2006年 09月 12日
老化を走るな!
ランドセルを背負って運動靴を履きながら、息子が階段の方を見て言った。
「ダイジョーブ」と私は答えた。「今日は学園祭の振替で、お休みなんだって」
そして、娘のためにつくったお弁当をいつものように玄関に置くと、にっこり笑って息子を送り出した。
しばらくして起きてきた娘に、私は言った。
「間違えてお弁当つくっちゃった」
「え? マジ?」
「だからお昼はお弁当食べて」
「何なら朝ごはん代わりに食べてもいいけど?」
「いや、朝ごはんは別につくって冷蔵庫に入れてある」
「ひゃぁ~。今日が振替で休みってこと、忘れてた?」
「・・・・」
頭の一部では覚えていたのに、頭の一部では忘れていた。説明するのもめんどくさい。
「とにかく、お昼は、お弁当!」
二人でキッチンを振り返る。保冷剤入りのお弁当袋が、どことなく物悲しい表情をして見えた。
「じゃあママが(仕事から)帰るの待たないで食べちゃってもいい?」
「ハィハィ、お先にどうぞ」
頭の中に、置き去りにされた何モノかと、先を突っ走る何モノかがいる。
老化は走らず、ゆっくりと。
by vitaminminc
| 2006-09-12 15:08
| 人間
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