現実的現実逃避

 今年に入ってから、立て続けに万城目学を読んだ。
 といっても、「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」「偉大なる、しゅららぼん」の3冊のみ。

 万城目学はイイ。地に足がついたままの状態で、現実逃避させてくれるから。
 「地に足がついた状態」というのは、もちろん心理的に、という意味。物理的根拠はない。

 なんていうのかな、ニッポンの伝統のようなものをベースに描いてくれるので、安心なのだ。
 手のひらの上で転がしてもらっているような心地よさというか。

 現実逃避するにしても、あまりにも現実とかけ離れたファンタジーに没頭するのはキケンである。
 よく中学生の頃、外国の小説ばかり読んでいたら、母親に「目つきがおかしい」と言われた。

 あれからウンジュウ年。
 さすがにハリー・ポッターを読みふけったところで、心身ともに魔法使いになる危険はなくなった。  

 今でも読んでいる最中だけは、アッチの世界にイッテしまう。
 オトナになったので、戻っては来れる。ただ、現実とのギャップがキツく感じられるようになった。

 なので今の私には、万城目ファンタジーが最良の処方箋。
 地に足をつけた状態で、魂を解き放つための。

 現代ニッポンの、一見フツーの日常の中で繰り広げられる、摩訶不思議を疑似体験。
 ストレス解消に持ってこいである。

 先日、レディース・デー(女性1000円)に休みがとれた私は、単独映画館へと足を運んだ。
 「偉大なる、しゅららぼん」である。

 結構長い作品なので、第一回上映は9:10から。
 8:20頃、まだ通勤ラッシュが尾を引く満員電車に乗り込んだ。

 給料日前でいつになくスッカラカンのくせに、「贅沢な休日だなぁ」とニヤケていた。
 財布の中には、貯金箱の馬の尻の蓋から取り出した500円玉が2枚とSuicaが1枚。

 中学生以下の所持金を手に、通勤電車に揺られている自分。
 どんだけ映画が観たかったのか。贅沢すぎる。

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 映画は期待を裏切ることなく楽しめた。原作が長編なので、端折ってる感は否めないが。
 映画版ならではの遊び心、小出しのギャグも私好みだったし。

 教頭先生の挨拶なんか、なぜ笑っているのが私だけなのか不思議なくらいウケた。
 思いがけず、浜村淳さんまで拝めて、得した気分。

 岡田将生、浜田岳、渡辺大の3人が高一役をやると知った時点でウケていたのに。
 「あれで15とは、とても思えない」・・・・・・・・岡田将生が渡辺大を指して言う心の声?(笑)

 映画をたった一人で観に行ったのって、24前後の、自爆的失恋をした時以来じゃないかな。
 げげ! 何十年ぶりだろう。

 500円玉2枚という現実を握りしめ、満員電車に揺られて、観たくてたまらなかった映画を観賞。
 地に足をつけたまま現実逃避。いや~~~、こんな贅沢、500円玉2枚じゃ買えません、普通。

 

 

 
 
Commented by どんまま at 2014-03-18 00:13 x
万城目さん、大好きです。
京都行った時、四条大橋のたもとで、思わず ホルモ~ と叫んじゃいましたよ。
とっぴんぱらり は、号泣です。
Commented by vitaminminc at 2014-03-18 09:39
イイですよね! 万城目ワールド!
 「鴨川デルタ」と聞いただけで身もだえしてまう(笑)
「とっぴんぱらり~」も早く読みたい! 
でも寝ながら読む私の手首にはちと重すぎ。
それでも電子書籍より紙が好きだから、文庫本になる日を
手首を長~~~くして待っているのであります。
(フツーの姿勢で読めっちゅー話ですな)


早く軽量化されぬものか。
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by vitaminminc | 2014-03-15 10:49 | 趣味 | Comments(2)

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