脱線的雅楽鑑賞

「ガラクタじゃないよ、ガラクだよ!」
先週半ばに恥ずかしげもなくムスコに言っちまった、うつけ者の母(私)の言葉。
疑ってかかるほどには成長したらしく、密かにググっていたらしいんですね。
前の晩になってムスコに訂正しました。
「ガラクじゃない、ガガクだった」
と潔く。ムスコが誰かに話したときに恥をかかないように。
するとムスコは努めてさり気なく(だが内心は待ってましたとばかりに)言いました。
「ツイッターで見たんだけど、JASRACってあるじゃん、音楽の著作権協会の」
「?」
「ソコが、雅楽で演奏した曲目について、著作権使用料を申告するように言ってきたことがあったらしくてさ」
「ふむ」
「千年前の音楽には著作権なんかありません、と教えたんだって」
「でしょうね」
「で、メチャクチャ上から目線で言ってきたJASRACの担当者が─(笑)」
「はぁ」
「雅楽のことをずっとガラク、ガラクって言ってたらしいんだよ」
「ヴ・・・」
勉強しろよって、ツイッターで言ってた」
わざわざ他人のツイッターまで引用して母(私)をいたぶるんかい。

ちゃんと予習しましたョ。
開演前に、他人の雅楽体験記ブログで学んだことをピーチクパーチクさえずってたら、一緒に行った友だちが、
「どんだけ暇なんだ」
と呆れ返るほどに。
だから否応なしに、読み方の間違いにも気づいたんであります。
気づかずにガラクと言ってたら、ぎゅうぎゅう詰めの客席ですから、周囲のほぼ全員の失笑を買っていたことでしょう。
顔から火焔放射するところでしたよ。あぶねーあぶねー。

でも「楽」というのは曲者ですね。
「神楽坂」という地名も然り。文字通り読んじゃうと大抵不正解。
「雅楽」にいたっては、我が家の御用達温泉「雅楽の湯」のとおり「うた」とも読むわけで。
素直に、かつ多少ひねって読んでみたら、このザマであります。

21日に、皇居東御苑の楽部で行われた雅楽の演奏会に行って来ました。
友人が、貴重なチケットを入手してくれたのです。
上記の通り、雅楽から何万光年も遠くにいた私。
目の前で鑑賞出来るなんて、本当にいい体験をさせてもらいました。

高尚なる感想は、いろんな人がすでに各々のブログで語り尽くしていらっさいます。
よって私メは、私メなりの感想を。

天井、素敵。
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高舞台後方にある、一対の大きくて立派な「飾り」に目を奪われました。
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開始までの長い時間、気づくとそこにばかり目の焦点がいきました。
舞楽「央宮楽」(ようぐうらく←コレはラクなんだな)で、向かって左側の「飾り」からどぉーん!
同じく「狛桙」(こまぼこ)で、向かって右側の「飾り」からどぉーん!
舞台装飾ではなく、れっきとした楽器(大太鼓)であることがわかりました。

家に帰り、夜も更けてから、(そう言えば)と思い出しました。
「火焔太鼓」という有名な落語を。
雅楽の大太鼓、周りに赤い炎を象った彫刻が施されていたのです。
調べると、火焔太鼓というのは、大太鼓(だだいこ)の異名だそうです。
「火焔太鼓」は、五代目古今亭志ん生の十八番であります。
古道具屋のダメダメ亭主の噺。
ある日、市で汚れた太鼓をつかまされた亭主、かみさんにさんざっぱら嫌味を言われてしまいます。
買ってきちまったものは仕方ないと、定吉にハタキをかけさせると、ホコリが出る出る。
調子に乗った定吉が、ホコリを落とすために太鼓をドンドコ叩いていると、赤井御門守様の家臣がやって来ました。
今しがた駕籠に乗って聞きつけたお殿様が、太鼓の音をたいそう気に入り、ぜひ見たいと仰せとのこと。
ただの薄汚れた太鼓と思いきや、実は「火焔太鼓」という国宝級の品とわかり、三百両でお買い上げとなりました。
日頃尻に敷かれっぱなしの亭主、
「ざまぁ見やがれ」と五十両ずつかみさんに叩きつけ─

ネタバレになるのでオチは伏せつつ、面白い裏話を仕入れました。
本物の火焔太鼓は3mを超える大物です。
とてもじゃないが、持ち運びなんてできるシロモノではない、というクソ真面目な批判もあったようで。
志ん生の長男(先代の馬生)も、そのことを指摘しちゃったところ、志ん生は一喝したそうです。
「だからてめえの噺はダメなんだ!」

この目で本物の火焔太鼓、見て来ました!
雅楽の大太鼓=火焔太鼓なのかはわかりませんが、優に3m以上はありました!
もちろん持ち運べるわきゃないですよ(笑)
それ言っちゃうなんて無粋! 
落語家というより落伍家?

客席に敷き詰められた、細かくて白い珠砂利に、ヒールが思い切り埋もれました。埋も~れ,埋もれ見~よ。

痩せよう。
何度目かの決意をさせてくれた、雅楽鑑賞でありました。








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# by vitaminminc | 2018-04-22 10:43 | 人間 | Comments(4)

1コマ芸

ある日ムスコが言いました。
「オレなら1コマで表すことができる」

要らない紙に45秒で殴り描いた絵は、予想以上に私を笑わせてくれました。

この絵が何を表しているかおわかりでしょうか。
絵心はありませんが、心得てる風に詰め込んだ1コマ漫画です。
おっと、こりゃ反則だョ、汚い字で映画のタイトルやヒロインの名を書いちゃってるョ、ドップラー効果だョ。
下手な芸人が物真似する時に、真似る相手の名を名乗るのとおんなじどすえ。

映画をご覧になった方にしか通じない、しょうもない話でホント恐縮です。

因みに私、この絵のおにぎりがやたらツボでした(笑)
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# by vitaminminc | 2018-04-12 20:19 | 笑い | Comments(0)

甘露茶

今月初頭、満92チャイを迎える誕生祝いに、母を秩父の温泉に連れて行った。
道中、母といろんな話をした。
「こないだね、お父さんが夢に出てきたの」
と母が言った。
私は動揺を悟られないように明るく訊いた。
「へー、珍しいね。お父さん、機嫌よかった?」
「それがね、お父さんと二人でただ黙ってお茶を飲んでるだけなんだけど、そのお茶が、すっごく!」 
「ぅわ…」
狭い車内、耳が遠い母に大音声をあげられ、私は耳の奥がキーンとなった。
「(あらごめんなさい)すっごく、すっごく、美味しかったのよ。あれは美味しいお茶だったわねぇ」
父は16年程前に他界した。こっちの水は甘いぞと蛍を呼び寄せるように、母を呼んでる気がした。
私は縮まる鼓膜と速まる鼓動をなだめながら、平静を装った。
「いい夢でよかったね」
「そうなのよ。いつも怖い夢ばかり覚えてるのに。お父さんが夢に出てくるなんて、今まで一、二度あるかないかよ。久し振りにいい夢だった。あのお茶、もう一度飲みたいわぁ」
母は亡夫よりお茶との再会を望んでいるようだった。
父は昔気質を絵に描いたようなスーパー頑固なカミナリ親父で、怒ると本当に恐かった。気に入らないことがあるとブチ切れ、母によく手をあげた。
アニメ『巨人の星』で、星一徹が卓袱台をひっくり返すたび、私はそこに父を見ていた。
おとーさん。
今だったらパワハラ&モラハラといわれてもおかしくないです。
おとーさんに、10年以上無期限の天国謹慎を申し渡します。
だからまだ待機です。
旅館の夕食の数えきれない料理にも、スタバの「ベジタブルロール」にも舌鼓を打って可愛い笑顔を見せてくれた母。
おかーさんには、百を超えるまで長生きしてもらいたいのです。
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# by vitaminminc | 2018-04-11 09:17 | 人間 | Comments(0)

バカが1つ以上覚える時

私は「バカの1つ覚え」が多い。
この齢になるまで、筍の灰汁抜きといえば糠か米の磨ぎ汁。
筍が好きなムスコのために、先日筍を購入。
さて灰汁抜きをしようと思い、困ったことに気づいた。
糠の買い置きがない。しかも去年の夏あたりから、専ら無洗米。
かといって、灰汁抜きのために糠や米を買い足しにいくのは気乗りしない。
糠は生ゴミになるし、米の磨ぎ汁だと灰汁抜きが不十分。決して満足していたわけではなかった。 
ほかに手だてはないものか。料理好きなら常識の範疇だろうが、嫌いでも好きでもない私はネットで調べた。
ほうほう、炭酸パウダーかいな。
早速徒歩3分のドラッグストアに食用重曹を買いに行った。
水1㍑に対し重曹小さじ1杯。
鍋に2㍑の水と重曹小さじ2杯を入れて、筍を弱火でコトコト30分茹でた。
素晴らしい! 湯は筍の色素が出たためにうっすら黄色くなっているが、透明のまま。
そして、筍の色も黄色くて美味しそう!
しっかり灰汁が抜けていて、実際美味しかった。
これまで糠や米の磨ぎ汁で灰汁抜きしてきたが、いつも筍が白っぽくふやけた色合いになってしまうのも不満だった。
排水口も汚れずに済んだし、これからは絶対炭酸パウダーだな。
料理好きの皆さんは、今頃そんなことを知ったのかと呆れていらっさるこったろう。
発展途上人には発展途上人なりの歓びがあるんである。
また1つ、新しいことを知った時の歓びが。



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# by vitaminminc | 2018-04-09 18:36 | 人間 | Comments(2)

訂正します。
そもそも結婚式は「招待した人」が来てくれるものなので、招待側がお客様情報を持っているのが前提。郵便番号も電話番号も不要でした。
今朝、ムスメが「引出物は荷物になるから、後日送ってくれるそうだよ」と話すのを聞いて、ハッと気づきました。
お目出度い挙式と葬式を比べること自体、間違っておりました。陳謝119.png

さらにムスメが言うのでした。
「結婚披露宴て、親のコミュ力が試されるものなんだね」
「え"? どういうこと?」
「披露宴が終わってみんなが帰る時、出口で新郎新婦の両親も並んでお見送りしてくれるじゃない?」
「ぅん…」アガリ症の私には、嫌な予感しかしません。
「凄いよ。『今日はどうもありがとうございます』から始まって、『あなたはどういったご関係? まあ、高校の時の─』てな感じに」
「そんな会話を一人一人と交わしてたら、最後の方の人はいつまでたっても帰れないじゃないか!」私はキレ気味に言いました。
「私はとーちゃんがいない分、不利! そういう(気を遣うような)ことはムスメの相手のご両親に全て任せるから!」
そして大人げなくも、秘かに思うのでした。来年はまた雛人形、出しっぱなしにしようかと。

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# by vitaminminc | 2018-04-08 11:19 | 人間 | Comments(0)

25歳ともなると、友人、知人の中には結婚する人も現れるわけで。
昨日、ムスメが初めて友人の結婚披露宴に行ってきました。
いとこの結婚式には、すでに2回出席していますが、親戚以外は初めて。
つまりご祝儀袋を自分で用意するのも、人生初。
招待してくれたのは、高校時代の生徒会仲間。ちょいとした同窓会のようだったとのこと。
ご祝儀袋と新札を準備しておくのが精一杯だったらしく、当日の朝になってご祝儀袋に新札を入れたり、名前を書く始末。
私ゃ何ヵ月も前に招待状を目にしていたけどな。
「円も? 円もごちゃごちゃした字を書く方がいい?」
ムスメが、包む金額を書くところで、[円]にすべきか旧字体の[圓]にすべきか訊いてきました。
「どうせなら旧の方がいいんじゃない?」
「でも見本は、円だけは今の円になってるよ」
どれどれ?とご祝儀袋に付いていた書き方見本を見てみると、確かに『金 参萬円』となっています。


[萬]に比べて画数が少なく、軽い印象。これでは円の価値が下がると思いました。
「いや、バランス的にごちゃごちゃの方で」
私は有無を言わさず[圓]を勧めました。
「あ~、めんどくさい。この封筒、郵便番号を書く欄ないんだけど、書くべき?」
「書いてあげなよ。電話番号も。いちいち調べるの大変なんだから」
私はオットの葬儀の返礼品を手配するときの小さな苦労を思い出して言いました。
あの時、喪主を経験したことがある友人は、郵便番号から電話番号まで何1つ略すことなくきちんと記入してくれていて、(わかってらっさる)ことに感謝したものです。
「あ。結婚披露宴、引出物は持ち帰りか。なら電話番号は書かなくてよし」
すると慣れない筆ペンを使うことに嫌気がさしたムスメが言いました。
「いっそ住所の番地も全部コッチの漢字で書いてみようか」
【埼玉県うさばら市口八丁手八町伍参弐番地ノ壱】
想像して、ふたりでバカ受け(⬅アホ親子)
人生初の、知人の結婚披露宴に招かれた者として、語り継がれることまつがいなす。

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# by vitaminminc | 2018-04-08 09:32 | 笑い | Comments(0)

先日、蜘蛛を生け捕りできることを自慢したが、言い換えれば「生け捕りする」=「殺せない」ということだ。
一部の甲虫類を除き、虫が大の苦手であるくせに、なぜ殺虫剤を使わないのか。
なぜ私は蜘蛛を、生け捕りしてまで外に逃がそうとするのか。

実は、赤塚不二夫のギャグ漫画に感化されたからである。
『朝の蜘蛛は縁起がいい』ということを、私は小学3年の頃に「もーれつア太郎」から学んだ。
こんなに影響を受けたのは自分くらいだろうと思っていたが、そうではなかった。
ネットで[もーれつア太郎][蜘蛛]の2語で検索してみると、ほかにもいた!
恐るべし、赤塚漫画。
「もーれつア太郎」は、1967年~1970年まで小学館の週刊少年サンデーに連載されていた。
アニメ化もされた。オープニングテーマは名曲で、今でも歌える。

♪こらえて 生きるも 男なら
 売られた ケンカを 買うのも男
 みせてやりたい 肝っ玉
 ガンと一発 しびれる たんか
 花のア太郎 江戸っ子気質

てやんでぃ、私も江戸っ子もどきでぃ。2代しか続いてない上に、今は埼玉県在住だけどな。
そんなことを思い出しているうちに、蜘蛛が出てくるシーンをもう一度読みたくてたまらなくなった。
あの下町人情&昭和気質丸出しの世界観に、どっぷり浸ってみたい!
思い立ったら無駄に実行する癖があり、つい大人買いしてしまった。
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竹書房から今も刊行されている「もーれつア太郎」の、いったい何巻に蜘蛛の出てくるシーンが入っているのやら。
わからないから、全9巻をセットで購入。
そしたら、早々と1巻の7話目『とうちゃん風船とともに去りぬ』(←漫画レット・ミッチェル?)に登場。
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全巻買う必要などなかったなとは思わない。
ニャロメ、ココロのボスなど主人公を食ってしまう強烈なキャラが活躍するのは後半からだ。
ニャロメだけは、今でも見ないで正しく描ける。
それに、意外なことには三島由紀夫も「もーれつア太郎」が好きで、全部読んでいたというではないか。
ニャロメもお気に入りだったというではないか。
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恐るべし、赤塚漫画。

「もーれつア太郎」は、「おそ松くん」「天才バカボン」と並んで赤塚不二夫3大ギャグ漫画と呼ばれている。
このどれもが好きだったわけではない。
「おそ松くん」は、私が小学校に上がる前の作品だったので、あまり記憶がない。
6つ子の名前を全員覚えられないことを兄貴イチローにからかわれたせいもあるだろう。
今「おそ松さん」をテレビで観ても、毎回どうしても1人だけ思い出せない。
あとでそれが[一松]だとわかるたびに、兄貴イチローの[一]が一松と重なり記憶から抹消されるんだと納得。
「天才バカボン」は、私の中では危険図書である。
見たり読んだりしていると、ただでさえアブナイのに、自分が真のバカになるような、底知れぬ恐怖を覚える。
自己防衛本能から避けてきたものの、何年か前にネットで受けた「バカ田大学」入学試験に落ちたせいで、ますます好きになれない。

余談になるが、今回全巻買って、ア太郎が小学4年生だと初めて知った。
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なんてことはない、リアタイで接していた自分と同じくらいの年齢だったわけだ。
しかし、幼い頃に母を亡くし、幽霊になったグータラ親父と暮らしながら八百屋を切り盛りするなんて、エライ。
ア太郎は、赤塚漫画ではたいへん珍しい、「真面目に働く主人公」なんである。
一方その頃の自分ときたら。
ある話でココロのボスが連発していた台詞が妙に気に入り、友だちに何か聞かれるたびにこう返していた。

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正確には、ニャロメっぽく「自分のムネにきいてみニャ!」
と言って友だちを笑わせていたのである(←アホ)

そんなわけで、蜘蛛を生け捕ることができるのも、手ごわいネコを愛することができるのも、みんな赤塚先生のおかげ?
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本日も2匹の爪切り大成功。前回の爪切りから半月しか経ってないのに。
午前中はうずぴが「シャー!」と一声、ケージに逃げ込んでしまったので、まどろみがちの午後に変更。
無事に切り終えた直後のふたり。前回ほどご機嫌ナナメにならなかったのは、ご覧の通り164.png





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# by vitaminminc | 2018-04-07 20:34 | 趣味 | Comments(2)

ダレ?

1週間前くらい前の夕方だったろうか。
我が家に見なれぬ若者が侵入して来た。
(ぎょえぇっ!?)
びっくりして、しばし絶句した。
私はその若者をなるべく見ないようにして、そそくさと風呂に逃げ込んだ。
そして湯に浸かりながら、ムスメに緊急事態発生のLINEを送った。
21時頃になってムスメが帰宅した。
ムスメは予め私から連絡を受けていたから、いくらか心の準備が出来ていたはず。
それでも若者を見た瞬間絶句して、ようやく口をついて出たのが、
「あーーーパーマかけたんだ」
それ以上何も言えなかったそうである。
絶句のあとのセリフが、まるきり私と同じ。
で、若者は、たまらずに言ったそうだ。
「もしかして、不評?」
もしかしてどころじゃない、誰が見たって100%失敗だろ。
ゼミデビュー的にイメチェンを図ったのか?
新歓合宿を目前に、人生初パーマとは。
チャレンジャーというべきなのか。
せっかく髪がいい感じに伸びてきて、眼鏡も新調した。
そう、こんな感じになるといいな(⬅無理)と妄想していたのに─
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拉麺なのか顔面なのか。
なんでわざわざ小池さんになるのだよぉぉぉ?
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# by vitaminminc | 2018-04-07 00:28 | 笑い | Comments(2)

性格の不一致

性格の違いはカメラを向けた瞬間にもあらわれる。
胆が据わっているくーちゃんは、カメラを向けてもヘソ天のまましっかりレンズをガン見
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一方ビビりのうずぴは、くーちゃんが写真を撮られた途端、
そそくさと駆け込み寺(ケージ)に逃げ、上目遣いで恨めしそうにレンズをチラ見
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# by vitaminminc | 2018-04-04 22:05 | 生きもの | Comments(0)

コタローからの贈り物

先日ムスコが言いました。
「あそこにあったジャケット、久し振りに着ようとしたら、コレが付いてた」
あそこというのは、居間の一角に置いてあるぶら下がり健康機のことである。
買っていくらも経たないうちに、本来の使用目的を見失い、主にムスコのためのハンガーラックとして活躍している。
そしてそのすぐ脇には、生前コタローの寝床があった。

ムスコが私に手渡した「コレ」は、猫の白髭だった。
うずらもくーちゃんも居間には下りてこないので、コタローのヒゲに間違いない。
私は小さく歓声をあげると、小さなジップ袋を取り出して、中に1本のヒゲをうやうやしく入れた。
長くてしっかりしたヒゲだ。
(ヒゲはこんなに元気だったのに─)
遺骨以外、コタローの一部に相当するものは何も残っていない。大切にしようと思い、とりあえず化粧ポーチの内ポケットにしまった。

今もスマホの待受は、コタローの顔のアップ。
爪切りをしてうずらとくーちゃんに嫌われて、ふたり同時に冷たくされた時は、思わずスマホに手を伸ばす。
何時なんどきも、ひたすらやさしかったコタローに慰めを乞う情けないかーさん。

コタローが我が家にやって来たのは、ちょうど1年前の今頃の季節。
遠い日の出来事のよう。
夢のように飛び込んできて、夢のように逝ってしまった。

おそらく、ムスコの重いジャケットがハンガーからズリ落ちて、下で寝ていたコタローに覆い被さった時に、コタローのヒゲが折れて服の生地に刺さったのだろう。

コタロー。
天国に行って、もうおヒゲは生え揃いましたか。
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# by vitaminminc | 2018-03-30 21:39 | 生きもの | Comments(6)

な名な、なんと!

前に私が付けたムスコの名まえについて、恥ずかしげもなく自画自賛したことがあった。
この度、それを立証できたのである。
昨夜、早速行われたゼミの新歓に参加して、23時過ぎに帰宅したムスコが言うには、
「オレ、名まえで合格したのかも」
聞けば、13人の応募に対し、9人採用のはずが、当日になって6人に変更になったという。
げげげ! 2次選考でも半数以上が落とされるのか? 
面接を受けに来た全員が蒼白。
面接は2回。それぞれ20分ずつ、合計40分間。
1回目は、教授と院生約10名の面接官に対し、受験者1人。
2回目は、ゼミ員約10名の面接官に対し、受験者1人。
教授と院生の質問には比較的よく答えられたらしい。
それに対して、ゼミ員の方は圧迫面接に近かったという。
質問という質問にまともに答えられず、(ああ、こりゃダメだ)と観念したそうだ。
合格発表は当日17時にメールで知らされることになっていたが、判定で揉めたのか、17時半を過ぎてもメールが届かない。
いよいよダメかと諦めかけた頃、ようやくメールが届いた。
合格者6人の学籍番号が表示されていた。
ムスコの番号はたまたま一番上にあったので、合格者の誰よりも早くホッとすることができた。
新歓の席で、嘘か真かムスコは意外な事実を聞いた。
ムスコを合格させるに当たっては、院生かゼミ員か不明だが、1人が熱心に推してくれたのが大きかったらしい。
「オレのことが(心に)刺さったという人、名まえを褒めてくれたんだよ」
「え? 何て?」
「『ムスコ(←ムスコの下の名)ってカッコイイ名まえだね』って。オレ、マジ名まえで受かったのかな」
名まえだけってことはないだろうけど、「お?」と興味を持ってもらえたことは間違いない。
「ほら、やっぱりカッコイイんだよ113.png名付け親に感謝して欲しいね。特に漢字のセンスがさぁ、座りがイイっていうか、カッコイイよね? この名まえ好きでしょ?」
と私はまたしても図に乗り長々と自画自賛するのだった。
男らしい漢字は完全に私のオリジナルだが、柔らかい読みの方は、少女漫画のヒロインの彼氏の名から拝借した。
決してキラキラネームではない。どちらかと言えば伝統的な名まえだと思う。
名前の由来をムスコに話した時、ムスコは「え?」と驚いた。
「そんなの初めて聞いた。少女漫画からってのは衝撃だ」
ESでも協力を惜しまなかったが、それ以前に、20年も前から、私はオマエの未来のために、心を込めていろいろ考えていたのだ。
ありがたく思うがよい。ふっ。






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# by vitaminminc | 2018-03-29 21:30 | 人間 | Comments(0)

我が子に春が来たってか

178.pngムスメの場合 178.png

今年に入ったあたりから、ムスメに彼氏ができました。
彼氏は誠実な人柄なのでしょう。
母親に挨拶しないことにはどうにも落ち着かないらしく、前々からムスメに「おかーさんに会いたい」と言ってたそうで。
わ、私なんかにですかぁ!?
私が原因で破局したらどうしましょう。
ムスメもまだ早いと思ったらしく、母娘ふたりして対面を先延ばしにしていました。
しかし、あまりにも熱心に「挨拶させて」とおっさるらしく、先日玄関先で初お目見えとなりました。
春のお彼岸で、だんはんのお墓参りに行った帰り、彼氏さんがムスメを家の前まで迎えに来てくれた時に。
聞けば随分優秀な方らしく、会う前から粗相があってはならじとこっちが緊張してしまいました。
でも、頼りがいがありそうな、感じのいい青年でした。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。ムスメさんと交際させていただいております」
ムスメが、(母親に)ボロがでないよう1分30秒で挨拶を強制終了させると、ふたりは夜桜を見るべく彼氏さんの車で出掛けて行きました。
彼氏さんが私よりずっと落ち着いていたように感じたのは、気のせいではなかったようです。
「保護者の扱いには慣れているんだよ」とムスメが言いました。
ガッコのセンセイをされているので、モンスターペアレントの対処もお手のもの?
あ、今年は雛人形、素早く仕舞いましたよ、ムスメのために。
確か3月4日には片づけました。
366日ぶりに!(←実は去年出したっきり片づけていなかった119.png
この先どうなることやら。私はのんびり見守るのみです。


179.pngムスコの場合 179.png

今日、やっとサクラが咲きました。
何に合格したかってぇと、大学のゼミ。
1次選考、落ちちゃったんですョ。大学の志望ゼミに入るのがこんなに困難なものとは知りませんでした。
選択科目みたいに、自分で選べば済む問題ではないんですね。
1次選考のゼミでは、面接でディスカッションがあったらしいのです。噛みまくったと言っていたから、これが敗因か?
高倍率のゼミを選んだのが、そもそも身の程知らずだったのかもしれません。
で、焦りまくりながら2次選考の説明会に行って、新たにゼミを探して、また一からESを作り直して──。
ゼミに入ることが出来なかったら、卒論を見てもらうための教授を単独で探さなくてはならなくなる(?)し、就職には絶対的に不利。
「ゼミに入らないなんて、そんな暗い大学生活、考えられない」と姉(ムスメ)も心配。
「別にオレはノンゼミになったってトモダチはいくらでもいる」と開き直るムスコに私は言いました。
「今はサークルの友だちがいるかもしれないけど、3年になってみんなゼミが忙しくなったら会ってなんかいられないって」
ムスコは絶句し、頭を抱えながらESに取り掛かりました。
とはいうものの、1次で受かると舐めてかかっていたムスコ、めいっぱいバイトを入れちゃったもんだから(←激バカ)、とにかく時間がないのなんの。
しかも今度のゼミのESは手書きでないといけないときた。下手すぎて頭が物凄く悪そうな字しか書けないムスコには更なる試練。
何度も書き損じては書き直しを繰り返し、腱鞘炎になりかかりながらようやく仕上ったのは、提出日の朝。ひえぇ。
風邪まで引いて、発熱した身で、ヘロヘロになりながらESを提出しに行きました。
で、今日が『面接』だったのです。
1次選考では、ESを提出しに行った日は眼鏡でしたが、面接には、日頃ムスメと私が「眼鏡の方が似合う」とあんなに言ったのにコンタクトで臨み、見事落選。
今回私はメガネにしろやと改めて言いました。だって、目つきが怖いんです。
「とっつきにくい印象を与えたんじゃ損でしょ!」
度が合わない、眼鏡だと0.4しか視力が出ない、とブツブツ言うので、ボヤケてる方がアガラなくてよいではないかと100%眼鏡推しで送り出しました。
夕方過ぎに、ムスコからLINEが届きました。
赤飯やな」
とたった一言。






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# by vitaminminc | 2018-03-28 20:22 | 人間 | Comments(6)

にゃんこ愛憎劇場

先日、また猫の爪が伸びてきた。注射針のように鋭く、ありとあらゆるものに(私の足にも)刺さる。
身の危険を感じたのと、猫自身いちいちどこかに引っかかってストレスを感じている様子なので、パッチンした。
念入りに、前の晩から「駆け込み寺」のケージの扉を閉じて、入れないようにした。ここに逃げ込まれたら諦めるしかなくなる。
当日は朝から、猫のためのフレンドリー・フェロモン「フェリウェイ」を揮発させた。
そして例の如く、洗濯用ネットに捕獲➡爪切り➡解放 の流れ。
途中、くーちゃんの前足を後ろ足と勘違いして、片手4本分ずつしか爪を切っていないことに気づき、再び追加で切った。
待たされたうずらが恐怖の沸点に達し、フェロモンそっちのけで「シャーッ!」と1回私を威嚇。怖ッ!

「ハイハイ、終わりましたョ、お疲れ様(私がな)」ゲソッ。
ケージを開けてあげたら、我先にと言わんばかりにふたり同時に逃げ込んだ。
どーいうんだろ。こんな狭い檻の中のが安心できるなんて。
見よ、この不信に満ち満ちたふたりの目つき。
うずらなんか狂った目になっちゃってる。
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しかし、夜ともなるとご機嫌を取り戻したふたり。
今ふたりはダイソー製の、この青い羽根つき猫じゃらしが大のお気に入り。
くーちゃんもこれだと飛びついてよく遊んでくれる。ぽっちゃり体型が少しスリムになった。
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ふと背中に視線を感じ、振り向けばそこにはくーちゃん。あら珍しい。
そして、照れたように「ぅふ162.png」と笑っているんだね。く~~~! あ、あざとすぎ。。。
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あれれ? うずぴが鳴いたよ。「そこはアタイの場所なのに134.png」と、気が気でない様子。
キミは猫のくせに、なんてタレ目なんだ。そしてヤキモチを焼くなんて、まさにツンデレだね。
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私は確実に、ふたりに愛されている──ふっっっ。

 




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# by vitaminminc | 2018-03-23 23:29 | 生きもの | Comments(2)

精霊の森人

例によって再放送で観たんですが、先日のBSプレミアム「こころ旅」は凄くよかったな~!
邪魔にならないよう、火野さんとスタッフさんの語りのみでお送りします。
ぜひ、ご一緒に森の中へ──。



鹿児島県日置市吹上町にある、「大汝牟遅神社」(おおなむちじんじゃ)の千年楠の森
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「おっと危ねー」


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「あんれま、これはどうしましょって感じ。ホント寝そべっているように見えるな」

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「ハァ立派だ」

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「よく、あれだな。この楠って─」

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「松はこうして支えないとあれだけど、よく平気だな」
スタッフ(倒れない)
「まぁスゴイもんだな」

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「穴あいちゃってるから。開いちゃってる(笑)」

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スタッフ(本当だ)

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「これなんて握手だよ。この木とこの木、が架かちゃってる」
スタッフ(これ、でもどうしたらこうなるんだろ)
「どうしたらこうなるん?」

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「ああ、光当たった174.png

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「ああ、お邪魔しますよ──来たよ162.png



火野さんの靴下の可愛さといい、森に溶け込む自然体といい、実に良い旅でした。
一緒に森林浴をしているような、マイナスイオンを浴びているような気がしました。

いつか私も訪れてみたい。千年楠に、会いに行きたくなりました。





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# by vitaminminc | 2018-03-21 16:41 | 自然 | Comments(2)

赴任先

自慢なのだが、私は『蜘蛛捕り名人』である。
私の家は、スタバにもROUND1にも歩いてすぐのところに在る。もちろん繁華街ではない。どちらの店舗も郊外型で、広い駐車場を有している。
郊外ゆえ、歩いてすぐのところに農道や林もある。
虫もたくさんいる。

3日前の朝。
ムスコが「ぅわぁ」と呻いたかと思うと、身体をひねりながら何かをそっと跨いだ。
居間とキッチンの境界線上に、ソレは居た。
黒い蜘蛛である。
脚も含めたら、体長3cm以上は優に超えていた。
私はさして取り乱すことなく、いつものアイテムを探した。
しかし、いつものアイテム─ヘアスプレーなどのプラスチックのフタ+DMハガキ─では小さすぎる。脚を挟んでしまう危険は避けたい。
とっさに猫用プラ容器(猫缶の残りを冷蔵庫に保存するためのミニタッパー)を手に、ハガキより大きな厚紙はないかとキョロキョロしていたら、ムスコが慌てて新聞の折り込みチラシを寄越した。
「ダメだ! こんなペラペラしてるんじゃ!」
却下すると、すぐさま背ホチの薄いDM冊子を寄越した。
一刻も早く捕獲して欲しいらしい。えらく協力的である。
私は背後から蜘蛛に近づき、無の境地でプラ容器をかぶせた。
そして、薄いDM冊子を容器の下に慎重に滑り込ませると、それをフタ代わりに、逆さにして持ち上げた。
最近一番の大物である。
押さえつけているプラ容器を通して、カタカタ暴れる振動が、てのひらにしっかり伝わってきた。ひぃぃ。
こんなに元気があるのに、なんでムスコや私が近づいても無反応だったのだろう。蜘蛛にはそんなどんくさい一面がある。
生け捕りした蜘蛛は、2階に上がる階段途中の窓から、いつものように外に逃がした。
重力に逆らうように、ゆっくり落ちていく。目には見えない糸でも使ったのだろうか。ブロック塀の内側、敷地内に着地したのをしっかり見届けた。それが確認できるほどのサイズだった。
(もっと遠くに投げるように放れば、ブロック塀の外に出せたのに)などとつまらぬ後悔をした。

約1時間後。
ムスメが、玄関でゴキっぽい虫を発見した。事前に私から蜘蛛の話を聞いていなかったら叫び声をあげたところだ。予め恐怖心にフィルターをかけることができたので、むしろゴキではなく蜘蛛だということにすぐに気づいたらしい。
私が再び捕獲アイテムを手に玄関に行った時には、蜘蛛はもう姿をくらましていた。追跡するには、虫はムスメにとってあまりにも『見たくない物』だったのだ。
ムスメが私に説明した蜘蛛の色と大きさは、まさに今朝逃がした蜘蛛と同じだった。
「時間的に…」と私は言った。「同じ個体が戻って来て、わざわざ玄関から入ったとしか思えないない」
蜘蛛は、アシダカグモと思われた。アシダカにしては黒すぎるようにも思えたが、ほかの黒い種類のような光沢も毛も確認できなかった。 
アシダカは、『アシダカ軍曹』という異名を持ち、蜘蛛愛好家にとってはなかなか人気者のようだ。人家に入って雨風をしのぎつつ、ゴキを食し、蜘蛛の巣は張らない。
見た目が恐ろしいことを除けば、素晴らしい益虫なのである。
アシダカを駆除したがためにゴキが繁殖したというデータもあるという。ここ半年近く家の中でゴキを見かけないのは、軍曹が我が家で日夜任務にあたってくれているお陰かもしれない。
マニアの間では、アシダカの発見を『軍曹が赴任してきた』と表現しているそうだ。
う~ん。次に軍曹を見つけたら、どうしよう。
窓から放した時、軍曹がゆっくり落ちていった姿が、屋上からビルの壁面をロープで下りていく特殊部隊の勇姿に思えてきた。
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# by vitaminminc | 2018-03-19 19:10 | 生きもの | Comments(2)

スタンPがスカンP

某製薬会社のトイレ用洗浄剤に、花柄のスタンプが押せるのがありますね。
今日、新しいのをおろしました。
初めて使うわけじゃないから、使用方法が載っているパッケージはさっさとゴミ箱にポイ。 
で、便器の内側目掛け、思い切り押しました、というか押す羽目になりました。
前にのめって便器の蓋に頭をぶつけそうな勢いでした。

笑いました~。

直径10cmの小皿に、薄い花型のゼリー。
というと聞こえはいいけど、「全部一度に出ちゃったョ」という私の報告を受け、興味津々現場を見に行ったムスコ。
アハハハと笑いしながら言いました。
「巻きグソみたいになってんぞ」

私が誤った使い方をしたせいです。某製薬会社に非はありません。
大切な工程を1つか2つ抜かしたせいで、ストッパーとなるボタンがうまく穴に収まらず、必要以上に力が入ってしまったようです。
『渾身の力を込めて押してください』なんて注意書を目にした記憶もなければ、これまでそんな使い方をした覚えもないですし。

トイレには、40日分の贅沢フレグランス・アロマティックサボンの香りが充満し、むせ返るほどです。

先程捨てたばかりのパッケージの上に、スッ空カンになった容器を投げ棄てながら思いました。
こうして馬鹿力を出す度に、私の脳みそもどこかにベチャッと出ちゃってるに違いないと。

写真を撮る前にムスコがトイレを使用したので、私の作品『花小皿』をお見せできないのが残念です。


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# by vitaminminc | 2018-03-18 17:31 | 笑い | Comments(2)

チュンチュンとポッポ

今日はテレビでモト冬樹さんの話題が取り上げられている。
カラスに襲われたかして巣から落ちたスズメの子を外敵から守るために保護し、家で飼育を続けていることが問題になっているという。
「鳥獣保護法」には、条件により様々な例外があるが、モト冬樹さんの飼育状況は、「一時的に弱っている野鳥を保護」している、保護飼養には当たらないのだろうか。
厳密に言えば、保護した当初は弱っていたろうが、今は給餌により元気になっているのが動画でも明らか。しかも、モト冬樹さん家族にもよくなついているとのこと。
モト冬樹さんは保護した当初から、しかるべき機関に相談していた。だから、飼育することが法律で禁じられていることもその時に知った。
それでも、放っておいたら確実に死んでしまうであろう命を、見過ごすことができなかったから保護したのだ。
そんなスズメの子は、ヒナのうちに保護され人工的に餌を与えられているので、いきなり放鳥されたところで自活していくのは難しいだろう。
モト冬樹さんの所属事務所の回答は、ヒナを引き取って野生に帰れるよう訓練してくれるような施設を現在探しているところです、とのこと。

モト冬樹さん、心中お察し申し上げます。

私にも同じ経験がある。
高校生の時、外から帰ると、家のポストの下、コンクリート地面の上に奇妙な物体を見つけた。
スズメの子がうずくまっているではないか。
巣から落ちたところをカラスか猫につかまって、うちの敷地まで連れて来られたのだろうか。
周りに木などない。だから近くに巣があるとは思えない。それだけが不思議だった。
私はびっくりしながらも、(このままでは猫に襲われる)と判断した。
ヒナを両手でそっと包み込むようにして捕まえると、家の中に入って、納戸にあった空の段ボール箱の中にヒナを移した。
段ボール箱は、自分の部屋に置いた。
ヒナの前に米粒をまいてみた。ヒナは「キッ!」とした目で私を見上げて、可愛い目で睨みつけるだけだった。
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そして、まだ黄色いクチバシは、固くへの字に結ばれたまま、(死んだって食べるもんか)と言っているように見えた。
私は近所の米屋さんに小鳥用の粟を買いにいった。それを水でふやかして、浅い小皿に入れてヒナの前に置いてみた。
ヒナはまったくクチバシをつけようともしない。
私がいるから怖くて食べられないんだと思い、段ボールの蓋を静かに閉じてヒナをひとりにしてみた。
それでもやはり、ヒナはまったくエサを食べようとはしなかった。
小鳥は、わずか1日2日餌を食べなかっただけで、すぐ餓死してしまう。
このままでは死なせてしまう。
私は焦った。
すると、ベランダの外でさかんにスズメの鳴き声がする。
窓の外を見てみると、確かにスズメが2羽、私の部屋のすぐ外を行ったり来たりしているではないか。
ヒナも呼応するかのように、親鳥より渋い鳴き声をあげ、自分がここにいることを知らせている。
私は、段ボール箱をベランダに出した。そして、親鳥が箱を出入りできるように、蓋を半分だけ開けておいた。
さらに、カラスと猫除けに、番犬をベランダにつないだ。
犬がギリギリ段ボール箱に届かないよう、リードの長さを調節して。
犬を散歩に連れ出す間だけ、段ボールの蓋は全部閉めて、あとはずっと半分開けておいた。
幸い、うちのベランダには屋根がついていたので、雨が降っても濡れる心配はなかった。
健気で感動した。スズメの夫婦は、毎日何回も何回もヒナに餌を運び続け、やがてヒナは私のベランダから巣立っていった。
その後も、時たまスズメがベランダに遊びに来ることがあった。
私は高校生だったが、(恩返しのつもりで元気な姿を見せに来るんだな)と思ったりした。

大人になった私は、結婚して間もなく、今度はハトを保護した。
会社帰りに上野公園内を歩いていて、地面でバサバサもがいているハトに遭遇してしまった。
(このままではカラスや猫に襲われる)
と思い、居ても立ってもいられなくなり、気づけばどこかの店先から空の段ボールをもらい受けてハトを入れていた。
その日足を運んだ獣医は定休日で診てもらえなかった。
旦那にさんざん叱られたが、飛べるようになるまでの間だけだからと説得した。
結局ハトは飛べるようにはならなかった。
実家の方にある信頼のおける獣医に電車に乗って診せに行った。
「これはもう治らないね」と言われた。
諦め切れずに、今度は矢ガモ事件でテレビ取材を受けていた、板橋区にある動物病院にも連れていった。
触診の結果、やはり答えは同じだった。
「この子はもう一生飛べません。羽根が折れたままの状態で筋肉が固まってしまっています」
野鳥の会東京事務局に電話して相談すると、
「ハトってキジバトじゃなくて、そこらでよく見るドバトでしょ? ドバトは野鳥じゃないからこちらでは引き取れません」
と言われた。
「保護したのなら、そのまま保護してあげたらどうですか」とも。
ドバトはもともと人間が飼っていたものが野生化したものなので、野鳥扱いにはならないのだということをこの時初めて知った。
無論、そうとわかった以上飼うしかなかったし、飼ってあげたかった。
ハトを(ハトの命が尽きるまで)飼うにあたっては、私と旦那の共通の知人に間に入ってもらわねばならなかった。
2 vs1で敗北した旦那の鬼のように冷たい視線を浴びながら、私はハトに「左馬之助」(サマノスケ)と名付けた。
由来は、かの「鬼平犯科帳」の登場人物の一人、岸井左馬之助から。
旦那も原作を読んでいたので、ご機嫌を取る意味もあったが、私の好きなキャラクターでもあった。
やがて、重大な間違いに気づいた。
成長し切ってからも左馬之助は割と小柄で鼻瘤も小さいままだった。要するに、メスだったのだ。
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名を左馬之助からサマちゃんに改めた。
サマちゃんは女の子のくせにひどく攻撃的な性格で、よく手や足に噛みついた。
それでも水浴び大好きで、人間用フェイスブラシでブラッシングされるのが好きだった。
下瞼を押し上げて目を細めると、まるで笑っているようで愛らしかった。
折れた翼を引きずっては自分の足で踏みつけ流血するので、定期的に羽根を切ってあげる必要があった。
翼の折れたエンジェルは、約5年の短い生涯を私の子として生きた。
今も庭の片隅に眠っている。

野鳥なので無暗に保護してはいけません。
野鳥ではないので保護したらどうですか。

法律って、100%人間都合で出来ている。


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# by vitaminminc | 2018-03-14 15:42 | 生きもの | Comments(2)

You may know また 夢

毎朝アラームに起こされる。その直前まで夢を見ていた場合、若い頃はシーンを鮮明に覚えていたものだが、最近はなぜか台詞や単語。
今月から、運よく夢を見ていた朝は、忘れないうちにそのコトバをスマホに記憶させておくことにした。
夢ってほら、海外では自分の潜在能力だとか深層心理なんかを探るのに利用されるではないか。

3つ収穫できた。

夢コトバの1つ目は、「ブリタスプラナー」という謎の言葉。覚醒するギリギリまで、私は夢の中の私に確認していたから、間違いない。
「ブリタス、プラナー、だな?」と。
ネットで検索したが、案の定ヒットしなかった。
そこで私は、これはもしやアナグラムなのではなかろうかと思いついた。
実はクイズ番組でアナグラム問題が出ると、東大生よりも早く正解できちゃうこともあるくらいで、得意とまでは言わないが、好きなんである。
で、勝手に導き出した正解のない答え、それは「スプラーナ・リブ」。
ウィキでスプラーナを調べたところ、Soprana は、イタリア共和国ピエモンテ州ビエッラ県の基礎自治体(コムーネ)の名称で、2017年1月1日現在人口704人。守護聖人は聖ジュゼッペ(キリストの育ての父親)。となるとリブはウーマンリブのlib(解放)ではなく、旧約聖書的にrib(肋骨)になるだろうか。
我ながら何を追い求めているのかさっぱりわからないが、一先ず勝手に納得している次第。因みに私は成り行きで、某伝統宗教(仏教)の寺の檀家になりはしたが、信仰心こそあれその宗派を格別信仰しているわけではない。日本人に多い、とある宗派の先祖の眠る菩提寺はあるけど、クリスマスにはツリーを飾りますという無所属派である。
でもイタリア語は好き。まったく話せないけど、響きがとても好き。チャーオ!

夢コトバの2つ目は、「一第祭祀」(イチダイサイシ)という謎の言葉。「一代」でも「一大」でもない、「一第」。
覚醒直前の私が夢の中の自分に確認したから、間違いない。
えっと、「第一」はあるけど「一第」なんて言葉自体ないから、調べたところでわからない。
「祭祀」の方はご存じの通り、神々や先祖代々をまつること。
でも何これ? 初日の聖書的な何かを引きずっているような気がしないでもない。
こちらも夢に出てきた単語しか覚えていないので、謎解きには至らない。
わかったのは、この説明に8回も「ない」を使ったことだけ。

夢コトバの3つ目は、今朝ゲットしたばかり。こちらはコトバではなく台詞。森本レオの声で、
「吹き流しの声は、よかった」
というもの。
私が森本レオのふわっとした声を、吹き流しの中を抜ける春風のようだとでも思っていたのだろうか。
夢の中でさえも、レオさんの声は耳に心地よかった。

だから何だと言われても、夢だからつかみどころがないんですぅ。吹き流しちゃってくだしゃんせ。
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# by vitaminminc | 2018-03-13 18:05 | 趣味 | Comments(0)

春はばけもの

どちらかというと明らかに、目尻がタレてる私めは、同僚にシルベスター・スタローンとか、ペイズリーの柄だとか、そんな目をしているねとか、言われたりもしておりますが、実は両の目頭を、人差し指と親指で、つまんでみたりしますって~と、若い時分はザビエルに、見えなくもないこともあり、しかし今では寄る年波と、疲労と過労と徒労とで、時に二重が五重になり、いくら花粉アレルギーで、目が猛烈に痒いからと、目頭をつまんでみたとても、白く澄みたる白目はいずこ、血染めの塩湖となりましたぁ、真っ赤に濁りしまなこであれば、聖人フランシスコとは、宇宙の果てまで程遠く、血を分けたムスメですらも、恐怖におののき遠慮なく、ギャッと叫ぶほどでして、そういやムスメの幼稚園時代、ある日突然ママ友の、顔が変わって見えましたぁ、何がいつもと違うんだろう、恐る恐る覗き見してたら、(花粉症で)「目が痒くてたまらずに、まつ毛を全部抜いちゃった」と答えたツワモノいたわいなぁ、私も洗浄液の中、目玉をバサロで泳がせてぇ、洗いまくっちゃいるけれど、ちっとも楽になりゃしない、目薬だって効きゃしない、つまるところ私の場合、春はバケモノなのですよ、清少納言よタスケテおくれ、今日も花粉で明日も花粉、ひぃぃんひんひん目が痒いってか。
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画像の元の絵はあり得~るでしょ、ザビエール




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# by vitaminminc | 2018-03-12 21:26 | 笑い | Comments(0)

 先日、職場の同僚が洋菓子の袋を携え出勤して来た。
「お陰様で、息子(高校に)無事合格しました! 幸せのお裾分けです!」
 そう言って、嬉しそうにお菓子を配ってくれた。

 あれは2月の厳寒期。
 誰かが「売上げが落ちて─」とか、オリンピックの話題で「滑って─」とか口にすると、彼女は「ヤメテ~! 今そういうこと言わないで~!」とナーバスになって叫んだ。
 私は、そんなに神経質にならんでもという意味を込め、自分の体験(笑い話)を話した。
「私なんかムスコの高校受験の時、うっかり『激落ちくん消しゴム』を買って持たせちゃったんだよ」
 彼女と周りにいた人が笑った。
「買っちゃってからシマッタと思って(←遅ッ!)、ムスコには激落ちくんと言っても『自分以外は』激落ちくん、て思って、とかなんとか言ってごまかして─」
 すると彼女は「うちもあやかって激落ちくん消しゴム買おうかな」と言い出した。
 冗談だろうと思って聞き流していたら、翌週彼女が私に告げた。
「買いましたョ、激落ちくん消しゴム。うちもこれで受験させます」
「きっとうまくいくよ~」
 と調子を合わせてはみたものの、激落ちくん消しゴムを持たせて落ちてしまったらシャレにならない。余計なことを言うんじゃなかったと少々後悔した。

 でも、合格してくれてたんだ、良かった~!

 家庭用品のレックは、メラミンスポンジ『激落ちくん』を大ヒットさせた会社だが、その形状が消しゴムに似ていることから、激落ちくんシリーズとして消しゴムもつくったという。消しゴムを100均のダイソー専売品にしたというのは意外だったが、これまたロングセラー商品となった。
 実際、この激落ちくん消しゴムは、消え味抜群である。しかも消しカスがまとまりやすく、机の上を汚しにくい優れモノ。ムスメも発売以来ずっとコレを使っていたし、自分も勤務先で月1回行われる業務テストの際は、シャープペンと激落ちくん消しゴムで臨む。だからこそ、ムスコの受験の時も私は全く「落ち」の字を意識することなく普段通り新調した。よく消えない消しゴムでは時間を取られるし、チビた消しゴムでは持ちにくかろうと。
 受験シーンではマイナスイメージの『激落ちくん消しゴム』について、ネット上では「受験で激落ちくん消しゴムを使う=メンタル的に勝っている」という声がある。また、レックでは「汚れを落とし磨き上げるキャラクター『激落ちくん』が、受験勉強を通じて人間としてブラッシュアップされていく皆様への一助になれれば幸いです」とスマートに述べつつ、今後は受験用に別のネーミングも思案中だとか。
 今、私は敢えて『激落ちくん消しゴム』の名のまま、受験に伴うことを推奨したい。
 試験に「落ち」るではなく、「落ち」着いて試験に臨めると捉えてはどうだろう?
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# by vitaminminc | 2018-03-11 06:55 | 激落ちくん | Comments(0)

 先月の話。
 ムスコがバイト先を替えると言い出した時期と、「龍が如く」について熱弁をふるっていた時期は完全に一致していた。
 バイト先の鞍替えについて事後報告を受けのは、夜勤明けで帰って来た日。
「バイト辞めるから。もう3月いっぱいで辞めるって今日上に言ってきた」
 と唐突に切り出した。
 理由は『稼げない』から。ムスコのバイト先のホテルは、例外にもれずひと月以上前にシフトを提出させられる。大学の試験期間は2週間設けられているが、実際にどの科目の試験日がいつになるかについては、結構直前にならないとわからないという。そのため、いつが試験日になってもいいように、試験期間の半月近くバイトの休みを入れることになる。たとえ試験が週の前半に集中して、後半が暇になったとしても、シフト休みにしているから、働きたくても働けない。それが不満だと言う。
 試験日がハッキリしてから、この日とこの日は試験がないのでバイトやれます的な融通はきかないのかと訊いてみると、「そんな自由が通用するような会社じゃない」 と言う。そりゃそうだ。世界は学生の都合に合わせて回ってなどいない。
 ムスメに言わせれば、「そんなに稼ぎたいなら、アルバイト斡旋サイトに登録しておいて、1日だけとかのバイトを入れりゃいいじゃん」となるのだが、こだわり屋のムスコ、掛け持ちはアリでも、バイト先が毎回変わるのはナシのようだ。
「どっちみち3年になってゼミが始まると忙しくなるから、バイト先までの通勤時間も問題になる」
 として、地元で探し直したいとの意思が強かった。
 実は、これだけのことを聞き出すのに、いちいち間に「龍が如く」の解説が入った。「龍が如く」はバイトとはまったく関係がなく、別次元の趣味の話なのだが、夜勤明けで疲労ハイにでもなっていたのか、いつになく饒舌だった。
「龍が如く」は、プレステ2(セガ)のゲームソフトだが、ムスコは別にこのアクションゲームにハマっているわけではない。そもそもソフト自体持っていない。それなのに、どこでどう仕入れたものか、ムスコはこのゲームの「ストーリー」に痛く惚れ込んだ。特に、登場人物の一人、「関西の龍」の異名をもつ郷田龍司が好きで、この男の話になると、声優岩崎征実の声真似をして、台詞付きで(聞いてもいないのに)解説してくれるのである(笑)
 おかげで、短時間で大まかな登場人物の相関図を叩き込まれ、どういう経緯でそのような敵対関係に至ったか等、ヤクザ映画を1本観たような錯覚に陥った。私が「闇金牛島君」ファンであることを知っているから、こいつになら語る価値ありと踏んだのかもしれない。
 しかし、「あんまり龍が如くにハマッてると、言動とかに出ちゃうよ」と半分冗談で言っていたら、冗談で済まなくなった。
 郷田龍司が乗りうつったままバイトの面接を受けに行ったムスコ、帰ってくるなり「ヤベー! 落とされたかもしれない」と居間の床に視線を落とした。
「今まで受けたところは全部即日採用だったのに、今日行ったところは、〇〇日までに採用だった場合のみ連絡します、って。これ不採用と同じだよな」
「なんで落とされたと思うの?」
 母の質問に対し、ムスコは❛思い当たる節❜について話した。
 面接が終わって帰ろうとしたら、腕にかけていたジャケットが落ちそうになった。あろうことか、ムスコはそれをバサッと肩に掛け直し、自分でも(シマッタ!)と思いつつ、振り向きもせずその場を去ったという(笑)
 昭和の渡り鳥か。
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「そりゃ確かにやっちまったなぁ」
 もう慰めの言葉も出ない。なんでこんなに面白いのか。こりゃ不採用決定だ。
 それでも、どこかに元気づける要素はないかと思い、店内の様子はどうであったか尋ねた。
「店員? 昼間だったからかな、女ばかりだった」
「ああ、それならたぶん、女の子しか採る気なかったんだよ。でも男女雇用機会均等法の手前、採用条件に『女性のみ』とは書けなかったんだよ。最初からお呼びでなかったんだよ」
 その後、「龍が如く」の郷田龍司について語り尽くし、物真似にも飽きたムスコ、不採用となった次に受けた方のバイトはゲットした。今は、今月いっぱいまで勤め上げるホテルと掛け持ちして、新しいバイトに精を出している。
 余談になるが、ムスコが希望している大学のゼミは人気があって、倍率が高いらしい。
「もうこれ以上書くことがない」と、半端なくボリューミーなESの行数を稼ぐため、私に助けを求めてきた。
 普段は俯瞰のごとく上から目線のムスコ。何かというと「鳥葬にしてやろうか」と言って母親を小馬鹿にしているくせに、実はESの添削経験(←超短期間)があることをちゃんと知っている。
 珍しく可愛いムスコを演じているので、私もいい気になった。もったいぶって録画しておいた「闇金牛島君ファイナル」を鑑賞して、すぐには助けてやらなかった。
 ムスコは、私が牛島くんを観ている間にESを進めておくはずだったのに、牛島くんの映画が終わると同時に「やっぱウシジマくんはおもろいな」と背後でのんきに感想など言っている。オイ。
 感想だけではない。私が理解できなかったシーン(←AとBの顔の見分けがつかなかったせい)についてちょっとつぶやいたら、実にわかりやすく解説してくれた。ムスコは「闇金牛島君」の原作を読んだことがあるのだそうだ。とんだ闇世界大好き親子である。
 今日、血と汗と涙とウシジマくん入りのESを提出するため、大学まで行ったムスコ。普段から目つきが悪いのだが、今日は目が痛いショボショボすると言って、コンタクトではなく、牛島くん同様、眼鏡で出かけていった。ただし丸メガネではなく黒ぶち。
 母と姉に、「メガネの方が似合う」「裸眼より眼鏡の方が絶対カッコイイ」「メガネだと利口そうに見える」「いつも眼鏡にすればいいのに」と素顔を全否定されながら。
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# by vitaminminc | 2018-03-10 18:50 | 笑い | Comments(0)

好きなワード

うたかた かりそめ すべからく──古風な言葉が好き。
国道○○号線 北緯○○度──地図上で目にする言葉が好き。

でも一番は、これに尽きる。
人間の尊厳、叡智、勇気。
崇拝せずにはいられない。

国境なき医師団

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# by vitaminminc | 2018-03-08 22:54 | 人間 | Comments(0)

メトロノーム女子

 こう見えて私は狂暴なくらいモラルの人である。
 バギーの話で触れたように、煙草をポイ捨てするクソ爺は、吸殻で出汁をとったニコチン鍋に顔を押し付け、がぶがぶごぼごぼとニコチン液を飲ませたくなる。
 車の窓から空き缶をポイ捨てするヤンキーには、後ろから戦車で追突してそのまま乗り上げ、空き缶を潰すように、そいつを車ごとペシャンコにプレスしたくなる。
 
 1月22日、関東地方が大雪に見舞われた。数日後、道路の端という端に、障害物が出来た。道路の端に押しやられた雪がカチンコチンに凍ったのだ。とてもじゃないが、危なくて自転車通勤など無理である。
 これを機に、徒歩通勤することにした。普通なら速足で30分の道のりだが、スノトレを履いてさえ滑るほどだった。少しでもマシな道を選び選びして、片道50分かけて歩いた。
 半月が経過して、自転車を走らせることが可能になっても、私は歩き続けた。
 少しは痩せるかと期待したが、体重は一向に減らなかった。それでも、それは脂肪が筋肉に変わっているからだと自分に言い聞かせ、健康のために歩き続けた。
 徒歩通勤は、身体の健康のみならず、精神衛生上でも効を奏した。毎朝私の血圧に悪影響を与えていた、あの反モラル女子とすれ違う時間が確実にズレたためである。
 20代くらいのその女子は、私とは逆に、毎朝駅方面から自転車に乗ってやってきた。おそらく、駅まで電車で来て、駅付近の月極駐輪場に停めてある自転車に乗り換えるのだろう。
 私の自宅より東方向には、バギーの母校(?)とは別に、さらにいくつか学校がある。私服で通っていることから、高校ではなく専門学校生と思われた。
 肩より少し長い髪を振り乱し、黒ぶちメガネのその反モラル女子は、常にハイスピードで道路の右端を突進して来やがる。
 身体の軸がなってないのか、足と肩が必要以上に連動するのか、上体を大きく左右に揺らしながら自転車を漕ぐ。思わず二度見してしまうほどだ。
 右足を踏み込むと同時に上体が大きく右に傾き、左足を踏み込むと上体も左に傾く。しかもとばしてるから、まるでメトロノームのようだ。
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 初めは、軽車両であるにも関わらず車道の右端を突進してくるのには、やむを得ない事情があってのことだろうと思った。
 しかし彼女は毎日必ず車道の右端を走る。2015年6月1日の道交法改正を知ってか知らずか、右端走行するわけは簡単だ。
 ずっと東にいったところの専門学校が、道路の右側にある。真面目に左端を走行して自転車通学している高校生と一緒に走ったのではスピードを出すわけにもいかない。それに、専門学校の前まで来たら道路を渡らなくてはならない。
 メトロノーム女子は、そうした時間のロスを回避するため、私が目撃したところでは、早くも駅前からすでに道路の右側にある歩道を走り、途中で歩道がなくなる地点からは車道に出て、そのまま車道の右端を走り続けるのである。
 歩道を走っている時のスピードだけでも道路交通法違反レベルなのに、車道の右端を走るとは。左端を走っている私をはじめとするまともなチャリ通族の走行の妨げとなり、甚だ迷惑である。 
 しかも、余程鈍いかあり得ないくらい図々しいのか、すれ違う時、道を譲る気はさらさらないらしい。
 右端を直進して来て、ぶつかりそうになるから、仕方なくこちらが避けるしかない状況。 
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 血圧が上がる。殺意がわく。
 左を走れ!と注意できない自分にも腹が立つ。
 このバカ女、歩道が込み合っていて人の波を追い越せない場合は、車道の自転車専用レーンを平気で逆走する。仮に外国人で自転車専用の文字が読めなかったとしても、矢印は世界共通、理解出来ないはずがない。
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 自転車専用レーンを逆走して来た時は、私も負けずに逆上した。と言っても、道を譲らず頑張っただけだが。
 そんなストレスから解放されたのも束の間。私はまた自転車通勤している。 
 花粉が舞い飛ぶ中、自転車の倍の時間をかけて徒歩通勤していたら、健康どころか体調が悪化してしまったのだ。
 かなり遠くからでも見分けがつく。車道の右端を、左右に大きく揺れながら自転車を漕ぐバカちん。あの女子だ。
 私は決心した。
 どんなに衝突寸前になったって、もう絶対に道を譲るものか。
 出来ることなら鋼鉄の右腕で、すれ違いざまメトロノームにエルボーをお見舞いし、チャリもろとも道路の左端めがけてスッ飛ばしてやりたい。
 気持ちのいいスクラップ音が、朝の通勤時間帯に鳴り響くことだろう。
 ガッシャン!

 


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# by vitaminminc | 2018-03-07 15:15 | 人間 | Comments(2)

5歳になった丑松くん

2013年9月20日。生後半年を過ぎた頃の丑松くん。
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うちの小庭で捕獲して、去勢手術を受けさせた外猫くんです。
大柄だけど細マッチョ。四肢が長くチーターを若干デフォルメさせたような子です。
私が簡単に捕獲できただけあって、とてもおっとりした性格です。
果たして生き延びていけるのだろうかと心配させられました。
実際、何年も姿を目にすることがなかったので、内心やはりダメだったのかなと胸を痛めたものでした。
ところが、今年に入って一、二度それらしき姿を目撃しました。
一回はうちによく来るミケ母さんと一緒に路地にいました。
丑松くんはミケ母さんの息子である可能性が濃厚でしたから、そのうちまたうちの小庭に来るようになるかもしれないと思いました。
なぜなら、優しくおおらかだったボス八に代わり、しばらくの間うちの小庭をテリトリーの一部としていたドラ猫はんの姿をもう半年近く見なくなっていたからです。
それは、雄ねこたちにとってうちの小庭が出入り自由、「解禁」となったことを意味していました。
予想通り、白黒で伸びやかな骨格をした猫が小庭にやって来るようになりました。
耳の桜カットといい、前髪に見える黒い毛の分け目具合といい、やはり丑松くんです!
生きていてくれてありがとう!
捕獲した時に比べて目付きがかなり鋭くなっています。
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苦労がしのばれます。
丑松くん、コタローの分も長生きしてね!
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小さい春、みーつけた!



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# by vitaminminc | 2018-03-06 22:38 | 生きもの | Comments(0)

高齢社会の好例

──高齢化社会から高齢社会になるまでの期間をみると、フランスが115年、スウェーデンが85年、イギリスが47年というなかで、日本は24年という比較的短い期間で高齢社会となっている。

これは、ネットで「高齢化社会」を検索して、筆頭レベルでヒットした、Weblio英語例文の和訳を引用したものであります。
比較的短い? 比較するも何も、おフランスに比べたら4倍~5倍速で老化現象が起きてるみたいに錯覚しちゃいそうであります。

私がなぜ「高齢化社会」というワードを検索したかというと、もはや[高齢化]なんかとっくに死語になってるなと痛感せずにはいられなかったからであります。

自宅から駅に向かう途中にあった、食料品中心のディスカウントスーパーが閉店して早数カ月。
ようやくテナントが決まったらしく、つい最近になって内装工事が始まりました。
今度は何が入るんだろう?
百均ショップだったらいいな。
駅の反対側には2店もあるけど、こちら側にある店は、徒歩で行くには遠すぎます。
できることなら、わざわざ駅の反対側まで行きたくはない。遠回りすることなく、仕事帰りにすんなり寄れるに越したことはないのであります。
あそこに百均ショップが入ればいいのにと常日頃から思っておりました。(←どんだけ百均推しなんだ?)

ところが昨日、ワタクシは知ってしまったのであります。
そこに入るのが、介護ステーションであることを──。
(え!? ここもなの?)
正直、驚きました。
だって駅から自宅付近の交差点までの3キロに満たない通り沿いに、いったい何軒同じような介護ステーションが存在するとお思いでしょうか?
1本細い道を入ったところのも含めたら、すでに10店舗もあるんでありますです!
そして今、11軒目がデビューしようとしているのであります。
え? これって異常に多くないですか?
コンビニ4軒の3倍近い数字ですよ? 恐るべし、我が街! 介護が必要と認知されちゃってる街!

ここ10年ほどの間に、介護ステーションに取って代わられたのは、中古CD&古本店,中古家具専門店などリサイクル系ショップが3軒。
ほかには飲食店,倉庫,大きな一軒家だったところや畑など。
そして介護ステーション様たちは、こうした激戦区にありながら、まだ1軒もつぶれていないのであります。
これらの屋台骨を支えているのが、骨粗しょう症のご高齢者たちってのが、何とも皮肉な話であります。
それだけ需要があるってことです。それだけ高齢者が多いってことなのです。

毎日のように市の防災用アナウンスが流れます。
「朝、自宅や施設を出たきり帰って来ない」ご高齢者について、その特徴を伝えるのであります。
そして、見かけた方は、警察署か市役所までご連絡くださいと訴えるのであります。
この放送を耳にするたび、そこはかとなく切ない気持ちになります。

前出のディスカウントスーパーは、古い団地(実は我が家ももとは東京からこの団地に越してきた)群の駅前通り沿いの1階に入っておりました。
平均年齢がやたら高い団地の住人さんたち、食料品を買いに行くのがずいぶん不便になってしまったことでしょう。
しかし、同時にすぐ近くに介護ステーションが新設されるのなら、買い物代行などもありましょうし、便利といっちゃ便利なのでしょうか。

この街に引っ越して来た当初、車を走らせていると「骨つぎ」や「整骨院」といった看板が妙に多くてたまげたものでありました。
ここは骨粗しょう症タウンかと思ったものでした。
それが今では「介護」の文字ばかり。
自分のために、介護にかかる費用をせっせと貯めなくてはいけませんね。
防災アナウンスで迷い人のお知らせに流れないよう、脳みそも鍛えないといけません。

それにしても、あ~ぁ。
あそこに百均ショップが入ることになっていたら、今頃もっとはしゃいでいられたのに。
1品108円でテンション108%──こんな安上がりな自分がなぜか愛おしく感じられる昨今であります。








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# by vitaminminc | 2018-02-28 15:06 | 人間 | Comments(0)

駅近辺にある勤務先までバスを利用する場合、最寄りのバス停Aから、次のバス停Bまでの距離は異常に短い。
もともとAの次の停留所は、さらに1つ先のCであった。A↔C間が長すぎるためにBが設置されたわけではない。A↔C間は、ごく普通の距離で、歩いたって苦ではない。
B停留所は、道路を挟んで真向かいにあるB専門学校のためだけに増設されたのである。この政治的背景の見えないところで、諭吉さんが束になって暗躍したに違いないと私は見ている。
行きは乗るだけだからまだいい。帰り道、降りる時は毎回ボタンを押すタイミングに緊張する。土日など専門学校が休みの日は、このB停留所で乗り降りする客などゼロだから、当然バスは通過する。運転士さんが自動アナウンスの切り替えをして、女性の声が「次はAです。Aです。お降りの際は─」なんて停留所名を確認してからボタンを押したのでは間に合わないのである。
A停留所を利用する我々プロは、運転士さんが自動アナウンスを送る時の切り替え音─そう、それは人にたとえるなら、発声する直前に息を吸う時の、音にならない空気の摩擦音─のみを確認するやいなや、素早く降車ボタンを押すのである。
「次、停まります」と女性の声が機械的に応答する時点で、すでにバスはA停留所に到着しているのである。
心ある運転士さんは、A停留所で降りる客がいないかもしれないにも関わらず、B停留所を出発しても、ボタンが押せるようタイミングをはかって徐行したままA停留所に向かう。
が、中にはうっかり普通の速度で走り出す運転士さんもいるから、こっちはうかうかしてられないのである。
B停留所なんか新設する必要などなかったのである。学生には1つ手前の停留所から歩かせればよかったのである。C↔B専門学校の距離なんか、私の家↔A停留所よりもはるかに近いんである。

いつもの如く前置きがやたら長くなったが、ここからが本題。
私が7時50分台のバスに乗るため、A停留所でバスを待っていると、いつも目の前を若い女性が通り過ぎて行く。
顎の下までのウェービーヘア。着るものは違っても、ファッションアイテムは常に決まっている。冬は大きめのチェスターコート+バギーパンツ+ペタ靴+大きな革のショルダーバッグ。夏はコートがロングのチュニックに、靴がサンダルに、バッグの素材がキャンバスに変わる感じ。
彼女は私と同じ方角から来るにも関わらず、なぜかAを通過して、Bの停留所でバスを待つ。
Aには民営の路線バスしか停まらないが、Bには民営ほか県営バスも停まるため、バス停標示が2本並んで立っている。
バスは交通量次第で遅れがち。だからバギー(彼女のこと)はわざわざBまで歩き、どちらか先に到着したバスに乗ろうというのか。初めの頃、私はそう確信していた。 
でも、違った。なぜなら、先に到着した県営バスが、彼女1人のために停車したというのに、彼女は手を横に振って(違う違う、乗らないから)と合図したのを私はA停留所から目撃した。笑えるが、それが見えちゃうくらい、A↔B間は近いのである。
しばらくして民営バスがAに到着。私たちを乗せたバスは、走り出すとすぐにBに停まり、彼女を乗せた。
その日はたまたま時間に余裕があるかして、県営バスよりも料金の安い民営に乗ろうと考えたのかもしれない。県営バスは距離に関係なく一律170円、電子マネー不可。民営は、ABC➡駅までは、キャッシュで160円、電子マネーだと154円。そうか、小銭の持ち合わせがないことに気づいた可能性もあるな。
しかし、同様のことが毎度毎度だったので、上記の運賃理由は撤回するしかなかった。
バギーはなぜB停留所を利用するのか。
次に私が思い付いた理由は、「嫌煙」。
私もタバコは大嫌い。この理由を思い付いた瞬間、私はバギーに好意さえ抱いた。
7時50分台のバスを待つ顔馴染みの中には、1人初老のヘビースモーカーがいる。自分でも自覚しているらしく、バス停から3歩くらい先で喫煙してバスを待ってはいるが、風向き次第では十分煙い。臭いが服に付きそうである。しかも、バスが来ると、スモーカーはギリギリまで吸っていた煙草を足元に捨てて、靴の先で側溝蓋の穴に落とすのである。見るたび殺意を覚える。
だからバギーも煙草を嫌ってわざわざ1つ先の停留所に避難しているに違いない。この推理は妥当だ。間違いない!
しかし、風邪でも引いたのか、何日かスモーカーの姿をA停留所で見ない日があったにも関わらず、バギーはいつも通り私の目の前を通り過ぎてはB停留所で私を乗せたバスを待つのであった。
まままま、まさか! バギーが避けているのは、スモーカーではなく、この私?
とうとう被害妄想まで起こしかけたが、ありがたいことに、それはすぐに解消した。B停留所から乗り込んできたバギーは、私のすぐ横でつり革につかまったし、私がバスを利用せず、自転車通勤する日にも、相変わらずB停留所に立つ彼女の姿があった。
しかし、バギーのこの不可解な習性は、時と場合によっては、スモーカーに対する以上に腹が立つ。
雨の日。必ず道が渋滞して、いつもの何倍もバスが遅延する。
そんな日にもバギーは私たちA停留所利用者の目の前を通り過ぎ、Bでバスを待つ。県営バスには決して乗らず、目と鼻の先にあるBで、テメー1人のために我々のバスを停めさせ、1人で乗り込んでくる。テメー1人のせいで、バスは更に少なくとも1分30秒は確実に遅れた。どうしてくれる。少しは空気を読め。人に迷惑をかけるなと、親や学校から教わらなかったのか。
停車と発進時は車体の揺れに耐えるために、手足に力を入れなくてはならない。ガソリンも食う。
人にも地球にもやさしくない行為を、貴女は毎回やっている!
健康のために1駅先の駅まで歩いて電車に乗るというならわかる。こちらのバス停から乗る方が運賃節約になるというならわかる。
でも、50mしか変わらない距離、そして変わらない料金。ついでに変わらないファッション。
わからない。いったい何がしたい!? 何のために?

バギーはなぜゆえB停留所に立つのか─。
そこから見える景色に、何か意味があるのだろうか。
彼女の目には、何が映っているのだろう。
想像してみる。
目の前にあるのは、B専門学校。
そこは、彼女の母校(⬅妄想)。
憧れの先生、今どうしているの。
あんなに親身に相談にのってくれたのに。
結局、中退しちゃって、ごめんなさい。
でも、今はこうして元気に仕事に行ってるよ。
あの時先生、言ってくれたよね。
「自分の思うように生きなさい」って。
だから私今、ココにこうしてるの。






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# by vitaminminc | 2018-02-25 07:23 | 人間 | Comments(2)

母性本能くすぐり魔

地井武男さん亡きあと「ちい散歩」を見ることがかなわなくなった私にとって、今、心のよりどころとなっているのが、BSプレミアムで放送されている「にっぽん縦断 こころ旅」であります。
好きだと胸を張る割には、リアタイでの放送をことごとく見逃しております。雑誌で言うと季刊ものに近いからでありましょうか。
ある日ハッと気がつき慌てて調べるのであります。今現在放送されているのは、毎週木・金のお昼時。これは再放送なのか? 再々放送? それとも「とうちゃこ」版という特選もの? 
よくわかりませんが、とにかくイ~イ旅番組です。火野正平さんが、すごく可愛いのです。

火野正平と言えば、忘れもしない、あれは私が小6の頃。幼馴染の家に遊びに行くと、その子のお姉さん(高1)が、自分の友だちと噂しておりました。
「火野正平、また違う女の人と付き合ってるみたいね」
「知ってる、テレビで見た! 小鹿みき、泣いてたよ~」
そうかそうか。火野正平という人は、女の敵なのだな。
子どもの私には、スキャンダルの裏に隠されたミラクルな❛現実❜などわかるはずもありません。
火野正平に泣かされる女性はいても、火野正平を恨む女性はいないという不思議。
だから刷り込みのように、密かに火野正平を敵視し続けたのでした。
同時にTVで見ても、(この人の一体どこが女性にモテるんだ?)
てな具合で、さっぱり理解できないのでした。

ところが、今になって納得させられました。
「にっぽん縦断 こころ旅」という番組を通じて、ようやく。
東京は目黒区生まれの火野さんですが、中学から大阪に移り住んだようで、この番組ではもっぱら大阪弁。
大阪弁を愛する私には、ソコもまたツボなわけです。
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完璧な母性本能くすぐり魔。父性本能をもくすぐるようで、男性ファンも多いのだとか。
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そういえば、お顔もどことなく小犬のヨークシャテリアっぽいかも。
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この番組の構成は、朝から始まります。スタート地点となる場所で、火野さんが視聴者から送られてきた手紙を読みます。
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視聴者のこころの風景──思い出の場所を目指して、火野さんとスタッフが、自転車で旅をします。
嵐でない限り、雨天決行。
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「晴れてたらもっと遠くまで見渡せたろうねぇ」なんてこともしょっちゅう。
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旅の途中、一行はゴハンを食べます。有名店に立ち寄るのではなく、旅の途中にある、ごくごく普通のゴハンやさんです。
火野さんは、食べることがお好きなようで、お食事タイムは何ともいえない笑顔を見せてくれます。
お店に入ってメニューを見るなり、「あ!」と叫んで、なぜかパッと手で隠してしまいます。
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カメラがズームしていくと、「松茸うどん」の文字が。
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予算超える? と気にしつつ、「380円オレ自分で払うから」と、1380円の松茸うどんを注文。
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松茸うどんが運ばれてくると、純粋無垢な笑顔で嬉しそうに受け取ります。
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松茸を口に入れ、「オイチイ!」
幼児言葉がこれほど似あう68チャイ、そうザラにいません。
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もう、可愛いったらありゃしない。
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それでは、あくまでも【私の好きな番組紹介】ということで(著作権に抵触・高触しようがしまいが)、ある日のルートをたどってみましょう。
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「おはようございます。香川県、高松空港にいます」
リスに乗っても違和感まったくナシの68チャイ。
ボヘミアン調のゆるゆるの服も、毎回楽しみの一つ。私好みなんであります。

この日の旅は、「父との忘れられない思い出の場所──綾川町枌所(そぎしょ)の永富池(ながとみいけ)」
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晩年は体調を崩しがちだったという差出人さんのお父さん。ある日突然、小さい頃に遊んでいた永富池にもう一度行ってみたいと言い出したお父さんを車の助手席に乗せ、お父さんが指示する通りに田舎道を進み、迷うことなく永富池付近に到着。
そして、足腰の弱った小柄なお父さんをおんぶして、予想以上の軽さに驚きながらも、ハアハアと息を切らせつつ、池の淵まで坂道を上がったそうです。
ようやく永富池にたどり着くと、目の前に深い青色の湖面が広がっていて、ふたりで何も言わずにずっと眺めていたことを昨日のことのように思い出します─と綴られていました。

火野さんは手紙を読み終えると、おもむろに口ずさみました。
「たわむれに 母を背負いて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず──」こういう歌があったよね、と。石川啄木ですね。
「これ、お父さんをおんぶしてるね、女の子(←58歳 私と同年代を指して❛女の子❜扱いしてくださるっっっ162.png)。
「だからどうしたらいいかというと、池の淵までハアハアと息を切らせながら、ネーさん(←この日の監督/女性)がオレをおんぶしてくれればいいんだ、(オレ)軽いから。泣けてくるよ、軽いから」
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そう言って、いたずらっぽい表情でにっこり。超カワイイ。

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さあ、旅の始まりです。
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「下手なのか上手なのかわからん、アレ。可愛らしい162.png
いえいえ、チャリオくん(自転車)を停めて案山子を見つめる火野さんも負けずに可愛らしいです。ベストの大きな右ポッケには、一体何が入っているの?
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「(この辺りで)唯一のごはんやさん発見169.png やってるの?」
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「あれ、にゃんこたち113.png  あ、(お店)openてかいてあるよ」
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「ポンポン大きい猫。おい、お腹大きいな162.png
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(ふん、マタハラよ!)とにらみつけて見せるにゃんこですが、まんざらでもなさそう。
火野さん、にゃんこの母性本能もくすぐったようです。

「5人でごはん食べられますか? ごはんを食べてるところ撮影できますか?」
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「まあ、上がってくんなぃ。オレんちだけど(←嘘)」
「なんでもいいから食べさせて」
「カレーでいいですか?」
「十分です」
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お店のお母さん、気づくの遅ッ(笑)
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「おうちみたい162.png 」といって嬉しそうに寛ぐ火野さん。「ほっこりしますね」とスタッフさん。
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「お待たせしました」

「オイチチョー! いただきまーす」
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「オイチーオイチー、お母さんカレー110.png

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腹ごしらえも済んで、再びツーリング!

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「永富池、放流したって言ったな、さっき(ごはんやさんの)お母さんが」
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「よいしょ、よいしょ、ふぅ」

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「おぉ! 大発見や~! 高い堤になっているという堤があれだ」
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「あぁ、永富池出た! 永富池!」
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「えぇ? この坂をお父さんをおんぶして上がった? この坂を・・・じゃあネーさん、お願いします」
にわかに背を丸め、膝を曲げて爺さん然となる火野さん(笑)

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気のいい女性監督が、火野さんをおんぶしようと試みますが、重くて一歩もあゆまず。
「ネーさんその気になってるよ、ネーさん恥ずかしいからヤメて、ネーさん変態」
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女性監督の背にしがみつく火野さんに「変態」と言い返し大笑いする女性監督。

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火野さんが、長い坂をふぅふぅ言いながら登っていくと──
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「あぁ、こういったふう──デカッ! ああ、ここが全部見えるな。こんなんです」
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「着いた。いいとこだね。ふたりでずーっと見てた・・・どの辺やろな。来たよ」
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思い出の場所──こころの風景に溶け込んで、再びお手紙を読みます。

お手紙も、必要以上に感情を込めることなく、むしろ淡々と読んでくれるのが、またいいんです。
こちらが感情移入するのに邪魔にならないというか、とにかく丁度いい感じなんです。
だから、お手紙に泣かされることもしばしば。

以上。今、私が最も好きな旅番組の紹介を終わります。










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# by vitaminminc | 2018-02-10 20:15 | 趣味 | Comments(2)

今年の節分は、珍しく家族全員揃って家にいた。
ならばコンビニが仕掛け、今や全国区に定着してしまった恵方巻きを作らねばなるまい。しかし、なにゆえ関西の風習を真似せねばならんのだ。こちとら埼玉に住んじゃいるが、江戸っ子なんでぃ。てやんでぃ。
浅ッい歴史の渦の中、くるくる踊らされながら、くるくる海苔を巻くのかい。まくといえば、豆まきの豆も買い忘れているではないか。いかんいかん、豆まきだけは欠かしたことがないというのに。
観念した私は、徒歩10分ほどの所にあるコープみらいまで、豆と太巻の具材を買いに行った。

卵、サーモン、海老、カイワレ、沢庵(干瓢の代役)などを並べ、一気にくるんと巻いた。
手加減が馬鹿力級だったので、4匹並べた海老の内、左端の1匹がロケット噴射して床に落ちた。
ヘラッと笑いながら拾って水洗いして、ピッピと水を切り、ぐいっと太巻の端に捩じ込んだ。我ながら雑ッ!
作る過程がいかにひどくとも、見た目はきれいな恵方巻きちゃん。
皿に盛り付け、大きな子ども2人を夕飯に呼んだ。
ムスメ「恵方巻き作ったんだ、いいね~♪」
そしておもむろに食べ始めた弟に向かって、姉が言った。
ムスメ「南南東に向かって願い事をしなきゃダメなんだよ」
ワタシ「南南東はどっち?」
全員ムスメが指差す方──つまり、それまで通りテレビを見ながら、そしてテレビ番組の進行に集中力を妨げられながら何かしら祈りつつ食べた。
本来は物言わず一気に祈りを込めて食べるものらしい。歴史がないくせに、なぜか作法はしっかりある。
しかし、我が家は我が家流を貫くのみ。一口食べては醤油皿に太巻の先をちょんちょん浸しながらいただいた。甘く煮込んだ干瓢がキライなので、味付け役として沢庵を抜擢してはみたものの、歯応えしか演じてくれなかったからである。
恵方巻きを食べ終えたムスコが、さっさと自室に引き揚げようと居間のドアに手をかけた。
ワタシ「ちょっと待って。豆まきしてよ」
ムスコ「俺が?」(⬅白々しいにも程がある)
ワタシ「毎年やってくれてたでしょ」
ムスコ「え? そうだっけ?」(⬅精一杯の抵抗か)
ムスメ「やってたやってた」
不思議なことに、こうしたことには従順なムスコ、私から豆が入った器を渡されると窓を20cmばかり開けた。年々細くなる。
そして、地声より半オクターブ低い声で、「鬼は外」と不気味につぶやき、力なく豆を外にピッとまく。それを見てムスメが吹き出した。いっそムスメが口から飛ばした方が勢いがありそうだ。
ワタシ「あ、家の中にはまかないで、福は内の分は口に入れちゃって(後片付けが面倒だから)」
ムスコ「福は内、ポリポリポリ…」
ムスメ「あはははは…」
この、アングラ劇場の一幕のような豆まきが終了したあと、ムスコが言った。
「腹減った。夕飯何?」
おい。豆まきをする前、おまえは確かに2階に引き揚げようとしたよな。それは、《夕食を終えた》ことを認識したからだよな。なのに豆まきをした後、おまえはすでに空腹を覚えている。あの奈落の底よりも低いテンションで、一体どれだけのエネルギーを消費したというのだ──というようなことを私が頭の中で思っている最中、ムスメが弟に言っていた。
「え? 今の恵方巻きが夕飯だよ。私は十分足りたよ」
しかし、恵方巻きを作りながら、一抹の不安はあったのだ。
(これで足りるかな、ムスコ)
純粋な休日を与えられていないブラック企業よりスーパーブラックな主婦。ここ季節の分かれ目にきて、エネルギーが切れかかっていたのである。恵方巻き以外作る気にならなかったんである。
ムスコ「なんかない? スープみたいのでいいから」
ワタシ「なら、卵スープ作ろうか?」
ムスメ「あ、卵スープがいい♪」
ムスメは私が定時に帰れるよう私の肩をもってくれていたはずの手のひらを返すと、今度は私の残業の後押しをした。
温かいスープを飲みながら、今年の節分も幻聴を耳にした。
寒いのに窓をいっぱいに開ける音。
「鬼は外、福は内!」と叫ぶ可愛い声。
外の地面に、家の床に散らばる豆の音。

15年以上前の、懐かしい音。








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# by vitaminminc | 2018-02-04 03:31 | 人間 | Comments(2)

皮革三原則

皮革三原則──それは、大切にされるべき革製品を箪笥の肥しにせず、ネットオークションに出品せず、劣化させないことを指す。

箪笥の肥しにはしていなかったつもりだが、クローゼットの奥で眠っていたレザーのハーフコートがある。
オットの遺品である。
革製品はいかついイメージがあるけれど、オットのそれは上品なオリーブ色。
私の好きな色の1つで、やさしい印象の1着だった。
袖を通さないままだったり、滅多に着なかったものは売ったり譲ったりして、殆どの衣類は処分した。
でも、どうしてもこのコートだけは手放せずにいた。

去年12月に入って間もなく、私は突然ひらめいた。来年(つまり今年)1月、ムスコは成人式を迎える!
オットのお下がりをムスコに着せるという発想はなかったが、このハーフコートならムスコの年齢でもイケるんじゃないか?
オットより10cm近く背が高いムスコだが、このジャケットなら入るんじゃないか?


思い立ったら居ても立ってもいられなくなって、箪笥の奥から引っ張り出した。
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あらら? もっと状態がよかったように記憶していたけれど、袖口など擦れやすい部分の色褪せが気になった。
なんじゃこの写真は。わかりにくいが、アップして撮ったのがコレ ↓ 袖口の色が抜けてしまっている。
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革のクリーニング・修復を行っている業者をネットで調べまくっていくうちに、「協和クリーニング」さん(愛知県豊橋市)にたどり着いた。
往復の送料&代金引換払いの手数料が無料な上に、クリーニング料金がほかに比べて群を抜いて良心的。とはいえ、ノー・ブランドの新品が楽天バーゲンなら2着は買える。
ムスコに確認してみた。美しく蘇ったら、本当に着る気はあるのかと。着る気があるなら成人式のお祝いに、諭吉2人をクリーニングに送り出す覚悟であると。
ムスコが首肯したので、早速申し込んだ。
ところが、職人さんが1着1着丁寧に仕上げることからもわかるように、申し込みは1日限定10着。
しかも毎日受付けているわけではない。「次回の受付日」は翌週だったりする。
そんなこんなで、限定数に滑り込みセーフで入れたのは、3回目にしてやっと。でも嬉しかった!
クリスマスイブイブだったので、若いユーザーや小さなお子さんがいる家庭は、クリスマスの準備で申し込みどころじゃなかったのかも(笑)

家にあったダンボール箱にハーフコートを入れて、集荷に訪れたドライバーさんに託した。
ハーフコートが先方に着いて中を確認した協和クリーニングさんが、打ち合わせの電話をくれた。
オーダーの最終確認を済ませて、あとは仕上がりを待つのみ。

完了の連絡メールが届いたのは、1月22日だった。
無理もない。年末年始の休業を挟んだし、鞄やお財布といった小物とは違い、大物である。
フード・ライナー(別料金2,376円)付きハーフコート(シミ抜き・色修正:18,144円)。
更にオプションで、撥水加工(3,240円)も追加したのだった。

メールを受けた数日後に、オットの形見が帰還した。

意外なことに箱入りではなかった。型崩れが生じないよう、このように「吊るし」の状態で届けられたのである。
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外カバーを外すと内カバーが現れた。
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ジャーン! ようこそ、メンズメルローズ様。嗚呼、しなやかでキレイ113.png
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 たまたま家にいたムスコを呼んで、一緒に確認した。
「大したもんだな!」
 ムスコも見事に美しく蘇った革に手で触れ目に触れ驚嘆していた。
「ちょっとちょっと、着てみてよ」
 と私が頼むと、照れくさいのか、面倒くさそうに袖を通した。
「すげー重い
 革のジャケットなんか着たことないから無理ないか。手長霊長類のムスコには若干袖丈が短い感がなきにしもあらずだが、ギリギリOK。
「とーちゃんの人生の重みだよ。とーちゃんをおぶってるつもりで着てあげてよ」
 私がつい余計なことを言ってしまったばかりに、ムスコは嫌悪感をあらわにした。感傷的なことが大嫌いな性分なのである。
 母と一緒に「そうだねかーさん。これをとーさんだと思って後生大事に着るよ」としんみり同調するようなタマではないのである。
チッ!
 舌打ちするや否や、さっさとジャケットを脱ぎ捨ててしまった(苦笑)

 それにしても、いや~、いいお仕事されてますね。協和クリーニングの職人さんの腕の確かさに、心底脱帽。
 カメラ機能のせいで、クリーニング前とクリーニング後の違いがイマイチ伝わらないかもしれない。
 実際、まったく色むらもなく、新品と見紛うばかりの美しい仕上がりなのである。



コレが↓
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こんな感じに!↓
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あとは、親父の霊を背負わされるという呪縛を解いたムスコが、曲がった臍を正し、機嫌を直して着てくれりゃー、私ゃ大満足。










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# by vitaminminc | 2018-01-31 17:10 | 人間 | Comments(0)

独り進歩ジウム

 一昨日の就寝前。
 いつものようにベッドに寝ながら時代小説「居眠り磐音江戸双紙」の20巻目を読んでいると、いつになくふたりがキャッキャとはしゃぎながら、逃走犯と追手役を交代しては8畳洋室の空間を最大限活用して走り回っていた。
 あんまり走り回るものだから、エネルギーが有り余ってるのだなと解釈した私は、部屋の温度が急激に下がるのも致し方なし、と部屋のドアを開けることにした。猫が走り抜けられるように、爪とぎをドアストッパー代わりに挟むと、まずくーちゃんがトトトトッと廊下に出ていった。うずらも数秒後に、こちらは一目散に廊下を出てすぐのところにある階段を走り下りていく気配。
(うっひゃ~、寒い!)私は慌てて布団に潜り込み、廊下から容赦なく入り込んでくる冷気に負けじと再び文庫本を手にした。
 が、間もなく分厚い布団を介して、足もとと腹の上に重みを感じた。
「なんだ、もう戻って来たんかい」
 私は部屋の中にふたりが戻っていることを確認すると、廊下の電気を消してドアを閉めた。もともと部屋から出たがらないふたりだが、部屋の外のあまりの寒さに耐えられなかったようだ。
 かくして、ふたりの捕り物が再開する中、私は江戸時代にワープしたのであった。
「イデ!」
 顔面と左手に鋭い衝撃を受け、私は上体を起こした。
「何をするんですか!」
 となぜか丁寧語で悪態をつきながら、鼻梁から少なくとも流血はしていないことを確かめホッとしつつ、左手の親指の付け根の下3cmの手のひらから流血していることを確認してハッとした。
 1階の洗面所の鏡で顔を確認しながら推理した。
 ベッドの端からジャンプしたうずらの前足は、私が手にしていた文庫本の上(その真下は私の顔面)に着地し、後ろ足は文庫本を手放して宙をさまよっていた私の左手の腹を捕らえつつ踏み台に使われたようだ。目撃したわけではないが、こういう瞬間的無意識の暴力は、ほぼ100%犯猫はうずらなのだ。なぜなら、くーちゃんはわざとゆっくりと私の腹の上を踏みつけて歩いてみたり、どっしりと私の胸の上に箱座りしてこちらを観察する、意識的な「御覧あさ~せ」タイプだからだ。
 文庫本のお陰で、顔面は痛みの割に無傷であったが、皮の薄い手のひらにはくっきりとうずらの爪痕が刻まれ、血が出ていた。
 水道水で洗い流してティッシュで圧迫して止血したあと、消毒スプレーを噴霧した。
 そして、懲りずに小説の続きを読みながら、
(日曜になったらふたりとも動物病院に連れていって、爪を切ってもらわねば)
 と決意したのだった。
 で、今朝。
 起床してすぐにフレンドリー効果フェロモン「フェリウェイ」を仕掛けた。お恥ずかしい話、朝とか言いつつ、起きたら10:26だった。
 あぶねーあぶねー。おちおちしてたら動物病院の午前の部が終わっちまう。
 前回は、捕獲30分前にフェリウェイをコンセントに差した。時間が短かったからだろう、うずらの凶暴性は前より少しマシになった程度で、相変わらずコブラだった。
 今回は、コンセントに差し込んでから遅い朝食を済ませたり身支度したりで、優に1時間は揮発させた。部屋中友好フェロモンで満たされていたに違いない。
 私がキャリーバッグや洗濯ネットを手に部屋に入ると、いつもなら殺気づくふたりが、「嘘~~~ん」という表情で、さてどうやって逃げようかしらと品よく思案しているのだった。
 あのうずらが、シャーシャー言わなかった。これをフェリウェイ効果と言わず何と言おう。
 おかげで、ふたりともそれなりに抵抗したので、それなりに手間取りはしたものの、いつもの半分以下の時間&恐怖感で捕獲に成功。
 玄関までキャリーバッグを運んで行ったところで、ふと思った。
(いつもよりずっと穏やかに捕獲できた今、私自身が爪を切るのもアリなのではないか?)
 そう、これまで私以外の誰にも爪を切らせなかった初代飼い猫マイを筆頭に、迎える猫という猫の爪を自ら切ってきた私。うずらとくーちゃんという強敵を前に、爪を切ることが出来ない自分の不甲斐なさに、どれほど傷つき情けなく思ったことか。
「私、自分で切ってみる!」
 思わず叫んでいた。
 試験期間中なので、自室で勉強してる(と信じたい)ムスコが、「え”」と不思議な声で応えた。ヤツは少し前、まさにくーちゃんを捕獲している最中、突然私の部屋を開けて、「朝飯出来てる?」と訊いた。
「フライパンにできてるよ!」
「なに、猫捕まえてんの? どっち?」
「白黒! くーちゃん! ふたりとも医者に爪切りに連れてくの!」
 ムスコは私の手元を見た。遊具のトンネルに逃げ込んだくーちゃんを捕らえるため、トンネルの一方の出入り口を壁に押し付け、もう片方の出入り口にネットを被せ、じりじりと蛇腹状のトンネルを折り畳み、縮めているところだった。
「ほんとに猫、こん中入ってるの?」
 ムスコが信じらんねーという顔で言うので、私も冷静になって手元のトンネルを凝視した。
 トンネルの縦幅は、今や25cmほどまで折り畳まれ縮まっていた。しかし、はみ出ていいはずの白黒の毛がまったく見えない。
 ムスコがトンネルの上からわしわしと素手で確認した。トンネルはぺしゃんこになった。
「入ってねー!」
 ギャハハギャハハと大笑いしているムスコの腰を小突きながら、私も笑った。
「いつ逃げたの~? さっきまでちゃんと入っていたのに、あんたが邪魔するから~」
 イリュージョンをやってのけた引田天くーは、ドレッサーの椅子の下に、仲良くうずらと一緒にくっ付き合うようにして隠れていた。
 フェリウェイのフレンドリー効果、侮りがたし!

 そんなわけで、一度玄関まで運んだキャリーバッグをえっちらおっちら部屋に戻すと、まず手ごわいうずらをネットに入れたまま床に引っ張り出した。
 ネットごと抱っこして、動物病院で先生がやるように、狙いを定めた足の近くにファスナーの開け口をうまいこと移動させ、片方の前足のみ引き出した。
 フェリウェイとネットの助けを借りて、難なく5本の爪を切ることができた。続いてもう片方の手。次にアンヨ。途中いやいやをするうずらの額をネットの上から撫でて、バスタオルを顔にかけて視界を塞ぐと、観念したようにおとなしくなった。
(足の爪は4本だよね? 狼爪と呼ばれるのが退化してるから、4本でいいんだよね?)
 切り残しがないように、何度も1本1本確かめ、無事に両手両足を切り終えた。

 お次は引田天くー。意外とくーちゃんの方が手こずった。
 くーちゃんは後ろ足からスタート。
 まん丸の身体に似合わず、アンヨは小さく可愛い。うずらより1周り半ほど小足である。
「くーちゃんは爪まで小さいんだねぇ」
 それでも気力と体力がある分、くーちゃんは何度ももがく。
 動かれるとくーちゃん自身が怪我をしてしまう。
「ごめんなさいね、ごめんなさいね~」
 キレると怖いくーちゃんを崇め奉り、額をゆっくり撫でてはご機嫌を取った。

 ヤッター!
 上級者向き野生猫ふたりの爪切り、とうとうやり遂げやした!
 もちろん、目標はネットなしで切れるようになること。
 まあ、ネットに入っていた方が当猫たちが落ち着くというのもあるから、あまり無理はしないでおくか。
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爪切りを終えた直後のうずら。一気に10歳老けてしまった。痩せてるくせに団子に見えるのは、ストレスで毛が総毛立ってふくらみ、固まっているせい。
ムスメがこの画像を見て「なんだ? いつものうずぴの顔じゃない!? ガーフィールドみたい」と笑った。耳を伏せていないのがせめてもの救い。額のコブラ柄、今回は出る幕なし。胸中何を思っていることやら・・・。


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同じく、爪を切り終えた直後の若返った感のあるくー様。背後のベランダに残る雪のように真っ白な白い毛。太っているくせにスッキリ。ネットに入れられ爪を切られた屈辱より、解放され自由を得たという直近の喜びからか?


 

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# by vitaminminc | 2018-01-28 13:55 | 生きもの | Comments(2)