私の部屋で長いこと眠眠を見ていたムスコが、出がけに言った。
 「ほとんどまばたきしていない。時々ピクッとするくらいで。あれじゃ目が渇いちゃうよ」
 じっと眠眠の顔を覗き込んでいたらしい。

 8時台になると、腹の上下動が短息呼吸に変わった。閉じた口にシリンジを入れ、数滴水を与えた。
一回呑み込んだが、それ以上は口の端から流れ出てしまった。
 汚れた口のまわりを拭いてやると、鬱陶しそうに顔をそむけた。
 それから私の手の平に頭を預けて、遥か遠くを見つめていた。
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 ベランダで洗濯物を干した後、部屋に戻って眠眠の名を呼んだ。
 昨日まで見せてくれた、しっぽによる返事が、今日はもう見られない。
 と、突然、眠眠が、起き上がるようなそぶりを見せた。
 違う、もがいているんだ!
 私は眠眠を抱きあげ、自分が寝そべると、胸の上でそっと眠眠を抱きしめた。
 耳の内側が、自分の心臓の鼓動でどくんどくん揺さぶられる。
 大声でムスメを呼んだ。寝ているのか、なかなか来ない。
 「眠眠が、眠眠が、逝っちゃうよ!」
 ようやくムスメが部屋にきた。
 それまでに眠眠は、三回くらい四肢をピンと引き攣らせ、二度低い慟哭をあげていた。
 「痙攣みたいの起こしてて──」
 だが、ムスメが来てからは、一度両足を真っ直ぐに伸ばし、何かをぐっと掴むみたいに手の平を目いっぱい広げたかと思うと、やがてスッと静止した。

 「眠眠?」

 まだ温かい。まだ柔らかい。
 腹の上下動が止まっているのを認めても、それでもまだ眠眠が生きているのか死んでいるのかわからなかった。

 最期のあれは、ジャンプして、虹の橋を掴んだ瞬間だろう。

 オムツを外すと、おしりの周りに、最期の力を振り絞った痕跡があった。
 ウエットティッシュで、一生懸命眠眠のプライドを守った。
 眠眠の腹の毛並みが、私の大粒の涙を、いくつもいくつも受け止めていた。

 眠眠のおしりを拭いたウエットティッシュと、私とムスメのハナミズと涙でウエットになったティッシュの山ができた。

    2015年4月25日、午前10時。
     眠眠、永眠。享年10歳。

 ムスメは今日、昼過ぎから出かけなければならない用があった。
 孝行者の眠眠は、私が休みの日を選び、ムスメが家にいる時間を選んで別れを告げてくれた。

 どんままさんに教えてもらった、ペットのための出張火葬を執り行ってくれる会社に予約の電話をした。
 明日15時。眠眠に恥ずかしくないよう、しっかり仕事に出て、それから眠眠を送るつもりだ。

 花屋さんに行って、可愛いいブーケをつくってもらう。
 「明るい茶トラの猫なので、黄色をベースにつくってください」
 「10歳ですか。それは、早かったですね」
 「早かったです。腎臓病で──(嗚咽)」
 眠眠は7月生まれだ。
 「そこのひまわりも、一緒に入れてください」
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やさしくて、大きな大きなネコちゃんでした。。。
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励ましてくださったみなさまに、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。





 

 
 



by vitaminminc | 2015-04-25 14:55 | Comments(4)

生き場所

  破れたソファーに座って
  生き場所を探す猫みたいに
  爪で 皮膚で 指で 手の平で
  腕で 肩で
  胸で君を確かめてた
  今日も生きてるかを
  最高な世界へ 最高な世界へ── (THE YELLOW MONKEY #BRILLIANT WORLD)


 仕事から戻って眠眠の様子を見にいくと、眠眠は床でへばっていた。
 床のそこかしこに、黒い墨をなすりつけたような跡があった。
 眠眠のウンチだ。
 ペースト状の餌に、墨のサプリを混ぜて与えている。
 身体に溜まった毒素を墨に吸着させ、ウンチと一緒に排出させるのだ。
 よく見たら、ベッドの上の毛布にも、間に合わなかった墨が付着していた。

 餌と呼べるような量を口にしていない。
 昨日やっと歯茎に塗りつけられた量なんて、紅筆にとったリップクリーム程度だ。
 トイレの中にも、猫砂1粒ほどの墨の塊があった。
 ずいぶん苦労して、あちこち洩らしながら、目的地まで辿り着いたようだ。
 なんて偉いんだろう。

 昨夜から今朝にかけて、40分間隔で鳴いて起こされた。新生児の授乳よりしんどい。
 疲れ果てた私は、とうとう鳴き声に気づかずに、深く寝入ってしまった。
 突然、何かが落ちる音で目が覚めた。
 眠眠が、私を乗り越えて、ベッドから床に落ちたのだ。
 本当は、降りたつもりなのだろう。
 けど、もう踏ん張る力が残っていないから、結果的に落下した。

 私は飛び起きて、眠眠を抱きしめた。
 ごめんね、ごめんねと何度も謝った。
 眠眠が落ちないように、要塞となって寝ていたくせに、まったく気付けなかった。
 骨と皮だけの身体だ。
 痛かったろうに。

 今日も床にへばっていたところをみると、また落ちたのだろうか。
 今朝は一応、床にクッション材を敷いておいたけど。
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 どんままさんの素晴らしい知恵を拝借して、子ども用プールも取り寄せた。
 完全防水の簡易寝床である。
 ふらふらになって壁にぶつかったとしても、これなら安心、痛くない。
 試しに寝かせてみたけれど、這い出ようとして、空気入りの壁に爪を立てる。
 ベッドだと落ちたら危ないのに、上で寝たいらしい。
 よし、プールはいよいよ動けなくなった時のために、準備だけにしておこう。

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 眠眠に、紙おむつを穿かせた。嫌がる体力も残っていないから、されるがままだ。
 明日は仕事が休める。一日そばにいてあげられる。
 オシッコも出なくなってきた。
 知っている。こうなると、もうお別れが近いって。
 そういえば、声も出なくなった。
 鳴らない管楽器のように、空気だけが漏れる。
 でも、眠眠は腹を膨らませ、小さな口を開き、必死に訴えている。
 つらいんだよね。

 ふと、横たわる眠眠を見て、いっそ息が止まっていたらと願う。
 だって、そうだとしたら、苦しまずに逝ったことになるから。
 痩せこけた腹が、かすかに上下している。
 なんてことを考えてしまうのだろう。
 でも、本当に、少しでも楽に逝かせてあげたい。それだけが願いだ。
 もう長いことずっと、ずーっと気持ち悪いことに耐えてきたのだから。

 神様。眠眠が、どうか少しでも苦しまずに神様のもとに行けますように──
 

by vitaminminc | 2015-04-24 18:40 | Comments(0)

茶尾ぷ~降臨?

おそらく、その気持ち悪さは船底に押し込められて荒波を渡っている時の激烈な船酔い、あるいは入院レベルの重度のツワリだろう。

辛さ、苦しさから夜中に何度も大声で鳴く。そんな眠眠にしてやれるのは、シリンジで水を与えたり、身体を─いや、もはや身などついちゃいないので、骨格をやさしくさすったりくらい。寝不足状態が続いている。

なんとかしてやること自体が延命措置(苦しみの引き延ばし)でしかない、末期の腎臓病。ペースト状の餌を口内に塗るのもためらわれる。実際、ひどく嫌がる。吐き気と闘っているのに、強制給餌なのだから。

好物のおかかも拒否する。餌だけではない。あんなに好きだった水を飲むことさえ、もう自分からはしなくなった。

眠眠は、声変わりした。鳴き過ぎて声がしゃがれたのとは逆で。子猫のときからハスキーボイスだったのだが、きれいな澄んだハイトーンに変わった。

まるで6年ほど前に他界した、妹分の茶尾が鳴いているみたいだ。
そういえば、顔つきもだいぶ変わった。
「わぁ、眠眠、ずいぶん目がつり上がっちゃったね」
病気の苦しみからだろうか、すっかり面変わりした眠眠を見て、ムスメもびっくりしていた。
その顔までもが、なんだか茶尾に似てきた。どんぐりまなこの眠眠と違って、茶尾は女狐顔だった。
身体の重さも茶尾ぷ~並み。
もしかしたら、弱っている眠眠の肉体に茶尾が入り込んだのではないだろうか─などとバカなことを考えてしまう。茶尾は死んでからも何度か家に遊びに来たことがあるので、密かに本気でそんなことを想う。

茶尾ぷ~、頼むよ。アニキ分の眠眠を、早く苦しみの淵から救ってあげてよ。
いっつもキミのわがままを、あんなに穏やかにやさしく受け入れてくれたアニキなんだよ。
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      窓辺に行きたがったが、自分じゃもう上がれない。抱っこして、セッティング
             剥製の虎の敷物のように薄い身体。痛々しい。
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           病魔との死闘の末、すっかり目がつり上がってしまった。
           茶尾、もしかして、おまえが一緒に闘ってくれているの?




by vitaminminc | 2015-04-23 18:38 | Comments(0)

転院顛末の補足



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B病院に入院中の眠眠。2/13に見舞いに行った時の様子。
前回の記事でアップした、入院二日目とはかなり違った印象。
そう、入院三日目の眠眠は、明らかに元気がなかった。
前日にはなかった、眠眠のキャリーに入れてあった毛布にくるまっている。
若い甲先生の説明によると、朝検温したら、眠眠の体温が猫の平熱を下回っていたとのこと。
「下にホットカーペットを敷いてからは、だいぶ平熱に近くなりました」
2月である。病気でやせ細った猫である。
夜間無人になる病院で、日割り計算一泊30000円。
はじめから、ホットカーペットを敷いてあげてくれっつんだよ!

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3月10日撮影。やせっぽちの眠眠。通院途中の車内にて。
病院に行く時に欠かせないキャリー(下)と一緒に同乗しているのに、なぜかイキイキ。
それは「自由」に動き回れるから!

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4月6日。経営手腕に使う腕なし=腕はすべて動物のために。
A医院の凄腕先生のもとへ。
食欲不振とヨダレの原因である、「口内炎」を治療してもらう。
医師「口内炎を治す薬は、確実に腎臓を破壊します」
私「では、どうすれば・・・?」
医師「痛くて食べられないのでは辛い。私だったら『今』を優先させます」
私「先生、口内炎を治してあげてください」
にっこり微笑んだ凄腕先生は、いくつかのお薬を調合して、眠眠に注射してくれた。
医師「好きなものを食べさせてあげてください」
ほぼ壊滅状態の腎臓保全よりも、「今」痛くてたまらない口内炎を治療。
しばし好物のかつお節を賞味。


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猫にあるまじき、悲しき「クビレ」
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かつてはこんなにふっくらしていたのに。


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倒れそうな足どりで、それでもトイレに向かう。
健気すぎる。
用を足してからは、私が抱きかかえて寝床へ。
もう、スポーツタオルくらいの重さしかない。
最盛期は6キロを超えていて、アメショーよりもでかかったのに。。。


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直近の眠眠
明日はお仕事なんだよ。
昼間、付き添ってあげられないんだよ。
つらいよ、ホントにもう、とってもさ。
まだ何処にもいっちゃダメだよ。
















by vitaminminc | 2015-04-22 11:07 | Comments(3)

二転院三転院

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 上の写真は、2月12日に、B病院に入院中の眠眠を見舞った時のもの。入院二日目。腎臓の数値が悪化して食欲が失せたため、緊急入院を勧められた。24時間体制で血管点滴を行うこと三泊四日。結果、一時的に回復した。
 といっても、かつてのように元気になったわけではない。毎晩の在宅皮下点滴は続き、毒素の排出を助ける2種類のサプリを飲ませる日々。食欲が戻ったとはいえ、発病前みたいに量を食べられるわけではない。減った体重が300g増えたのも束の間。やがて食欲は徐々に落ちていき、サプリの1つを飲むのをひどく嫌がるようになった。
 退院してから、2ヵ月もたなかった。素人目に見ても、2月の入院前より更に具合が悪そうだ。病院に連れて行けば、前回のように即日入院となることは必至。それを覚悟の上で身支度を整え、担当医がいることを確かめるために、病院のホームページを開いた。
 その日は、眠眠を担当した甲先生(若い女医)と乙先生(ベテランの女医)両名の出勤日に当たっていた。しばし頭を抱え込む。
 というのも、はじめに眠眠を担当したのは若い甲先生だったのだが、一度出勤日を見間違えて、甲先生が不在の日に診てくれたのが、ベテランの乙先生。治療上、両先生の説明が食い違っていることがわかり、私は乙先生の言い分に従うことにした。甲先生は、かなり早い時点から、眠眠の症状を見ながらというよりは、段階的に輸液量を増やしていき、その都度増量の善し悪しを判断するため、一週間後に血液検査をするという計画だった。その増量が私には「一気に増やす」印象で、100ml⇒150mlに増やしましょうと言われた時には、怖くなって抵抗してしまい、「末期になると320ml(←これではもはや猫というより水!)点滴する子もいますよ」という説明を押しのけ、「せめて140mlで試したい」と主張した。
 乙先生に診てもらった時点で、眠眠の輸液量は140ml。若い甲先生には、近いうちに160mlに増やしましょうと言われていたので、乙先生に、「そろそろ160mlにした方がいいでしょうか?」と尋ねると、ベテランの乙先生の回答は意外なものだった。因みに、カルテには160mlの件は記入されていなかったと見える。
「いえ。無暗に増やしても、循環器系に影響して心臓に負担がかかりますから。今140ml点滴しているのなら、そのままでいいでしょう」
 乙先生のこの一言で、私は甲先生から乙先生に鞍替えを決めた。甲先生の治療計画に関しては、何だか告げ口するようで気がひけたので、敢えて乙先生には伝えなかった。
 指名して、乙先生に二回目の診察をしてもらった日、眠眠の腎臓は、2月の入院前と同様の数値を示していた。それでも乙先生は、直ちに入院を示唆することはなかった。そこで私は、乙先生に正直に家計の事情を訴えた。ペット保険に加入していないこと。まだまだニンゲンのムスコの学費がかかること。夜勤も始めたが、点滴セットとサプリ代で毎月6万円の出費は、相当深刻であることなど。
「お子さんは、高校生くらいですか?」
「はぃ」
「(ペットの)保険も、発病してからだと人間のと同様、入れませんからねぇ──」
 乙先生は言葉少なに心からの理解を示してくれた。結局、入院を勧めることもなく、また点滴の輸液量を増やすでもなく、栄養剤入りの点滴を(いちいち噛まれ防止のカラーをつける→)甲先生よりもはるかに手際よく済ませると、足りない保水液やサプリ、注射セットを確認して用意してくれた。乙先生の方針は、あくまでも眠眠の具合を見ながら、対処療法的措置を行っていくというものだった。

 だから今回、甲先生が不在で乙先生だけが都合良く出ている日に当たっていたら、私はB病院に眠眠を連れて行き、さすがに今回は入院を提案され、それに応じていたことだろう。
 でも、両名の診療日ということから、私は二の足を踏んだのだ。B病院は、最新の医療設備を誇る大きな病院で、獣医師を何人も抱えている。また、案内専門が1人、受付専門の女性は常に2人いる。
 獣医師を指名できるというのは患者側にはありがたいシステムだが、途中で指名を替えた場合、両医師が鉢合わせるようなシーンの気まずさといったらない。
 診察だけならまったく問題ないが、入院となると話は別だ。もしも入院中、乙先生が不在の日があったら・・・。はたして甲先生は快く眠眠の世話をしてくれるだろうか。
 ただでさえ精神的にいっぱいいっぱいなのだ。余計な気疲れはしたくない。何もかも面倒になった私は、B病院を切り捨てた。そして、以前お世話になったA医院に連れて行くことにした。

 A医院は、隣町にある。大先生と弟子の女医さんの2人だけで切り盛りしている小さなペット診療所だ。採算を度外視しした超良心的診療で知られている。
 私はこの小さい医院で、マイ(♀猫・享年18歳・死因:ほぼ老衰)、ぽぽ(♀犬・享年15歳。死因・悪性リンパ腫)、茶尾(♀猫・享年3歳・死因:猫白血病)の3つの命を見守っていただいた。       先生は凄腕で、入院が当たり前の手術でも、可能な限り日帰りさせてくれることで定評がある。私の子たちは手術は受けていない。先生は、治る病気や怪我以外はメスを使わない。極力日帰りさせる理由は、患者の精神的ストレスを出来得る限り軽減させたいという一心から。
 そんなにいい先生なら、なぜ発病当初からそこに行かなかったのか? 話は長くなるが、理由はただ1つ。A医院は残念なことに、まあ、いろいろ考えあってのことと推測されるが、ノラ猫ちゃんの避妊手術の協力医ではない。しばらくの間、家の周囲のノラにゃんに避妊手術を受けさせることに奔走していた私は、費用の面で折り合いがつかず、二匹目からは市内のC病院を利用するようになった。何匹かその病院に連れていって、相場の半額以下の医療費で避妊手術を施してもらったことから、「義理立て」したのだ。
 しかし、当時私が心配していた眠眠の「血尿」とは別に、血液検査の結果、「腎臓病になっている」と言われ、その説明が今思うとかなり不明瞭で、病気に対してまったく正しく理解できなかった。コミショー丸出しの先生が口にしたことは、入院すればあるいは良くなる可能性はあるが、ここまで悪化しているといつ死んでもおかしくない。もしかしたら入院中に死んでしまうかもしれない云々。
 こんなことを突然言われて、誰が眠眠を病院に置いて行けよう。よくわからないまま点滴をしてもらった眠眠は、血尿のため止血剤を処方されたが、胃をやられて飲ませた途端激しく嘔吐。しかも猫相手に採尿など不可能。四六時中はりついていられる専業主婦ならまだしも、打つ手がないままいたずらに日が過ぎるばかりだった。
 やがて痛みと頻尿でトイレが間に合わない状態になり、床に失禁。それをスポイトで吸引して病院に持参したが、きちんと検査してもらいたいので、「こちらで採尿してはもらえませんか?」と尋ねたところ、新入りの女医さんがいきなり眠眠の膀胱をひねり上げ、眠眠は痛みでもんどりうって唸り声をあげた。しかも、尿は一滴も採れず、点滴の針が抜け落ち、私のバッグが水をかぶる始末。
 頭にきた私は、これを機に在宅点滴に切り替えた。しかし、この期に及んでも、なお「腎臓病」より「血尿の痛み」の方に危機感を募らせていた私は、確実に「採尿」して検査をしてくれると知り、B病院に替えたのだった。
 設備が整っているだけあって、眠眠は即日ありとあらゆる検査を受けた。そしてその結果と今後の治療方針について詳しく説明された。エコー画像には、いびつなかたちに歪んだ眠眠の腎臓と膀胱、尿管が浮かび上がり、そこかしこに点在して血尿の原因となっている数個の結石も認められた。位置と大きさ、眠眠の体力から、外科的手術で結石を取り出すことも、腎臓病を抱えていることから薬剤で石を溶かすことも不可能であることを知らされた。
 若い甲先生ではあったが、病気の説明は簡潔でたいへんわかりやすく、霧が晴れるように理解出来た。その後眠眠は、自力で小さな血のりのついた塊を尿と共に排出し、それ以降、血尿と痛みは治まった。もちろん、結石はまだほかにも存在していたので、最も悪さをしていた石がなくなったというだけだが。
 それからは、「眠眠ちゃんのために、腎臓病の進行をいかに遅らせるか」という呪縛でがんじがらめになっていくのである。
すなわち、治るわけではなく少しずつ悪化して行くしかない腎臓のエコー画像を5000円もかけて撮られて「もうすでにここまで腎臓が縮んでしまっています」と前回の画像と比較し説明されても、絶望感しか抱けない。どうにかしてこれを遅らせてやらねばという強迫観念に駆られ、とにかく必死になるしかなかった。

「毎晩点滴してあげてもねぇ」と平屋建てのA医院の先生が言った。
「結局全部腎臓を素通りして外に出てしまう」そう、本来臭いがキツイはずの眠眠の尿は、まるで水道水のように無色透明。無臭なのだ。「点滴は、筋肉と皮膚の間に結構な太さの針を刺すわけだから、この子がおとなしくしていたとしても、実際はこれね、かなり痛いんだよ」
 コクコクと頷くだけの私に、小さな医院の凄腕先生は続けた。
「入院すれば、その時は一時的によくはなります。ただ、腎臓病は、絶対に治りません。一時的によくなるために、血管に注射針刺されて、24時間拘束されて、でも、それが2ヵ月に1回だったのが毎月になり、毎週になり、毎日になる。この子のことを考えたら、私は入院は勧めない。若い子と違って、この子くらい、10歳過ぎてからの発病は、どんなに数値が悪くても、中には身体が慣れる場合もある。まあ、具合が悪いことにはかわりはないけどね。若いうちの発病は、それはもう重くて、黄色い胃液を泡を吹くように吐き続けて、とても見てられないくらい。私が唯一安楽死を勧めるのは、若いうちに発病した腎臓病くらいなもんです。わかりますか? 腎臓病というのは、それくらい、治らない病なんです。入院は延命措置でしかない。高いお金を払って入院させるくらいなら、この子の苦しみを受け入れて、一緒にいる時間を大切にするのも選択の一つといえます。少し肩の力を抜いて、この子の病を受け入れてみてはどうですか」
少し肩の力を抜いて──私は泣いてしまった。凄腕先生には、金銭的苦労は何も伝えていなかった。
「この子のために、毎晩点滴してあげなくちゃとか、入院もさせられないようじゃひどい飼い主だとずっと思っていたから──」
「そんなことは、ありません!」
 先生は一時口調を強めたけれど、どこまでも優しい目をしていた。
「飼い猫は確かに長生きの子もたくさんいます。この子はもう10年生きた。この子にとっての寿命は10年だったということです。好きなものを食べさせてあげてください。猫は頑固だから、具合が悪い時にまずいものなんか絶対食べません」
「かつお節が好きなんですけど、かつお節もあげていいですか?」
「あげてください。この子が生きてて楽しいなと思えるように」

 先生、救ってくれてありがとうございます。先生にも腎臓病は治せないことはわかりましたが、先生は腎臓病の猫を想ってビョーキになりかけていた飼い主のアタマを治してくださいました。

 眠眠は、かつおの刺身もまぐろの刺身も食べてくれず、乾きもののかつお節のみ、仙人みたいに少し口にする。口のまわりを舐め上げる体力がないのか、かつお節を舐めたあとは、顎にかつお節の髭を生やしたままだ。
 昨日からまた具合が悪くなって、やけに鳴き続ける。寒いのに、どこにそんな力が残ってるものやら、風呂場の扉を押し開け、浴室に蹲ることが多くなった。
 今日もまた凄腕先生のもとに眠眠を連れて行った。
「水場に行きたがるということは、脱水症状のあらわれでしょうか。前に白血病で死んだ子も最期の方はやたらお風呂場に行きたがってたんです」
「本能で(水を)求めているのかな」
「輸液量、少し増やしてもいいですか?」
「今70だっけ? 140までならいいよ。でもここまで痩せてる(かつて6キロあった体重が、すでに2.5キロに)と、あまり(輸液で)おおきなコブになると、首の皮膚がひっぱられて結構きついから、様子を見ながらね」
「はぃ」
 凄腕先生は、「何も処置してないから」と診察代を一銭も受け取らなかった。
 医院の受付は、弟子の女医さんか介助の看護師さんが兼任している。
 何度も礼を言って医院のドアを閉める直前、奥の診察室からもう一度凄腕先生の大きな声が聞こえた。
「お大事に!」
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by vitaminminc | 2015-04-20 16:11 | 生きもの | Comments(2)
身体能力とは裏腹に、なぜにゃんこのウエストはチーターのようにくびれていないのだろう?
眠眠の愛嬌あふれるずんぐり体型をながめながら、そんなことを思ったあの日にかえりたい。

眠眠の病状は、「壊れた腎臓は治らない」と言われる通り、悪化の一途を辿っている。毎日の点滴を欠かすことはならず、今私がしてやれることは、病気の進行を少しでもゆっくりさせることだけ。

発病以来、病院を替え(説明不十分&採尿ができない)、担当医を替え(無用な検査ばかりして費用が嵩む)てもらい、行き着いた先は、自ら夜勤に出ること。

といっても深夜のお仕事ではない。今いる職場の17時以降の勤務のことだ。13時までの午前勤務に出た後、いったん帰宅して夕飯の支度などをこなしてから再び出勤するのである。
非効率的と思われるかもしれない。朝から17時まで8時間労働すればいいではないかと。
いやいや、ちゃんと考えてのことなのだ。なぜなら夜勤は時給が(若干)いいのである。

ネットで調べてみたところ、猫の腎臓病にかかる治療費はずば抜けて高い。眠眠のように末期に近くなると、年間で100万円以上かかる。
実際、入院を除外しても、月に2万5000円から3万近くかかっていて、症状が悪化して入院となると、それだけで10万円が消えていく。た、す、け、て。

そもそも壊れゆく眠眠の腎臓の画像を見せられて、「ここまで腎臓が縮んでしまっています」と説明されることに何の意味があるのか。こんなエコー検査を受けるために5000円支払うくらいなら、命の水=点滴セットの方に確実にまわしたい。
従来の若い担当医の休日を見間違えて病院を訪れた日、たまたま眠眠を診てくれた40半ばくらいのベテランの先生は、頼まなくても極力無駄を省いた検査をしてくれて、点滴の輸液量を無暗に増やすことにも意義を唱えていた。

担当医を替えてもらうためには相応の気まずさは避けられないが、今は眠眠と共倒れしないための選択が最優先となる。
若い医師からベテラン女医へ。高校生のこどもに学費がかかることも1秒で理解してくれた。
ベテラン女医には、保険に入っていないので医療費に余裕がない旨きちんと伝え、必要最小限の検査にとどめてもらった結果、若い女医の時に比べ、マイナス諭吉1名となった。もっと早く対処すりゃよかった。

愛するペットの病気について語るのに、出費が中心となってしまうのが、いかにも私らしくて不甲斐ないが、たとえば半月分で2万5000円もする点滴セット&腎臓サプリ、これらを購入できなくなったら、即命取りとなる。
ムスメがこの春社会人となり、ようやく少しは楽になれるはずだったのに、下手したら私大の年間授業料より眠眠の医療費の方が高くなる計算。いや、むしろ絶対高くなる。
今のところはひと月5万円かかる猫の医療費だが、重症化と共に更に高額になっていく。

荒稼ぎを始めた私を見て、同僚は「猫ビンボー」と明るく茶化してくれる。
日に3キロの距離をチャリで2往復。間食する暇もないのが幸いし、たった半月で5キロも痩せた!

心配には及ばない。なぜなら、一緒に風呂に入ったムスメに、「どこが痩せたのかまったくわからない」と真顔で言われる程度だからだ。
おそらく、秘蔵の体脂肪が燃焼されたに違いないのであろうことは、軽くなった足どりからも自覚できる。

「みん子さん、これに目を通しておいてください」
疲れのせいだろうか。夜勤を始めるまでは、年に数える程度だった提出書類の「差し戻し」が、週一になっている。
もしかして、痩せたのは脳ミソなのか?

そんなこんなで、へろへろヘロッピの毎日。

by vitaminminc | 2015-04-11 14:38 | 生きもの | Comments(0)

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