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謎の生きもの

謎の生きもの_b0080718_2030487.jpg ムスコが飼っていた、3匹のヤマトヌマエビさん(写真)が不慮の死を遂げ水槽から居なくなってから今日で10日余り。
 連日の猛暑で日中水温が高くなりすぎるのか、水草までもが枯れ始めていた。これではヌマエビを失ったムスコの心を癒すどころではない。
 「残った水草は(金魚の)銀ちゃんの水槽に移して、もうムスコの部屋の水槽は片付けようね」
 えっちらおっちら水槽をかかえて庭に出た私は、外の流しにいったん水槽を置いて一息ついた。
 「念のため」と言って、ムスコが流しに栓をした。
 もう生き残っているものなどいないのに・・・。


 上の写真は、7月26日にヤマトヌマエビのためにアクア・ショップで水草とモスを購入し、水換え(1/2)を行う際、飼育ケースに避難させた様子を撮ったものである。このあと水槽に戻して、3匹が元気でいることは当然確認した。それなのに、なぜか翌日以降まったく姿が見えなくなってしまった。
 流木や太鼓橋、シェルターなど、水槽に入れてある物をすべてどかして探したが、ヌマエビは1匹も見つからなかった。忽然と姿を消したとしかいいようがなかった。水槽には蓋がしてあって、猫のいたずらとは考えられない。
 ムスコは気味悪がって怯え、ホールにある金魚の水槽を何度も見に行った。ムスコの部屋の水槽にいたものが、どうして別の水槽に移動などできようか。水棲生物だから、雲隠れするにしても瞬間移動するにしても、行き先はやはり水の中、とでも思ったのだろうか。
 私は私ですっかりキツネにつままれた気分になった。自覚できないほどボケてしまって、ムスコの水槽からヌマエビを取り出して食べちゃったのかもしれない、と自分を疑ったくらいである。
 
 結論から言うと、階段の隅に落ちていた‘料理用の干し海老’1個は、猫がキッチンで拾って持ち歩いたものではなく、水槽から脱走した1匹だったようだ。水槽の蓋の隅にはエアーの管を通す穴(2cm四方)が開いているので、管を伝ってその穴から出たものと思われる。そして水槽の底に沈殿してゆらゆらと揺れていた物体は‘脱皮の跡’ではなく死骸だったのだろう。
 私たちがより良い環境を願って手を加えたことが、ヤマトヌマエビにとっては完全に凶と出た。
 「ママが水草を足そうか、なんて言わなければよかったね。かわいそうなことをしちゃったね、ごめんね」
 がっかりしているムスコに詫びると、ムスコは妙にやさしい目をして答えた。
 「いいよ。ママは全然悪くないよ」
 水草orモスについていた農薬?あるいは微生物? 水換え? 水温の急上昇?──何が直接の原因かはわからない。でも何らかの理由によってヌマエビの生態系を崩してしまったことは確かだ。いきものがかりとしての自信をすっかりなくした私は、ムスコが寂しそうに水槽を眺めているのを見ても、代わりの生きものに手を出す気力がわかずにいた。

 そんなわけでムスコの水槽の宿主は、枯れかけた水草とモスだけになっていた。


 
 外の流しにムスコが栓をするのを見て、「必要ない」と言いかけたが、黙ってムスコの好きにさせた。私が水槽の水をゆっくりとあけ始めてすぐに、ムスコが「あ!」と叫んだ。
 「ちょっと待って、何かいる」
 2人で流しを覗き込む。体長7mmにも満たないような小さな生きものが、何匹かうねって泳いでいた。
 「何コレ、蚊の幼虫?」
 「やだ、赤虫とは全然違うよ。尾が二股に分かれてるね。もしかしてコレ、エビの赤ちゃん?

 ネットでヌマエビの幼体を調べてみたが、ムスコは疑問視している。見た目はホウネンエビと呼ばれる生きものに最も近い。が、決定的に違うところがある。ホウネンエビはもっぱら「背泳ぎ」をするのだが、ムスコの水槽にいた生きものは、腹を下にして普通に泳ぐ。

 「まぁ何にしても、生きものがいるのっていいことだよね」と私が言うと、ムスコもこの考えには賛成した。

 流しからすくい上げて、再び水槽に戻した小さな生きものは、全部で10匹以上。
 田んぼで採ってきたホウネンエビを飼った経験がある私としては、この手の生きものが非常に短命であることはよく知っている。でも30℃はありそうな水温でも生きていたくらいだ。夏のあいだだけでも元気に生き延びて、ムスコの心を癒してくれることを願う。謎の生きもの_b0080718_2142132.jpg

←これがホウネンエビ

  姿は似ているが、
  泳法がまったく違う。
 
 



 
Commented by chin-papa at 2008-08-05 22:21
ハーイ、姉ちゃん!!
ちょっと最初に言わせてくれ。↓の似てるシリーズに「chin子&チェ・ジウ」がないのは何故?げほげほげほっ。すまんすまん。
ヤマトヌマエビをなんだかんだで長年飼育している夫を持つものとして一言申し上げますと、実際彼らは生育環境が変わることに弱い!うちのも色々水質整えてやってもダメな時は何匹買ってこようとも全然ダメだー。でもね、そのかわりなんかの拍子に「この環境気に入りましたーー」ということになると、もう大変なことに・・・。繁殖繁殖また繁殖。ってもうアンタら田舎のヤンキーかい?ってぐらいの暴れん坊将軍っぷりなんだよ。簡単なのか難しいのかよくわかんない生き物だよね。
あとホウネンエビってば何てカワイイやつなのっ!ちょっとワシこういうのタイプなのよ。で背泳ぎするの?!ぎゃーーー見てみたいーー。
PSそういえば姉ちゃんは今年は伊東へ海水浴へ行かないの?
Commented by vitaminminc at 2008-08-05 23:56
chin子ちゃん。何?珍獣? え?チェ・ジウ?まだそんな幻想を抱いておったんか、可愛いヤツよのぉ。ふぉっふぉっふぉ。
で、行ぐよ、行ぐべさ、伊東。
夏の旅行といったらウチは伊東以外考えられない、
というか金がな伊東というか。
それより↑の謎の生きものなんだけど、よーく見たら尾が三つ又で足が6本なの。
ムスコがエビと考えるには疑問視していた通りの事態になって来たョ(汗)。
6本ていったら姉ちゃんの苦手な「虫さん」の仲間じゃないか。
ムスコが「ヤゴ」だと言うんで今度は「ヤゴ」でネット検索したら、どうも「イトトンボ」のヤゴのさらに前幼体という線が濃厚・・・。
もうイヤン(TwT;)
Commented by みんみん梅桜紫陽花彼岸花 at 2008-08-06 18:23 x
ヌマエビとかホウネンエビとか、ちっちゃくてきれいな水の中でないと、その存在がよーくわからない生き物のようやなあ。我が家の長さ1.5mほどのひょうたん池型の水槽には、ザリガニと金魚が藻や水ゴケなどでこい緑色の水と呼べそうもないどろどろの液体の中で生きております。金魚は赤い口を水面に出してパクパクしているようすや住処として入れてある植木鉢の上にのってハサミを動かしている様子を確かに認めることができた。南向きの庭の日当たりのよい所においてあるものだから、冬の日向ぼっこには最適なのだが、さて、ザリガニや金魚が猛暑をしのぐにはどうよと思ってしまう。けど、きっと彼らは、暑さに対してきっと平気な新種なのかもしれん。この夏、突然、どかんと降る大雨で水温の上下変動はたいへんやのになあ。あのどろどろの液体にかかわりたくない私は、ただただ見守るのみであります。生き物係のお姉さん、いいお知恵を!
Commented by vitaminminc at 2008-08-07 16:19
みん花さま。よくペット・ショップの水槽グッズ・コーナーで、コケやアオコを取り除いて分解してくれる液体バクテリアを見かけます。
私は水槽でしか試したことがないけれど、確かに水換えをした後コレを入れると、かなり長い期間コケの発生が抑えられました。
使用するのとしないのとでは、ずいぶん差が出ましたョ。

それに水温の上昇でアオコが大量発生すると、魚が酸欠で死んでしまいますものね。
ムスコの小学校の池は、これが原因で鯉が全滅しました。
エアレーションを欠かさないのはもちろんのこと、池の上によしずを張って、直射日光を避けてあげるだけでもだいぶ違うと思うのですが・・・。
どろどろの液体にどろどろの死骸が浮かぶ(ぎゃ~!)前に、ぜひとも対策を!
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by vitaminminc | 2008-08-05 22:05 | Comments(4)