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大腸内視鏡検査~プロローグ~

 テレビを見ていたら、40代女性の大腸癌が急増している実態に密着取材していた。
 単に検査を受ける人口が増えているからという見方もできるが、すっかり欧米化した食事内容や昨今問題になっている‘食の安全性’を考えると、「やっぱりな」という感想である。

 番組の特集を見終わる頃にはすっかりブルーになってしまった。というのも、数年前から大腸のことがずーっと気になっていたからである。

 食事中の人にはたいへん申し訳ないのだが(ダレが食事をしながらコレを見るかいな)、5、6年前から便が痩せてきた。食事量が減ったわけではない(←減らせョ)。にもかかわらず、身が細る代わりに排出物が痩せてきたのである。

 2、3年前には飼い猫眠眠のブツよりもずっと細くなり、今では妖精の落とし物かと見まごうくらい華奢なブツ。そう、あなたが噛んだ小指よりも更に細い便柱なのだ。

 むろん私もバカではないので、コレが正常だなどとは思っちゃいない。それでもこうして何年も見てみぬふりを通してきたのは、年に一度の主婦検診で、「この範囲では異常は認められませんでした」という結果を手に入れていたからである。
 早い話が、大腸異常の有無を調べる採便検査では、潜血が検出されなかったわけだ。だからといって妖精の落し物を排出し続けるわが身を放置していてよいのだろうか。いや、よくはないだろう。
 放置理由は、採便ではなく直接腸内を調べてもらう検査に恐怖心と羞恥心を抱いていたからにほかならない。あぁ、やっぱり私はバカだ。バカすぎる・・・。

 そこで、希望的観測に基づき原因を探ってみた。
 悪性腫瘍が腸管を細くしているのだとしたら、年齢的に進行が遅すぎはしないか?──まあ腸年齢が70代、80代なのだと言われれば泣き笑いするしかないが。

 ★楽天的考え①⇒大腸下垂かも?
  年齢と共に腹筋が衰えて腸が骨盤内に落ち込んで直腸まで圧迫しているとか。比較的身体が細くてお尻が小さい人に多いといわれているところなんか私にピッタリ(←超勘違い)。

 ★楽天的考え②⇒外痔核かも?  
  便の出口が痔で塞がれているから便が細くなるという単純な理屈。注射による治療や手術による除去が必要にはなるだろうが、癌よりどんだけマシか。

 考えても始まらない。先日、無痛大腸内視鏡検査で人気の病院を調べて予約を入れてみたら、1ヵ月待ちと言われた。
 思い立ったが吉日。今朝むやみやたらと「1ヵ月も待てない気分」になり、病院の調べ直しをした。
 「無痛」⇒「苦痛の少ない」まで譲歩し、検索すること1時間。ちょうど本日土曜日も診察しているクリニックが見つかったので、検査予約云々よりも直に足を運んでみることにした。

 11時半頃に胃腸科肛門科クリニックに到着。なんと待合室には誰もいない。評判の悪い病院に来てしまったのだろうか。1人だけだったがネットの口コミ情報で褒めていたが、ありゃ病院関係者のサクラだったのか?

 不安を抱えつつ問診票に記入。
 名前を呼ばれて診察室に入ると、そこには左ストレートの代わりに左脳を鍛え眼鏡をかけた内藤大助が座っていた。20代後半~30代前半の、やさしそうな雰囲気の男性医師である。

 先生には、「喩えるのも嫌なんですが」と前置きをしてから「糸こんにゃくのように細い」ブツについて説明した。
 「便の検査では潜血なし、と──」
 先生はキーを叩きながら、電子カルテに私の諸症状を入力すると、努めてさりげなく言った。
 「──では、おなかとオシリを診察しますね」

 ひえぇぇッ! そういう展開!?  叫びたいのを呑み込んで、診察台の上に上がった。
 「おなかを出して、膝は軽く曲げてください」
 看護師の指示に従い、上着をまくって仰向けで待つ。
 カーテンを開けて内藤先生登場。
 触診のあと、おなかのあちこちに聴診器を当て終え、内藤先生退場。
 「今度はオシリを出した状態で横向きに寝て、膝を抱えて‘く’の字になってお待ちください」と看護師。
 カーテンを開けて内藤先生登場。
 「少し‘中’を見ますからね、痛かったら言ってください」
 「(ひぃ~~~ん)・・・・」
 「大丈夫ですか?」
 「はぃ、我慢できます(ひぃ~~~ん)・・・・」
 「今度は少し冷たいものが入りますよ」
 何やら冷たいものを挿入し、中で360度ゆっくり回してからゆっくり抜き取り、内藤先生退場。
 「オシリを拭きますから、そのまま動かないでください」と看護師がペーパーで私のオシリを拭った。

 おなかとオシリをしまってからカーテンを開き、先程の診察の椅子に腰掛けた。
 「肛門は特に問題ないですね」と先生が説明を始めた。「痔と言えなくもない部分も一ヵ所あるにはありましたが、全体に肛門はキレイな状態です」

 ほっとして喜んでいる場合じゃない。確認せねばッ!

 「すると、便が細くなる原因としてはどんなことが考えられますか?」

 ありがたいことに先生は努めてではなくごく自然に即答した。
 「そうですね、肛門はキレイでしたが、大腸内視鏡検査は一度受けておくと安心できますからね。原因は検査の結果で、ということになりますね」
 そして、人懐こい柔和な笑顔で、
 「受ける前から心配することはないですからね」と付け加えてくれた。

 流行らない医者でもいいや、この先生ならと覚悟を決め、検査の予約をした。
 「万が一に備えて、できるだけ早い日でお願いしますッ」
 「それでは──3月24日の朝、8時半に来れますか?」
 「はい、お願いしますッ」

 このあと、消毒液にかぶれやすい局所の持ち主であること、痛みに異常に弱く、痛いのを我慢すると血圧が急上昇してアブナイ体質であることを強調し、検査当日はアルコール性の消毒薬は使わないことと鎮痛剤の点滴を受けながらトロ~ンとした意識状態で内視鏡検査をすることを約束してもらった。

 診察室を出る際、ドアを思い切り押したり引いたりしていると、先生に「それは引き戸です、ふッ」と笑われた。

 待合室に戻ると、さっきは1人も座っていなかったソファーに8人ほどの患者が待っていた。そうか、ココは内科や整形外科とは違うんだ。胃腸科肛門科クリニックというのは、予約を入れてから受診または検査する人が大半なのかもしれない。
 
 閑古鳥疑惑を払拭するかのように、外は春の嵐が吹き荒れていた。南風に追い立てられた雨が、バラバラと傘に当たる。
 そうか。クリニックに着いた時、患者の姿がなかったのは、この悪天候のせいだったんだな。
 
 検査はこれからなのに、受診しただけで気が楽になった。
 なんだか雨がじゃれついているようで、駅までの道のりが楽しく感じられた。
 
Commented by chin-papa at 2009-03-15 21:25
なんという面白いお話だ!
妖精の落し物?左脳を鍛えた内藤大助?ああああ、おもしれーーーっ!!
そんでもって「それは引き戸です」にゃ、もう腹の皮がよじれて、なんだか腸が勝手に蠕動運動はじめちゃって、chin子ったらトイレへ行ってしまったわ。
もちろんワシのは「マッキー極太」よ。うふ。

3月24日の検査が楽しみ・・・あわわわ、とにかく何でもないといいわねっ。
でも何も原因が(病気が)無いとすると、何故便が痩せてきたのだろうね。
でもさ、吉永小百合大先生は便なんかしないわけよ。つーことで姉ちゃんも徐々に大女優の域へと達しつつあるんじゃないーー?
Commented by vitaminminc at 2009-03-16 08:31
❤chin子ちゃん❤え”ッ!? 姉ちゃん、小百合大先生は、てっきり
「鹿の糞」をしなさるのかとばかり・・・っっ!
「マッキー極太」目指し、大腸下垂(だった場合)の改善運動⇒
「逆さ自転車漕ぎ」を始めてみますた。
鯱が仰向けになったみたいに肩甲骨と肘で身体を支え、
胃から下半身を天に伸ばし、エアバイシコーを漕ぐんですな。

というわけで、24日は大女優というより身体をはった芸人根性で
「大腸内視鏡検査」に挑みまんのやでッ! ふんっ!(←鼻息)
Commented by ホシカゲ at 2009-03-18 22:52 x
妖精の落し物・・・素敵な表現の示すものはあのブツなのですね。うひゃ~ん
検査して対処がわかってステラ女王のような立派なブツが出る日が来ますように。
立派なのがツルンと出ると爽快感というか達成感というか、とにかく気持ちいいのですよ。この快感をみ茶ママさんが味わえる日が来て欲しいなあ。
Commented by vitaminminc at 2009-03-19 23:15
❤ホシカゲさま❤ぅ・・・うらやますい。その達成感とやらをぜひ味わってみたいです。
私よりも小さなムスコですら、
「バナナみたいのが出たーッ」
とトイレで歓声をあげているくらいです。
妖精の落し物がたとえゴリラの落し物に変わろうとも、
‘爽快感’に勝るものはありません。
バナナに会える日を夢見ながら内視鏡検査に耐えようと思います!
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by vitaminminc | 2009-03-14 15:49 | Comments(4)