年金の鍵はどの戸をもあける(※)

 ねんきん特別便。なかなか送られてきそうにない。ちょいとした悪条件を抱える身なので、4月26日、自発的に社会保険庁のHPにアクセスした。引越しなんかがあったので、今年度に入ってようやく。
 そこで「年金記録の照会」に必要なIDとパスワードを取得するための登録を済ませ、待つこと2週間あまり。
b0080718_1422675.jpg 昨日、社会保険庁から黄色い封筒が郵送されてきた。
 見る前から「萎え~~~」のココロに無理矢理はっぱをかけ、本日HPの照会ページにGO!

 あらぁ~❤自覚していなかったけど、やっぱり私、
 箱入り娘だったのね、ぅふ❤だって生まれてこのかた、一度も社会に出て働いたことなんかなかったんですもの~❤ほら、見て見て❤↓↓↓

  厚生年金⇒月数:  期間:

(TwT) 冗談じゃない! 酸いも甘いも辛いも苦いも、ぜ~んぶ舐めたし味わった。

 えぇえぇ、ハナッから期待なんかしてなかったですョ。転職も改姓も一度や二度ではなく、そのうえ現在の姓だって二通りの読みが可能。逆にパーフェクトな記録が残っていたら、コサックダンスを踊ったまま世界一周してやると豪語したい気分でしたとも。
 けどね、こちらは未納月をこしらえないよう、きち~んきちんと納めてきたのだよ。それをそれをそれを、よくもまぁ、一社の記録も残さず「0」とは恐れ入谷の鬼子母神ジンさせて。

 気を取り直して、「年金加入記録(一覧)の詳しい見方について」の中から、
 照会画面に出力された年金以外にも年金に加入していたのですが

 をクリック。チッ、何だぃコレは。何で被害者の我々に↑↑↑こ~んな丁寧語をしゃべらせるのかね。ココは、
 てやんでーバーロー! 照会画面に出た年金だけのわきゃねーだろ、コォら!
 とすべきです。
 次に、パターン別項目の中から「他の年金手帳をお持ちでないとき」を選択。するとこんな案内↓↓↓が・・・。

 お近くの社会保険事務所でお問い合わせください。詳しい職歴が必要になりますので、事業所名、事業所所在地、勤務した期間などのメモをご持参いただきますようお願いします。

 抜け落ちていることへの詫びの言葉が一切ない。それに、歩いて行けるところにあるならともかく、社会保険事務所に行くまでにかかる交通費はどーしてくれる。ココは初めにまず詫び、補足として結びは、
「また、お越の際ハイヤーまたはリムジンを利用された場合は、その領収書もご持参ください。お帰りの分も合わせて2倍お支払いいたします。」とすべきではなかろーか。
 
 本当にメモだけでいいのか? 聞けば、行くと「一日がかり」になるという。何度も足を運べるほど暇ではない。そのへんを確認したくて、黄色い封筒に書かれたねんきんダイヤルに電話したら、こんな↓↓↓自動アナウンスの声。

「ナビダイヤルでおつなぎいたします。この電話は210秒ごとに10円の料金がかかります・・・」

 その後、「電話が混み合っているのでしばらくお待ちください」が延々繰り返されるのみで、一向につながらない。どうせこんなことだろうとは思っていたョと電話を切った。フリーダイヤルにしなさいよ。誰のせいで電話かけてると思ってんのよ。

 とにかく完璧なモノを用意する必要がある。抜けていた(というより記録ゼロの)会社に電話を入れ、自分の記憶に間違いがないか、勤務期間の照会を行った。すでにこの世に存在しない1社のことが心配だったが、年金手帳で確認したところ、そこに勤めていた期間は「国民年金」に加入していたことがわかり、ホッ(潰れる前提で採用されたとしか・・・)。

 社会保険事務所に持ち込む‘メモ’が必要な会社は全部で3社。
 初めにかけた会社は上場企業。私が入社した当時よりさらに巨大化したが、担当部署の態度は丁寧で感じがよかった。快く証明書の発行を申し出てくれた。

 2番目にかけたところは新卒で入社して最も長くいた会社。保険事務所で期間を記入するだけでOKのはずであると、勤務期間のみ教えてくれた。

 3番目にかけた会社もやはり上場企業。ひとりで3つも姓を名乗らねばならず、応対した若い女性社員を混乱させたようで、調べて折り返し電話をくれるとのことだった。
 10分ほど経ってかかってきた電話では、私が在籍した記録が確認できたとのこと。証明書の発行も快諾してくれた。
 そして、ちょっとイイこともあった。担当してくれた女性社員が意外なことを言ってきたのだ。
 「あの・・・Mさんを、ご存じですか?」
 「ハイ」
 「今、隣のデスクにいるんです。よろしかったら、お話しされますか?」
 「ハイ!」

 Mさんというのは、その会社の横浜支社に勤めていた頃の同僚。中途入社だった私とは違い、新卒で入った彼は(私より1つ年下だったが)、すでに入社5年目。中堅の営業マンだった。
 東京下町の生まれで、私の出た高校の姉妹校出身であったことから、共通の話題がもてた。

 しかしなぜ私はその会社に入ったのだろう。コレを語ると、読む人の頭上に暗雲が立ち込めるかもしれない。が、話す本人(私)の頭の上は改姓ぃゃ快晴なのだから、お気楽に読み流して欲しい。
 当時の結婚相手が結婚前からつくっていた多額の借金を返済するためだった。そんなこととは知らない周囲の目に、私は「幸せな新婚さん」に映っていたろうか。
 ある日、遅くまで残業していた私を気遣って、Mさんが声をかけてくれた。
 「早く帰らないとダンナさんが心配するよ」
 後でわかったことなのだが、妻が少しでも残業代を稼ごうと頑張っている時にも、結婚相手は残業だと偽っては借金を重ね、パチンコに明け暮れていたのである。
 皮肉なことに、Mさんはこんな結婚相手と同じ大学の出でもあった。

 結婚生活が破綻し離婚してからも、2ヵ月間東京の実家から横浜まで通った。精神的にしんどかったが、引継マニュアルの作成ほか残務処理をきちんと完了させた努力が買われ、東京本社に異動が決まった。
 横浜での仕事の最終日、Mさんは東京まで私を送ると申し出てくれた。何度も断わったのだが、同郷のよしみだけでなく、まったくの他人とはいえ離婚相手と同じ大学を出ている申し訳なさ?から名誉挽回とばかり、「放っておけないよ」と強く申し出てくれた。
 小分けして少しずつ荷物を持ち帰ってはいたが、送別の挨拶まわりでいただいた花束や贈り物が結構たくさんあった。それでも車に乗せていただくというのは、あまりに図々しい・・・。
 私が躊躇していると、Mさんはキビキビと自分の奥さんに電話を入れた。
 「今からみん子さんを葛飾まで送っていく」
 Mさんの奥さんとは会社のみんなで海釣りに行ったときにご一緒したことがある。可愛くて明るい奥さんで、私も大好きだった。その奥さんに、「安全運転でしっかり送り届けるんだよ!」と言われたんだから、いい加減車に乗ってよと促され、ありがたく助手席に乗せてもらった次第。
 黒の、フェアレディZだった。リスのようなMさんのイメージとは違うように感じていたら、さすが察しのいい青年。
 「この車はね、奥さんの趣味❤」
 幸せそうな笑顔だった。
 Mさんは傷心の私のために、レインボーブリッジを見せてくれた。そしてすっかり痩せてしまっていた私に夕飯もごちそうしてくれた。やさしい青年だった。

 「よく覚えていてくださいましたね」
 受話器に向かってMさんにそう礼を言うと、20年前とちっとも変わらないMさん笑い声がした。
 「覚えてますよォ、さっきお名前聞いて。今ボク東京の方で、まさにこういう(厚生年金などの)管理の仕事をしてるんですよ」

 Mさん。あん時は本当にありがとう。ちょっと涙目になっていたけど、アレは離婚して実家に引き揚げていく悲壮感からではなく、人の情けが目に沁みたんです。

 アホ庁のバカ仕事の尻拭いの副産物は、そっと目を拭った20年前の時間。その日の夕暮れへと続く「どこでもドア」だった。

 ※ことわざ「金の鍵はどの戸をもあける。(A gold key opens every door.)」
        ⇒金(gold)の力で、できぬことはないというたとえ。
 

 
 
 
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Commented by ラク太母 at 2008-05-18 22:42 x
なんとも波乱万丈、怒涛の人生を歩まれたんですね。素敵です。
>お気楽に読み流して欲しい。とあったので、その通りに読み流そうと思ったのですが、読み流してしまうにはあまりにいいお話でした。
にしても、年金。
ホントに「バーロー!!」ですわ。
ワタシは年金特別便がなかなか来ないので、社会保険事務所に確認しに行きましたが、「引っ越したのに古い住所のまま」になってて呆然。転入届けを役所に出したら自動的に社保庁にも通知がいくのでは?鳴り物入りで導入した住基ネットとやらは?


Commented by chin-papa at 2008-05-19 11:56
なかなかの壮絶人生ではないの!ルックルックこんにちはの「おんなのノド自慢」かと思ったよー。
姉ちゃんの懐の深さ、弱きものへの慈愛に満ちた心、そういう優しさは、こういう山越え谷越え育まれたものだったんだね。
素敵なお話ありがとう。

・・・・と、〆たいトコロだが!クソバカ社保庁!ったく何やってんだ!
親方日の丸で、悠々と胡坐をかいてきたこれまでのツケ、なんで善良な市民が全部しわ寄せくらわないとならんのか。問い合わせ先がフリーダイヤルじゃなくて料金がかかるヤツだってところに全て象徴されてる気がするよ。あーバカらしいね。
Commented by vitaminminc at 2008-05-19 18:00
ラク太母さま。住基ネットの導入に、いったいどれだけ我々の血税が投入されたのやら(血圧が上がる。知りとうないわ)。
こんな身近なことにも活用できていないなんて、まさにブタに真珠。
私の台帳だって、どーせ100%古い住所のままに決まってます。
もし万が一、私が足を運ばなくても、住基ネットで連動して、しっかり現在の住所に変わっていたなら、得意の「反復横跳び」で世界一周してやりますョ。(←進まないっちゅうーねん)
Commented by vitaminminc at 2008-05-19 18:20
chin子ちゃん、「おんなのノド自慢」で唄うはやはり、さくらと一郎の「昭和枯れすすき」しかないね! 
でも姉ちゃん負けるのイヤだったから(?)、貧しさや世間に負けてしまう前に、自分を取り戻しに旅に出た。(←別の言い方をすれば‘尻をはしょりにいった’となる)
何処へ? 「役所の戸籍課」に決まってる。
本日かつて勤務した会社から、証明書が届いた。あぁ、なんて仕事が正確で迅速なのかしら。
やぃアホ庁! 仕事っていうのはな、こういうのをいうんだよぉぉぉぉぉお!
Commented by どんまま at 2008-05-20 22:58 x
無能社保庁にとっては、みんこちゃんの遍歴は難易度高すぎでしょう。私もつい遠い目になっちゃうよ。今や雲ひとつない快晴人生だからこそ、どこでもドアを開けられたのね。それにしても、共に通った20数年前の会社の住所、未だに忘れてなかったよ。関係ないけど、、あの会社のトイレから見える隣りのビルの屋上に、実験用の犬たちがたくさん繋がれていたのを、突然思い出しました。
Commented by vitaminminc at 2008-05-20 23:49
どんままさん。高学歴ならいいけど、高遍歴ってどーよ。ふはは。
( ̄口 ̄;)!! それからなんと!どんままさん、トイレの窓から見えたという、それはまことですか!? そういえば誰かもそんなようなことを話していたような・・・。ふぅ・・・いったい何の会社だったのでしょうね。(T.T)
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by vitaminminc | 2008-05-16 15:00 | Comments(6)