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リーガル・灰

 仕事がOFFだった昨日。
 ノンシャランに時間を無駄食いして罰があたったのか、ちょっとした手違いが生じました。
 扱いに慎重を要すべき我が机上で、関東ローム層(←書類やら雑誌やら本やらで形成されている)が崩れたのであります。
 それらを整理していたら、厚みのある封筒が顔をのぞかせました。正確にいうと、母の筆文字で表面中央に「お祝」、裏面左下に「¥10000.- 母」と書かれた御祝儀袋が出てまいったのでございます。

 御祝??? 現金にしては、この厚み・・・・諭吉ッつぁんだったら30・・・・いや、ピン札ならば50人はいらっさる???
 中を見たら、全部宝くじ。50枚。ジャンボや全国自治をはじめ、一昨年の夏から12月までに発売された宝くじが、其々10枚ずつ、バラで。くじ専用封筒からは取り出した状態で、きちんとまとめて入っていました。
 平成23年発売・・・・??? ギョギョッ! 当選番号の支払期間は、どれもとうに・・・・過ぎて、います(汗)
直近のもので今年の1月・・・・THE END(マイナス30℃のツララ汗)

 思い出せない。思い出せない。思い出せない。
 母はこれをいつ・・・??? 23年12月に発売されたジャンボが最新のものであることから見て、私の誕生祝いと見るのが妥当です。
 いや~母は毎年娘(←私)の誕生日(←11月)を忘れるんですよぉ。きっと平成23年も、うっかり忘れて、お詫びの印に年末ジャンボを買い足して・・・・いやいや、待てよ???
 この年の夏に発売された宝くじも入っているってことは、忘れたわけではありませんね。誕生月に渡せなかったか、渡せないことを見越しての年末ジャンボ入れ・・・だったのでしょうか。

 「たまには現金より、こういうほうが夢があっていいでしょ?」──母のお茶目な顔がよぎったような気がしますです。私も超超悦んで、受け取ったような気がしますです。

 嗚呼、それなのに、それなのに。母より賜りしお宝を、スコーンと記憶の中枢からこぼしてしまっていたなんて。
 ひ・・・ひどい。ひどすぎる。申し訳なさすぎて、母に確認することもできやしない。

 毎年、当選しているにも関わらず引き換えされないまま無に帰す当選金の額が、巨万にのぼっているという事実。これをニュースで見聞きするたび、あたしゃ鼻で笑っていましたョ。

 「オメデタイ奴らだねぇ。懐に余裕があるから忘れられるんだろうねぇ・・・・だったら買うんじゃねぃ!」

 えぇ、そんなふうに怒りの暴言も吐いていましたです。銭に関しては余裕の余の字もないけれど、記憶力に余裕がない場合も同じ結果を生んでしまうのだという恐るべき現実。身をもって知りました。

 もしかしたら、今頃私は億万長者になって、普通の振りをするのに困っていたかもしれません。
 いいえ。ジャンボは無理でも200円くじで当選、住宅ローンがチャラ。冷蔵庫を買い替えたかも。
 いいえ。1等は無理だったとしても、3等くらいは当たって、高級銘柄の米を主食に迎えたとか。
 いや、最低でも下1桁の当選は当然。最低でも合計1000円分を無駄にしちまったわけで。
 いやいやいやいや、何よりも母の愛を無にしてしまったわけです。
 た・え・が・た・い・ことに!

 ゴミに出すのはしのびなく、かといって家の中に親不孝の証明書あるいは残骸を遺しておくのはあまりに辛い。

 よって、キッチンのシンクの蛇口が届くところに大きなフライパンを置いて、その中で燃やしました。
 とてもきれいな炎があがりました。いくつもあがって、そのたびに心臓がドキドキしました。
 火事になったらシャレにならないので、消火用に、蛇口はシャワーに切り替えておきました。
 宝くじの紙質は、火遊び 小さな焚火に向いているように思われました。
 時間をかけて、少しずつ、少しずつ、引火してゆくのでした。
 億万の夢が、千万の希望が、百万の純情が、柔らかな灰に変わりました。
 そして私はその灰に、涙の代わりに水道水を流し入れて、冬枯れた小さな花壇に撒きました。

 頭の中でBGMが流れました。和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」のメロディーでした。

 ♪ 罰(バチ)を~ 今~~~

   裁くの~ かな~~~ 

   あの金を~~~

   失くすのは~ あしぃ~~た~~~ (って、とっくに失くしてたんだよッ)

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by vitaminminc | 2013-12-12 10:15 | 笑い | Comments(0)