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悲しい

 日常を乗り越えることに疲れ果てた少年が、

 その日乗り越えたのは、物言わぬ手すり、それとも窓のレール?

 地上に落ちる前に、羽根が生えたと信じたい。

 みんなに蹴られた背中に、天まで飛んでいける羽根が。

 あれから私は、息子の背中に目を止めるようになった。

 痣のないきれいな背中に、10代らしい汗が光っている。

 日暮れ時になると、少年のことを想って毎日泣いてしまう。

 どんなに辛かったろう。どれほどの絶望感を味わったことだろう。

 まだ13年か14年しか生きていなかった短い間に。

 面識もなかったくせに、この喪失感。どこまでも果てしなく悲しい。

 息子と同年齢だから、息子の姿を借りて想像してしまう。

 異常に汚れた制服のズボンとか。

 足跡がついた体操着とか。

 「どういうふうにすれば、(ズル休みって)わからないように学校休めるかな・・・」

 息子の声を借りた少年のつぶやきが、耳の奥でこだまする。

 時間が巻き戻せたら、どんなにいいだろう。

 夜行バスを乗り継いで、少年をつかまえに行く。

 「学校なんか行かんでよろしい!」通せん坊してやる。

 「ズルじゃない、クズ除けだ!」と叫んでやる。

 「だから絶対、行っちゃダメだ!」
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 逝っちゃ、ダメだったんだよ。。。

 







 

 
 

 
 
 

 
Commented by ビリーママ at 2012-07-19 16:34 x
息子を持つ親なら誰しもやりきれない思いを抱くであろう、ついに警察の捜査が入りましたね、学校に家宅捜索って、よく考えたら異様な光景、守るべき組織が逆の立場になっちゃってる。
親は死の原因を知る権利がある。
なくしてしまったものは帰らないけど、徹底的に調べて、然るべき対処を
、身内びいきの隠蔽体質を打破しなければ、いつまでもイジメが根絶されない。悲しい現実にしてはいけない。
Commented by vitaminminc at 2012-07-20 21:15
❤ビリーママさま❤
罪状は、暴行・恐喝・強要・器物損壊・脅迫・窃盗─の6つ。
場所が学校、対象が同級生というだけで“いじめ”などと幼稚な
言葉で一括りにされることに、違和感を通り越して嫌悪感を覚えます。
こうした犯罪は一回きりでも罪になるのに、日常的に行われていたわけですから、大罪も大罪。吐き気がします。
学校の対応は少年にとっては「敵」に等しく、市教委も存在する意味がわかりません。
罪を認めようとしない加害者たちには、法の裁きをもって自分たちのしたことを心から認識してほしいですよね。

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by vitaminminc | 2012-07-16 18:25 | 子ども | Comments(2)