広島みやGET

広島ネタは、まだ続くのであります。

家族で食べるために私がお土産に買ったのは、
焼さより
サヨリを開いて天日干ししただけ。
このシンプルさ。実に潔い。
ナチュラルな塩気も私好み。
みりんで甘ったるく味付けされていないのがイイ。
軽くあぶっても、このままでも美味しく召し上がれます。
食いちぎれない硬さと適度な塩加減のせいで、
嚙みつきながら、
「ふぁ、ホレ美味ひい!」
叫んだと同時に、口からボタッとおヨダが。
「きったねーなぁ、ババァ!」
ギャーギャー笑いながらムスコに非難された。
母のデモンストレーション、吉と出るか凶と出るか。
ムスメは続いて手に取り、美味しいと大絶賛。
ムスコは母のヨダレに怖気づいたのだろう、
「今はいい」と遠慮したまま手に取ろうとしない。
ムスコの取り分は、後日母の胃袋に乱入。
これを吉と言わずになんと言おう。
あまりにも美味しかったので、早速ネットでお取り寄せ。
早く届かないかな。
b0080718_14242068.jpg








写真を撮らぬまま食べつくしてしまったので、
画像は楽天様より拝借。



さて、しょっぱい物のお次は、甘い物ですね。
八朔リーフパイ

広島は、柑橘系の宝庫。レモンやはっさくやゆずが大活躍。
このリーフパイ、パイといってもソフトタイプなので、
一口かじるごとにボロボロ食べかすが散らかったりしない。
八朔のピール入りペースト?ジャム?が間に挟まってる。
ほんのり酸味が効いて、甘すぎず爽やか。
とっても美味~~~。
こちらもいずれお取り寄せしてしまうかも。
b0080718_14222195.jpg





















こちらも、写真を撮る前に食べ尽くしてしまったので、
画像はネットからの拾い物です。


それからそれから、自分用に買ったお土産は──
千光寺行きロープウェイの乗り場で買った、
ねこあつめの猫ちゃん
ガチャポン、300円でゲット↓↓↓
b0080718_14233622.jpg















そして、同じガチャポンコーナーで200円でゲット、
八割れ猫ちゃんストラップ♪↓↓↓
b0080718_14225772.jpg















はい? これらのどこが広島土産じゃい? ってか。
ええ、地元埼玉県でも確かに売ってますですね。
ついでに、文学のこみちから外れた脇道に入ったところにある、
猫グッズのお店で購入した、温泉猫も、広島の固有種にあらず!
b0080718_14521658.jpg














そうです、ただの猫バカなんでありますですます。(プッ)

[PR]
# by vitaminminc | 2017-03-09 15:01 | 人間 | Comments(0)

恥の多い生涯を送っております

─恥の多い生涯を送って来ました。

ご存じ、太宰治『人間失格』の有名な出だしである。
そしてムスコのマイブームでもある。
何が気に入ったのか、日に最低一回は冒頭の一節を口にする。

言っちゃなんだけど、私は過去形に出来ない。
絶賛人間失格中なんである。

先月下旬、久しぶりに手持ちの1day コンタクトを装着しようとしたら、ペリッと剥がすアルミの蓋が、ペリッと剥がれなかった。
もんのすごい圧着力。文字通りバカぢからでペペペッリリリッと力任せに引き剥がしたら、大失敗した。
普通はアルミの蓋と共にきれいに剥がれるから、完全に気配を消しているが、実はプラ容器とアルミの蓋の間には、更に半透明の薄~い膜のごときフィルムがある。
そいつだけが剥がれずに、圧倒的存在感を放ちながら、完璧に残っていたのである。
柔らかいから始末に負えない。ぴんと張ってる割には押しただけへこむし、かといって引っ張るだけの余地もない。暖簾に腕押し、いや、指押し状態。
ムカムカしながら、思い切り爪を食い込ませて破壊したら、顔面に塩水を浴び、レンズは破損。
2個目も同様。5個試して5個とも蓋がイカレていた。
なんじゃこりゃ! 
昨年暮れに買ったばかりだというのに、蓋がきれいに剥がれないなんて。不良品ではないか。
早速、コンタクトレンズを購入した店に箱ごと持ち込んだ。
でも、おかしなクレーマーと思われたくなかったので、可能な限り下手に出た。
─蓋がまともに剥がれないんです。フィルムみたいのが残ってしまって、爪やカッターで無理矢理開けたらレンズが傷ついてしまって。不衛生ですし、とても困ってます。
女性スタッフが箱を受け取り、何やら調べ始めた。
現物を開けてみようともしない。
私は、彼女がコンタクトの1つを手に取って、実際に蓋が開かないのを確認して、『あら、これはいけませんね』と納得してくれる様子を妄想していた。
だが、彼女はPCのキーを叩きながら、しきりにメモをとっている。
やけに待たされるなと時間を気にし始めた頃、ようやく彼女がカウンターの内側から出てきた。
私が持ち込んだ箱と、写真つきのコンタクトの一覧表を2種類を携えて。
「お客様にお持ちいただいたのは、こちらのレンズでございます。こちらは2009年に発売されたものですが、2013年にメーカーの方でリニューアルされていますので、現在こちらと同じタイプのものは取扱い終了となっております」
「ひゃ!」
彼女は神妙な顔つきで、もう1つの一覧表を示した。
「お客様が昨年購入されましたのは、こちらのメーカーの、このタイプですので、おそらくご自宅にあるのではないかと…」
「使わないまま古くなりすぎたから買い替えたのに、私、そんな何年も前のレンズを目に入れちゃったんですね」
そう、無理矢理破ってレンズを取り出し、目に入れたら激痛が走り、レンズが破損していることに気づいたわけで。
「家に帰って探してみます!」
「お取り寄せでしたが、12月○○日に佐川急便でお届けしております、白地にオレンジの箱です…」
「わかりました、家に帰って探してみます!」
私は心の底から女性スタッフに詫びた。丁重に詫びた。
50年も生きているとわかることがある。
あの接着剤の頑固さ。あれは、一定の時を優に超えた状態を意味してるってこと。
それが頭の片隅にあったから、今回私は慎重だった。万が一に備えて、下手に下手に出て正解だった。

子どもらにカミングアウトした。
ムスメには、「なんで買おうと思った時点で古いの捨てちゃわなかったの」と呆れられた。
ムスコには、「あー、俺、恥ずかしい、そんな人、引くわー」と真顔で言われた。

暮れに購入した箱は、洗面所のキャビネットの中にしまってあった。店に持ち込んだ年代もののコンタクトも同じ場所にあった。せめて新しいのが届いた時点で、きちんと交換して捨てていれば。いや、ムスメが言うように、新しく買い直すことを決めた瞬間、破棄しなきゃいけなかったのだ。
猛省。 

来月初旬、脳ドックを受けることにした。
本気なので、予約も入れた。
期間限定とやらで、18,000円台で受けられる。
格安ながら、ごく基本的コース。もちろん、MRI。

結果が怖い気がする。

[PR]
# by vitaminminc | 2017-03-08 22:32 | 健康 | Comments(0)

奥(さん)の鞆の浦~2日目~

b0080718_19364461.jpg

広島県2日目。
朝8時過ぎにホテルを出発。
バスに乗って市内の鞆の浦(とものうら)へ。
日本で最初に国立公園に指定された、
のどかで美しい港町。
そこかしこに観光名所が点在していて、
見どころがいっぱい。
b0080718_18271896.jpg
鞆港西側の南端に立つ常夜灯。
安政6年(1859年)建立。
情緒あふれる佇まいは、
今も昔も鞆の浦のシンボル。


b0080718_18333073.jpg
さて、問題。これは何の建物でしょーか?


b0080718_18342819.jpg
ジャーン! そう、ハイカラなセンスが光る、
公衆トイレ!
痛感した。
福山市は、腸と膀胱にやさしい街であると。
トイレの設置数・案内が結構充実している。
前日、千光寺に上る際、
逆に下り坂だった我が身の危機にも対応。
実に素晴らしい! 福山市万歳!


b0080718_18393875.jpg
いろは丸展示館
b0080718_18402974.jpg
「いろは丸」は、伊予国(現愛媛県)大洲藩が
所有していた蒸気船。
龍馬と海援隊が借り受け、
長崎港から大坂に向かっていたが、
鞆の浦の沖合で、
紀州藩の軍艦・明光丸(大型蒸気船)と
衝突し、大破。
龍馬らいろは丸乗組員は、
全員明光丸に乗り移り、
この地、鞆の浦に上陸。
紀州藩が用意した廻船問屋、
桝谷清衛門宅に4日間滞在した。
龍馬は、船には銃が400丁、
金塊8万両(現貨幣価値で164億円!)が
載っていたと主張するも、交渉は決裂。
紀州藩は冗談じゃねーべ
と長崎目指して出港した。
金づる紀州藩を追って、
交渉の場を長崎に移した龍馬。
万国公法なるわけのわからぬ国際法をタテに
紀州藩を非難する流行歌
「船を沈めたその償いは
金を取らずに国を取る」を
意図的に流行らせた。
世論を味方につけた龍馬は、
紀州藩から
まんまと莫大な賠償金を手に入れた。
これが近代海難裁判の先駆けと言われる
「いろは丸沈没事件」である。
ところがどっこい、
最新の検証によると、
衝突原因はいろは丸のミスに有との説も。
2隻の船が衝突しそうになった場合、
互いに右折(面舵)し回避するのが鉄則。
見張りを立てていなかったいろは丸、
左折したために、
右折した明光丸に衝突したという。

1989年から数回(最近では2006年)にわたり、
「龍馬の財宝」を求めて潜水調査が行れた。
しかし沈没船いろは丸からは、
銃も金塊も一切出ていない。。。
はたして、銃と金塊は、
本当に存在していたのだろうか。
検証が正しいとしたら、
悪徳廻船問屋も真っ青な話。
舵を誤り自ら衝突してきて、
勝手に沈没したいろは丸。
その乗組員全員を救助して、
宿まで手配してくれた情け深い紀州藩を
だまくらかして、
大金をせしめたことになる。
なんと狡猾、なんたる策略家、
坂本龍馬、恐るべし!


b0080718_20342701.jpg
小路が大好き! 元気に駆け巡るムスメ

b0080718_19411822.jpg
鞆の浦は、「ひな祭り」イベントの真っ只中。
保命酒の由緒ある蔵元「太田家」に
立ち寄ってみた。

b0080718_19423599.jpg
「保命酒」(ほうめいしゅ)とは、
広島県福山市鞆町名産の薬味酒。
生薬が配合されているため、
「瀬戸内の養命酒」とも呼ばれている。


b0080718_20534276.jpg
桃の節句を再現したお人形。
人並みのデカさ。
ムスメは日本人形が苦手。
こんなのが家にいたら
怖くてたまらない。
そう言いながらも、
よそで見る分には可愛いから好きなんだと。



b0080718_20412351.jpg
古くは江戸時代に作られたひな人形も展示。
奥の部屋では、琴の生演奏も。
好きなだけ写真撮影してくださいとの
嬉しいお言葉。


b0080718_20431855.jpg
こちらは明治天皇雛。
お雛様の右側にいらっしゃるのが、
お子様(大正天皇)


b0080718_20451162.jpg
少々わかりにくいが、うさぎ雛
お内裏様とお雛様が、頬を寄せ合い密着。
このような現代の作品も展示してある。


b0080718_20575718.jpg
私が最も惹かれた「神雛」
それはそれは雅で美しかった。

ほかにも程よい説明を受けながら、
戦災を免れ江戸時代から現存している酒蔵を
案内していただくなど、十分堪能できた。
ムスメも同意見。鞆の浦では、
こちら「太田家」が、一番ゆっくり楽しめた。



正味二日間の旅。反省点は多々あれど、
最たるものは履物の選択ミス。
ローヒールの柔らかいブーツで行ったのだが、
ヒールが低すぎて疲れた。
普通の道なら難なく歩ける、
むしろ歩きやすい靴だ。
だが、尾道は坂だらけ。階段だらけ。
どうしても足に負担がかかる。
「足が痛いから、
もう少しゆっくり歩いてくださらんか」
を連発。
ムスメの行動範囲を狭めた罪は重い。 
尾道から福山に戻るや否や、マツキヨに直行。
衝撃を吸収する、
やけに値の張る高級インソールを購入し、
ブーツの中に敷いた。
2日目はコイツのお陰でだいぶマシに。
コレを入手できなかったら、
靴を買い替えるしかなかったレベル。
なまじ足が小さいと損。
自分の体重を
小さい面積で支えなくてはならない。
人より足が痛くなり易いのは、きっとそのせい。

でも、すごく充実していた。
短かい日程だった分、
密度の高い旅になったように思う。




b0080718_21280245.jpg
靴のせいにするより、足の小ささを嘆くより、
体重をなんとかすっぺ!









                            













[PR]
# by vitaminminc | 2017-03-07 20:25 | 人間 | Comments(0)

奥(さん)の尾道~1日目~

4日土曜の朝。
8時10分東京発博多行きののぞみちゃんに乗って、
爆睡とうつらうつらを繰り返すうちに、福山駅に到着。
駅から徒歩2分。
好立地のホテル「福山ニューキャッスルホテル」に
荷物を預けると、我々は休む間もなく再び駅へ。
福山から尾道へは、山陽本線でおよそ20分。
「まずは腹ごしらえじゃい!」
とことこ歩き出すと、すぐに海が見えてきた。
向島ドックのクレーンが、いくつも曇り空に向かって挙手。
私が知る「海の光景」のどれにも属さない、
個性的な景色である。
b0080718_10332512.jpg

昼食には尾道ラーメンをなどと言いながら、
下調べもしていなかった。
海沿いにあるラーメン屋にふらりと立ち寄る。
尾道ラーメンと呼ばれるのはしょうゆ味らしいが、
私もムスメも邪道な上にへそ曲がり。
塩レモン味のラーメンを注文した。
b0080718_10342233.jpg

美味しかった。煮たまごはとろりんちょ。
歯ごたえのあるシナチクも私好み。
画面下にいくつもコロコロして見える、白っぽく小さな物体、
これは背脂。
背脂ベースといっても、レモンのおかげで
そんなにギトギトしていない。
それでも、胆嚢を失った私は、用心して口にしなかった。


甘かった。

11月の胆嚢摘出後、
コレステ担当医の予想と私の期待をはるかに裏切り、
私の体重は「元」をも通り過ぎていった。
──脂っぽいものを受け付けなくなって、
食べてもすぐに下してしまうから、
  中には体重が10キロも減る人もいます。
たいていの人は痩せます
──先生、私、まったく大丈夫みたいです。

そう、甘かった。
限界が訪れたに違いない。 
店を出ると同時ににわかに具合が悪くなった。
胆嚢もないくせに、平気で脂もんを口にしてきた。
ほかの臓器に負担を強いてきたツケだ。罰が当たったのだ。
もう二度と背脂ものには箸を伸ばしません!

どうにかこうにか腸をなだめすかし、
ロープウェイで尾道の名所=千光寺へ。


b0080718_11435259.jpg
ほれぼれするくらい、立派な一本松。日本の寺には松が似合う。
この松の長い腕に抱かれながら飲んだ「冷やしあめ」。
しょうが味で超おいしかったなぁ。

b0080718_15531992.jpg



千光寺公園内の欅。この大木のためだけに、
無数に足場が組まれている。
枯れかかっている欅を甦らすらしい。
大切にされていることが伝わってくる。

b0080718_15562833.jpg



千光寺公園内を拝観したあと、
帰りは「文学のこみち」を歩いて下った。

ほかの観光客が、「わ~、猫!」
と喜んではしゃいでいる方向へ。
望まれるから向かうのではなく、わが道を行くだけの二毛猫。
b0080718_16053178.jpg






b0080718_12335736.jpg
超右側通行をする、ワビサビ猫↑ 景色に溶け込んでいる。

尾道には猫がたくさんいるらしいが、
うちの近くの方がよほど多い。
それだけ捨て猫が多いってことなんだろうな。悲しいね。



b0080718_16022338.jpg

この子↓もれっきとしたノラ。 
猫グッズのお店に自由に出入りする。
おかげで私とムスメにかわるがわる抱っこされる羽目に(笑)。
おとなの猫が思慮深いのはわかるけれど、
遊び盛りの子猫までもが、
お店に並んだ細かい商品には決して手を出そうとしない。
写真を撮り損ねたが、ものすごくよく出来た子で驚いた。

b0080718_12302527.jpg

b0080718_15541692.jpg


b0080718_15550564.jpg

夜は尾道で、居酒屋「たまがんぞう」へ。
こちらも行き当たりばったりでチョイス。
予約客が来る関係で90分しかいられないことがわかったが、
それだけあれば十分。
b0080718_15515550.jpg


b0080718_14573216.jpg
料理はどれも美味しかったが、一番のお勧めは、↑コチラ。
半生カツオの大きな大きな削り節が載ったサラダ。
半生の鰹節なんて、生まれて初めて。
噛むほどに鰹のいい香りが広がって、本当に旨かった。




b0080718_12361546.jpg

すっかり日が落ちた、尾道の夜景。

土日祝日の前の晩には、クレーンのライトアップ
↓(観光協会より拝借)
手ぬぐいだったか、クレーンがデザインされていたりなど、
クレーン愛強し。
b0080718_16133686.jpg



b0080718_12380513.jpg
宿泊したホテルの室内。
写真だとイマイチ伝わらないが、結構広い。

b0080718_12385878.jpg
部屋の窓からの眺め。駅を挟んだ向こう側に見えるは福山城。

b0080718_15105230.jpg

尾道で買ってきた、お夜食用の檸檬プリンと八朔プリン。
小瓶ながら食べごたえがあった。
もっと沢山買えばよかったと後悔するくらい美味しかった。
ムスコにも買って帰ればよかった~~~!



2日目につづく











[PR]
# by vitaminminc | 2017-03-06 15:30 | 人間 | Comments(0)

奥(さん)の尾道

仕事に頭の中を引っ掻き回されて、だいぶくたびれております。
こんなふうに、変な時間に覚醒したりします。
仕事の夢にうなされて起きてしまうのか。
それとも、猫に引っ掛かれて眠りを妨げられるのか。
身に覚えのない、小さな引っ掻き傷が、いくつも手足に…。

明日、違う今日だ。今日、旅に出ます。
ムスメとの二人旅。
尾道に行ってきます。
いくつもの映画やドラマの舞台になった、憧れの地。
懐かしいところでは、大林監督の『転校生』。
最近ではドラマの『時をかける少女』。
猫の聖地としても有名です。

ムスメも私も仕事がクソ忙しい。
なんと。
広島まで行くというのに、たった一泊。
明日の晩は、またこのベッドで寝てるのかいな。
信じられん。時をかけるおばちゃん。
イデデ。猫も私の上を駆け抜けております。
強行軍だっつのに、睡眠不足。
ホント、大丈夫なんでしょーか。

とりあえず、行ってきますです。








[PR]
# by vitaminminc | 2017-03-04 03:26 | 人間 | Comments(0)

こんぺいとう物語~艶消しの黒~

たかだか(日本人の10人に1人は所有しているという)胆石を採った程度のことで、どんだけ物語るんだ。
これじゃすき家のうな丼のタレだけで、ごはんを5杯お代わりしているようなもんだ。
そんなクレームを受けそうなので、立て続けになるけれど、言い加減最終章に持ち込もうと思う。
ふはははは。


いや~、あたしゃ驚いたね。
人間ドックを受けた先の病院では、エコー画像を見ながら、センセイがこう説明した。
くていのは、コレステロール由来の結石の特徴ですから」と。
確かに自分は10年来のコレステローラー。
ああそうなんですねと納得した。

だから周りの友人・知人には、「白い珠」の持ち主であることを公言してはばからなかった。
「少なくとも3個、いえ、4個はあるらしいの。大真珠♪」みたいに。
しかし、地トモ(地元のおともだち)のAちゃんだけは、「絶対黒よ」と言い張っていた。
「腹いヒトからはい石が採れるのよ」
「でも、エコーの画像は白かったよ!?」
「あはは、白く見えるってことは、実物は(反転するのだから)その逆ってことじゃない」
マジか!? でもレントゲン写真で見る骨格は、白いではないか。実際ヒトの骨も白いゾ。
もう、エコーとレントゲンの区別もつきゃしない。
何より医者が「丸くて白い」と言ったのだ。
清い心の私のおなかには、白い真珠があるに違いない。
Aちゃんはやさしいくせに、私をからかうことがとても好き。冗談を言ってるだけざんしょ。

とにかく、少なくとも黒じゃないことだけは確かですョ、そう信じていた。

ところが、手術を終えて肩で呼吸をしている母親の目の前に、ムスメが
029.gif「ほら、こんなのが採れましたぜ」
と見せて寄越したのは、想像していたものとは正反対
いびつな形状の、真っ黒い塊なのだった。
「え”? これ? 黒いのぉ?」
はぁはぁ呼吸しながら、なんじゃこりゃと落胆した。
029.gif「私も、こんなに黒いとは思いませんでしたよ」
ムスメも苦笑。

b0080718_11501479.png
かたちは、金平糖。
そして、見た目の色艶は、正露丸。
b0080718_11511557.png
それが、合計3個。
突起部分があるせいで、医師の目にも4個に見えたりしたのだろう。
b0080718_11525779.jpg
b0080718_11545215.jpg
ホルマリン漬けにされた、私が生み出した結晶。
3個横並びで、親指第一関節内に収まるサイズ。

翌日、主治医のM先生に「これは何由来の結石ですか」と尋ねたら、
「ビリルビン結石で間違いないと思いますよ」と即答してくれた。
「褐色だったり黒かったり、そういうふうに形がボコボコしてるのはネ」

ビリルビンとは?
どうやら赤血球の主要構成物の一つであるところの、ヘモグロビンの分解代謝物とやらを指すらしい。
これが結晶化してしまうということは、要するに私の身体の代謝能力が追い付かなかった結果だろう。
よくはわからないが、脂質代謝異常によってできる結石がコレステロール結石であるのに対し、私のは赤血球由来だと。

そういえば、リカバリールームを出た翌朝、ナースステーション前で体重を測ったら、入院前に比べて4キロも減っていた。
手術の成功以上に嬉しかったけれど、今では病院のアナログ式体重計の精度を大いに疑っている。
帰宅してから家にあるタニタの体重計で測ったら、2キロしか減っていなかった。入院中と食べる量は同じにも関わらず。
しかも、その時点で2キロ減っていたというのに、体脂肪はまったく変わっていなかった。

そしてその2キロは、静養中確実にわが身に戻ってきた。
まるでご主人の帰還を喜び尾を振りじゃれつく小犬のように。


[PR]
# by vitaminminc | 2016-11-20 12:33 | 人間 | Comments(2)

こんぺいとう物語~幻の執刀医~

え~~~~っとぉ、こちらが私のお腹から石を取り出して(オオカミと七匹の子ヤギか)くれた、
執刀医のダ・ヴィンチ先生です053.gif
b0080718_09130509.png


























違~うッ!
このダ・ヴィンチを操作して、無事に手術を成功させた執刀医はいずこに?
不思議なことに、私はその執刀医(中心となって手術をする担当医)の顔を一度も見ていない。
入院初日には、薬剤師、麻酔医が「私が担当します」と挨拶にみえた。
そして、手術当日の朝には執刀医が挨拶にみえる。
この担当医挨拶システムは、入院中、病室内で他の患者の動向を注意深く観察して学んだので、間違いない。

しかし、入院の翌日が手術だった私は、まだこのシステムを把握していなかった。
手術当日になっても執刀医が顔を見せに来ないことに、なんの疑問も抱かなかったのである。

事前処置をほどこされて、いよいよ手術室へ。ここまでは自力で歩いていく。
ド近眼の私はメガネなしではあらゆる医療機器を破壊する恐れがあった。
眼鏡は手術台に寝かされてから外した。
「おはようございます。覚えてますか? 入院した日に挨拶にいった、麻酔医の□□です♪」
ああ、かなりぼやけてはいるが、確かにあの若い先生だ。相変わらず笑顔がやさしいなぁ。
ナースマン・鈴木に告ぐ。笑顔にまさる治療なし。悔い改めよ。

「おはようございます。本日の助手を務めさせていただく〇△です」
あら~。初めて拝見しますわぁ。なんて長身でスタイルのいい、カッコイイ美人さんなのでしょう。

「今ちょっと、まだ執刀される□〇先生が来ていないんですけど─」と麻酔医と助手がドアの方を見ながら言う。
遠くでドアが開いたようにも見えたが、とにかくド近眼なので定かではない。
気づけば麻酔医が、「点滴始めます。すぐに意識なくなりますからね─」
といって、私は夢すら見えない、空白の時間へと旅立ったのである。

手術の翌朝、リカバリールームにいた他の患者の元には執刀医が回診に訪れた。
が、私の元には来なかった。
午後になって、主治医のM先生が来た。
「どう? 大丈夫でしょ?」
私の顔色を見るというより、自分の顔を見せに来た感じ。高速で去りかけたので、慌てて呼び止めて、胆石の種類を確認した。


術後三日目。痩せて神経質そうな面立ちの女医が来た。
「執刀した□〇先生が出張で来られないので、私が代わりに来ました」そう言って胸のネームプレートを見せた。
「お変わりないですか?」
無表情な顔で問診。
「はい」というと、カルテにちょちょっと記入して去っていった。

──貴女だったのですね。
ネームプレートでわかった。麻酔科と耳鼻科に内線の取次ぎを依頼するときに名乗っていたから。
呼吸困難に陥った(正確には当人は呼吸が楽になったと訴えたけど、再挿管を決行)患者の身体で胃カメラのテストを行ったのは。

あの晩、私の隣人を担当していたのは、この女医(小柄。長身ではない)と、私を執刀したのとは別の男性研修医のチームである。
わが手術同意書に記載されていた担当医師名の中に、この二人の名がなかったのは、不幸中の幸いであった。

私の手術が終わった時点で、外で待っていたムスメに説明してくれたのは、主治医のM先生一人だけだったという。
ムスメの目の前で、母親の生肉的な胆嚢を、手袋をはめた手でモミモミしながら、
「うん、大丈夫かな、うん、大丈夫そうだ」
とだけ告げ、わずか30秒で説明が終了したそうだ。
いかにもM先生らしい。
おそらく、触診した感じでは、胆嚢自体に癌などの病巣はなさそうですよ、という意味だろう。

そんなわけで、とうとう執刀医の□〇先生とは、意識がある状態での対面は一度も果たせないまま退院した。
病院HPの医師紹介ページに、私を執刀した□〇医師の名を見つけた。
誠実そうで温かそうなお顔立ちだった。
「後期研修医」となっていた。
前期ではなく後期。ということは、それなりに場数も踏んで、研修医としてはベテランに違いない。

腕はすこぶる良かった。傷を最小限にとどめることができるってことは、的確な判断力、繊細な器用さをもっている証。
痛点超敏感体質のこの私が、たった3日間痛み止めの世話になっただけで済むなんて、奇跡としか思えない。
ムスコを産み落としたあとの会陰縫合部痛(←ほんの4針ほど)の時なんて、一時死にかけましたからぬえぇぇ。

今では憎めないキャラと化したM先生はじめ、手術に当たってくださった諸先生方、お世話になりました。
先生方のチームに当たったことに心より感謝いたします。ありがとうございました。



[PR]
# by vitaminminc | 2016-11-20 10:37 | 人間 | Comments(0)

こんぺいとう物語~ツンデレラボーイ~

入院した日。
手続きを済ませた自分を入れて4組ほどの患者が食堂で待機していると、それぞれ担当の看護師が挨拶にやって来た。
「〇〇さんですね? 私が〇〇さんの担当看護師、△△です」
そういって、にこやかに自分の胸元のネームプレートを患者が見やすいように引っ張って見せている。
私のもとにだけ、なかなか看護師がやって来ない。
それともあの看護師さんが私のことも兼任していて、あの患者さんが終わったらこっちに来てくれるのかもしれない。
勝手に一番やさしそうな看護師さんを自分の担当と決めて、おとなしく待ってみる。

すると、廊下の向こうから、一人の青年がにこりともしないまま足早に近づいてきた。
ま、まさか?
「ホゲホゲみん子さんですね? 担当のもにょもにょです─」
わざととしか思えないくらい、自分の名前のところをぼかして話しかけてきた。プレートも見せようとしない。
え? ナースマン? ほかに男性患者は何人もいるというのに? 女性患者の担当を男性看護師にやらせる?
ツイてない。
率直に、そう思ってしまった。しかも、不機嫌なんじゃなかろうかと不安になるくらい、愛想の欠片もありゃしない。
提出書類をナースマンに渡すと、食堂の椅子に座ったまま、血圧と体温を測られた。
病室に案内されるとき、荷物はキャスター付きの台でナースマンが運んでくれた。
テレビはこのリモコンで、ナースコールはそこのオレンジので、とぶっきらぼうに超簡単に説明してから、
「ホゲホゲさん、こういった入院は初めてですか?」と訊いてきた。
「はい。あ、もしかして、さっき血圧高かったですか?」
「うん、脈拍もかなり。不安なんだろうなと思ったので」
キミの冷たい態度が私を不安にさせたのだよ。
されど、患者の不安の原因を確認しようとしているわけだから、悪い人ではなさそうだ。
「今日入浴されますよね?」
「はい」
「ならあとで予約入れておきます。係りの者が案内します。それと今、お臍を消毒しておきます」
臍~!?
ツイてない。改めて痛感した。
かくして、セガレほど齢の離れた若いあんちゃんに、臍を綿棒できれいに消毒してもらう羽目に。
とほほ。何が悲しゅうて、50も半ばを過ぎた身になって、若いあんちゃんに臍など見せにゃならんのだ。
向こうだって、ケッ、見たかねーよと思っていることは疑うべくもない。ホントすみません。

昼下がり。翌日に手術を控えた私のもとに、仲の良い仕事仲間が様子を見に来てくれた。
病室ではほかの患者さんの迷惑になると思い、朝いた食堂に移動した。
「男の看護師さんだったんだよ~」と小声で嘆く。「臍の掃除されて、超恥ずかしかったよ~」

すると、ナースマンが私を見つけるや否や、険しい顔で寄ってきた。
まさか今の話を聞かれたわけではないだろう。
彼は、年配患者の車いすを押していた。
「今動くから、ちょっと待って!」
おじいさんに怒鳴る。
「ホゲホゲさん!」ついでに私にも怒鳴る。「さっきの書類、3枚足りなかったですよ!」 」
「え? でも、同意書にサインしたものは、すべてお渡ししたはずですけど」
「違いますよ! 1、2、3があるはずなのに、4しかなかったんで」
顔面オロオロの私。
「いいです、あとで取りに行くから、ちゃんと用意しといて」
それだけ言うと、おじいさん患者の車いすを押しながらナースマンが去っていった。

「なあに? あれ」
「あんな言い方ないじゃないねぇ?」
仕事仲間の二人があきれたように言う。
不思議なものである。他人に非難されるとかばいたくなる。
自分の担当看護師=自分の所有物のようなトチ狂った観念が湧いてきたのだ。
「あれでやさしい面もあるんだよ」となぜか弁護。
「血圧が高かったらしくて、入院は初めてなのかと心配してくれたし」
ちょっと荷物の中の書類、確認してくるから待っててと二人に言い残して、急いで病室に戻る。
荷物をチェックしたら、ナースマンが主張していた、「1、2、3」に該当ずる綴りが見つかった。
4の同意書のみ提出するものと勘違いして、独断で切り離してしまったのだった。
1,2,3を持ってそそくさと食堂に戻り、そこからナースステーションを物色。
仕事仲間の1人が、「こっちからのがよく見えるから、見ててあげるよ。あの子、眼鏡かけてたよね」
「さっきからおじいさんの車いすを押してずっと病棟内まわってあげてるみたいよ」もう1人が言う。「結構普通にいろいろおじいさんに話しかけてあげてた─」
怒鳴っているように見えたのは、おじいさんの耳が遠いからだったのかもしれない。
「ぶっきらぼうなだけで、根はやさいいのかもね」と私も自分に言い聞かせながら頷く。

ナースマンを発見。おじいさんを病室に戻し、ナースステーションに戻ってきたところだ。
そろりそろりと歩み寄り、「すみませんでした」と謝って、不足分の書類を手渡した。
「あ、はい」とナースマンは興味なさそうに受け取ると、そのままぷいっと奥に引っ込んでしまった。
やっぱめちゃくちゃコミュニケーション能力低いやんけ。あんなんで大丈夫なのか?
自分の甥もナースマンだが、甥は対極にいる。もンのすごく感じがイイ。そしてもンのすごくやさしい。

夜勤もあるから、担当看護師は翌日(肝心の手術の日)には朝から別の女性に代わった。
手術の翌日は、また初日と同じナースマンだった。
「体温、測ってください」と体温計を寄越すと同時に、ぷいっと後ろを向く。見てませんアピール。
頃合いを見計らって、「血圧を測ります」と言いながら私の右腕を取る。
術後の身をいたわってか、今までで一番ソフトな態度だった。
日ごろ冷淡な人が、たま~に親切な態度を見せたりすると、効果絶大。理不尽な話だ。

「身体拭きますね」と言われ、ギョッとした。まさか、あなたが? ホントすみません。
ナースマンは、蒸しタオルを取りに行ったのだろう、ぷいっと出ていった。
まな板の上の半魚人になるしかないのかと途方に暮れた。とほほ。。。
と、カーテンを開けたのは女性看護師。
さすがに女性患者の身体を拭くのは女性看護師と決まっているらしい。
しかも、女性看護師が拭いてくれるのは背中のみ。
前は自分で拭かされる。双方にとってベストなシステム。

ツンデレラボーイでぶっきら坊主のナースマン。
どこかで見たことがあると思ったら、ドラマ「鈴木先生」の長谷川博己に似ていた。
b0080718_11580357.png

4日目と5日目は女性看護師だった。一人は癒し系、一人は快活そうな女性だった。

そして、いよいよ今日で退院です、という朝。またこの↑鈴木先生登場。
「今日、ボクが担当なんで」と顔だけ見せると、無言で体温計を渡し、無言で血圧を測られた。
そしていつものように、シャッとカーテンを閉めて去っていった。

ほかの患者さんが退院する朝は、「〇〇さんは今日退院ですね~! おめでとうございます」とか
どの女性看護師も特別な言葉をかけているのを見てきた中、鈴木先生だけがいつも通りだった。

初日と退院日が鈴木先生に当たるのって、罰当たりに近い気がする(笑)。

家で2匹のツンデレ猫と暮らしている私だからこそ、このツンドラ的ツンデレラボーイに耐えられたのだ。
ツンデレラボーイと呼ぶには、あまりにデレ度が低すぎる。。。

鈴木先生、にやけてるよりはいいかもしれないけど、やはり笑顔って大事だとおばちゃん思うよ。
激務だろうけど、尊いお仕事。体に気を付けて、頑張ってね。





[PR]
# by vitaminminc | 2016-11-19 12:35 | 人間 | Comments(0)

こんぺいとう物語~カーテンの向こう側~

産科を除いて、生まれてこの方ただの一度も入院(無論手術も)などしたことがない。
だから手術を受けるまでは、自分の身に何が起こるのか想像が膨張して怖かった。
でも、終わった今となっては、私が最も恐怖を感じたのは、手術のあとだった。

名前を呼ばれて瞼を開くと、手術台ではなくベッドに寝かされていた。
ここはリカバリールーム。
手術を終えた患者だけが、一晩収容されるところだ。
「無事終わりましたからね」と看護師さんが話しかけてくれる。
私は苦しくて、「はい」と声を出す代わりに小さく頷いた。
なんでこんなに呼吸が苦しいのか。
鼻と口が、カップ型の酸素マスクにすっぽり覆われている。
足りない酸素を補っているのに、酸欠になっているとしか思えない。
全力疾走したわけでもないのに、肩で呼吸をしている。
手術のあとはみんなこんなふうに呼吸が荒くなるものなのか?
b0080718_19145673.png

朝からずっと付き添っていてくれたムスメ。
無事に母親の手術が終わってほっとしたのか、ずいぶん眠そうだ。
ムスメを家に帰してから考えた。

もしかして、過呼吸状態?(なったことないけど)
もしや、この酸素マスク、欠陥品なのでは?
放出されるべき酸素が出ていないとか。
試しに自分の手で酸素マスクを外してみる。
こっちのが遥かに楽だ。普通に呼吸ができる。
ずっと外したままでいたいと思ったが、かすかに空気のようなものが出ている。
仕方なく、もう一度はめて肩呼吸に戻す。

それだけではない。全身麻酔の副作用とおぼしき吐き気。
約20年ぶりに襲われる、「つわり」のごときムカムカ感。

ナースコール1回目
「ずっと吐き気がしていて、あと麻酔切れたみたいです。痛くなってきました」
「痛み止めと吐き気止めの、どちらを先にしてほしいですか? 両方一度は無理なので」
「い、痛み止めの方を─」
「あ、酸素マスク、もう外しますね」

酸素マスクが外れたとたん、普通に呼吸ができた。
看護師さんが抗生剤の点滴に鎮痛剤を追加してくれた。
ついでに吐き気も治まった。
あとで調べてわかったが、「酸素マスクは息苦しい」ものらしい。

鎮痛剤は創部の痛みには効き目があったが、肩、腰、背中の筋肉痛にはまったく効かなかった。
手術中、微動だにしなかったせいで、身体じゅうが痛くて仕方ない。
様子を見に来てくれた看護師さんに、肩、腰、背中の痛みを訴える。
身体の向きは自由に変えて構わないと言われ、右を向いたり左を向いたり。

身体からは、少なくとも3本のチューブが出ている。
ドレン(排液管)、導尿管、抗生剤の点滴。
慎重に寝返りを打っても、いちいち導尿管が痛い。
そうこうしているうちに、やたら暑くて汗だくになっていることに気づいた。

ナースコール2回目。
「暑くてたまらないんですけど。あと、布団がすごく重くて─」
「ああ、毛布ね。電気毛布だから重いんですよ。手術後悪寒がするという患者さん、結構いらっしゃるので。
じゃあ、この電気毛布、取っちゃいましょう。」
「ありがとうございます、お願いします」

断っておくが、ナースコールを鳴らしているのは私だけではない。
わずか4床のはずだが、さっきからかわるがわるナースコールは鳴りっぱなし。

はぁ、疲れた。お昼頃手術して、今はもう夕方過ぎだろうか。
眠りたいけど眠れない。
天井の蛍光灯が大きくて眩しすぎる。

ナースコール3回目。
「すみません、だいぶ眩しいので照明落としていただけないでしょうか」
「はい。このくらいでいいですね?」
いや、まだ明るいと言いたかったが、有無を言わさぬ調子だったので折れてしまった。

ようやくうとうとしかけた時に、無人だった隣のベッドに、新たなる患者が収容されてきた。
名前を呼びかけられている。
「ああ、はい」と辛そうに答えている。「息を吸うとき苦しいんですけど」
隣人の訴え通り、息を吸い込むたびヒューヒューという大きな喘鳴が聞こえている。
「もともと喘息やアレルギーがありますか?」
肯定するような隣人の声。
医師が、おそらくファイバースコープで口の中を確認しているもよう。
「あ~って、もっと大きな口開けてください。あ~って」
「あ”~~~~」
「あれれれ。声帯がまったく動いてないな。あ~~~って言ってみて」
「あ”~・・・」
「ムクムクに腫れている。声門浮腫だな、咽頭もだ」

別の、女医とおぼしき声がした。
「麻酔科と、耳鼻科の先生に電話して指示仰ぎます」
女医が各科の医師に内線を取次いでもらっている間、男性医師が廊下で待つ家族に説明するため出ていった。

「麻酔科と耳鼻科の先生は、いずれも再挿管が妥当だろうと─」
「ご家族に聞いたら、手術室に入る前からすでにヒューヒューいってたらしいですよ」

男性医師が隣人に話しかける。
「このままだと十分な呼吸が難しいので、もう一度肺まで管を通して空気が吸えるようにします」
「はぁ」
「管を入れるとき、苦しくないように、少し眠くなるお薬を注射しますね、麻酔じゃないんだけど」
「はぁ、でも、さっきまでより吸うのが少し楽になりました」
「う~ん、確かにヒューヒュー言わなくなったかな」

しかし女医が、「再挿管しましょう」とキッパリGOサインを出した。

「〇〇さん?」
「はい」
「〇〇さん?」
「はい」
「あれ~? こんなに薬が効かない人、初めてだな」と男性医師。

挿管していた女医が匙を投げた。
「ダメだぁ、完全にふさがっちゃってて全然入らない」
ガッ! ゴフッ! ゴッ!
隣人のむせる声。
あんなに腹圧かかったら傷口が開いてしまいそうだ。
薬、少しは効いてるといいのだけど。
「××先生、代わって!」
女医に言われて、男性医師が口ごもる。
「え? でも、一応まだ研修医ですよ?」
「いいからやって!」
ガッ! ゲッ! ゲッ!
隣人が眠っているとはとても思えない。
「あー、なんで俺の担当の日に限ってこんなことが起こるんだ」
男性医師が嘆く。
ゲフッ! オゲッ!
女医と看護師の笑い声(!!!)

隣人さん、隣人さん・・・ああ、耳を塞ぎたい。気の毒すぎる。

つい先ほどまで私を含む3人で、最低3回(←私)は鳴らしていたナースコール。
私以外は全員男性患者。
そのうちの一人は、ナースコールを鳴らし、看護師を呼びつけて言ったもんだ。
「ナースコールの音がうるさいから一般病室に戻りたい」
「無理です! みなさん、手術後は看護師の目の届くこの部屋にいていただきます!」

今は誰も鳴らしていない。
じっと息をひそめて、新入り(男性)の無事だけをひたすら祈念していたと思う。




「あ。入った」
おそらく、リカバリールームにいた誰よりも、真隣の私が一番ほっとした。

ところが、ここで女医があり得ないことを言い出したのである。
「私、胃カメラやってみたかったの。
でも私が研修受けてた頃は、胃カメラは内科の仕事だからやる必要ないって」

「今やってみます?」男性医師が促す。「管の中になるけど」
「ホント? いい?」

おい、マジか─。隣人さん、100%実験台にされている。

少しして、女医の嬉々とした声。
「よし、これでなんとなく、感覚は掴めた」
「じゃ、ICUに運びますか」
患者を除く医療従事者全員の、明るい笑い声。

おい、マジか─。ICUに運ぶレベルだったのにィ?


若き医師たちの、あくなき向上心に敬意を払うべきなのか。
いや、自分の家族にも、同じこと出来ます?

てのひらが、じっとり汗ばんでいた。


翌々日から、リハビリで病棟内をくるくる歩行するようになった。
病室ごとにネームプレートを確認してまわるのはやめにしておいた。
あの、あまりにもお気の毒な隣人の名を、見つけられないことが怖かったからだ。
カーテンの向こう側。顔も知らない隣人。
きっと、点滴を連れながら、リハビリに励んでいる。
そう信じたかった。



[PR]
# by vitaminminc | 2016-11-18 19:21 | 人間 | Comments(0)

こんぺいとう物語~チャラ胆~

5泊6日の入院生活が終わり、自宅静養すること今日で3日。
3泊以上家を空けるのなんて、新婚旅行でオーストラリアに行って以来。25年ぶり。
もう明日から職場に復帰。
できることならずっとこのまま家にいたい。
生粋のインドア派なのだ。独りで家にいることがまったく苦にならない。
ストレスフリー万歳。何時間でも引きこもっていられる。
でも、働かないといけない。しぶしぶ明日から出勤するけど021.gif



先月半ばに、家族立ち会いのもと(といってもムスメonly)手術に関する詳しい説明を受けた。
私の正式病名は、「胆嚢結石症」である。

b0080718_07574444.png

造影剤を使った最新鋭CTディスカバリー提供のカラー画像を示しながら、主治医のM先生が胆嚢の上の管をスティックで指した。
土中の芋的なものに根が生えてるような画像である。
これが自分の体内だなんて信じられない。他人事のように覗き込む。

031.gif「これがちょっと、厄介っちゃあ厄介かな」

胆石は、尿道結石のように溶かしたり砕いたりといった治療はほとんど無効であるらしい。
それに、石ができてしまう時点で胆嚢自体が正常に機能していないので、石だけ摘出するという選択肢はない。摘出するなら袋(胆嚢)ごと、というのが通例らしい。
b0080718_07495499.png

031.gif「胆嚢上部の肝臓とつながってるこの胆管、普通はY字になってるんですよ。Y字の下の一本をカットすればいいわけだけど、これね、なんか三叉路みたいに、胆嚢にもう一本の管もくっついて見えるんですよ」
確かに、Yが横たわっているように見える。胆嚢に、接点が二か所できてしまっているように。
008.gif「あの、それはつまり──」
私の不安を押しやるように、赤ら顔のM先生が、なぜか上機嫌で見解をまくしたてる。
031.gif「胆管切るときに、ほかの切らなくていい管を切っちゃったり、それこそ癒着なんかが見られた場合はちょっと厄介なことになる可能性はあるけれど(笑)──まあ、だからといって(腹腔鏡手術から)開腹に切り替えたところで、現物を見たってよくわからないんですよ。血だらけで、実際何がどうなっているかなんて判断できないんだけどね(笑)」
008.gif「・・・」(笑えるかぃ。つまりつまり、胆管が奇怪な形状をしている私の手術は、結局どうなるわけざんす?)
031.gif「ただ、チャラ胆(笑)、簡単な(胆嚢摘出)手術のことですけど、チャラ胆のがミスが多いくらいなんですよ、舐めてかかるから。難しいケースの方が連中(←研修医のことらしい)も気合入れてやるからかえって上手くいったりします」

チャラ胆? 横に腰かけているムスメを見た。
案の定、顔面蒼白。今にも失神しそうではないか。
さっきから何度ももぞもぞ体を動かしていたのは、トイレを我慢しているからではない。
臓器、血管、神経、癒着、大量出血といった単語にめっぽう弱いからである。
目を開いたまま、耳は閉じているに違いない。

031.gif「ま、たぶん内視鏡でイケると思いますよ」
008.gif「あの、私の手術はM先生が執刀してくださるんですか?」
031.gif「いや、オブザーバーとして手術室内にはいますけど、若いもん(←研修医のことらしい)がやります」

え”ぇ~~~~!? 難解なケースっぽいのにィ~~~!? チャラ胆じゃないのにィ~~~!?
しかし、もう後へは引けないのである。
なぜだかわからないけど、もう手術を受けるしかないと感じ、気づいたら同意書にサインしていた。

赤ら顔のM先生、むやみにに明るくチャラそうだったにも関わらず、説明にはたっぷり40分時間をかけてくれた。
おかげで診察室を出るころには、ムスメの顔はほぼ白紙の状態だった。
それでも、100%耳を貸さなかったわけではなかったらしい。
「ねぇ、私の聞き間違いじゃなかったら、M先生、もしかして≪チャラ胆≫て言ってた?」
私が訊くと、
「ああ。言ってたね」
ムスメが頷いた。

かくして私は、至極計画的に手術に臨んだのである。
自覚症状がない胆石症であれば、経過観察という選択肢もある。
が、私の場合は少し違った。
下手したら二十年前から、風邪の引き始めには必ずといっていいほどみぞおちの辺りが張って痛くなるのだった。
6月に人間ドックを受けたのだって、胃に問題があるのではないかと密かに気に病んでいたからだ。
でも検査の結果、胃はまったくきれい。その代わりに胆石が複数個発見されたわけ。
たとえ自覚症状がなくたって、何十年も胆石を放っておくのはよくない。
あれこれ調べた。胆のう癌になる確率が高くなることも知っている。
採れるうちに採っておくに越したことはない。
疝痛と呼ばれる発作でも起こして、救急搬送されることになったら大変だ。
それこそ周囲に迷惑をかけてしまう──考えた末の決断。

しかし、「外科医は明るい」とはよく言ったものである。
単に明るいのではなく、「明るいオタク」だ。間違いない。

(つづく)


[PR]
# by vitaminminc | 2016-11-16 22:04 | 健康 | Comments(0)

体験談

私はよく自分が体験したことを子どもに話す。
18才のムスコがかなりウケた話をしよう。
「こないだ私、人間ドックに行ったじゃない?
で、お腹のエコー撮る前に、先生がこーやって
(左手をパーにして腹にあてがい、右手人差し指、
中指、薬指を左手の甲の上でトントン叩く仕草)
触診というか、張り具合を診たわけよ。そしたら
あり得ないくらい、診察室にいい響いちゃって」
「ひゃっは!!(笑)」
「そばにいた看護師(♂)もドン引き―」
「どんな音だよ(笑)」
「腹鼓? 結構水っぽい音」
「わっは!!(笑)」

健康診断は、結構しんどい。

[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-21 00:58 | 健康 | Comments(0)

あばばばば・・・

定期試験を目前に控えているムスコが、冷蔵庫からウーロン茶を取り出しながら言った。
「あばずれって、なんであばずれって言うんだ?」
「はぃ?」
「ズレは(世間に)擦れてるって意味だろ? ならアバは何?」

捗らない試験勉強からの逃避だろう。よくもまあ、これだけ現実とかけ離れたコトバを思いつくものだ。
アバは何かと訊かれても、脳裏をよぎるのは「ダンシングクイーン」のメロディーのみ。

「漢字でどう書くんだ?」
「漢字なんか、考えたこともないゎ」
ムスコは私に質問しているわけではない。自問自答しているだけなのだ。
阿呆の阿に、婆ぁの婆か?」
なぜか私を直視しながら、ムスコの不毛な自問は続く。
結局、中途半端な自答のまま、ムスコはふらふらと自室に戻っていった。

あとでこっそり調べたら、ムスコの予想通り、「あばずれ」は漢字で「阿婆擦れ」と書くことがわかった。
語源は「暴れ者」+「世間擦れ」。それに中国語の「阿婆」(親と同等以上の年齢の婦人や老婆の意)を当てたらしい。

ふと思った。まさか、キッチンに立っている私を見て「あばずれ」という言葉が浮かんだりはしてないでしょうぬぇぇ?(怒)








[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-18 11:28 | 笑い | Comments(0)

怪奇・蜘蛛女

生まれて初めて受けた人間ドック。
いろいろな体験をしました。

オット存命中はオットの会社が加入している健康保険組合で、
毎年無料の主婦健診を受けていました。
項目は、いわゆる特定健康診断に準じた内容。

なので、それより一歩も二歩も踏み込んだ検査は初体験。
採尿⇒体重・身長測定⇒血圧測定⇒採血⇒心電図
ここまでは、これまでも受けていた項目──
と、いいたいところですが、どでかい違いがありました。

これまで受けていた主婦健診は、当然主婦が対象。
女性に配慮してでしょう、内科医は別として、
直接測定するスタッフ全員が女性でした。

しかし、今年からは普通の病院で受けます。
世の中には女性看護師の方が男性より多いはずですが、
この病院はナースマン。
フジテレビの軽部アナ似のナースマンでした。
b0080718_21380715.png

非常に親切で、優秀な看護師でした。
しかし、心電図はご存じの通り、
お胸をべろんちょりせねばなりません。
毎年受けていたからわかりきっていたことですが、
悪あがきして尋ねました。
「どの程度(検査着を上に)上げればよいですか?」
ビーチクが見えるところまで上げて、
両腕を身体の脇に下ろすように言われました。
ここで恥ずかしがるとかえってご迷惑。
平気なババァのふりをして従いました。

以上が最初の関門でした。

心電図の次はおなかのエコー。
エコーと胃カメラは医師が担当するとのこと。

軽部氏が呼びにいって登場したのは、
医師というより芸術家っぽいジョージ・ハリスン似の先生。
b0080718_21500771.png

ここでいったん軽部氏退室。

先生は、念入りに私のおなかをエコーで調べてくれました。
そして、私に何かの生物の卵のような映像を示しました。
b0080718_21520538.png
無論この画像はイメージ。
実際は白黒でした。
植木鉢のようなシルエットをした空洞の底に、
白くて丸い卵が、3つほど見えました。
「胆石がありますね」
と先生が言いました。
これまで医師との会話で出てきた「たんせき」は、
痰と咳のみ。
胆石ですとぉ~!?
先生は何度もローラーを転がしパソコンを操作。
あらゆる角度から見た結果、
「すくなくとも4つありますね」
およそ6.5mm~10mm近いサイズだそうです。
胆石は取り除かなくてはいけないのかという問いに、
先生は特に症状がなければこのままでいい的な回答。

「では、次は胃カメラですね。いろいろ準備があるので─」
ここで先生いったん退室。

軽部氏再登場。
「胆石があるって言われました・・・」
トホホな声で訴えると、
「ああ、それで(時間が)長かったんだ」
「4つもあるって・・・」
「胆石がある人って結構多いみたいですよ」
慰めになっているのかいないのか。

先生が言っていた「準備」というのは、鼻麻酔などのこと。
これらはすべて軽部氏が担当してくれました。

最初に胃の中の泡を取り除く「消泡剤」15cc。
これは口から飲みました。
それほど不味くはないです。

続いて、細長い金属製のスポイトのようなもので、
鼻のむくみを抑える薬剤を鼻に注入。
確か、左右に3回ずつ、シューコ、シューコ、シューコ。

息を止めていないと気管に入って苦しいということを
ネットで予習していてよかったです。

続いて麻酔薬も同様に3回ずつ。
息を止めていたけど、少し気管に吸い込んでしまいました。
むせました。ゲホゲホゲーッホゲッホ。

間もなくしてハリスン先生登場。
私は観念して横臥姿勢になりました。
「あ、逆向きです、カメラあちらですから」
と注意され、左に向き直りました。

ネットでは、鼻からぎゅうぎゅう中は、唾は飲み込まずに
ティッシュに出し続けろと教えていました。
予習しておいて、本当によかったです。
始まる前からむせていたくらいですから、
胃カメラが通っている状態でむせたらエライこっちゃ。

軽部氏の言っていた通り、ハリスン先生の腕は確かでした。
一番の難所らしい、鼻から入ってすぐのところも
案外スムーズに通過。
身体の中を管が通っているのがわかります。

友達に、目はつぶらず開いていた方が
体が硬くならないでいいと教わりました。
なので大きく目を見開いてたのですが、
瞬きを忘れていたのか、大粒の涙がぽろぽろ。
痛いわけではないけれど、なぜか涙がぽ~ろぽろ。

鼻からカメラが入ると同時に、
軽部氏がずっと背中をやさしくトントン。
途中、軽部氏が管に流す潤滑ゼリーの補充を取りにいくため
席を離れた途端、にわかに不安に襲われました。
背中トントンの威力、侮りがたし!

「見やすくするために、少し風を送りますね」
胃の中に空気が入れられたもよう。
職場の同僚が話していたのは、これのことか。
その人(←すごい美人)胃カメラ後の画像診断中、
先生の顔面に思い切りゲップの波動砲をお見舞いしたとか。
ゲフーッ!!
「もう、ごめんなさいとしか言いようが──(笑)」

軽部氏戻ってトントン再開(ほっ)。
カメラの通りもスムーズに。
食道も、胃も、十二指腸も、ほぼ問題なしと言われました。

けれど、私の胆嚢にゃ「卵」がある。
あれは何の卵なのか。

そういえば、唾を拭くために、
私はいったい何枚ティッシュを使ってるんだ?

先生が「終了です」と言って、
丁寧に胃カメラを引き上げました。
異物が身体から抜け出るや否や、
待ってましたとばかりに
さらにあり得ないくらい大量の唾液。
まるで白血球が集結したかの如く、
濃密で粘着質のヨーダが絶え間なく出るのです。

軽部氏が、ティッシュをここに捨てるようにと
ゴミ箱を差し出してくれました。

捨てられません。
ヨーダが、切れないのです。
ティッシュを口から離そうとすると、強靭な糸がビロ~~~ン。

これは果たして「唾」なのか?
蜘蛛の糸ではないのか?
もはや自分が人間とは思えなくなりました。

親切な軽部氏も、蜘蛛女の奇ッ怪な姿に
ドン引きしたのでしょう。
「ここに置いときます」とゴミ箱を手放し、
そそくさと去っていきました(笑)


そう、上の卵の写真は、タランチュラの卵。
b0080718_22361741.png
そしてこれ☝はタランチュラのぬいぐるみちゃん
実際のタランチュラは、足の先から糸を出すみたい。

先生は、胆石(私の場合はコレステロールによる胆嚢結石)は
必ずしも除去する必要はないと言いました。
けれど調べてみたら、取り除くに越したことはないようです。

1:結石ができる時点で胆嚢が殆ど機能していない。
2:結石を放置しておくと癌になる確率が高まる。
3:肩こりや腰痛、みぞおち辺りの鈍痛など症状多数あり。

緊急性はないけれど、3はすでに自覚症状があります。
出来れば年内に手術を受けてしまいたい。

胆嚢結石の一般的治療は、胆嚢摘出だそうです。
石だけ取り除いても意味がない(再発する)からです。
袋ごと取り除いてしまえば、
少なくとも胆嚢癌になる可能性はゼロになる。

人間ドックを受けて良かったと思うことにしましょう。
だって、胆石による疝痛発作って、
陣痛並みに苦しく痛いそうなんですよ。
突然そんなのに見舞われて、
救急車で不本意な病院にぶちこまれるよりずっといい。

余談ですが、私は家に現れる蜘蛛を殺さずに
生け捕って、屋外に放す達人です。
95%の確率で、殺生することなくリリースできます。

もしかしたら、本当に蜘蛛女なのかもしれません──。















[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-09 23:07 | 健康 | Comments(0)

1/3の純情な窮状

b0080718_18003740.jpg
ダブルベッドを覆うブルーシート
その上には、縦二つ折りにした、シングルサイズの敷パッド&シーツ

ウケ狙いでやってるわけじゃございません
この細長いものの上に私は寝ています

昨日、猫の放尿攻撃を受けたダブルサイスの敷パッドは
風呂場の乾燥機にかけても乾きませんでした
干した時刻が遅かったため、子供たちの入浴タイムと重なったから

仕方なく、シングルサイズの敷パッドを引っ張り出しました
猫尿を避けるには、敷パッドの面積は小さければ小さいほど好ましい
実質ダブルサイズの1/3の面積に寝る人間の哀しさよ

私をこんな目に遭わせた犯猫は、2匹のうちのどちらなのか
b0080718_18084988.jpg
可愛い済んだ目で真っ直ぐこちらを見つめるくーちゃん



b0080718_18095141.jpg
なぜか私と目を合わせようとしないうずぴ


b0080718_18104926.png
しかし
限りなく犯猫のニオイが濃厚のう○ぴは、
この1/3の布団で窮屈に寝ていた私に
昨夜もぴとっと寄り添いました

放尿したのは、夕刻の雷鳴の頃のみ
就寝後は粗相はしませんでした

憎らしいくらい憎めない猫

[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-05 18:17 | 笑い | Comments(0)

梅雨明けてくれ宣言

17時過ぎだったか、すンごい雷鳴が轟いて、土砂降りになった。
私もだ。
私も雷を落として号泣だ。
うずぴのオシッコ癖が再燃したからだ。

くーちゃんとの関係もそれなりによくなってきたせいだろう。
うずぴのオシッコ癖もここしばらくは落ち着いていた。


実は、くーちゃんを迎えてからというもの、それまではきちんとトイレで用を足していたうずぴが、
私のベッドで放尿するようになってしまったのだ。
日に何度もである。一度などウンチまで(号泣)
独占欲の強い性格が、ベッドの上も独占すべく、放尿してしまうのか。
縄張り意識が高じてのニオイ付けなのか。

梅雨時だというのに、半べそかきながら毎日大物洗い。
いい加減オシッコノイローゼになりかけた頃、妙案が浮かんだ。
私が寝ている時以外は、ブルーシートで覆ってベッドの寝具を死守すりゃいい。
b0080718_18161665.jpg
小便小僧を我が家に連れてきた張本人=若干サドっ気のある友人が、LINEでしれっと言った。
『(別の)友だちも、新しい子(←猫)が来たとたん、
前からの子がベッドでおしっこするものだから、
テーブルクロスを敷いて、中にもぐりこまないように
洗濯バサミで止めてた、と言ってた。
テーブルクロスとブルーシートというところが、人間性の違い?』

あん? 
るせー! あーしのベッドはダブルサイズなんだよ!
3畳用のブルーシートでないとすっぽり覆えないんだよ!
テーブルクロスで覆うとしたら、最後の晩餐サイズが必要だよ!


寝るときも、布団が尿害に遭わぬよう、敷パッドを縦二つ折り。
涙ぐましい努力の日々。
b0080718_18294441.jpg
b0080718_18312956.png
うずぴはずるい。起きても寝てもベッドで小便するくせに、
寝てても起きてても可愛いときた。
b0080718_18322429.jpg

洗濯機の中にオシッコ敷パッドにオシッコシーツをぶちこんで、
ガーガー回したはいいが、いったいどこに干せばいいんだ?
ダブルサイズ×2枚。

思わず、ネットで梅雨明けを調べた。
梅雨入りの時と梅雨明けの時は雷鳴が轟くものだ。
もしかしたら明日はもう梅雨明けかもしれない。

しかし、世の中そんなに甘くない。
関東・甲信越地方の梅雨明けは、
2014年が7月21日
2015年が7月10日
2016年の今年は、7月15日~7月23日くらいとの予報。
8月4日に梅雨が明けた年もあるという
マジか。ひと月も先ではないか。

やはり、梅雨明け前にブルーシートを外すべきではなかった。
ブルーシートをしたままだと通気性がすこぶる悪い。
早い話が寝ていてかなり暑いのだ。
ここのことろずっと粗相もなく、いい塩梅だったので、つい油断して外してしまった。

もしや、あの雷鳴が怖くて、ビビッて失禁してしまったのだろうか?
むしろそれなら歓迎だ。
たまたま雷鳴が怖かったから、というのなら、毎日粗相はしないだろう。
問題は、ベッドを独占したいがための放尿の再発。

いいか、うずぴ。
勘違いするでない。
このベッドは、そもそもうずぴのものじゃあないんだよ。
あーしのベッドなの!

もう、ホントやめて。




[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-04 18:54 | 笑い | Comments(0)

猫撫Day──うずら篇──

うずぴは毎日忙しい。

b0080718_10421726.jpg
無理やり履かされている可哀想な椅子さんの靴下を外して、
どこかに隠さなくてはならない。


b0080718_10430114.jpg
爪とぎの周りにある邪魔で硬い枠の部分を、せっせと剥がして──

b0080718_10482614.jpg
飲み水に浸し、十分柔らかくなったところで取り出さなくてはならない。



しかも、血のつながらないお姉さん猫のくーちゃんと──
b0080718_10432733.jpg
追いかけっこをして遊んであげなければならない。
近づきすぎるたび甘んじて猫パンチを受けるサービスつき。

b0080718_10444980.jpg
そして、「飯」使いのおばちゃんを喜ばせることも大切。
忙しいったらありゃしない。



番外編~モフ近撮~
b0080718_10451884.jpg
7月1日、ひょっこり、あの疥癬猫のモフが現れた!
相変わらず塩辛声でシャーと威嚇しながら、マンマを要求。
3回服用すべき薬を正味1.5回分しか口にしないまま姿をくらましたモフ。
どこかで全身ハゲ上がって死んでしまっているのではと案じていた。
んもぉー、ホッとしたよぉ、モフ~~~。
中途半端な服用のせいで、毛の生え方も中途半端。
床屋代をケチったオカンに、思い切りヘタクソにカットされた感じ。
でも、不揃いながらも地肌が見えなくなって、本当にヨカッタ。
写真のエサには、残っていた1回分の薬が入っている。
争いを避けて回復に努めたオマエは偉い!






[PR]
# by vitaminminc | 2016-07-02 11:12 | 生きもの | Comments(0)

ちょっと痛いハナシ

6月上旬のこと。

ダイニングテーブルを挟んでムスコと向かい合って昼食をとっていた。
骨付きチキンを食べながら、たぶんテレビを見ていたように思う。

ガリッ!!
突然、生まれてから一度も経験したことのない、衝撃に襲われた。
それは、頭蓋骨にヒビが入ったと錯覚したほどの、電撃的刺激的衝撃だった。

数秒後、衝撃を食らったのは、頭蓋骨ではないことに気付いた。
前歯である。

洗面所にすっ飛び、恐る恐る鏡を覗き込んだ。
イ~~~ッをしてみる。
なんだ、気のせいか。
前歯は無事だった。
でも、それこそが気のせいなのだった。
舌でそっと触れただけで、左の前歯が動いたのである。
自分の動く前歯を見るなんて、別れの近い乳歯をぶら下げていた7、8才以来である。

ノロノロと居間に戻り、静かに着席した。
「──前歯をヤッてしまった」
「は?」とムスコが聞き返した。
「間違って肉じゃない部分、骨のとこかじって、前歯が壊れた」
前髪と前歯を揺らしながら、私はノロノロと骨付き肉を手に取った。
「おい」
ムスコが、半ば放心状態の私に声をかける。
「食ってる場合か? 早く歯医者に行った方がいい。前歯はヤバイって!」

約45分後、私は歯科の診察台(というかリクライニングチェア)で医師の説明を聞いていた。
「レントゲンで見る限り、歯の根元の方にヒビが入っている可能性が大きいんですよね」

この日に治療を開始すると、先のだんはんの一周忌法要の日に、本歯を失い、仮歯が入っている状態は必至だった。
仮歯は外れやすい上に、見栄えも悪いという。
法要後に着手してもらうことにした。でないと仮歯が法要当日に外れた場合、親族の皆様に拷問に近いものを味わわせかねない。
笑ってはいけないシーンで笑うのを我慢することほどつらいものはない。
法要が終わるまでは、左の前歯を両隣の歯と接着剤で固定(もちろん歯の裏面を)するという応急処置でもたせることとなった。

実際、すぐに治療を始めなかったのは正解だった。
法要が終わって治療がスタートした時、担当医が「難しいケースなので、院長にも診てもらいましょう」と院長を呼んだ。
院長は、私の歯の状態を確認し、治療にはいくつか選択肢があることを説明した。
やけににこやかだった。
あとで合点がいった。院長に診てもらったのは、破損した左の前歯を取り除いた直後。前歯が1本歯抜けてる顔で院長と向き合っていた。
院長は、笑うのをこらえきれずに白い歯を見せていたのだなと知るのに、そんなに時間は要らなかった。
なぜなら、その日つけてもらった仮歯が早くも翌日には外れてしまい、私は鏡の中の私を見て吹き出したからである。

「おせんべいを食べてて歯が欠けたというならまだいい」とムスメに言われた。「普通に人が食べるものだから」
骨なんて人間の食べものではないものをかじって歯が欠けるなんて、自分だったら恥ずかしくて人に言えないと。
しかし、私は正直者である。すでに歯科医師にはもちろん、職場の同僚にもリアルに説明していた。
「情けないぜ、かーさん」とムスコにも言われた。「腰が痛いのは、歯が1本ないからじゃね?」
確かに情けないと自分でも思う(笑)。歯を1本失って、身体のバランスが崩れているようにも思う(涙)。

治療開始から2回目の昨日、歯茎の中に残っている「根」を抜いた。
掴む部分がないだけに、抜歯は困難を極めた。
途中、麻酔の注射を追加してもらって、歯茎の表側と裏側、数えられただけでも合計6回ずつ注射針が刺さった。
前歯への注射は奥歯よりかなり痛いですと医師は申し訳なさそうに告げた。
が、注射の痛みなんかいくらでも耐えられると思った。
ほじくり出される痛みの方が遥かに強かったのだ。

敬虔なクリスチャンの如く、腹の上で両手を組みながらひたすら祈った。
どうか、どうかお願いです、一刻も早く抜けちゃってください。歯の根っこさま、お願いです、潔く抜けてくださいぃぃぃぃぃ。

「はい、ようやく抜けました!」
麻酔が効いているので、いつ抜けたのかわからなかった。
「虫歯や歯周病だったわけじゃないので、かなり丈夫な根でした」
15分以上、歯の根と格闘していた女医。美人で感じがよくて、私はこの先生が好きだ。
「おつかれさまでふ」とねぎらうと、
「いえいえ、みん子さんこそ」先生は素敵な笑顔で返した。

その後、ブリッジをつくるために上下の歯並びの型をとった。血だらけの型がとれたことだろう。
麻酔は30分で切れるという。ということは、もうあと10分もしないうちに大変なことになるのでは?
「痛かったら言ってくださいね」を何度も口にした先生。治療台の上の、血に染まったガーゼの山。
歯茎は相当ダメージを受けている。
「先生、今もうここで、痛み止めを飲まへてくらはい」
私は痛みに弱い。家に帰る途中痛み出したら、ハンドルを切り損ねて電信柱に激突するかもしれない。
命は助かっても、右の前歯まで失うかもしれない。
診察台でロキソニンを服用した。

案の定、家に着く前から徐々に始まった痛みは、家に着いてからいよいよ尋常でなくなった。
1回1錠の用法用量を破って、もう1錠勝手に追加服用してしまった。
恐る恐る(←こればっか)鏡を覗き込むと、仮歯が血で真っ赤に染まっていた。
どんなドメスティック・バイオレンスを受けたらこうなるんだ?

次回の治療は、ブリッジをつくるため、抜けた歯の両隣の歯を削るとのこと。
この日つける仮歯は、今つけている付け爪のようなはかない感じのものと比べてかなりしっかりしたものになるらしい。
その頑丈な仮歯を入れている間に、失った左の前歯つきのブリッジがつくられるわけだ。

もう骨をかじるようなヘマはしません。
早く、一日も早く、ふつうの人間になりたいです。

以上、わが身の上に起こっている、ちょっと痛い歯なしでした。









[PR]
# by vitaminminc | 2016-06-30 19:35 | 笑い | Comments(2)

一周忌譚

本当の命日は数日後に控えているが、昨日、だんはんの一周忌法要を執り行った。
早いよね、一年て。
まだ夢の中にいるみたいだ。
なんだかいろんな重圧が、全部腰に来ちゃったようで、半月前から腰痛に悩まされている。

空梅雨だけあって、昨日は朝からよく晴れていた。
暑かったけれど、湿度が低め。
カラッとして気持ちよかった。
いったい何の重圧を受けていたのだろうというくらい、親族はみな私にやさしく、誰もがにこにこほほ笑んでいた。
自分でいうのもあれだけど、和やかで、実にいい法要となった。

無論心の傷は完全に癒えてはいない。
読経の間、隣に座っていたムスメは始終すすり泣いていた。
私も注意深く瞬きをしないと塩水が頬を伝いそうで難儀した。

主人は病気がもとで亡くなった。
私を苦しめたのは、それが「死ぬような病ではなかった」ことに尽きる。
難病指定の病ではあったが、早期に適切な治療さえ始めていれば、上手に病気と共存できたはずなのだ。
普通に生活することも可能だったかもしれない。
調べれば調べる程、私はずるずると落ち込んだ。
ここ30年で医療が飛躍的に進歩して、死亡率が劇的に減った好例、それが主人の病だった。

普通の健康診断ではない、「人間ドック」を毎年受けていた。
風邪に似た症状が続いていて、早く医者に診てもらうよう何度も言った。
ようやく医者にかかったものの、悪くなる一方だったので、病院を替えるよう訴えもした。
頑なに医者を拒んだのも、私や子どもがいくら仕事を休むよう頼んでも、聞かなかったのは主人だ。

あなたは悪くない、と誰もが慰めてくれた。
それでも私だけは私を責めた。
言うことを聞いてくれなかったのは、私が女房だったからではないだろうか。
私と結婚していなかったら、今もこの先もずっと生き続けたのではないか。
いろんな思いが頭をよぎって、水中で長いこと息を止めているみたいに、変に息苦しくなったりした。

好きなテレビ番組「笑点」で、小遊三師匠だったろうか、「長くなったり短くなったり」で結ぶ上の句を考えよというお題に、
「女房のさじ加減。旦那の寿命が長くなったり短くなったり」と答えた。
会場は笑い、私は凍り付いた。
好きだったテレビ番組を見てさえこのザマだ。
人が一人、この世からいなくなることの罪。

家でも職場でも、私はほぼ明るい。
バカみたいに明るい。
でも、先に述べたような琴線が、心なのか頭なのか、わけのわからない部分に縦横無尽に張り巡らされている気がする。
いつ瞬間冷凍状態になっても、いつ永久凍土になってもおかしくないような不安。

私は、具体的に2人の友に救われた。
一人は行動で。
もう一人は言葉で。

行動派の友は、私の心の空洞を「猫」という、私にとって最適な直球で埋めてくれた。
有無を言わさぬ剛速球で投げ込まれた「猫」は、38℃という絶対温度で、やわらかく温かく、じわじわと心の傷を癒し続ける。まるで湯治だ。

もう一人は、弱音を吐いた私に、こんな言葉をかけてくれた。
「ほんとはパパさん 
 もっと寿命が短かったんだよ。
 みん子があそこまで延ばしたの」

よく、「時が解決してくれる」というけれど、時なんて目に見えないものに身を任せていたら文字通り時間がかかる。
解決を早めてくれるのは、間違いなく生身の人間だ。
友だちに救ってもらった。
一生の宝だ。

身に覚えのある2名に告ぐ。
救助活動の一環として、あと一つだけお願い。





私より先に死なないで。








[PR]
# by vitaminminc | 2016-06-19 16:44 | 人間 | Comments(2)

空梅雨~似てるてる坊主2016~


b0080718_15543203.jpg
ふてニャン と
b0080718_15513591.png
お笑い芸人「ピスタチオ」の小澤慎一朗ニャン 




b0080718_15564835.png
旧薩摩藩士、関西実業界の立役者・五代友厚 と、
b0080718_16005032.png
尾崎豊




b0080718_16022960.png
佐々木蔵之介 と、
b0080718_16074016.jpg
猫のくーちゃん



はい? 猫のくーちゃんなんて知らない?
そりゃそうです、5月に我が家に仲間入りした、推定2歳~3歳の女の子。
那須高原出身です。
どんままさんが単身、那須入りして捕獲。
半年先の冬の厳しい寒さに備えて、愛と執念の保護活動。

くーちゃんは、体の半分が白黒のバク柄で、半分が牛柄。
なので、雌牛のドイツ語「Kuh」から、くーちゃんと名付けました。

先住猫のうずらが、あり得ないくらいのビビリっこのせいで、
慣れるまで一悶着も二悶着もありました。
狭量なうずらが、私のベッドに日に何回もオピッコをしてくれたり(号泣)、
怖いあまり、自分より一回り【小さくて】おとなしいくーちゃんに噛みついたり。
でも、くーちゃんはとっても友好的かつ大人な対応ができるお利口さん。
うずらに、快適空間をつくり出すための「距離感」を
猫パンチを交えて教えてくれたおかげで、今は一応平和です。

でも、自然豊かな那須高原から、蒸し暑く狭い我が家で
心の狭いうずらと一緒にされたストレスでしょう。
くーちゃんは今、ちょっと皮膚疾患を発症中。
ですが、食欲は体の大きなうずらよりも旺盛で、
女の子なのに毎晩雄叫びがすごくて元気です。

猫二匹と一緒に寝られる(いや、実際はうるさくて眠れない)幸せを
ガブガブと噛みしめています。
明日はだんはんの一周忌法要。
頑張ります。


















[PR]
# by vitaminminc | 2016-06-17 16:34 | 趣味 | Comments(2)

デル・アミーゴ!

「ゴミというのは、一人一人が──」


ムスコ(大学1年生)が、静かな声で切り出した。

思い起こせばすでに10年余り。
小学1年になった或る秋の日。
ムスコは家から少し離れた場所にある集積所まで、ゴミを運んでいく係となった。
雨の朝も、風の朝も、雪の朝も。
朝っぱらからクソ暑い真夏の朝も。
多少ウンザリした表情を見せることはあっても、文句も言わずに来る日も来る日も。

子猫(←昨年春没/享年10歳)を飼い始めたことがきっかけだった。
猫トイレの掃除をムスメ(姉)に、ムスコ(弟)には家のゴミ出しを命じたのである。
猫のトイレ掃除は、タイミングの関係でかなり得である。
ムスメが家の外にいる間に出た糞尿は、私が始末しないわけにはいかなかったからだ。
それに比べてムスコのゴミ出しは、中止になったためしがない。
あまりにも重いゴミが出た場合は私が出しに行きもした。
が、小学3年生頃からは相当重いゴミであってもムスコが頑張って出しに行った。
軽度の反抗期にあった中学校の3年間も、ムスコは黙々とゴミを出しに行った。
遠距離通学で、まだ暗い早朝に家を出なくてはならない、高校の3年間も。

そのうち、「なんで俺だけが?」と疑問をぶつけてくる日が訪れるのではないか。
長いことそんなことを密かに案じていた。
今うちにいる猫(うずら)は、私と一緒に寝起きする部屋から出たがらない。
今日もドアを全開にしてみたが、廊下にあったおもちゃを自室に持ち込んで遊んでいる。
だから当然トイレも私の部屋にある。
休日ムスメは私の部屋で大の字になって昼寝するくせに、とうに猫トイレの掃除を放棄。
それをムスコが知らないはずはない。

ついに、ゴミ出し辞退宣言か!?



「──自分の出したゴミと向き合う、
ビッグチャンスだと思いますねぇ」

本田圭佑の物真似をするじゅんいちダビッドソンの声真似をして、
ニヤリと笑ったムスコ。
「あ~~~めんどくせー」と言いながら、いつものようにゴミを出しに行ってくれた。



やがてムスコは独立してこの家を出ていくだろう。
年老いた私は、毎朝ゴミの袋を見るたびに、泣いてしまうかもしれない。
小学1年のおチビだった時分から、何年も何年も、
何年も何年も何年もゴミを出しに行ってくれた。
その素朴なやさしさを想って。




b0080718_16191365.jpg


追記:外猫のモフ、疥癬治療失敗。2回目の薬のあと、パタッと姿を見せなくなった。



[PR]
# by vitaminminc | 2016-05-26 16:26 | 笑い | Comments(0)

朝の私の頭

朝起きて、まず最初にすべきことは、仏さまにお水とお仏飯をお供えすること。

今朝も、そうしたはずだった。

しかし、お線香をあげようとして仏壇の前に立ってみたら、お仏飯が見当たらない。

お水だけはお供えしてある。

なぜ?

お水だけではない、ご飯もちゃんとよそった記憶があるのに──。
b0080718_08201396.jpg


キッチンと仏壇の前を行ったり来たり。

「あれ~? おかしいなぁ、どこ行っちゃったんだろう」

するとムスメが言った。

「なんか、私の(斜め)前にお供えしてあるんだけど」



なぜなのか~? (←池上彰風)

「ま、しばらくコレに気づかず食事していた自分もどうかと思うけど」

とムスメはニヒルに笑った。

それより10分ほど前、私は箸立てに歯ブラシが立っているのを見つけ、ムスメに因縁をつけた。

ムスメは、エンピツ立てに歯ブラシを入れていたという前科がある。

だがよく見ると、それはムスメの歯ブラシではなく自分の歯ブラシだった。

「す、すまぬ・・・」

素直に詫びた清き心が、ムスメの食卓にお仏飯を供えさせたのか?

ダンナ、ダンナの母、ダンナの父、ダンナの母の伯父伯母夫妻──。

お仏壇の中の皆さまは、こんな嫁のことをどう思っていることやら。





≪外猫経過報告≫
モフは3回目の薬を飲むべき昨日も今日も庭に現れなかった(涙)。
代わりに、鼻がひしゃげるほどの異臭が玄関ポーチのマットから放たれていた。
モフとは別のドラネコ(♂)が、我が家の小庭を縄張りの一部として、
時々マーキングしくさるのである。
そのせいで恐れをなしたモフが近寄れなかったのではなかろうか。
ドラネコもモフも同じ外猫同士。差別したくはない。
が、玄関に放尿されるのは断固拒否する。
ヤカンに湯を沸かして熱湯をかけないことには臭いがとれないのである。
ドラネコくん、頼むからマーキングするの止めて~!
モフくん、二日遅れでもいい。3回目の薬を服用しに来ておくれ~!






[PR]
# by vitaminminc | 2016-05-13 08:46 | 人間 | Comments(2)

モフの経過報告

b0080718_22570006.jpg
最初の服用から、およそ一週間経過した、哀れなモフ。

春の嵐が吹き荒れた翌朝、ひょっこり姿を現した。

どうなんだろう? 少しは好転しているだろうか。

険しかった表情が、少しやわらかくなったように見える。

相変わらず、時折痒そうに身体を掻いている。

脱毛がさらに進み、地肌の見える範囲が広がってきた。

肌は角質化しているわけではないようだ。

つまり、重症ではないということだ。

本来であれば、最初に疥癬薬を与えた日から、ちょうど一週間目に服用させたかった。

でも、モフは毎日現れるわけではない。

何日も空けてしまうよりはと思い、一日早かったけれど、この日エサに薬を混ぜた。

ところが、やけに食が細くて、半分以上残してしまった(とほほ。。。)

すぐに食べ始めたので空腹だったはずなのに。

薬の味がよほど嫌なのだろう。

それとも、副作用で食が細くなってしまっているのか。

モフは、しばらく庭の隅にとどまって、私が車を洗うのを眺めていた。

そして昨日と今日、モフは一度も姿を見せなかった。

どこでどうしているのだろう。

来週で最後。何とかして薬を与えたい。

そして、あのゴージャスで見事な黒い毛並みに戻してあげたい。

[PR]
# by vitaminminc | 2016-05-06 23:34 | 生きもの | Comments(0)

天女

b0080718_18370396.jpg
このCM、いいと思いませんか?
「こころの路線図、西武鉄道」
秩父を旅する文学青年・又吉が印象的。
それに何より、旅の終わりに天女(?)が登場するのです。なんたるたおやかさ。はぁ~~~お美しい~~~053.gif
b0080718_18372828.png
ロングヴァージョンにももちろん登場するけど、こちらは普通の人間の姿でも結構出てくる。なので私はやはり、短いCMの方がいいなー。
このモデルさん、俳優の満島ひかりと満島真之介の妹さんだそうで。ひかり&眞之介姉弟はすごくよく似ているけど、25歳のみなみさんは、また少し違った面立ち。ソフトな感じですね。
さらにもう一人弟さんがいるらしいのだが、きっと美少年に違いない。おそるべし、美形一族。

[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-29 18:57 | 趣味 | Comments(0)

第一回服用、無事成功

昨夜は夜中0時まで、今日は朝6時から、何度も庭を確認した。
玄関ドアの蝶番がバカになるんじゃないかというくらい、何度も何度も確認した。
モフの姿はどこにもない。
あんなに毛が抜けてしまっては、きっと寒いに違いない。

冷たい雨が、容赦なく地面に跳ね返る。
こんな日は、たとえ元気な猫だって姿を見せたりしない。
どこかでじっとうずくまり、雨が止むのを待つのである。

しかーし!!
b0080718_12360786.png
8時ごろになって、モフを発見。
黄砂をかぶった小汚い愛車の上にいた!!
b0080718_12365632.jpg
「モフ、いい? そのまま待ってて。いい? わかった?」

私はモフに話しかけた。
じっとこちらを見ているモフ。
胸元の毛が抜け落ち、やつれ果てたツキノワグマみたいだ。
顔の皮膚がただれてしまって、それはそれは恐ろしい形相。

私はすっ飛んで家の中に入った。
そして、冷蔵庫に保存しておいた、薬入りのエサをさっと温めた。
適当なサイズの発砲スチロールの箱の中身を廊下にぶちまけた。
空にした箱とエサを手に、静かに外に出た。
そっと庭の隅に、薬と寝床をセッティング。

「これは、お薬が入っているの。だから、絶対食べてね」
そう言い残して、すぐにその場を去った。

30分ほど過ぎた頃、念のため確認しに外に出た。
モフは相変わらず、車の上にいた!!
すぐ上にはカーポートの屋根。
軒下とはいえ、地面に置いた箱よりも、車の上の方が濡れずに済むのだろう。
b0080718_12371467.jpg
ああ、良かった。ほとんど残さず食べてくれた。
ほかに野良猫の姿は見えないし、何よりモフがいる。
食べた主は、モフ自身とみて間違いないだろう。
エサをレンジで20秒だけ加熱した。
薬効が消えてしまってなければいいけれど。

来週も同じ木曜の、できれば同じ朝に、薬入りのエサを食べてくれるといいな。
外にいる以上、繰り返し感染するのは避けられないかもしれない。
でも、とにかく今は、「今」のことだけ考えよう。
モフを痒さ地獄から救い出すのだ。




[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-28 13:11 | 生きもの | Comments(2)

野良ニャン事情

b0080718_17115743.jpg
昨年秋から冬にかけて、猫の額ほどのうちの小庭に顔を出していたモフ。黒いロン毛の、推定オス。迫力ある鋭い眼光で、初めて見た時は猫とは思わず「い、今横切った未確認生物は何だったんだ?」とかなりビビった。
何度か見かけるうちに、野性味豊かで魅力的な「猫」であることがわかり、家族間では「モフ」とか「タヌキ」とか好き勝手に呼んでいた。
ただし、サバコに輪をかけ人に馴れることはなかった。

推定オスなので、縄張り争い等、厳しい世界があったのだろう。サバコのように毎日顔を出すでもなく、そのうちモフはさっぱり姿を見せなくなった。どこかで逞しく生きていてほしいなと思っていた。

ところが二日ほど前、仕事から帰ると庭に奇怪な生物がいた。あまりの変わりようにわが目を疑ったが、一目見てモフだとわかった。
モフは重い皮膚病を患っていた。モフは「シャーッ」と私を威嚇すると、どこかに消えてしまった。
b0080718_17121404.jpg
昨日もモフが庭にいた。今度は威嚇しないで、「にゃー」と鳴いた。ものすごく体調が悪いのだと訴えているようだった。あいにく昨日はかかりつけの動物病院が定休日だったので、モフに「明日まで待ってくれ」と説明した。
そして私の言葉を理解していたかのように、私が仕事から戻ると、私の愛車の上でモフが待っていた。激しく身体を掻いている。そして、「にゃーにゃー」という訴えは更に切実になっていた。
動物病院は、昼過ぎから手術を行うため、午後の診療は16時開始である。昼食やら雑用やらを片付けて、病院に出かける時間になった。
モフは相変わらず愛車の上で風に吹かれていた。そして身体を激しく掻いていた。
「お薬もらって来るから、待ってるんだよ」
昨日スマホで撮っておいたモフの悲惨な病状を先生に診てもらい、薬を処方してもらった。
b0080718_17124085.jpg
疥癬であることは明らかなので、エサに混ぜることが可能な服用薬を出してもらった。本当なら、背中に直接塗布する薬と併用するのがベターなのだが、モフはサバコ以上に接近困難。写真を撮るだけでも大変だったのだ。やむを得ず、服用薬のみお願いした。
家に帰ると、モフはちゃんと庭の片隅で待っていた。
「今すぐ用意するからね!」
そう言って家に入り、大急ぎでエサに0.2mlの薬を混ぜて用意した。
ところが、庭に出るとモフの姿はどこにもなかった。3分も待たせていなかったというのに。病院への往復50分を待っていられたのに、どうして?
すると、すぐ近くで発情歌を唄うオス猫の声が聞こえた。のしのしと我が家の横を歩き去っていった。
あとちょっとのところだったのに。モフはそいつから逃れるため、姿をくらましたに違いない。今のモフは身体的に大変弱っているので、逃げるしかなかったのだろう。
薬を投入したエサをなんとしてでも食べさせたい。薬は週に一回、3週間かけて服用するタイプ。一回一回がとても大事なのである。
モフを目前に確認してからエサに混ぜるべきだった。。。戻って来てはいまいか。さっきから何度も庭に出て確認するも、いまだ現れず。
「保護して飼ってやれないのなら放っておけ」という意見も世の中にはある。「それが野良の宿命なのだから」と。が、モフが私に「何とかしてくれ」と訴えている以上、私は病気だけでも治してやりたいと思う。
b0080718_17505076.gif


[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-27 17:56 | 生きもの | Comments(0)

サバコ

外猫のサバコ(本名サバンナ)が、99.99%の確率で死んでしまいました。

今週月曜日、サバコにそっくりな猫が県道で車にはねられ死んでいるのをムスメが目撃しました。
彼女はそのことを、通勤バスの中からLINEで私に知らせました。
仕事がOFFだった私は家事をこなしていて、LINEを見たのは1時間半も過ぎてからでした。
しかも、ムスメが送ってきた内容を完全に見誤っておりました。
「サバコにそっくりな猫が○○さんちの前で死んでいた」
を、『うずらにそっくりな猫』と読んでしまったのでした。
私の返信は、「かわいそうに」のみでした。あとは、うずらの居間デビューがうまくいかない件に関する内容を延々と綴っておりました。うずらの写真付きで。
超ビビリっ子のうずらが、私の部屋の外に出るのをひどく怖がり、いまだに家の中を自由に行き来できないでいることを嘆いていたのです。
その日も居間に連れてきてはみたものの、怯え方が尋常でなく、トイレに入るも緊張のあまり用を足せずにいたのでした。震えてピーピー鳴くばかりなので、結局2階の部屋に連れ戻したところでした。
ムスメから届いていたLINEを、うずらのことでいっぱいの頭で読んだものだから、サバコをうずらと読み間違えたのです。
「うずらに似た子が、また車に轢かれちゃったんだって──」
部屋に戻ったとたん、水を得た魚のように元気を取り戻したうずらは、早速優秀なウンチをしてみせました。
私はウンチの処理をしながら、‘見ず知らず’の野良猫の死をうずらに伝えました。うずらはベッドに飛び乗り、生き生きとした表情を見せていました。

サバコがマンマだけ食べに来て実態を見せないというのは、そう珍しいことではありませんでした。それでも、姿を見なくなってから、今日でもう4、5日は経っています。
突然、ムスメのLINEを思い出した私は、不安になってムスメに訊きました。
「ムスメが見た、うずらによく似た猫が県道で死んでいたってあれ、キジネコじゃなくてサバネコだったんじゃないの?」
「何言ってんの?」ムスメが氷のように言いました。「サバコにそっくりな猫って言ったじゃない」
びっくりしてLINEを遡って確認してみたら、本当に『サバコ』でした。
しばらくの間、頭が混乱して、状況把握に手間取りました。ここ数日、マンマ(姿を現さないのでごく少量)を平らげていたのは、サバコ以外の野良猫だったことになります。

仕事から帰って来ると、どこからかやって来て、小さな庭でお腹を見せて精一杯歓迎してくれたサバコ。
触れようとすると十中八九逃げるサバコ。
警戒心が強い利口な子だから、サバコだけは車に轢かれたりしないと勝手に安心していました。

「あれ? 今日はいつも庭に来ている猫ちゃん、いないんですね」
「そうなの。今日はまだ姿を見てないの。どこかよその家で、もっとおいしいマンマをもらってるのかな」
契約更新のために訪れた新聞販売員のお兄さんとの会話、あれは月曜の夕方でした。あの時、サバコがすでに死んでしまっているなんて思ってもみませんでした。ムスメのLINEが頭をよぎることもなかったのです。

「今更泣かれても」とムスメが困惑して言いました。「どうりで(LINEの)反応が薄いっていうか、あれ?そんだけ? 冷たいなって思ったんだよね」

休みだったのだから、道端で冷たくなっているサバコを引き取って、眠眠たちが眠るお墓に埋葬してあげることだってできたはずなのに。
その日はよそのお宅(おそらく○○さんち)が通報したらしく、午後買い物に出た時には、県道には何も残っていませんでした。
せっかく、休みだったのに。サバコの最期をどうにかしてあげられたというのに。痛恨のミスです。

捕獲して、避妊手術を受けさせて、約4年間マンマを与えてきました。たまに姿を見せない日もあったけど、ほぼ毎日サバコを見てきました。
奇跡的に触れさせてくれた時は、すごくすごく嬉しかった。猫らしい性質。きれいなサバネコ。美人な子。

サバコのために庭に設置したけれど、サバコがまったく入ろうとしなかった猫ハウス。
ダンボール箱で、せっせと作った猫ハウス。
車のフロント部分に残った、サバコの梅の足跡。たくさんの足跡。
そんなものしかもう残ってやしない。

「もう絶対、もう絶対、野良猫の面倒はみない。もう本当に、本当に嫌だ」
べそをかきながら言う私に、ムスメが返しました。
「これまでも、いつもそう言ってたよね」

サバコ、ごめんね。ごめんなさい。天国にいったら神様に羽根をもらうんだよ。車に轢かれないように──。
b0080718_01395358.png
b0080718_18350838.jpg





[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-15 22:34 | 生きもの | Comments(2)

スーパー90歳

実母の誕生日の前日。
家に母を呼んで、卒寿を祝う計画を立てた私は、車で母を迎えに行く準備をしていた。そこに、兄嫁さんから電話が入った。
「みん子ちゃんがこっちに着く頃には私はもう出かけていると思うから、今のうちにと思って──」
兄嫁さんの声は、いつになく深刻である。心をゾワゾワさせながら、次なる言葉を待った。
「実は、数日前のことなんだけど、お義母さんが朝早く家を出たなと思ったら、夜8時を過ぎても帰らなくて、イチロー(わがアニキ)さんとすごく心配したの」
えぇ!? ついに認知症発症か。発症と同時に徘徊か。私は大いに焦った。さきほどさりげなく「卒寿」といったが、これは大変なことなのである。卒寿の卒は、「卆」(つまり「九十」と書くことから、九十歳のお祝いを指しているのである。そう、母はこの4月で満九十歳を迎えたのである。
厳密にいうと、卒寿のお祝いは数え年でやるそうだ。本当なら昨年お祝いしてさしあげるべきところだったのだが、昨年私は非常に緊迫した状況下にあり、それどころではなく、早い話がきれいサッパリ忘れていたわけだ。その親不孝ぶりを返上すべく、有休を使いまくって数日間仕事も休んだ次第。

兄嫁さんの話──私たちに一言も告げずに出かけたのは、言えば反対されると思ったからだろう。
早朝から出かけて夜8時半過ぎに帰ってきた。どこに行っていたのか尋ねたら、熱海に日帰り旅行にいっていたという。
熱海だけでなく、小田原にも寄って、帰りは上野公園に夜桜を観に行ったという。
同伴者は、一緒に習い事をしているお友達数人。訊けばその友人らは皆70代。お義母さんよりずっと若い。
70代の人たちと一緒に行動したことで、お義母さんはすっかり(体力的に)自信を持ってしまったようだ。
でも、実際はかなり無理していると思う。出先で万が一のことがあった場合、一緒に行ってくれた方たちに迷惑がかかる。
病院に搬送されたとして、ふだんどんな薬を服用しているか問われても、私たち夫婦は何もわからない。
とても上機嫌で帰ってきたので、私としてもあまり水を差すようなことは言いたくないが、みん子ちゃんからどうかうまく伝えてほしい。
今後は自重するように。イチローさんは優しいから、強く言えないの。ただ「今度から出かけるときはちゃんと言ってくれよ」と言うだけで。

熱海⇒小田原⇒上野──ハードスケジュールではないか。聞いてるだけで疲れてしまう。それを、90になろうとする母が、電車と二足歩行で成し遂げたとは!!

昼前に母を迎えに行くと、テニスから帰って来たアニキが、「これ、ムスコくんに」とムスコの大学入学祝いをくれた。寡黙なアニキは、案の定、数日前の母のあっぱれな行動に関して言及しない。だから私も聞きはしない。
母を車に乗せ、2キロほど走行したところで、思ったとおり、母自ら怒涛のように語り出した。
「こないだね、とてもいいことがあったの!」
「え? 何何?」すっとぼけて尋ねると、母が頬を桜色に染め、興奮状態で話し始めた。
週一で通っている、体操教室で一緒の人たちが、「今度熱海に桜を見に行きましょうよ」と提案。体操教室の面々というのは、母が最高齢で、当時あと数日後に90歳になる母と、5つ下の85歳、あとは70代の方が5人ほどだという。85歳の方が、その日は予定が入っているからと辞退。70代は、当然母も辞退するだろうと思っていたらしい。
が、母は違った。
「ご迷惑かもしれないけれど、今生の見納めに、私も参加していいかしら?」
70代の方たちは、「まぁすごい」と大賛成。「行きましょう、行きましょう」ということになった。
余談だが、母が実年齢を明かすまで、70代の方たちは母を一回り若く見ていてくれたそうで、90近いと知った途端、毎回体操教室終了後に椅子を運ばなければならないのだが、代わりに運んでくれるようになったという。元々親切な方たちだったのだ。
当日、一人が全員分の「青春18きっぷ」を用意してくれていて、90になろうという母、18才の気分で受け取った。
b0080718_12123637.jpg
熱海では、寛一とお宮の像を見てから、近くの料理屋でたいへん美味しいお昼を平らげた。肝心の桜は、東京より暖かいはずの熱海でも、まだ三分咲きだったらしい。

b0080718_12134868.jpg
熱海だけで帰るものと思っていたら、「ねぇ、小田原にも寄ってみない?」と一人が提案。行き当たりばったりの気ままな旅に、変化球が投じられた。
もちろん母を除く70代は、「みん母さん大丈夫? 無理しないでね」と気遣ってくれた。母は「私も行くわ」と腰を上げたという。
小田原城に登るときは、70代の中で一番年上の方が母の手を引き、ゆっくりゆっくり階段を上ってくれた。
ほかの皆さんも、「みん母さんを見てると励みになるわぁ」と、母の姿に自分たちの近未来を投影させ、声援を送ってくれたようだ。

これで帰ると思いきや、「ねぇ、帰りに上野に寄って夜桜を見て行かない?」というご意見が。熱海の桜が拝めず不完全燃焼だった70代は、実にエネルギッシュなのだった。いくらなんでもみん母さんはもうお疲れでしょう、絶対無理しないでねと念を押してくれた。
そういえば、この齢になるまで、夜桜というのを見たことがなかったなと気付いてしまった母。「私も見たいわぁ」と同行表明。

b0080718_12230738.jpg
画像はどれもネットから拝借したものなので、実際はまだ五分咲きだったという。平日だったため、狂ったような人込みもなく、満開ではなかったにせよ、それなりに楽しめた模様。
帰り際、みなさんが訊いてくれたそうだ。
「明日何か予定あるの?」
「コーラスの日だわ」
「きっと今日の疲れが出るでしょうから、お休みして家でゆっくりした方がいいわよ」
「そうね、そうするわ」
しかし、70代と一緒に行動を共にした母は、翌日しっかりコーラスのお教室にも出かけたという。

恐るべし! 90歳! 
だって、平日だったら電車だって混む。特に帰りは17時以降、エンドレスでラッシュだろう。それに、駅には階段がつきものだ。いったいどうすりゃそんなに歩けたのだ?
昨年は体調が悪かった母。やれ膝が痛む、踵が痛い、メニエールでクラクラする、二度も吐いてしまった等、結構私も心配させられた。だからこそ、オットのお通夜も告別式も、敢えて母には来てもらわなかった。89歳と聞いて、オットの親戚も納得してくれた。オットが急逝し、この上母にも逝かれたら、私はきっと正気を保てない。そう感じたからこその決断だった。

結局私は、アニキの言葉を補足する感じで、「どこに行くと告げずに家を出たらどうなるか」というシミュレーションを語って聞かせ、警察のご厄介になりたくなかったら、ちゃんと行先・同行者の連絡先を伝えるかメモに残して出かけてくださいと母にお願いした。
そして、百均で紐付きカードケースを3つ購入して、カードには母の氏名・住所・血液型・服用薬・緊急連絡先電話番号をせっせと書き込んだ。その一つを母が持参した手提げバッグに紐で括り付け、カードを中にしまった。
「バッグを替えたときに入れ忘れないように、あともう2つ予備で作ったから、家に帰ったらほかのバッグにもこのように括り付けて、いつでも持ち歩くようにしてね053.gif

90歳の母を自宅に呼んで、二泊三日。卒寿のお祝いカラーだというずくめのベスト、ストール、ショルダーバッグを贈った。それらを身に着け、乙女のようにはしゃいだ母。わが母ながら、いちいち可愛い。お連れした日帰り温泉でも、露天風呂で一緒になったご婦人に母の実年齢を教えたら、「あらでもお肌がすべすべ! とてもそんなお齢には見えないわ、きれいなおばあちゃまだわ」と心底びっくりされた。補聴器を外していて、ますます耳が聞こえない母は、せっかくの褒め言葉も聞こえなかったけど、頷く代わりににこにこと笑顔をふりまいていた。

三日目に母を実家まで送り届けたら、母が家の鍵を持っていなかったというオチ048.gifアニキに見送られたため、自分で鍵を閉める必要がなかったから持って出るのを忘れたという。まぁ、このくらいのポカは私やムスメだってよくやる。アニキたちが帰るまで、お隣の家にあがらせてもらい、待たせていただけることになった。
私は翌朝5時半起床なので、お隣さんにお礼を言うと、さっさと帰らせてもらった。

その三日後くらいに母から電話があった。話し方教室で、熱海の話を披露したら、講師に「たいへん素晴らしい」と褒められたそうだ。耳が遠くなってみんなの話が聞こえないからもう辞めるとこぼしていた母だが、実際は辞めてなどいなかった。
「今度の話し方教室で何を話そうかしら」と、送る車中で私に相談してきた。
母は「これは娘から聞いた話です──」として、私が提供した話を発表することが多かった。「実体験を話せるいい機会ではないか」と、熱海の話を発表すべしとアドバイスしていたので、その結果報告。

若い。本当に若い。頭脳も私よりずっとずっと明晰。
私なんか、母のためにとった連休の穴埋めで連勤しただけですっかりくたびれちゃって、その後遺症で毎日ヘロヘロ。
ヨレヨレの頭ながら、先行きに一抹の不安。6月に控えたオットの一周忌法要で、オットの親戚に「お元気そうですね」と言われようものなら大変である。
「ええ、3月には熱海に日帰り旅行にいって、小田原城にも上ったんですよ」と自慢しそうな母が怖い。
当時は本当にそうだったとはいえ、足腰が弱っていてよう歩けん母のはずが、あん時ゃ仮病だったんかい!てなことになったら、私の面目丸つぶれである。いつになく人の声がよく聞こえて、いつになく饒舌になった母が、熱海物語をしちまった場合は、「ボケちゃって、すみません」と小声で取り繕う覚悟である。

母よ。目指せ、白寿!!







[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-11 13:16 | 人間 | Comments(2)

ぬれねずみ

やはり猫。
うずぴはこうしたネズミのおもちゃが大好き。
b0080718_13140368.jpg


ところが、毎日のように、自分の飲み水の中に入れてしまう。
b0080718_13142011.jpg
毎日ですよ、毎日。
欠かすことなく毎日。

はじめは遊んでるうちに、自然に入ってしまったのかと思った。
でも違う。
飯の器には、絶対に入れない。
水の方にだけ入れちゃうの。

で、それを手でチョイチョイするのがたまらないらしい。
やめてくれぇ(笑)
脱毛した毛は沈んでるし、不衛生で仕方ない。
見つけるたびに水から救い出し、ティッシュで拭き拭き。
水も日に何度も入れ替える。

尾はちぎれてるし、咥えられて水に沈められ、いたぶられる日々。
b0080718_13143950.jpg
背中が、ゲハってきた
なにゆえ、水に入れて遊ぶのか。
いと哀れなり、ぬれねずみ。



[PR]
# by vitaminminc | 2016-04-05 13:30 | 生きもの | Comments(2)

鳶職人

b0080718_18263126.jpg
b0080718_18270410.jpg
b0080718_18272913.jpg
ウヒョー! どうやって飛び乗ったの?
3、4枚シャッターを押してから気づいた。
そうか、降りられないのか。

慌ててスマホを放り出し、両手を差し伸べた。
が、
足を滑らせたうずら、両手でぶら下がり健康器状態になったと
思う間もなく落下⇩

どうして後先考えずに、こんな足場の悪いところに飛び乗るのか。
そして、
足場の悪いところに落ちるのか。

毛を剃ったら、全身青あざだらけなんじゃないの?

ビビリのくせに、私の部屋の中でだけはお転婆娘です。





[PR]
# by vitaminminc | 2016-03-12 18:35 | 生きもの | Comments(2)

親としてのアドバイス

b0080718_15383379.png
合宿免許で山形さ行っでる愛ムスコから、短いLINEが届いただ。
「ちなみに昨日仮免許とりました」
はぁ~、合宿ってのはやっぱす早ぇな。まだ一週間しか経ってねっぺ?
英検も数検も漢検も、何一つ資格を持ってねぇから、参加させて良かったべ。将来、就活に役立つと思ってな。

上の画像は、十中八九、宿泊先のホテルだ。ツインルームに野郎ふたりで寝泊まりすてっぺ。何はしゃいでんだか。
この画像はオラに送って寄越したわけじゃねぇ。オラが勝手にムスコのLINEから拝借すたっべさ(笑)けけけ。

合宿に行く前、せっせと荷造りしてるムスコが、「あ~、パンツが足りねー」と嘆いていだっけかな。
足りないのはパンツじゃねぇ。おめぇの脳みそだ。高校一年の時、選択旅行で北海道に行ぐって時に、オラしこたま買ってやっただ。
それをどごにしまい忘れたもんだか。だらしなさすぎっぺよ。
「これはもう小せーんだよな」
見るからに小さなボクパンをひらひらさせたと思ったら、そばに転がっているマーシー(ムスメ所有の巨大チーターのぬいぐるみ)に穿かせるでねーか。
「あ~、ダメだ、しっぽが邪魔でこれ以上あがらない」
そこで、オラの出番だ。親として、人生の先輩として、わたしくしは厳かに、助言したのでございます。
「後ろ前、逆に穿かせてみ!」
b0080718_15563087.jpg
            着用前


b0080718_15573365.jpg
            着用後


「おぉ~!」
大絶賛するムスコ、バカ笑いするムスメ、鼻高々の母。呆れたあほんだら一家である。
死語(←ムスコ曰く)になっている「社会の窓」から、大事なしっぽを引っ張り出され、どことなく哀愁が漂うマーシー048.gif
ムスコは、おっとこんなことやってる場合かと、荷造り再開。
しかし、洗ってやったパンツをきちんとしまわないために、あるべき枚数が見つからないことといい、穿かせている段階でしっぽの処理を思いつかないことといい、お前はまだまだ未熟者だ。
合宿費用を出してやったんだから、きっちり実地免除証明を携え、意気揚々帰って来るがよい。オラ待ってるだ。




[PR]
# by vitaminminc | 2016-03-10 16:12 | 笑い | Comments(0)


日々の暮らしに「ん?」を発見


by みん子

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

検索

以前の記事

2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 11月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月

ファン

その他のジャンル

画像一覧