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名前はまだない

昨夜寝る前、ネットで「猫 捕獲 カゴ」を検索しまくっていた。野良の成猫を捕獲するのは並大抵ではないと思っていた。
でも、そこそこでかい捕獲器を入手したところで、私が生きている間、そうそう使うものではない。
まずは捕獲用のカゴ無しでやってみるしかない。
今朝起きて玄関ドアを見てみたが、ガラスの向こうにモジャ(仮称)の姿がなかった。
心のどこかでほっとしている自分が嫌になる。
朝食の支度をしたり、白玉の世話を焼いたりしているうちに、あっという間に小一時間ほど経っていた。
朝刊を入れようと玄関へ行くと、ガラスの向こうにモジャの猫影が見えた。
(やるしかないか)
私は腹を括り、玄関ドアを開けた。昨夜からキャリーを外に仕込んでおいたのだが、うまくいくだろうか。
キャリーケースの一番奥にカリカリをほんの少し置いて、モジャが食べに身体を入れたところを、ビッグサイズの魚網でグイっと中に押し込む作戦。
まるっきりアカンかった。
モジャは思っている以上にでかく、身体を半分入れただけで奥まで舌が届いてしまう。しかも思っている以上に力があって、魚網など暖簾みたいに押し返された。
この作戦は三度も試すことができたが、三度とも失敗に終わった。モジャの警戒心はダチョウの羽根くらい軽い。
次なる作戦は、単なる思い付き。家の中に大判洗濯ネットを取りに戻り、ついでにうずらをのぞいていかなる猫をもとりこにする「ちゅ~る」を持ってきた。
小皿にちゅ~るを入れ、地面に置く。早速モジャが舐めにかかる。その頭にうまいことネットが被さるようにおろしたのだが、逃げられた。
いい加減警戒して、もう近寄らなくなるかと思いきや、モジャは躊躇するそぶりを見せつつも、何度でもちゅ~るを舐めに来た。恐るべし、ちゅ~るの魔力。
なんと、合計5回もネットを被せようとして、5回目にすぽんとネットの中に頭が入った。
頭さえ押さえれば大丈夫。逃げようとすればするほどネットの奥におさまる形に♬
慎重にファスナーを閉めて、ネットごとモジャをキャリーケースに押し込めた。暴れたり、噛みつこうとしたり、凄く抵抗されるのではと内心ドキドキだったが、おとなしかった。
間違って扉が開いてしまうことがないよう、キャリーの出入り口を玄関ポーチの一番下の段に押し付けるように置いたまま、身支度を整えるためにいったん家の中に入った。朝刊を入れるためだけに庭に出たので、靴下も履いていない。身体が芯まで冷えてしまった。
厚着をして、キャリーを車に積み込むため、持ち上げようとしたら、取っ手がない! そう言えば、置いたはずの位置からズレている気がする。
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数秒後、キャリーケースが天地逆転しているのだと気づいた。
モジャが中で暴れたらしい。
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そーっとゆっくり、天地ご無用の状態に戻した。
車中、一声も鳴かず、おとなしくしていた。
ペットクリニックに着いた。
野良猫を保護したので名前はまだない旨告げた。苗字を受付用紙に記入すると、
「白玉ちゃんたちのおうちですね?」
とにっこり。
私は家で書いてきたメモを提出した。
『ノミ・マダニ駆除,おなかの虫駆除,ワクチン接種,爪切り,避妊or去勢手術相談』
「毛足が長いので、オスかメスかもわからないんです」
「いつ保護されたんですか?」
「今朝です」
助手のお姉さんは「今朝ですか!」と驚いて羨望の眼差しを寄越した。
(そーなんですよ。なんだかんだ言って、今までも捕獲かごナシで捕獲してきた捕獲名人なんですよぉ)
「夏ごろから庭に姿を見せるようになって、寒くなって来てからは毎朝玄関ドアの向こうに待機してまして・・・」

間もなく、診察室にお呼ばれした。
手身近に経緯を説明し、白玉より1,2か月ほど前に生まれたくらいではないかと思うと伝えた。
先生は、モジャを洗濯用のネットから医療用のネットに移し替えた。私が使ったネットは目が細かすぎて中が見えないのに対し、医療用ネットは目が粗く、モジャの様子がわかった。
「このサイズと毛並みからすると、ノルウェージャンフォレストキャット(の血が入っている)かもしれないぞ」
「あるいは、メインクーンですかね」と助手さん。
私は十中八九、モフの子だと思っている。
まずは爪切りからスタート。
「すごい大きな手だ、ほら、この手」
「熊の子みたいですね。性別もわからなくて─」
「男の子でしょう、このサイズで女の子だったら笑うしかない」と先生。
モジャはおとなしく爪切りをさせていた。
次に、駆虫剤の塗布。
ノミ・マダニ類とお腹の虫全般に効く薬とのこと。
「イイ子ですね、おとなしい」と助手さん。
注射の前に体重測定。
「5.8キロ」
「え! 重いとは思ったけど、そんなに大きいんですか! どうしましょう」と焦る私。
注射の時もおとなしかった。
「うん、男の子だね。間違いない。立派なもんだ」
(何が?)
体格からして、去勢手術はいつでも受けられるとのこと。
ただし、5種ワクチンを打ってもらったので、1週間は間を空ける必要あり。
「カルテの名前は、仮で苗字+ホゴちゃんにしておきました。保護された猫ちゃんなので」
と受付の方がにっこり。

ペットクリニックから直接ホームセンターへ。
モジャを入れる大きめのケージ、それにトイレなども必要。
大きめの2段ケージは2万5千円くらいしていた。
(む・・・むりだあぁ・・・でも1万数千円のスリムタイプじゃモジャがおさまらない)
その時突然、神様に後ろ髪を引かれるように、なぜか展示品の裏側に回り込むことに。
(なんでこんな人目につかないように展示してあるの?)
裏側には、アイリスオーヤマの「広告の品」が展示してあった。
2段ケージで、十分な大きさだった。
9800円となっていた。しかし、パーツを追加していけるタイプのものである。上の段は別料金に違いないと思った。
店員さんを捕獲ぃゃ呼びに行って、「この上下段になるとおいくらですか?」と訊いた。
「これは─」
店員さんがもう1人の店員さんに確認して戻って来た。
「こちらは、2段で9800円(税抜)です」
(神様、ありがとうございます♪)
私は心で小躍りしながら、トイレやフード、ケージの2段目に置くベッドもカートに入れた」

家に帰ってケージの組み立て。白玉は、一段目が出来て、システムトイレを入れた途端、中で小をしやがった。
さらに、水を入れた器を入れるや否や、檻の隙間から長い手を差し入れ、ピッチャピッチャと水遊びをしやがった。
ひーこら言いながらようやく組み立て、いったん白玉を脱衣所に閉じ込めてから、モジャのキャリーを居間に入れた。
なだめすかせるようにモジャをキャリーからネットごと引っ張り出し、次にケージの中でネットから引っ張り出した。
おとなしくしていた。うんともすんとも鳴かない。
1回だけ、華麗なジャンプで2段目のベッドの上に立ったが、視界が開けて落ち着かなかったとみえ、すぐに下におりてしまった。
あとはエサも水もトイレにも、ちゅ~るにさえ見向きもせず、トイレの陰に隠れて出て来ない。
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白玉を居間に戻すと、5分くらい毛を逆立ててシャーシャー言っていたが、それにもすぐに飽きて、あとはひたすらモジャにちょっかいを出そうと一生懸命。
モジャはワクチンを接種しているので、安静が必要。白玉がうざいので、落ち着くまでケージの周りをダンボールで半分囲うようにした。
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さて。なんて名付けよう?
名前はまだない。

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蔓吉は、フィギュアたちとすっかり仲良し。



追伸その1:ペットクリニックから帰ったら、庭にモフが来ていた!
片方の眼球がトラブっているように見えた。
(モフ、夏ころはおまえより一回り小さかった息子、今じゃおまえより大きくなったね)
(おまえはうちに居つかなかったけど、息子は居ついちゃったから、うちの子になったよ)
(正直、モフの方が男前だと私は思うよ、息子は私が面倒みるからモフも元気で頑張って)

追伸その2:ブログの記事をアップした後、居間に行ったら白玉は爆睡、モジャは2段目のベッドに居た!(笑)
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by vitaminminc | 2019-12-01 16:48 | | Comments(0)