人気ブログランキング | 話題のタグを見る

オセロをおせーろだと?

またまた人又(母・94チャイ・妖怪)に対する愚痴をば─すみませんぬぇぇ、人間が出来てないもので、えぇ、ワタクシが、ですけど。

デイサービスがないその日の昼食の後、母がワタクシに言いました。前の日にデイサービスで、一番オセロが強い尾瀬(仮称)さん(93歳男性)に勝ったという話です。
勝った当日ではなく、翌朝でもありません。ワタクシが仕事から戻って、遅い昼食をつくり、ふたりで食べ終え「ふぅ」と一息ついた瞬間に、今とばかりに猫撫で声で言ってきたのです。
「これもみん子ちゃんのお陰よ」
(そーれすか、そりはよかったれすね)と思いながらも、母の熱い視線がワタクシに訴えかけています。ワタクシに、オセロの相手をして欲しいと。
疲れているし、眠い。食器を洗ったらすぐにでも2階に引きこもって猫にまみれて眠りたいというのが本音です。
しかし、母はプチ毒親(ワタクシにとっては)です。少量の毒気を吐いて、ワタクシを意のままに操ります。気づけば心にもないことを言わされていました。
「オセロやってあげようか? ただし1ゲームだけ」
ポクッと木魚みたいな音を立てて、母が突然死した場合を想像してしまうのです。あんなに毎日私にオセロの相手をしてほしがっていたのに、忙しいのと面倒くさいのと、教えるだけのオセロなんてこれっぽっちも楽しくないのとで、あまり熱心に相手をしてあげなかったなぁ─なんて物凄く自分を責めてしまいそうで、それが嫌だから心にもないことを言ってしまうのです。超高齢という武器の恐ろしさよ。

母は私がどれほど手を抜いてみても常に劣勢になります。勝ち目がゼロになると、途中でワタクシと母のコマ(黒と白)を交換したり、あるいは母があまりにもひどい手を打った場合は、いちいちコマを戻させて「この場合はソコじゃなくてココ。なぜなら……」と説明します。
その日も、母がどこに置こうかと右手にコマを持ったまま、盤の上空をあちこち浮遊させていました。
「迷い箸みたいで行儀悪い!見ていてイライラするから、それ禁止!」 
「ハイ」
「言ってるそばからやってるじゃない。どこに置けばいいかわからないの?」
「この場合はどこに置けばいいかしら」
で、ココしかなかろうと母の黒コマを置かせて、次にワタクシが白コマを置きました。4個ほど黒コマを白に返しているところで、母が独り言を装って、その実指南役のワタクシに抗議しました。
「まるで白を増やすためにあそこに置かせたみたいね」
カッキーン! 
金属バットでホームランを打ったような快音で、怒りの豪速球が脳内に飛び込んで来ました。つまり、頭にきたわけです。
「わかりました、そう言うなら元に戻そう」
プロ級の試合じゃないのだから、途中のコマ数は気にせんでええ、むしろ気にするなとかねてから何度も言い聞かせているのに、母は相変わらず自分のコマ色が減ることに我慢がならないのです。
「ほら、全部元通りにしたよ!自分の置きたいところに置けばいいでしょ!」
母は左手で口元を覆いニヤニヤ笑っています。
「こっちはね、どうしたらお母さんが勝てるか、それを教えてるんだよ? なのになんで自分が勝ちたいからってお母さんを騙して不利なところにコマを置かせたとか思えちゃうの? ハッ、信じらンない。私が負けるわけないでしょう。それすらわかってないってことだよね?」
気が強い母は、ワタクシが先ほど教えた場所ではなく、別のところに黒コマを置きました。ハイハイ、お好きにど~ぞだ、てやんでぃ。 
もー、腹が仁王立ちしておりましたので、その後は一言もアドバイスなどしてやりません。母に早くコマを置きやがれとテーブルをバンバン叩きながら、最速でゲームを終了させました。
磐上がほぼ【お白州】になった状態を見て、母がさも不思議そうに言いました。
「何だってこんな結果になっちゃったのかしら」
「同じ負けるにしても、さっき私が教えた場所にコマを置いてたら、きっとここまでコテンパンにやられはしなかったでしょーよ」
「どこで間違えたのかしら」
「だーからぁ、私が元に戻した、アソコだよ!」
「あら~、そうなのかしら……」
皆さん、どうか【一過性】のこととして、だだっ広き心でお読みください。そしてワタクシをお許しください。
「本当に可愛くない!人が親切に教えてもいちいち反抗する。素直に聞かないから上達しないんだ!そんなに自信があるなら、もう教える必要ないよね!」
1ゲームやるだけなのに、母が相手だとやたら時間がかかります。私にはストレス以外のなにものでもないのです。
クソババア!と2回叫んでから2階に引き上げました。還暦ババア(←ワタクシ)が口にするワードとも思えませんが、実話です。
因みに母はへらへら笑っておりました。ケッ!
謝るまで二度とオセロの相手はしてあげないつもりです。でも多分、ワタクシの逆鱗にふれたこと自体、今頃はきれいさっぱり忘れているのでしょう。
オセロをおせーろだと?_b0080718_11074280.jpg
オールシーズン簾ってのもアレですが、南の窓辺で日向ぼっこをしているうずぴとくーちゃん

オセロをおせーろだと?_b0080718_20241053.png
因みにワタクシのオセロの腕は、電脳オセロの【専門家】レベルを選ぶとまったく歯が立ちませんが、【難しい】レベルの相手(黒)ならこんな勝ち方も出来ます(←本日の対戦結果)。普段は大抵互角ですけど。
 




Commented by mayu-pc-ai at 2021-02-21 08:34
ドラマにしてくださーい!笑
ドラマにしたら絶対に面白いよー(^^)

みん子さんはオセロが上手なのですね。
教えるのって結構大変だと思います。
お母様のかわいいな♪
親子でオセロする姿も可愛いです。
大切な時間ですね♪
Commented by vitaminminc at 2021-02-21 11:21
★まゆみさま★
実の母子というのは遠慮がない分、それはもう、言いたい放題やりたい放題(母が!)でございます。
一方とっくに我慢の限界を越えてるワタクシでありますから、親を親とも思わず、悪態をつくヒドイ娘だと思われたって屁のカッパなんでございます。だって可愛くないんですもん、母!
(T▽T)ドラマというより…吉本新【悲】喜劇でしょーか?(泣笑)
名前
URL
削除用パスワード
by vitaminminc | 2021-02-20 11:09 | 趣味 | Comments(2)