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野良ニャン事情

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昨年秋から冬にかけて、猫の額ほどのうちの小庭に顔を出していたモフ。黒いロン毛の、推定オス。迫力ある鋭い眼光で、初めて見た時は猫とは思わず「い、今横切った未確認生物は何だったんだ?」とかなりビビった。
何度か見かけるうちに、野性味豊かで魅力的な「猫」であることがわかり、家族間では「モフ」とか「タヌキ」とか好き勝手に呼んでいた。
ただし、サバコに輪をかけ人に馴れることはなかった。

推定オスなので、縄張り争い等、厳しい世界があったのだろう。サバコのように毎日顔を出すでもなく、そのうちモフはさっぱり姿を見せなくなった。どこかで逞しく生きていてほしいなと思っていた。

ところが二日ほど前、仕事から帰ると庭に奇怪な生物がいた。あまりの変わりようにわが目を疑ったが、一目見てモフだとわかった。
モフは重い皮膚病を患っていた。モフは「シャーッ」と私を威嚇すると、どこかに消えてしまった。
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昨日もモフが庭にいた。今度は威嚇しないで、「にゃー」と鳴いた。ものすごく体調が悪いのだと訴えているようだった。あいにく昨日はかかりつけの動物病院が定休日だったので、モフに「明日まで待ってくれ」と説明した。
そして私の言葉を理解していたかのように、私が仕事から戻ると、私の愛車の上でモフが待っていた。激しく身体を掻いている。そして、「にゃーにゃー」という訴えは更に切実になっていた。
動物病院は、昼過ぎから手術を行うため、午後の診療は16時開始である。昼食やら雑用やらを片付けて、病院に出かける時間になった。
モフは相変わらず愛車の上で風に吹かれていた。そして身体を激しく掻いていた。
「お薬もらって来るから、待ってるんだよ」
昨日スマホで撮っておいたモフの悲惨な病状を先生に診てもらい、薬を処方してもらった。
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疥癬であることは明らかなので、エサに混ぜることが可能な服用薬を出してもらった。本当なら、背中に直接塗布する薬と併用するのがベターなのだが、モフはサバコ以上に接近困難。写真を撮るだけでも大変だったのだ。やむを得ず、服用薬のみお願いした。
家に帰ると、モフはちゃんと庭の片隅で待っていた。
「今すぐ用意するからね!」
そう言って家に入り、大急ぎでエサに0.2mlの薬を混ぜて用意した。
ところが、庭に出るとモフの姿はどこにもなかった。3分も待たせていなかったというのに。病院への往復50分を待っていられたのに、どうして?
すると、すぐ近くで発情歌を唄うオス猫の声が聞こえた。のしのしと我が家の横を歩き去っていった。
あとちょっとのところだったのに。モフはそいつから逃れるため、姿をくらましたに違いない。今のモフは身体的に大変弱っているので、逃げるしかなかったのだろう。
薬を投入したエサをなんとしてでも食べさせたい。薬は週に一回、3週間かけて服用するタイプ。一回一回がとても大事なのである。
モフを目前に確認してからエサに混ぜるべきだった。。。戻って来てはいまいか。さっきから何度も庭に出て確認するも、いまだ現れず。
「保護して飼ってやれないのなら放っておけ」という意見も世の中にはある。「それが野良の宿命なのだから」と。が、モフが私に「何とかしてくれ」と訴えている以上、私は病気だけでも治してやりたいと思う。
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by vitaminminc | 2016-04-27 17:56 | 生きもの | Comments(0)