脱線的雅楽鑑賞

「ガラクタじゃないよ、ガラクだよ!」
先週半ばに恥ずかしげもなくムスコに言っちまった、うつけ者の母(私)の言葉。
疑ってかかるほどには成長したらしく、密かにググっていたらしいんですね。
前の晩になってムスコに訂正しました。
「ガラクじゃない、ガガクだった」
と潔く。ムスコが誰かに話したときに恥をかかないように。
するとムスコは努めてさり気なく(だが内心は待ってましたとばかりに)言いました。
「ツイッターで見たんだけど、JASRACってあるじゃん、音楽の著作権協会の」
「?」
「ソコが、雅楽で演奏した曲目について、著作権使用料を申告するように言ってきたことがあったらしくてさ」
「ふむ」
「千年前の音楽には著作権なんかありません、と教えたんだって」
「でしょうね」
「で、メチャクチャ上から目線で言ってきたJASRACの担当者が─(笑)」
「はぁ」
「雅楽のことをずっとガラク、ガラクって言ってたらしいんだよ」
「ヴ・・・」
勉強しろよって、ツイッターで言ってた」
わざわざ他人のツイッターまで引用して母(私)をいたぶるんかい。

ちゃんと予習しましたョ。
開演前に、他人の雅楽体験記ブログで学んだことをピーチクパーチクさえずってたら、一緒に行った友だちが、
「どんだけ暇なんだ」
と呆れ返るほどに。
だから否応なしに、読み方の間違いにも気づいたんであります。
気づかずにガラクと言ってたら、ぎゅうぎゅう詰めの客席ですから、周囲のほぼ全員の失笑を買っていたことでしょう。
顔から火焔放射するところでしたよ。あぶねーあぶねー。

でも「楽」というのは曲者ですね。
「神楽坂」という地名も然り。文字通り読んじゃうと大抵不正解。
「雅楽」にいたっては、我が家の御用達温泉「雅楽の湯」のとおり「うた」とも読むわけで。
素直に、かつ多少ひねって読んでみたら、このザマであります。

21日に、皇居東御苑の楽部で行われた雅楽の演奏会に行って来ました。
友人が、貴重なチケットを入手してくれたのです。
上記の通り、雅楽から何万光年も遠くにいた私。
目の前で鑑賞出来るなんて、本当にいい体験をさせてもらいました。

高尚なる感想は、いろんな人がすでに各々のブログで語り尽くしていらっさいます。
よって私メは、私メなりの感想を。

天井、素敵。
b0080718_10063496.jpg
高舞台後方にある、一対の大きくて立派な「飾り」に目を奪われました。
b0080718_10075660.jpg
開始までの長い時間、気づくとそこにばかり目の焦点がいきました。
舞楽「央宮楽」(ようぐうらく←コレはラクなんだな)で、向かって左側の「飾り」からどぉーん!
同じく「狛桙」(こまぼこ)で、向かって右側の「飾り」からどぉーん!
舞台装飾ではなく、れっきとした楽器(大太鼓)であることがわかりました。

家に帰り、夜も更けてから、(そう言えば)と思い出しました。
「火焔太鼓」という有名な落語を。
雅楽の大太鼓、周りに赤い炎を象った彫刻が施されていたのです。
調べると、火焔太鼓というのは、大太鼓(だだいこ)の異名だそうです。
「火焔太鼓」は、五代目古今亭志ん生の十八番であります。
古道具屋のダメダメ亭主の噺。
ある日、市で汚れた太鼓をつかまされた亭主、かみさんにさんざっぱら嫌味を言われてしまいます。
買ってきちまったものは仕方ないと、定吉にハタキをかけさせると、ホコリが出る出る。
調子に乗った定吉が、ホコリを落とすために太鼓をドンドコ叩いていると、赤井御門守様の家臣がやって来ました。
今しがた駕籠に乗って聞きつけたお殿様が、太鼓の音をたいそう気に入り、ぜひ見たいと仰せとのこと。
ただの薄汚れた太鼓と思いきや、実は「火焔太鼓」という国宝級の品とわかり、三百両でお買い上げとなりました。
日頃尻に敷かれっぱなしの亭主、
「ざまぁ見やがれ」と五十両ずつかみさんに叩きつけ─

ネタバレになるのでオチは伏せつつ、面白い裏話を仕入れました。
本物の火焔太鼓は3mを超える大物です。
とてもじゃないが、持ち運びなんてできるシロモノではない、というクソ真面目な批判もあったようで。
志ん生の長男(先代の馬生)も、そのことを指摘しちゃったところ、志ん生は一喝したそうです。
「だからてめえの噺はダメなんだ!」

この目で本物の火焔太鼓、見て来ました!
雅楽の大太鼓=火焔太鼓なのかはわかりませんが、優に3m以上はありました!
もちろん持ち運べるわきゃないですよ(笑)
それ言っちゃうなんて無粋! 
落語家というより落伍家?

客席に敷き詰められた、細かくて白い珠砂利に、ヒールが思い切り埋もれました。埋も~れ,埋もれ見~よ。

痩せよう。
何度目かの決意をさせてくれた、雅楽鑑賞でありました。








[PR]
Commented by ponkichi0803 at 2018-04-22 12:03
みんこはん
こんなこと書きながら、あなた雅楽から帰った後の昨夜も、私らに、がらく とラインしてきませんでしたっけ?
Commented by vitaminminc at 2018-04-22 12:18
★ぽんきちはん★
さっき自分のblogを読み直したら、正にガラクと書いてて慌てて修正したとこ。重症なんれすけろ。
そのうち「趣味は音らく鑑賞れす」とか言いそう😱
Commented by g-tant at 2018-04-22 20:24
火焔太鼓に行くか〜
あの落語大好きなんだわ、無学でトンチンカンな人間好きだな博識で偉そうな人間より
雅楽に著作権ね〜そのうち鼻歌にも著作権とか言い出しそう
私音痴だから大丈夫!・・・かな
Commented by vitaminminc at 2018-04-23 18:35
★ゼペットおばさま★
あはははは…火焔太鼓に行っちゃいました。
あの落語の恐妻家の亭主と
かかあ天下のかみさんもいいけれど、
能天気で憎めない定吉、好きざんす♪
私も「あれ、誰の曲だっけ、ほら、
ふふ~んふふふ~ん…て曲」
と節をくちずさんで人に聞いたところで、
「まるでわからない。そもそもそれは曲?」
と言われるのが落ちだから大丈夫!(笑)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by vitaminminc | 2018-04-22 10:43 | 人間 | Comments(4)